2014年9月4日木曜日

司法取引はこのままでは機能不健全になる

【社会】

可視化対象3% 司法取引導入 冤罪懸念残し法制化へ

 捜査と公判の見直しに向けた法制審議会の「新時代の刑事司法制度特別部会」が九日開かれ、刑事司法改革の最終案を全会一致で決めた。法制化されれ ば捜査当局が試行している取り調べの録音・録画(可視化)が義務化されるが、対象は全起訴事件の約3%にとどまるなど、新たな冤罪(えんざい)を生む懸念を残したまま三年の議論を終えた。 
 今秋の法制審総会で正式決定し、「法相」に答申する。法務省は、来年の通常国会に刑事訴訟法などの改正案を提出する方針。
 録音・録画を義務化する対象は、殺人や放火など裁判員裁判対象事件と、検察の独自捜査事件だけ。一部の委員から、対象外の事件も努力義務を課すべきだとの意見が出たが、採用されなかった。
 録音・録画の義務化とともに、司法取引の導入が大きな柱として盛り込まれた。検察官が容疑者らに起訴しないなどの見返りを与えて他人の犯罪を供述 させる「協議・合意制度」と、刑事責任を追及しないと約束して他人の裁判で証言させる「刑事免責制度」の二種類で、いずれも経済事件や銃器・薬物事件が対象。
 薬物事件など四種類の犯罪に限られている通信傍受は、殺人、詐欺、窃盗など九種類を追加した。これまで必要だった通信事業者の立ち会いは不要とした。
 裁判員裁判対象事件などでは、検察官が保有する証拠の一覧表を、被告側に交付することになった。一家四人殺害事件で死刑が確定した袴田巌(いわお)さん(78)の再審開始決定を受け、冤罪被害者団体などが再審請求審で証拠開示制度の必要性を訴えたが、最終案には盛り込まれなかった。


 残念だが私は現時点での司法取引制度の導入に反対する。
 まず、やるべきは公権力の不適切な運用を厳しく規制する「公権力濫用監視査察機構」の2014年12月からの立ち上げと公安調査庁・公安警察の解体だ。さらに過去にさかのぼり冤罪犯罪で不当な判決を垂れ流した犯罪者どもの責任追及の場所を2014年10月までに立ち上げる事である。
 ここまで厳しく指摘するのには理由がある。植草一秀氏の痴漢冤罪事件である。「初犯」は被害者とされた女子高生が勘違いと認め、植草氏ときちんと和解した。さらに「再犯」は神奈川県警の公安警察がでっち上げた痴漢であることは明らかで植草氏は決定的な無罪の証拠を出している。それなのに関わらず最低裁は警察のでっち上げ証拠をうのみに不当有罪を押し付けたのである。
 更には公権力を違法な手段で奪い取った政治家を厳しく取り締まる必要がある。
 更に人権意識を最低限国連人権委員会の指摘し改善を命じた項目の即刻改善を行わないといけない。当然そこには以下の条項は含まれる。

2014年7月27日 国連の自由権規約委員会「最終見解」で「日本政府」に命じられた以下の改善項目(以前から指摘された項目も含める)

1.代用監獄(警察の留置場)の使用の即時停止
 弁護士の立ち合いを即時命じている。
 その他にも精神疾患当事者への待遇改善などを見解では命じている。

2.死刑の即時停止
 事実上廃止を強く命じられたということである。

3.福島第一原発で非難されている方々への卑劣な強制帰還政策への批判

4.従軍慰安婦に関する「日本政府」の不誠実な態度
 日本の歴史教科書に不当に書かれていない実態を厳しく批判、即時対応を命じた。
 その他被害者への誠意ある謝罪と関係者への処罰を命じている。

5.技能実習生制度の改善
 人身売買の観点から即時改善を命じられた。

6.権力者保護法の即時廃止の命令
 これは同時に「児童ポルノの単純保有禁止」の完全撤廃を意味する。

7.憎悪扇動表現の禁止

8.公安警察による違法な盗聴の禁止
 緒方靖夫氏の自宅へ公安警察が盗聴していたが、共産党幹部ということを口実にした明らかな国によるハラスメントである。私には旧ソ連の秘密警察を連想させぞっとした。

 これらをすべて満たさない限り、司法取引の導入なら明らかに冤罪がはびこる。
 それでいいのだろうか。犯罪者が高笑いするだけだ。このままでは怨み屋などのダークビジネスがはびこるのは明らかだ。このダークビジネスを根絶やしにするには公権力の腐敗を正さないと意味はないのである。