2014年12月6日土曜日

選挙にいこう、あきらめるな

<衆議院選>共産党・志位和夫委員長の第一声【全文書き起こし】

  The Page  [2014/12/02]
第47回衆議院選挙(14日投開票)が2日に公示された。各党党首が各地で第一声を上げ、12日間にわたる選挙戦の火ぶたが切って落とされた。

 共産党の志位和夫委員長は東京都の新宿駅で第一声を上げた。

■全文書き起こし

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志位:皆さん、おはようございます。ご紹介いただきました、日本共産党の志位和夫でございます。日本の未来が懸かった歴史的総選挙が始まりました。私たち は政党を選ぶ比例代表選挙で日本共産党と書いていただく方を広げに広げ、全国で650万票以上を獲得し、必ず躍進を果たす決意であります。小選挙区でも全 国295の選挙区で勝利のために全力を挙げて頑張り抜きます。日本共産党への絶大なご支持を心からお願いいたします。

 皆さん、この2年間の安倍自称政権の政治はどうでしょうか。自称首相はこの道しかないと言っていますが、この道は危ないと思っている方が多いのではないでしょう か。安倍自称政権の2年間はあらゆる分野で国民の民意に背く暴走の2年間でした。しかし、審判のときがやってきました。主権者である国民が安倍自称政権に暴走ス トップの審判を下し、政治を変える絶好のチャンスがやってまいりました。この総選挙で日本共産党は安倍自称政権と正面から対決し、どんな問題でも国民の立場に 立った、抜本的対案を示し、国民との共同で政治を前に動かす、対決、対案、共同の姿勢を貫いて躍進を目指します。皆さん、日本共産党の躍進で安倍自称政権の暴走をストップ、そして国民の声が生きる新しい政治をご一緒につくろうではありませんか。

 私たちは日本の政治の5つの転換を訴えてこの総選挙を戦います。第1の転換は消費税10%への増税を中止し、消費税に頼らない別の道に切り替えて財源を つくることです。昨日の日本記者クラブの党首討論会で私は自称首相に問いただしました。今の景気悪化は何よりも消費税8%を強行した結果であり、増税不況で す。私が1月の国家質問で、こんな経済情勢の下で増税を強行すれば、深刻な不況の引き金を引くと警告し、中止を求めました。しかし安倍自称首相は、経済対策を 合わせて実行すれば大丈夫だと答弁しました。しかし現実は私の警告のとおりになったではありませんか。私の言うことを聞いてれば良かったですね。
 私はそのことを指摘して、自称首相に増税強行は誤りだったと素直に認めたらどうですか。昨日、ただしましたが、自称首相からはひと言も反省の言葉はありま せんでした。それならば審判を下そうじゃありませんか。3党合意で増税を推進した自民党、公明党、民主党に厳しい審判を下そうではありませんか。安倍自称首相 は1年半の先送りをしたあとは、景気がどうなろうと10%への増税を絶対に実施すると断言しました。今度の総選挙では消費税10%への増税を実施させてい いのか、このことが問われます。ここが争点です。皆さん、消費税は所得の少ない人に重くのしかかり、消費を直接冷やす最悪の景気破壊税ではないでしょう か。

 1997年の5%への増税は大不況の引き金を引きました。今年の8%の増税も、景気悪化の引き金を引きました。これを三たび、繰り返すつもりか。消費税 10%は先送り実施でなく、きっぱり中止を、この声を突きつけようではありませんか。日本共産党は消費税に頼らない別の道、財源提案を発表いたしました。 富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革などで新に20兆円の財源をつくります。加えて大企業の内部留保を活用して、国民の所得を増やす、経済改革で 10年後には20兆円の税収は増えてまいります。この2つを合わせて実行するならば、消費税に頼らなくても社会保障を充実し、財政再建を図ることは可能で す。ですから皆さん、安心して今度の選挙では増税中止の声を挙げようじゃありませんか。増税中止の1票はこぞって日本共産党にお寄せください。お願いいた します。
 第2の転換は格差拡大のアベノミクス、ストップ、暮らし第一で経済を立て直す、政治への転換です。首相は大企業をもうけさせれば、いずれは国民の 暮らしに回るということを党首討論で繰り返しました。私は反論しました。そんな考え方が謝りだということは事実が証明しているではありませんか。アベノミ クスで大資産家と大企業には大変なもうけが転がり込んでいます。ところが、庶民の暮らしはどうでしょうか。首相は賃金が上がったと自慢しています。うそを 言ってはいけません。働く人の実質賃金は15カ月連続でマイナスじゃありませんか。自称首相は雇用が増えたと自慢しています。しかし、増えたのは非正規雇用だ け。正社員は2年間で22万人減ってるじゃありませんか。自称首相はこの道しかないと連呼しています。しかし、私は言いたい。この道には先がない。大企業応援 から国民の暮らし第一に経済政策の転換こそ必要ではないでしょうか。

