2014年1月10日金曜日

鉄道を再生することが地域の再生につながる

 銚子電鉄の経営再建は憂慮すべき事態に陥っている。
 このことを伝えねばならない。

 http://rasu.dojin.com/rasulist/choden/choden_wiki/

 この報道によると、2013年12月20日に銚子市ホームページで公開された竹本体制下の新経営陣による銚子電気鉄道株式会社経営改善計画 (PDFソース) というものは「銚子電鉄の株の過半数を保有する小川文雄氏 (銚電前社長) と銚子電気鉄道労働組合」 による経営への影響力の排除を目的とする銚電乗っ取り計画そのものだった。
 2012年12月に小川氏が社長を退いて早々に、当時の自称市長野平匡邦と、北川財団専務理事で (株)ミヤベル機工の宮内智自称社長(銚子商工会議所自称「会頭」)は、竹本新社長に対して 「自主再建断念と上下分離方式導入を記者会見で発言しないと支援しない、鉄道部門と煎餅部門は新会社化して銀行からの借金は踏み倒せ」 と恐喝した。このことは (ソース:加瀬庫藏議員による平成25年6月14日の市議会発言)によって暴かれている。
 ようするに行政のトップや地元商工業界のトップが、地元の 公共交通機関である銚子電鉄に対して、「計画倒産・偽装倒産により銀行からの借金を踏み倒せ」 との破廉恥極まりない要求をしたわけだ。ホテル・旅館業の経験をもとに、困難 と言われたJRキオスクや高速道路PAへの売込みを成功させ、ぬれ煎餅事業を育ててきた小川氏と協力してきた労働組合を不当に排除するこの計画には断固として反対を表明する。
 もしこれが実行されれば鉄道路線は明らかに廃止に追い込まれる。そこで、私からは以下の提案を行う。

1.株式会社ミヤベル機工の株式を完全に無償消却し、JR東日本・銚子電鉄労働組合・小川氏のほか、千葉交通、地元タクシー会社、千葉銀行、京葉銀行、銚子商工信組にも出資してもらう。
2.銚子電鉄の事業の全てと優良債権をミヤベル機工に譲渡して新生「銚子電鉄」とし、野平と宮内は旧銚子電鉄の債務整理を私財を提供して行うこと。鳥栖フューチャーズ(現J1サガン鳥栖)誘致に奔走した鳥栖市長だった山下英雄氏はフューチャーズ破産の際債務を私財で提供したが、野平と宮内は山下氏以下である。
3.千葉交通と地元タクシー会社にデータを提供してもらい、割引券を共同で販売する。それにより地元密着型の鉄道会社への転換を図る。
4.郵便局などの物流部門も引き受けられるものは引き受ける。
5.JR東日本の蓄電車実験(750V)路線にする。実験車両は現在廃車が進んでいる東京メトロ01系とし、2両編成にする。そのことにより省エネも進むほか、サービス改善にもつながる。実験終了後もそのまま使うことで鉄道路線の維持にもつながる。
6.ATO(自動列車運転装置)を格安で開発する実験路線にする。
7.社長に旅行会社のエイチ・アイ・エス(HIS)出身でしなの鉄道や埼玉高速鉄道を再建させた杉野正氏を招くこと。鉄道の運営部門については国労出身者に協力を受ける事。

 最近の車両の廃車はあまりにもひどい。
 たとえばJR東日本211系はまだまだ使えるのに、省エネに追い付かないという口実で廃車になっている。東急電鉄の場合は8590系や8090系を秩父鉄道に譲渡するなどしている。まあ、JR東日本でもインドネシアに205系を譲渡することになっているが、まだまだ努力が足りない。
 211系は本来ならしなの鉄道に無償で譲渡すべきなのになぜか譲渡したのがそれより高齢の車両なのだから驚きだ。廃車費用をしなの鉄道に押し付けようという傲慢な狙いが見え見えだ。その他にも私は交流向けの蓄電池車両の開発を進めるべきだという考えを持っている。JR東日本と関東鉄道が共同開発する形で開発すれば、環境対策になるのは言うまでもない。
 実験車両については大手私鉄で廃車になった車両を改造して作ればいい。わざわざ新車両を開発する必要はない。
 こうすることによって、鉄道は再生され、地域の貴重な財産として再生されるのである。鉄道を潰すことは地域の資産を潰すことになるのだ。そもそも、欧州では鉄道は地域の財産としてとらえられ赤字になることは仕方がないという考え方なのだ。私は赤字になる事には賛同できないが、地域の資産としての鉄道の在り方には賛成する。
 故に、今回の提案を取りまとめさせていただいた。