2013年10月10日木曜日

キャプテンファーストを体現する愚か者 嘉悦朗

 今回の書人両断は横浜F・マリノス社長の嘉悦である。
 まずはこのニュースを見てもらいたい。

横浜M 木村監督解任 (東京新聞)
12月 31st, 2011
 横浜は30日、木村和司監督(53)と今季限りで契約を解除し、後任にJ1大宮などで指揮を執った経験を持つ樋口靖洋コーチ(50)が昇格すると発表した。 
 嘉悦朗社長は「結果は残っているが、内容に前進や積み上げがなかった」と、木村監督が作ってきたチームに厳しい指摘。その上で「きのうの負けがきっかけではなく、リーグ戦の後半から問題意識を持っていた」と説明した。

 この横浜F・マリノスは一体どうなっているのか。
  選手の若返りと言う口実でクラブの象徴と言うべき松田直樹、山瀬功治、河合竜二、坂田大輔をはじめとする選手たちをばっさり解雇する冷酷さ。その中で嘉悦 は2010年のJ1最終戦後のセレモニーでは「来季、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)出場権を獲得できなければ辞任します」と宣言したのに実行しな いで役員報酬を50%カットした上で続投するという厚顔ぶり。
 「自分の信条から言えば、発した言葉に責任を持ちたいが、スポンサーや株主、行政 の首長さんからも『辞めるのは責任放棄になる』と言われた。だが、けじめはつけないといけない」と説明したらしいが、それを人は無責任と言うのだ。しか も、己のやった解雇劇が結果として松田選手の家庭を崩壊させ、松田選手を死にいたらせしめた。松田選手サイドに家庭崩壊の最大の責任はあるとはいえ、加速 させたと言う意味での嘉悦の罪は重大だ。
 「来季は本当に優勝を狙えるチームに成長させる」と松田選手たちの解雇の後に表明しておきながら実態は 衰退だった。藤田優人選手なんかわずか1年いただけでJ2横浜FCを経て柏レイソルへ移籍したではないか。渡辺千真、長谷川アーリアジャスール両選手なん か共にFC東京へ移籍して大活躍だ(特に長谷川選手は父の母国イランで注目され、イラン代表待望論がささやかれている)し、元韓国代表の金根煥選手は水沼 宏太選手とともにサガン鳥栖へ期限付き移籍してチームの中心として大活躍しているではないか。
 言っている事とやっていることがちぐはぐだから、 チームの不振につながるのは当然だ。その挙句の果てには就任させたばかりの樋口監督の成績が不振だから解雇だと言う話は一体どういうことか。このままでは 金選手も水沼選手も鳥栖に完全移籍することは確実だ。あのハーフナー・マイク選手だって出場機会が恵まれないことをきっかけに不信感を持ちサガン鳥栖で大 ヒットしてヴァンフォーレ甲府に移籍し、日本代表に上り詰めた。以下に選手の見る力がないかを物語るエピソードではないか。
 人を見る目すらもな い嘉悦と、その親分のカルロス・ゴーンは似た者同士なのかもしれない。木村監督の解任劇にある主力選手は「俺たちにも責任がある。勝っていれば交代はな い。毎年のように監督が去る悲しい姿を見るのはつらい。(監督を)呼んできたのは社長でしょ?」と苦言を呈した。
 その主力選手の指摘どおりであ ろう。嘉悦は潔く社長の職を退くべきだ。J2のファジアーノ岡山社長をしている木村正明氏はゴールドマン・サックスでトップエリートだったが故郷の岡山の サッカークラブをプロ化した際に社長に就任し、私財を投じて今でも血のにじむような努力でファジアーノ岡山を強くしようとしている。木村氏の情熱に嘉悦は 負けている。
 
 2012-04-17 23:06