 日本共産党は総選挙にあたって3つの提案をいたします。1つは、人間らしく働ける雇用のルールを作ろうということです。皆さん、労働者派遣法の改悪は中止し、非正規から正社員への流れを作る抜本体制を、力を合わせて実行しようじゃありませんか。残業代ゼロの制度、とんでもありません。長時間過密労働を是 正し、日本から過労死をなくしていこうではありませんか。中小企業支援と一体に最低賃金を時給1,000円以上に大幅に引き上げさせようじゃありません か。そして皆さん、若者を使いつぶすブラック企業を日本からなくしていこうじゃありませんか。
 2つ目は皆さん、社会保障切り捨てから充実への転換です。年金の連続削減、許すわけにいきません。低すぎる年金の底上げを図るために力を尽くして まいります。国の責任で高すぎる医療費、国民健康保険料の軽減を進めるよう、ことを強く求めてまいります。特別養護老人ホームの待機者、保育園の待機児 童、待てません。国の責任でゼロにするための施策を採らせようではありませんか。

 3つ目に農業を壊し、国民皆保険を壊し、食の安全を壊し、日本を丸ごとアメリカに売り渡す、TPP交渉から即時撤退することを強く求めます。緊急の米価 暴落対策を行うとともに安心して農業が続けられる、価格保証と所得補償で日本の農業を再生しようじゃありませんか。国の中小企業予算を3倍の1兆円に増や し、日本経済の根幹にふさわしい支援の強化を図ろうではありませんか。皆さん、大企業応援から国民の暮らし第一へと経済政策の軸足を移し、日本経済を立て 直しましょう。企業団体献金、びた一文受け取らない共産党でこそ、この仕事ができます。どうぞよろしくお願いいたします。

 第3の転換は、海外で戦争する国づくりを許さず、憲法9条の精神にのっとった外交戦略で平和と安定を築くということです。集団的自衛権行使の現実の危険 がどこにあるか。国会論戦を通じて、2001年のアフガニスタン報復戦争、2003年のイラク侵略戦争のような戦争をアメリカが引き起こした際に、自衛隊 が従来の戦闘地域まで行って、軍事活動を行うことになる。このことを自称首相は認めました。攻撃されたら、武器の使用をすることになる。このことも自称首相は認めました。この間の党首討論でも、私はこの点を繰り返し追求しましたが、安倍首相は反論不能に陥りました。論争の決着はつきました。集団的自衛権(集団暴行権)行使とは、 日本の国を守ることでも、国民の命を守ることでもありません。アフガン、イラク戦争のような戦争で米軍と自衛隊が肩を並べて戦争をする。海外で戦争する国 づくりこそ正体だということは今や明瞭となったのではないでしょうか。
 皆さん、今ならまだ間に合います。集団的自衛権行使容認の閣議決定は強行されましたが、それを具体化する法改悪は来年に持ち越されました。この総 選挙での審判で暴走を止めようじゃありませんか。共産党への1票で暴走を止めようじゃありませんか。日本を殺し、殺される国に作り替える憲法違反の閣議決 定は撤回せよ。国民の目、耳、口を防ぎ、戦争に動員する秘密保護法は廃止せよ。この願いを日本共産党への1票に託してください。よろしくお願いいたしま す。

 極東アジアの平和と安定をどう築くか。もっぱら軍事に頼るんではなくて、憲法9条の精神にのっとった平和の外交戦略こそ必要です。日本共産党は極東アジ ア平和協力構想を提唱し、その実現のために内外で行動してまいりました。ASEANの国々が作っている東南アジア友好協力条約のような、紛争を話し合いで 解決する平和の枠組みを北東アジアにも作ろう。これが日本共産党の提案であります。平和憲法を守ろう。この願いを党を作って92年、一筋に反戦平和を貫い てきた日本共産党への1票に託してください。よろしくお願いいたします。

