2013年10月6日日曜日

人を粗末にする奴隷男 石田信之

 今回の書人両断はとんでもない経営者である。
 まずはJ-Castニュースを参照願いたい。

「退職で損害」と訴えられた会社員 逆に会社を訴えて1100万円
2011年11月02日20時31分
提供:J-CASTニュース

ツイッターで判決報告
 退職を申し出ると、会社から「損害賠償請求するぞ」と脅され、退職したら本当に約2000万円の賠償請求訴訟を起こされた会社員がいたことが2011年5月、話題になった。
 その後、会社はこの社員から反訴され、残業代未払いで逆に1100万円余の損害賠償を命じる判決を言い渡されていたことが分かった。

過労死レベルの労働だったと反訴
 元社員男性(34)の代理人をしている塩見卓也弁護士のツイッターによると、京都市内のシステム開発会社は、賠償請求の理由について、「従業員モチベーション低下数値」という数字を挙げていた。
真意は不明だが、男性が辞めて会社に残った社員のモチベーションが下がったということらしい。
 これに対し、男性は、過労死レベルの労働だったにもかかわらず、残業代などが支給されていなかったとして、会社に未払い分など約1600万円の支払いを求め、京都地裁に反訴していた。男性は2001~09年まで会社のSEをしていたが、一定時間を「働いた時間」とみなし、残業代が支払われない裁量労働制を不当に適用されていたというのだ。
 そして、報道などによると、京都地裁の大島真一裁判官は11年10月31日、会社の請求はすべて棄却。会社側は仕事の進め方を男性に委ねる一方で、1日の労働時間を8時間ととみなし、残業代を支給しなかったとし、会社に未払い分1136万円を男性に支払うよう命じる判決を言い渡した。

「退職の自由」の侵害は認められず
 大島裁判官は、男性の仕事には、裁量労働制対象外の営業・プログラミング業務や本人の裁量でないノルマなどがあったと指摘した。男性が手元に持っていた日報などから、07年から時間外手当の未払いが568万円あったと認定。さらに、休日・深夜手当も同額あったとして、付加金の支払いも認めた。
ただ、塩見弁護士はこの日のツイッターで、退職の自由の侵害であるとの主張や、会社の請求自体が濫訴で不法行為だとの主張は退けられたことを明らかにした。
 会社側は、請求がすべて棄却されたことなどをどう考えるのか。
 京都市内のシステム開発会社では、取材に対し、担当者が出張中で連絡もつかないとし、回答は得られなかった。

