2014年3月3日月曜日

死人であっても罪は免れない 武藤信一

 

丸井今井旭川店 早期閉店に不満噴出 「急だ」「イメージ悪化」 (2009/05/13)

【旭川】丸井今井が旭川店を七月二十日に閉店するのを決めたのを受け、同社幹部が十二日午後、旭川市役所を訪ね、西川将人市長に閉店日の決定を伝え営業 が長引くほど赤字が増える状況にあることを説明した。西川市長は雇用や取引業者への対策、閉店後の商業施設としての一日も早い再生などをあらためて要請し た。

 取材に対して西川市長は「非常に残念だ。閉店までの準備期間が短く心配だが、再生に向け、経済界とともに丸井側と随時、意見交換や協議を続けたい」と述べた。

 一方、閉店後の店舗活用が決まらないまま丸井今井側が早期の閉店を決めたことに対し、地元経済界からは不満が噴出。旭川平和通商店街振興組合の鳥居幸広 理事長は「七月二十日は想像以上に急だ。オール旭川として閉店時期の延長を要請していたが、受け入れられず残念。当面は空き店舗になることは避けられない のではないか。買物公園のイメージ悪化につながりかねない」と懸念する。
北海道新聞社

 さて、なぜそうなったのか。
 北海道を代表していた百貨店だった丸井今井が伊勢丹の支援を受けて民事再生法を申請して旭川店を強引に閉鎖したからだ。その丸井今井がある札幌には三越がある。つまり、三越伊勢丹はライバルを買収に意欲を示し建設的な経営再建の提案を行った高島屋潰しにメインバンクを悪用して強引に乗っ取った。
 その三越伊勢丹を生み出した武藤の罪は地域破壊だけでは済まされない。
 ビジネス上のモラルの罪を厳しく指摘したい。三越がイオンと提携して出店していた名取市、武蔵村山市の店舗をあっさり閉鎖させたが、その際に三越はイオンに対して莫大な違約金を支払う必用があったが、それを踏み倒した。これは完全にビジネスマナー違反ではないか。そもそも、三越の店づくりにも大きな問題があったが、踏み倒す行為で解決しようとはいったい何なのか。
  その体質が大阪三越伊勢丹(JR西日本伊勢丹)の2012年4~12月決算期で94億円の債務超過に表れているのではないか。武蔵村山市と名取市は7億円の赤字だったというが、 それよりひどいとは経営者の判断ミスだ。武藤が死んでもその罪は免れない。

 百貨店はいずれ、イオンやセブン&アイのような流通大手の傘下に入るのは避けられないだろう。それも仕方がない。武藤のような勘違いした男による妄想経営者が改革を先延ばした結果なのだから。