2013年10月30日水曜日

崩れた金融ビックバン T&D保険グループの場合

2012年06月10日
 まずは最初に。オウム残党のアーレフによるヨガ教室を装った信者獲得事件に関しては私は許せないと表明する。信教の自由は日本国憲法で保障はされているものの、社会に対する責任を果たさない限りそれは認められない。たとえばエホバの証人のように反社会的な犯罪を繰り返しているカルト団体などもってのほかだ。
 ましてや旧オウム真理教の流れを汲むアーレフがこのような詐欺を行なうとは破廉恥そのものだ。無論、公安警察も我々も考える必要がある、何故アーレフのようなカルトに人々が引き寄せられるのかを。幸いにして、分派したもう一つの旧オウム真理教の流れを汲むひかりの輪では社会と向き合う努力をしている。その事は我々も認める必要がある。彼らにはくれぐれも、被害者の時効なき苦しみと向き合う努力も欠かさないでもらいたいと願う。

 さて、今回取り上げるのはT&Dホールディングスである。
 この生命保険会社の持ち株会社は太陽生命保険と大同生命保険が経営統合してできた生命保険会社である。元々は三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)系列である。また、東京生命保険に関しては前シリーズでも書いている。



1893年 5月:太陽生命の前身・名古屋生命保険として創設。
1902年7月 - ・護国生命・北海生命・朝日生命(現存の朝日生命保険ではない)の3社が合併し、大同生命保険設立
1908年 7月:名古屋生命保険が太陽生命へ改称
1947年7月 - 大同生命保険が相互会社として再発足
1948年 2月:太陽生命保険相互会社を設立。
1954年5月 - 大同生命と株式会社三和銀行(現・株式会社三菱東京UFJ銀行)と業務提携
1967年 :太陽生命保険は日本相互銀行(後の太陽銀行)、太陽火災海上保険(現日本興和損害保険)と業務提携。
1971年 - 大同生命が開発した業界初の生損保セット商品、業界初の最高保障額1億円を実現。同年4月にAIU株式会社(現・AIU保険会社)と業務提携。
1976年7月 - 大同生命とTKC全国会との業務提携
1999年1月 - 太陽生命保険相互会社と大同生命保険相互会社が全面的な業務提携。同年6月にグループ名を「T&D保険グループ」とする
2000年 4月:太陽生命保険・大同生命保険、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)、東洋信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)、つばさ証券(現・三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、興亜火災海上保険、日本火災海上保険(興亜火災海上保険、日本火災海上保険の2社は合併し、現在は日本興亜損害保険)の7社が共同で日本型プライベートバンク事業「Financial One(フィナンシャルワン)」の展開を開始する。(2001年3月には三菱東京UFJ銀行の前身の一つ東海銀行とミリオンカード・サービス(現・三菱UFJニコス)が参画)
2001年6月26日 - 同年3月23日に経営破たんした東京生命保険相互会社(現・T&Dフィナンシャル生命保険株式会社)のスポンサー支援企業となる。
2001年8月:日本興亜損害保険と損害保険分野で業務提携。
2001年10月17日 東京生命保険は株式会社に組織変更、太陽生命保険・大同生命保険共同で株式を取得
2001年10月 - 大同生命保険のシステム業務をT&D情報システム株式会社へ移管
2001年10月22日 19日に東京生命保険は東京地方裁判所の更生手続終結決定し「ティ・アンド・ディ・フィナンシャル生命保険株式会社」として業務開始
2002年4月 - 大同生命保険が相互会社から株式会社に組織変更。同時に東京証券取引所・大阪証券取引所各第一部市場に上場(後述のT&Dホールディングス設立に伴い、2004年3月で上場廃止)同年7月には大同生命創業100周年を迎え、記念事業を展開。太陽生命保険グループの損害保険会社太陽火災海上保険が日本興亜損害保険に吸収合併される。
2003年4月 - 太陽生命保険が相互会社から株式会社に組織変更
2004年4月1日 - 太陽生命保険・大同生命保険・T&Dフィナンシャル生命保険の3社の株式移転により、株式会社T&Dホールディングス設立。
2006年7月 - 東京都中央区日本橋2-7-9大手町建物日本橋ビル8階から、東京都港区海岸1-2-3 汐留芝離宮ビルディング5~20階に本社移転。24日に登記簿上の商号を「ティ・アンド・ディ・フィナンシャル生命保険株式会社」から「T&Dフィナンシャル生命保険株式会社」に変更。
2007年3月 - グループ会社4社が保有していたT&Dアセットマネジメント株式会社の株式を取得し、子会社化
2009年12月:太陽生命保険子会社の太陽生命キャリアスタッフ株式会社を解散。
2011年4月 - 大同生命はAIU保険会社の代理店業務を開始(同時にAIU保険会社による当社の代理店業務を開始)

 金融ビックバンは誰のためにあったのだろうか。
 その結果は過剰な競争をもたらし、経営破たんの末にメジャー企業ばかりが幅を利かせる結果になった。三菱系列の東京海上、明治安田生命にみずほ系のNKSJなど、大回りは聞くが小回りが利かない企業ばかりだ。しかも、インターネットによるバーチャルサービスは利くのだが現場の声にはまったく対応できていない。
 そのようなあり方は正しいのだろうか。私には疑問を感じざるを得ない。