2013年12月25日水曜日

地域破壊に手を貸した 岡田元也

「還元セール禁止」に流通業界から批判

 来年4月から消費税率を引き上げる際に、増税分の値引きなどをうたった、 いわゆる「消費税還元セール」を禁止することなどを盛り込んだ法案を、 政府が国会に提出したことについて、流通業界からは、セールのしかたは企業努力の範囲内であって、新たな規制を作るべきではないなどと、批判が相次ぎました。
 国会に提出された法案には、いわゆる「消費税還元セール」などと銘打った商法は、 消費者に税金を負担していないと誤解を与えたり、スーパーなどに商品を納入する業者側が増税分を価格転嫁できなくなるおそれがあるなどとして、来年4月から消費税率を引き上げる際には、こうしたセールを禁止することなどが盛り込まれています。
 これについて、流通大手のイオンの岡田元也社長は、11日の記者会見で、「政府が消費税還元セールを禁止するというのは、国民の生活を考えておらず、小売業者を全く信用していない。問題があれば、現在の法律で摘発するなりすればいい」と批判し、セールのしかたは企業努力の範囲内であって、新たな規制を作るべきではないという考えを示しました。
 また、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長も、記者会見で「政府が法律を作ってセールを禁止すること自体が、ちょっと理解できない。 これで先進国なのかと疑問を感じる」と述べ、同じように政府の対応を批判しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130411/k10013856671000.html

 その岡田に問いたい。
 これは一体どう思うのか?

 イオン、「週刊文春」を売り場から撤去 産地偽装米の記事を掲載
The Huffington Post  |  投稿日: 2013年10月10日 12時48分 JST  |  更新: 2013年10月11日 10時25分 JST
http://www.huffingtonpost.jp/2013/10/09/aeon-shukan-bunshun-sanchigisou_n_4074866.html

イオンが、10月7日発売の「週刊文春」を売り場から撤去するよう指示していたことがわかった。
イオンが販売した弁当などに中国産の米などが混入していたことが明らかになったことをうけて、農林水産省が4日、米を卸していた三瀧商事に対して改善指示や勧告を出していた。
    イオンが西日本を中心に販売した弁当に、国産米と偽った中国産米が混入されていた問題で、同社は9日、この日発売の「週刊文春」(10月17日号)を、全国の自社の売り場から撤去したと発表した。
    (朝日新聞デジタル「イオン、週刊文春を撤去 偽装米問題で「誤解与える」」より 2013/10/09 23:40)
今週発売の「週刊文春」では「『中国猛毒米』偽装、イオンの大罪を暴く」と題した記事を掲載。中国産の米を国産と偽って発売していた三瀧商事の実態や実際の検査のほか、やイオンの広報担当者の回答やイオンの仕入れ状況などが特集されている。
イオンは「週刊文春」の記事に対して、HP上で見解を発表している。
    お客さまの食の安全・安心に対する不安をいたずらに助長するような報道、並びに当社に関する誤った報道は断じて容認できないものであり、発行元である株式会社文藝春秋に対して、当該雑誌の販売即時中止と回収、並びに謝罪を求めるとともに、断固たる措置をとってまいります。
    (イオンHP「「週刊文春」(10 月 17 日号)の掲載記事に対する当社の見解と対応について」より 2013/10/09)
「週刊文春」編集部は、イオンが売り場から「週刊文春」を撤去したことを受けて以下のようにコメントした。
    販売中止は読者の知る権利、報道の自由を失わしめ、誠に遺憾です。当該記事は事実です。(週刊文春編集部)
    (週刊文春WEB「イオンの本誌販売中止に対するコメント | お知らせ」より 2013/10/10 11:50)
なお、農林水産省が行った検査では、安全性に問題がある米穀が食用に流通、販売した事実は確認されていないという。

 これは明らかに批判に対する制裁ではないか。
 その私の想いを裏付けるようにイオンは文藝春秋に対して1億6500万円の損害賠償などを求める民事訴訟を起こした。私自身は週刊新潮や週刊文春のような程度の低いパパラッチ雑誌など軽蔑しているし電車のつり広告から撤去してほしいほど怒っているが、イオンのやったことはまずい。
 更に岡田に言いたい。イオンの強引な出店攻勢や買収により、地域経済は深刻な打撃を受けている。選択ではこんな実態が明らかにされている。

りんくうタウン(大阪府泉南市)の「イオン泉南ショッピングセンター出店募集要項」という書類がある。泉南市もまた、イオンの進出で「見るも無残なシャッ ター商店街になった」(地元商工会幹部)街だ。それもそのはず、百六十七もあるテナントのうち、地元からの出店は一軒のみ。しかも厳密には泉南市ではなく 隣接する堺市からの出店だった。前出商工会幹部はこう不満を口にする。
「なにが地域活性化ですか。植樹なんてやってますが、そんな、ちんけな文化事業には私らはもう騙されませんよ」

 募集要項を見て驚くのは、テナント側の負担が異常に大きいことだ。まずは地代だ。地元市会議員が呆れながら話す。
「もともと埋立地で企業が集まらず、イオンは大阪府から坪五百円で借りている。それを物販テナントに坪一万五千円で貸している」

  さらに月に坪当たり一千円の「営業保証費」や、売り上げの一・二%が徴収される「販売促進費」などがある(ただし、金額は物販やサービス、飲食など業態に より異なる)。加えて、レジスターはイオン指定機種を使用することが決められており、売上金はイオン指定の金融機関で一括して預かり、共益費(坪当たり八 千九百円)などを差し引いた上、各テナントへ翌月か翌々月に振り込まれる。また、駐車場負担金が坪当たり二千五百円、出店者協議会費七千円(一カ月)、 ロッカー使用料一扉一千円(同)など、あらゆる名目でテナントから金を巻き上げる仕組みになっている。地元喫茶店主が語る。
「地元の家族だけでやってるような零細な店はとても出店など無理ですわ。最初は地元商店街にもイオンに店が持てるみたいな甘いこと言って、いざ出店となったらとんでもない条件を出してくる」

 そして驚くことに、テナントの負担金はこれだけではない。前掲したものは、あくまで継続的にかかる費用であり、出店の際には「初期費用」が別にかかる。当初、イオンへの出店を検討していた別の飲食業者が話す。
「オープンの販促費だけで五十万円にプラス坪当たり一千円や。これだけでもうあかん」

 この上、共用スペースの内装費が坪五万円、現場管理費が坪一万一千五百円、内装管理費が一区画二十万円と坪当たり三千三百円。さらには、「レジスター工事費」や「消火器設置費用」「電話施設料金」など、テナントの負担は積み重なる。この飲食業者は憤る。
「内装費や駐車場料金は、分からんでもない。でも、なんで消火器に七千五百円もかかって、一般駐車場代の他に従業員駐車場代も取られるんだ。さらに電話一台五万五千円や。営業保証費とか協議会費もわけわからん」
(選択より引用)

 こんな実態を岡田はなんと思うのか。
 結局不動産業ではないか。そのためにどれだけの地域の商店街が破壊されたのか。そのことへの反省が岡田にはない。それで何が「グローバル10」なのだろうか。世界で10位以内の小売業を目指すというが零細業者にとっては要するに10位以内の搾取者を目指すということなのだ。
 それでいいとは私には思えない。