2013年10月19日土曜日

アビスパ福岡の再生には

アビスパ危機 経営難 資金5000万円不足 Jリーグ退会も
2013年10月16日(最終更新 2013年10月16日 06時00分)

 サッカーJ2のアビスパ福岡が経営危機に直面していることが15日、明らかになった。スポンサー収入の大幅な減少などで、資金繰りが11月末には滞り、運営資金約5000万円が不足。12月にも社員や選手の給与遅配が起きる事態となっている。Jリーグは福岡に来季のJ1ライセンスを交付したばかりだが、経営改善が見られない場合、同リーグの理事は「クラブライセンスの剥奪も考えなければいけない」と語っており、最悪の場合、Jリーグ退会、下部リーグからの再出発を余儀なくされる。

 ■経営陣見通し甘く
 アビスパがJリーグ退会の危機に陥った。クラブ関係者によると、運営資金約5000万円が不足。資金調達のめどが立たず、12月にも社員や選手の給与の遅配が起きる恐れがある。
 今季は営業収入約9億6000万円で予算を組んだが、9月末現在で約8億2000万円にとどまっているという。スポンサー収入の大幅減などが主な理由で、リーグ関係者からは「見通しが甘かった経営者の責任は大きい」との声も上がっている。
 福岡の資金繰りが苦しくなったのは5月ごろから。数千万円の借り入れをして、運転資金を回してきたが、新たな借入先が見つからないまま11月に約5000万円の資金不足になることが判明したという。

 ■本年度債務超過か
 クラブは小学生を試合に無料招待する目的で「アビスパKidsパートナー」と題して法人1万円(1口)、個人5000円(同)の協賛を募ってきた。大塚唯史社長と下田功専務は、福岡県サッカー協会にこの事業への協力を依頼。同協会は2人の了解を得て、石井幸孝会長と井上辰馬専務理事の名前で13日に「アビスパ福岡が資金面で最大の危機に面しております。11月30日までに5000万円の運転資金が準備できなければ、お金の流れが滞り、最悪の結果を招くことになります」などという内容の文書を同協会所属の約700チームに送った。ただ現段階で協賛金は数百万円しか集まっていないという。
 11月を乗り切った場合も、資金繰りの危機は続く見通しだ。Jリーグのクラブライセンス制度では、2012年度から3期連続赤字もしくは14年度決算で債務超過のクラブはリーグ退会となる。福岡は本年度約1億円以上の赤字となる見通しで債務超過になる可能性が高い。Jリーグの理事は「経営が苦しい現状は把握している」と語った上で、給与遅配が続くなど経営改善が見られない場合、「クラブライセンス剥奪も考えないといけない」と語った。
 ■アビスパ福岡の大塚唯史社長「5000万円はクリアしないといけない壁。経営責任を感じているが、逃げるのではなく、何かをしないといけない。最悪の場合は、Jリーグから借金して、勝ち点マイナス10となることを覚悟している。厳しい事実を知ってもらうことで、パワーに変えるしかない」
 ■井上辰馬・福岡県サッカー協会専務理事「地元が誘致したチーム。何らかの方法で存続させたいと思っている。(協会として)助けたいという気持ちはある」

 ◆アビスパ福岡 1982年、中央防犯ACM藤枝サッカークラブとして静岡県藤枝市で創設。93年に日本フットボールリーグ(旧JFL)1部に昇格。94年に中央防犯FC藤枝ブルックスと改称し、Jリーグ準会員となる。95年に福岡市に移転し、福岡ブルックスと改称。96年にJリーグ昇格。現チーム名となった。2001年に翌02年のJ2降格が決まった後、06年、11年にJ1に復帰したが、ともに1年でJ2に降格した。J1の年間順位で過去最高は00年の12位。ホームタウンは福岡市で、本拠地は同市博多区のレベルファイブスタジアム。

=2013/10/16付 西日本スポーツ=


 そうなるべくしてなってしまった印象だ。
 私はこの前のコラムで批判したのだが、改善のアクションは遅い。

アビスパ 経営改善策示せず 大塚社長「見込み甘かった」涙も…
2013年10月17日(最終更新 2013年10月17日 06時00分)
 ■福岡市で会見
 経営危機が明らかになったJ2アビスパ福岡の大塚唯史社長と下田功専務が16日、福岡市のクラブハウスで記者会見を行った。運営資金約5000万円が不足。12月にも社員や選手の給与遅配が起きる事態となり、Jリーグ関係者からは、経営改善が見られない場合にはクラブライセンス剥奪の可能性もあるという声が出ている。大塚社長は経営が苦しい事実を認めたものの、具体的な経営改善策は示さなかった。Jリーグ側も会見を行い、同社長が選択肢として挙げた同リーグからアビスパへの融資について難色を示した。
 福岡の経営危機を受け、Jリーグは16日、緊急記者会見を開いた。大河正明管理統括本部長兼クラブライセンスマネジャーは「給与遅配などが11月に起きると思っていない」と経営の推移を見守る方針を示したが、同リーグからの融資には難色を示した。
 福岡の大塚社長は、Jリーグから融資を受ける可能性を示唆したが、大河本部長は福岡が地元銀行からの融資を受けられない状況にあることを明かし「Jからの融資は簡単に受けられるという話ではない。地元の金融機関などではなく、Jリーグからしか融資を受けられないのであれば厳しい」と指摘した。
 Jリーグから融資を受ければ、期限内の返済が義務付けられ、選手獲得の費用なども、リーグ側から厳しい制約を受ける可能性がある。また、現在の制度では、クラブが同リーグから融資を受ける場合、融資決定時点の勝ち点から10を減らされる。シーズンでの3勝以上分に相当するだけに、経営、戦力的なマイナス面も大きくなる。
 一方で大河本部長は「(福岡から)11月末時点で残高はあると報告を受けた」とも語った。この日、大塚社長と電話で連絡を取った。「大塚社長は『苦しいことは間違いない』と話していた。土俵際まできているという状況だが、まずは現状の中でやってもらうことが経営責任」。クラブライセンスの剥奪についても「今すぐということではない」と語り、経営改善の努力を求めた。
=2013/10/17付 西日本スポーツ=


 まず、地元の銀行からの融資がないというのは痛い。
 そこで新会社は信用金庫や信用組合から融資を受けるべきだ。大学との共同での選手保有も考えるべきで、Jリーグ3部で15年間自力を蓄えるべきだ。その中でウルトラオブリのようなフーリガンとは決別すべきなのだ。
 当然、無理な補強はしないことだ。選手も放出すべきだ。それぐらいやらないと誰も納得しない。そして大学生を中心にした選手にして、経営再建に取り組んでほしい。アビスパとは何か。若い選手を育成して卒業と同時に売却するというビジネスモデルでやるべきだ。