2013年10月30日水曜日

崩れた金融ビックバン 東京スター銀行の場合

2012年06月23日



 今回は東京スター銀行を取り上げる。
  この銀行の前身は東京相和銀行である。だがこの銀行もごたぶんにもれず猛烈なワンマン経営者によって経営されていた。だから、論壇同友会に怪文書をばら撒かれていた。銀行はリゾート施設や倒産したヤオハンジャパンへの融資に傾斜していたのだ。
 銀行の本来の姿は前に述べたように「貸した金はみんな平等に返していただく…それが、バンカーの仕事ですョ」(『公権力横領捜査官 中坊林太郎』 (C)監修:佐高信、作画:原哲夫、NSP 1998-2000)が基本である。
 銀行は預金者から資金の提供を受ける。その代価としての利息(預けたお金に対する利息の比率を預金金利という)であり、銀行は預金者から預かった資金を借りたいと思っている家計や民間企業に貸し出す。銀行から借りた家計や企業は利息(銀行から借入れる貸出額に対して家計や企業が負担すべき利息の比率を貸出金利)を加えて返済する義務がある。
 そのほかにも公定歩合などさまざまな仕組みで銀行は保護されている。すなわち社会基盤としての存在を重視されているに他ならない(言い換えると公共財である)。それを忘れた経営者を容赦なく退場させる仕組みがなければならないと私は考えている。

この記事へのコメント
小野 哲さんの本質を見抜かれる千里眼にあらためて敬意を抱きました。

銀行などの金融機関の最大の存在意義は“公共性の役割を果たす”ことなんですね…。ところが今の金融機関は、その最大の社会的使命をかなぐり捨て、マネーゲームに没頭している。 金融機関は、経済の血液であるお金を市場に滞りなく流す心臓の役割なんですね。先のリーマンブラザーズのプライムローン(毒りんご)に手を出す…、ことなんか見てますと日本のバンカーの劣化ぶりには、心底呆れ返る他はない。バブル崩壊後の不良債権処理であれほど国民の皆さんの血税を頂き助けてもらったにも関わらずにですよ、まさに“恩を仇で返す”、“飼い犬が主の手を噛む”如くに、貸し渋り・貸し剥がしを何の臆面もなくやってのける。更には、貸し倒れリスクの高い個人には直接融資を回避し、大手サラ金に迂回融資し、高利をむさぼり消費者の多くを多重債務者に陥れる。指定暴力団組織真っ青の悪辣ぶり、いやまだヤクザの方が義理堅い。 まだ言いたいことは、エベレストより高くありますが、今日のところは、この辺りにしときます。
行き過ぎた規制緩和のしっぺ返しが、弱者に襲いかかる…、腹の底から怒りが、こみあげてきます。
Posted by 青い鳥 at 2012年06月23日 16:23

  「崩れた金融ビックバン 東京スター銀行の場合」にコメントを寄せていただきました青い鳥様へ。
 銀行のコメントに関して千里眼以上の指摘に大いに敬意を表明いたします。
 今私はブックオフで購入した「100万人を破滅させた大銀行の犯罪」という、弁護士で「銀行の貸し手責任を問う会」事務局長の椎名麻紗枝氏の著書を読んでいます。また、元検察で弁護士だった田中森一氏の「反転」という著作も読ませてもらいましたが、あのバブルの時代に散々やりたい放題してきた大銀行の破廉恥さに改めて大きな怒りを覚えています。
 次回の選挙では新たに銀行に代わる公共財としての金融機関の育成を目指す政党は誰かも考える必要があります。あなたのエベレストよりも高く言いたい事があると言う意味は私も良く分かります。何しろ「東の富士、西の三和」とか、「闇の世界の貯金箱」の平和相互銀行を吸収合併した住友銀行のスキャンダルを見ていると嫌と言うほど分かります。
 私個人としては、法人税の優遇措置を行なう代わりに公共財としての機能を果たすと同時に株式の上場は認めない共同銀行(仮称)の提案を行ないたいですね(当然給料も中小企業並みに抑制する)。元バンカーとしてその意見に更なる提案をお願いしたいのですがよろしいでしょうか?