2013年10月29日火曜日

崩れた金融ビックバン 中部銀行の場合

2012年05月13日



 今回取り上げる銀行は経営破綻した中部銀行である。

 1916年4月 西遠無尽株式会社として、浜松市(現・浜松市中区)に3月22日に資本金15,000円で法人設立。7月22日に無尽免許を取得する。
 1917年 浜松市紺屋町に本店社屋新築。
 1934年1月 帝国産金鉱業㈱設立。1937年に静岡に大仁金山選鉱場を開設(1973年まで操業)したほか北海道の北ノ王金山を買収した。後に中部銀行に資本参加する。
 1946年10月 本店を静岡市(現・静岡市葵区)に移転。帝国産金鉱業がバス事業に参入。
 1952年7月1日 相互銀行に転換、株式会社中部相互銀行に商号変更。
 1989年2月1日 普通銀行に転換、株式会社中部銀行に商号変更。
 1995年6月29日 中部銀行(静岡市)が帝産グループから離脱(石川良並会長が相談役就任、78%保有の株式を金融機関に譲渡)
 2002年3月8日 預金保険法第74条第5項の規定による申出がなされ、破綻。
 2003年3月3日 営業譲渡。
 2003年3月28日 会社解散。
 2004年 親会社だった帝産観光バスが産業再生機構の支援を受ける。後にジェイ・コーチグループに加入。
 2009年2月27日 清算終了。3月9日付で登記簿が閉鎖(法人格抹消)。93年の歴史に幕を下ろす。

 この銀行も案の定バブル経済に踊った。
 そのつけは破綻時に281億円の債務超過となって現れた。破綻後は日本承継銀行を経て、静岡県内の支店は清水銀行と静岡中央銀行に、神奈川県と東京都の支店は東京スター銀行に営業譲渡された。だが、この種の銀行は後を絶たない。
 以前似たシリーズで取り上げたように、バブルの弊害は深刻だ。いや、地方が都会と比べて劣等感を感じているのだから問題だ。劣等感による焦りが無茶な融資につながったのだ。