2014年3月12日水曜日

大きいことがいい事なのか-H2Oリテイリングとイズミヤの経営統合に思う-

<H2O経営統合>環境厳しく、イズミヤの背中押す

毎日新聞 2014年1月31日(金)21時27分配信

 阪急阪神百貨店を傘下に置くエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングと中堅スーパーのイズミヤが31日、経営統合を発表した。関西に地盤を持つ両社が互いの得意分野を持ち寄って競争を勝ち抜く狙いがあるが、特にスーパー業界では原材料の高騰や過当競争で経営環境が厳しく、単独での生き残りを目指していたイズミヤの背中を押した面がある。
 「我々にない価格帯の幅や商品構成をカバーでき、まさに相乗効果が見込める相手だ」。31日の記者会見で、H2Oの椙岡俊一会長兼CEO(最高経営責任者)は、イズミヤとの経営統合のメリットを力説した。
 2011年以降、JR大阪駅周辺はJR大阪三越伊勢丹の新規出店や大丸梅田店の大幅増床が相次ぎ、「大阪百貨店戦争」と評されてきた。H2Oの稼ぎ頭で、12年11月に増床開業した阪急百貨店梅田本店は、関西の百貨店売上高で圧倒的にトップを走る。だが、競争は激しく、当初目標に掲げた13年度目標売上高(2130億円)を2度下方修正している。こうした状況を背景に、H2Oは成熟感のある百貨店にとどまらず、外食チェーンなど他業種の買収を進め、グループ全体で売上高拡大を目指す方針を進めてきた。
 一方のイズミヤは、全国に圧倒的な店舗数を持つイオンとセブン&アイ・ホールディングスの“2強時代”と言われる流通業界の中で、単独で生き残る戦略を探ってきた。だが、少子高齢化や多業種のコンビニ、ドラッグストアの進出もあり、競争は激化する一方。昨夏からH2Oとの経営統合に向けた話し合いを進めてきた。
 H2Oが展開する高級スーパー「阪急オアシス」とイズミヤの出店地域は重なっておらず、今回の経営統合について、イズミヤの林紀男会長は「対等の精神の統合」と強調する。イズミヤ関係者は「阪急オアシスとイズミヤでは出店地域と顧客層が異なり、統合による相乗効果が期待できる関西での発展では理想的な組み合わせだ。食品メーカーとの調達交渉でも、有利な立場に立てるのではないか」と期待する。【古屋敷尚子】

 大きくなることは単純にいいことなのだろうか。
 イズミヤは伊藤忠商事と関係が深く、この経営統合はユニーやイズミ(広島地盤)にとっては痛手である。おそらくなんだかの経営統合に動く可能性はある。だが、イオンを見ればわかるように、イオンが出店することで400人の雇用が生まれる反面、商店街で1000人の雇用が失われるといわれる現実をどう思うのか。
 ユニーやイズミは恐らくセブン&アイに接近すると思われる。だが、何度も言わねばならないが大きくなることで、地元商店街が潰されるようでは意味はない。また、梅田における阪急・阪神の独占状況は独占禁止法に抵触する恐れがある。阪神百貨店を閉店してイオンに売却すべきではないのか。
 競争はある程度あるべきだが、独占はいけない。それは民主社会ではないのである。