2013年10月20日日曜日

地方百貨店を考える~浜松・マルサの場合~




 今回はかつて浜松にあった地方百貨店を取り上げる。
 浜松は松菱(破産)の創業地である。この松菱は津にもあるほか、かつては甲府市にもあった。今は浜松本店は破産しており、ロゴマークはGoogleで検索願いたい。
  ジャスコの前身企業の一つである岡田屋(横浜市にある岡田屋とは別法人)が1968年7月22日に浜松市にあった衣料品を中心にした百貨店・マルサに資本 参加して買収した。浜松市、掛川市、島田市に店舗をもっていて、島田市の店舗だけで見ると、衣料品だけを扱っていたそうだ。
 年商30億円、従業 員340人の企業で、社長の鈴木定一氏は後にはやしや百貨店(後の信州ジャスコ)の取締役にも就任している。そのあと1975年2月にマルサは岡田屋、フ タギ、京阪ジャスコ(旧シロ)が一つになったジャスコと合併している。その当時、流通業は拡大路線を突っ走る状況で、岡田屋は同時に愛知県豊橋市にあった 「浦柴屋」(鈴木武雄社長、年商10億円、従業員120人)も買収している。
 ジャスコ、いやイオングループの歴史は買収(会社更生法によるスポ ンサー就任での買収も含める ヤオハンと橘百貨店、マイカルがいい例)と郊外への移転の歴史といっても過言ではない。浜松市のイオングループの店舗が多い のはヤオハンの影響ばかりじゃない、マルサが根っこにある。マルサはジャスコ設立後、「東海地区本部」における要の店舗であった。
 前回取り上げたいとはんもそうだ、昔単なる衣料品店がいつの間にかGMSやディスカウントストアになっているんだから、創業者が健在なら驚いて戸惑いを隠せないだろう。時代の変化とはいえ、地域に根差した精神までもを投げ捨てる事のないように願いたい。