 この企業がAdDという。
 さらにJ-Castニュースから引用する。

会社がやめさせてくれない!出社やめたら損害賠償請求2000万円
2012/4/27 15:12
   就職戦線の厳しい中、労働者の支援窓口に「会社をやめたくてもやめさせてくれない」という奇妙な相談が増えている。「辞表を拒否された」「損害賠償を払えと脅された」「あきらめて働き続けている」…。多くは20~30代の正社員だ。何が起こっているのか。
   民法627条は「雇用は解約申し入れから2週間で終了する」としている。会社は申し入れを拒否できない。ところが、東京都の相談窓口でこの種の相談が数年で4割増えて昨年は668件になった。NPO法人「労働相談センター」も2年で3倍になったという。実態はこういうことだ。
やっと送られてきた離職票には「懲戒解雇」
★福岡の佐藤さん(仮名)は1か月前、IT企業に退職届を出した。3年前に仕事のミスで会社が損失を出した。以来、その補填に給料の3分の2を天引きされ3年間で600万円。 親から借金して暮らしてきたが限界だった。社長は「退社は認めない」といったが、佐藤さんは2週間後に出社をやめた。
   すると会社は、失業保険の給付手続きに必要な「離職票」を出さない。会社はやめた翌日から10日以内に出す義務がある。それが20日を過ぎても出ない。ようやく離職票が来たが、退職理由が「懲戒解雇」になっていた。再就職に影響する。明らかに嫌がらせ。「頭を下げて戻ってくると思っているんでしょう」と佐藤さん。
★過労で体をこわした栄養士は、給食をつくらないとという義務感でやめられないでいる。代わりがいないのだ。
★20代の女性は辞表をびりびりと破られ、「バカ」といわれた。
★男性。「自己退職は認めない。懲戒解雇にして業界で活動できないようにしてやる」と脅された。
★女性看護師。上司から「やめられると私の管理責任になる」と引き止められた。
★20代の番組制作会社員。「給与カットを認めるよう誓約書を書け。でないとやめさせない」
★30代の男性。上司への恩義と再就職への不安で言い出せずにいる。「追い詰められて逃げ場がない感じ」という。
★30代の男性は8年勤めたIT企業を退職した。課長職で深夜まで働いたが業績が上がらず、過労で倒れた。それでも社長は「退社は認めん」と部屋に缶詰め。鬱状態との診断書をとって出社をやめた。4か月後、訴状が届いた。2000万円の損害賠償請求だった。理由は「課長になった5年前からの売り上げの落ち込みと、ノルマの達成や管理業務を怠った」というもので、仕事をカバーした管理職の給料分まで請求していた。弁護士は「業績の低下は経営の責任。社員に押し付けるのは不当だ」という。京都地裁は会社の請求を退け、逆に未払い賃金1000万円を払えとの判決を出した。来月(2012年5月)控訴審の判決がある(このケースがAdD)。
「退職拒否」目立つIT、不動産、建設業界
   なぜこんなことになるのか。特定社会保険労務士の篠塚祐二さんは「長期化する景気低迷で企業がゆとりを失っている。都合のいい労働者、低賃金で真面目に働く労働者にやめられると損失だから、阻止する。会社の奴隷です」という。
   「労働相談センター」は「いびつな労働関係はリーマンショック以後、広がっている」という。IT、 不動産、建設業界に目立ち、いちばん多いのが損害賠償の脅しだそうだ。日本労働弁護団の宮里邦雄会長は「故意や重大な過失以外で、法的に責任追及はできない。損害賠償で訴えるのは稀だ。訴訟になっても勝ちます。相談には『やめても大丈夫』と言っている」という。また、「懲戒解雇」も撤回できる。「争えば撤回させられる。争う気になるかどうかです」と話す。
   いかに経営が苦しいとはいえ、弱い立場の労働者にしわよせがいくのは本末転倒だろう。宮里氏は「コンプライアンス」といった。社員が「やめたい」と思う会社とは何なのか。日本社会のナベの底をのぞいた思いだ。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2012年4月26日放送「やめさせてくれない~急増する退職トラブル」)

 元社員男性の退職申し出に石田は『そんなん認めへん』とした上で。辞めることを撤回するまで部屋から出られない状態で、缶詰状態にした。この罪は重い。『じゃあ、辞めへんねんな』と言われて『はい』と言うしかなかった状態から完全に強要罪が成立する。
 しかも、うつ病まで発症させたのだ。塩見氏は「売り上げ低下は経営者のリスクとして(経営者が)当然負うべきもののはずなのに、それを単純に普通の対等な関係で『あんたのせいでこれだけ下がったんだ』と。彼が抜けてしまうと、責任をもって仕事できる人間がいなくなってしまうということで、会社としたら『辞められたら困る』という状況だったのかなとは思います」と指摘している。
 経営者として、ここまで人を奴隷にするとは言語道断だ。奴隷という言葉を聴いて、私は魯迅の言葉を思い出した。

 主人である時に一切の他人を奴隷にするものは、主人ができると、必ず奴隷をもって自ら甘んずる。これは天経地義、動かすべからざる真理である。

 石田も奴隷根性に浸っているのだろう、でなければここまで搾取して平然としていないわけがない。

2012-04-30 11:11