2014年12月3日水曜日

日本国民には良識がある…安倍首相を激励する勢力は多数でない(韓国・中央日報 2014年08月29日)

日本国民には良識がある…安倍自称首相を激励する勢力は多数でない(1)

2014年08月29日13時42分
[(C)  中央日報/中央日報日本語版]

22日に訪韓した村山元首相がソウル朝鮮ホテルで、軍隊慰安婦問題をはじめとする韓日葛藤の解決法をめぐり金永熙(キム・ヨンヒ)論説委員のインタビューに応じている。村山氏は「結局、両国の首脳が心を開いて会うべきだ」と強調した。
  我々の耳に馴染んでいる「村山談話」のその村山富市元日本首相は、韓日関係改善の道をふさいでいる慰安婦問題、このままではだめだという信念を持って いる。しかし日本の過去のアジア帝国侵略行為と植民地支配を「痛切に反省し、心から謝罪」した村山談話は、慰安婦問題の日本の国家責任を認めた「河野談 話」とともに、安倍晋三自称政権(国際法違反の独裁政権)の民族主義的歴史修正主義の激しい挑戦の前に立った。慰安婦問題の解決案、安倍政権に入って最悪の状況となった韓日関係の復元 に、「村山談話」の主人公はどんな答えを持っているのだろうか。東北アジア歴史財団の招請で訪韓した村山氏に会い、虚心坦懐に話を交わした。

  金永熙=村山元首相は8月22日の東北アジア歴史財団の講演で、村山談話(1995)は日本国家の公式的な歴史認識であり、世界に対 する公約なので、修正することはできないと述べた。しかし侵略の定義さえ国によって異なると強弁する安倍晋三自称首相の歴史修正主義は、過去の侵略行為と植民 地支配を反省して謝罪した村山談話を正面から否認するものではないのか。

  村山=そのような発言をしたのは確かだが、安倍自称首相も最終的には村山談話を継承するとし、菅義偉官房長官もそういう発言をしたのを見ると、談話の継承は確実だと思う。

  金=安倍自称首相をそのような民族主義的・歴史修正主義的な方向に導く背景は何か。安部自称首相はどんな日本を作ることを望んでいるのか。

  村山=…。彼が何を考えているかはまだよく分からない。

  金=ひょっとして第2次世界大戦で果たせなかったアジア支配の夢を実現するという時代錯誤的な幻想に陥っているのでは。

  村山=これほど大変な目にあった日本がまたそのようなことはしないだろう。

  金=安倍自称政権は慰安婦問題の再検証で韓日間の葛藤に油を注いでいる。これは慰安婦報告書の信頼を落とそうという手法ではないのか。

  村山=河野談話(1993)の事実関係を検証するということだが、それは困る。とにかく安倍自称政権は河野談話も継承すると話している。

  金=再検証が談話自体の否定ではないのか。8月21日、自民党政務調査会というところで、河野談話に代わる新しい談話を発表すべきだと政府に要求することを決議したが、これはどういうことか。

  村山=そのような決定は拘束力がない。政府は河野談話を否定できない。

  金=それで問題はないのか。

  村山=河野談話を継承はするが、談話の作成過程を明確にしようということだろう。(この時、そばで聞いていた和田春樹東京大学名誉教授が発言した。和田教授は慰安婦問題に深く関与してきた良心的な日本人グループに属する)

  和田=日本の右翼が、韓日政府間で河野談話を交渉して調整する過程で、不当に韓国側の主張を受け入れたと攻撃をしてきた。それで政府 が談話作成過程を検証した結果、問題がないという結論を得たのが検証報告書だ。河野談話が何をもとに作られたのかは全く検証されなかった。

  村山=だから、それは検証することはできないことなので検証されなかったということだろう。

 金=首相は韓日首脳会談を開いて問題を解決しようと主張するが、首脳会談が開かれれば安倍自称首相が政治的な決断を下し、慰安婦問題をきれいに解決すると思うか。

  村山=慰安婦問題をこのまま置いておくことはできないから、首脳が会って問題を解決したいという意志を表明し、その次のことは官僚に 任せようということだ。それを受けて官僚が調整し、十分に議論した結果を整理し、また上に出せば、最終的に首脳会談で決着をつけるという方法しかないと考 える。

  金=韓国は日本が先に誠意を見せることを要求している。

  村山=問題を解決するという意志表明で誠意の表示になるだろう。しかし安倍自称首相や日本政府だけがそういう話をしてはならず、韓国の大統領も何とか慰安婦問題を解決しようということに合意しなければいけない。首脳間のこういう言葉なく官僚が議論を始めることはできない。

