2013年12月27日金曜日

自己中心主義では顧客も見えない 鈴木敏文

セブンイレブンのあらゆる活動は顧客のロイヤリティを高めるためにある。高い収益はその結果にすぎない。

 現代の消費は経営学ではなく、心理学で考えなければならない。

 売り手から買い手へ視点を変えると、違ったデータが見える。マーケティングとは顧客の潜在的ニーズを察知して応えつづけることです。

 我々は売り手の発想で、どれが一番多く売れたかに関心が向きがちです。量で見るのが一番楽だからです。しかし、どんなに量が出た商品でも、それは昨日まで の売れ筋であって、明日の売れ筋ではありません。POSデータを見るときは、売れた時間(期間)と残った在庫の関係から顧客心理を読まねばならない。そこ まで踏み込んではじめて、生きた数字になる。

 モノが余り、消費が飽和した時代には一店一店の質が問われます。それには個別に手を打っていかなければなりません。A店とB店とでは周囲の環境も、顧客の 数も、競合状態も全部異なります。平均値と比べて高いから大丈夫だ、低いから上げなければならないといった発想ではいつまでたっても店は良くなりません。 はじめに平均値ありきではなく、個別に質を高め、結果として全体の平均値が高まっていくという発想が大切なのです。


 こんな言葉を発している鈴木というセブンイレブンの創業者にしてセブン&アイHD会長に、私は厳しい言葉を突き付けねばならない。
 「セブンイレブンの正体」という、週刊金曜日が編集した本がある。その本はセブンイレブンの闇の部分について触れた力作だがセブンイレブンはこの本を流通させないと鈴木は出版の取次の二大大手で副会長を務める「トーハン」で取り扱いをしない、と不当に排除させようとした。凄まじいまでの搾取の実態が暴かれることを恐れたのは明らかだった。その後トーハンは運営会社である株式会社金曜日に謝罪したが、傲慢の実態は明らかだ。批判弾圧の罪として糾弾する。
 二つ目の罪は地域破壊に協力した罪。イオンの買収路線に焦って最近では北海道のダイイチ、近畿の近商ストア(近鉄子会社)、天満屋および子会社の天満屋ストアとの提携でバイイングパワーを強めているがそんなことをやる以前にまずはセブンイレブンへの呆れた搾取の実態を改善しろと言われるのが落ちだろう。セブンイレブンの出店によって防犯上よくなったというが生活のゆがみを支援している側面だってあるのだ。
 三つ目の罪は強欲の罪。 報酬が 4億6191万円の年収なのだが税・社会保険料負担は推計8787万円であり負担率は19・0%にしかすぎないというのだから呆れかえる。そのセブンアンドアイの内部留保は1兆7300億円だ。13万人が働いているがその大半が非正規労働者だ。その希望者全員を正規雇用化すべきなのは明らかだ。それを怠る段階で経営者失格だ。
  本当に何をしているのかと鈴木に言いたい。他人から搾取してそれで何が経営者というのか。セブン&アイ中心主義になっていて、顧客の顔が全く見えていないのが今のセブン&アイではないのか。