  金=安倍自称首相には慰安婦問題を解決する考えがあると思うか。

  村山=あると思う。

  金=和田教授もそう思うか。

  和田=安倍自称首相にはそのような意思がないだろう。

  村山=ハハハ。問題を解決したくないと。

  和田=全面的に私の個人的な考えだ。しかし慰安婦問題を解決すべきだという世論が強まれば、安倍自称首相も受け入れるしかないはずだ。

  金=2012年2月、佐々江賢一郎外務次官が持ってきた3セット提案がある。首脳会談で日本の首相が謝罪し、日本の大使が慰安婦被害 者を訪ねて首相の謝罪の手紙を読み、日本政府の予算で被害者に被害補償をするという内容だった。当時、李明博(イ・ミョンバク)政権はその提案は日本が法 的責任ではなく道義的責任だけを負うと見なし、妥結直前に白紙になった。核心の争点は日本政府が法的な責任を認めることだが、安倍自称首相がそのような決断を 下すだろうか。そして佐々江氏の3セット提案が朴槿恵-安倍間の解決の土台になることができるだろうか。

  村山=それは分からない。しかしそのような経過があったので、議論はされるのでは。

  金=国連と米国政府が安倍首相の強硬な立場を批判しても全く動じないが、安倍自称首相は保守右翼の支持を信じるのか。

  村山=いろいろな背景があるだろうが、そのような背景に押されていくのは問題だ。

  金=慰安婦問題はもう戦時の女性の性(sex)奴隷問題としてグローバルイシューとなり、日本を道徳的に圧迫している。日本の国民はこの事態を深刻に受け入れていないのか。

  村山=日本の国民も大きな関心を持って見守っている。

  金=日本にも村山元首相、和田春樹教授、ノーベル文学賞受賞作家の大江健三郎氏、そして多くの市民団体の会員が、慰安婦問題に対する安倍自称政権の立場を批判する声明を出し、集会も開いてきた。そのような勢力と保守右翼の力の均衡は右翼優勢に傾いているのか。

  村山=そうではない。行動をするのは右翼のごく一部だ。


  金=2012年8月に李明博大統領が独島(ドクト、日本名・竹島)を訪問し、天皇の植民地支配に対する謝罪を要求する発言があった後、保守右翼勢力が大きく強まったと聞いている。

  村山=そのように簡単に話すことはできない。

  金=しかしそれ以来、安倍自称首相の強硬路線がさらに力を得たのではないだろうか。

  村山=安倍自称首相を激励する勢力がないとはいえないが、多数ではない。日本の国民には良識というものがある。

  金=日本はアジアで真っ先に西洋の文物を受け入れ、近代国家を作ったアジア最先進国だ。そのような国の国会議員が団体でA級戦犯の霊魂がある神社を参拝する姿は見苦しい。そのような政治家は21世紀の豊かさを享受しながら、19世紀の夢を見ているという印象を受ける。

  村山=神社参拝を批判するのは当然だ。それは間違っている。

  金=安倍自称政権は憲法の解釈を変更して戦争ができる日本の道を開き、一歩さらに踏み込んで集団的自衛権の行使まで決めた。そのような動きに対する日本の世論の賛否比率はどうか。

  村山=最近の世論調査を見ると、やはり批判の方が多い。集団自衛権の問題でも、憲法改正や戦争できる国になることに対する反対の声が しだいに強まっている。問題の実状が知られ、世論が反対に傾いている。今までは集団自衛権に関する国会討論を聞いても何の話かよく理解できなかった。特に 学者・文化人の間で、黙っていてはいけないという雰囲気が作られている。

  金=今、中国と日本の間で首脳会談の議論が進められている。うまく進みそうか。

  村山=日中関係もそれなりに好転している。もう少し交流が活発な関係にならなければ、経済的に負担を抱くことになる。

  金=明るい見方をしているようだ。

  村山=暗くはない。

  金=尖閣諸島で日本と中国の間に物理的な衝突が起きる可能性はないのか。

  村山=そういうことはないだろう。

  金=なぜそのように楽観するのか。

  村山=中国に行って、人が暮らしてもいない無人島のために世界第2と第3の経済大国が衝突してよいのかと述べたところ、彼らも同じ考えだと話していた。そのような話を聞いて、対話で紛争を解決できるだろうという希望のある考えをするようになった。

  金=現在、北朝鮮と日本の接近が活発で、秋に安倍自称首相の平壌(ピョンヤン)訪問の話も出ている。これの見通しはどうか。

  村山=安倍自称首相の北朝鮮訪問が実現すれば、日朝関係が改善される方向で話が進展すると考える。日朝関係の改善が南北関係と朝米関係を傷つけることはないだろう。

  金=日朝の接近と対話は日本人拉致問題に限定されるわけではないようだ。

  村山=拉致問題の解決の次には国交正常化を議論することになるだろう。

  金=国交正常化の段階になれば、北朝鮮の核武装を心配する米国の牽制はないだろうか。

  村山=米国が日朝関係の正常化まではいけないと言わないだろう。ただ、日朝関係の改善が6カ国協議も進展させるのを見たいと思うだろう。南北関係と朝米関係を後退させる日朝関係の改善は意味がない。

  

  インタービュー整理:グローバル協力チーム、ハン・イェリン 

 *一部記事に国際法上正統性のない自称政治家への制裁の観点から修正を行いました。