 第4の転換は原発再稼働ストップ。原発ゼロの日本への転換です。自民党は総選挙政策で原発は重要なベースロード電源とし、再稼働を進めることを宣言しま した。しかし皆さん、福島では今なお12万人を超える県民の方々が避難生活を余儀なくされ、事故の収束も原因究明もできていないじゃありませんか。あたか も事故などなかったかのように原発推進にしがみつき、再稼働を進めるなど、断じて許すわけにはいきません。再稼働ストップの審判を下そうじゃありません か。
 皆さん、今日本で動いている原発は1つもありません。稼働原発ゼロになって1年2カ月です。再稼働反対の世論と運動が原発にしがみつく勢力を追い 詰めています。この力に自信を持とうじゃありませんか。この間、国民も企業も省エネの努力をして電力消費を減らしてきました。その省エネ努力は原発13基分になると言われています。日本社会は原発ゼロでも立派にやっていけることが証明されたのではないでしょうか。日本共産党を伸ばしていただいて、原発ゼロの日本、再生可能エネルギーへの大転換の道をご一緒に開こうではありませんか。

 第5の転換は、沖縄の新基地建設を中止し、基地のない平和で豊かな沖縄をつくることであります。11月の沖縄県知事選挙で新基地建設反対を訴えた翁長雄志さんが圧勝しました。沖縄の未来を切り開く、沖縄県民の歴史的勝利です。ところが、安倍自称政権はなおも辺野古移設を粛々と進めることに変わりはないと言い 放っています。県民がどんな審判を下そうとそれに関係なく新基地建設を進める。これで民主主義の国と言えるでしょうか。問われているのは日本という国の民主主義だということを私は訴えたいと思っております。

 今度の選挙で沖縄では、4つの小選挙区全てで県知事選挙の共同の枠組みを大切にし、新基地建設反対の1点で保守と革新の垣根を越えた共闘がつくられ、選 挙が戦われています。4選挙区全てで必ず勝利したい。県民を裏切った自民党を1人残らず落としたい。皆さん、この沖縄の戦いに連帯し、全国で新基地建設許すなの審判を下そうじゃありませんか。世界一危険な普天間基地は、アメリカに持って帰ってもらおうじゃありませんか。
 皆さん、日本の政治の5つの転換ということを訴えてまいりましたが、どの問題でも安倍政権の暴走に正面から対決しているのが日本共産党です。一連 の党首討論会を通じても、自民党対共産党、自共対決こそ今度の選挙の対決軸だということがはっきりと浮かび上がったのではないでしょうか。選挙になって、 にわかに身を切る改革なるものを唱えている政党があります。私は党首討論会で次のように述べました。身を切る改革と言うが、11月28日に発表された政治 資金収支報告書を見て、驚いた。自民党の本部収入の6割、民主党の本部収入の8割、維新の会の本部収入の7割は政党助成金ではないか。国民の税金にどっぷり漬かりながら国民に増税を押しつける。こんなばかな政治はありません。

 政治の不当な特権をただすと言うのなら、年間320億円の政党助成金こそ廃止すべきです。そう言いましたらみんな目をそらしまして、反論はありませんで した。今、言われている身を切る改革論なるものは、議員定数を減らすから国民は黙って消費税増税を受け入れろという、とんでもない増税を押しつけるんで す。しかも、議員定数削減、特に比例定数削減は国民の民意を反映する唯一の部分を削ることになります。身を切ると言いますが、切られるのは国民の暮らしで あり、国民の民意ではないでしょうか。

 同志社大学の浜矩子教授は「しんぶん赤旗」のインタビューで野党と言っても自民党野党支部のような野党ではなく、ほんまもんの野党に頑張ってもらいたい。エールを送ってくださいました。自民党野党支部のような野党では政治を変えられません。日本共産党の躍進こそ、安倍自称政権の暴走に一番の痛打を与えるこ とになり、日本の政治を変える一番確かな力になるのではないでしょうか。
 皆さん、日本共産党が伸びれば日本の政治は必ず変わります。昨年の参議院選挙での日本共産党の躍進は、政治を動かす大きな力となって働いておりま す。日本共産党は参議院で獲得した議案提案権を行使し、ブラック企業規制法案を提出いたしました。法案提出は厚生労働省を動かし、4,000を超える事業 所に是正指導を行わせるなど、重要な成果につながりました。秘密法廃止を求める国民の願いに応えて、秘密保護法廃止法案を提出し、この悪法廃止の一歩を踏み出しました。どうか皆さん、参議院選挙に続き、総選挙で日本共産党さらに大きく躍進させてください。

 ご一緒に力を合わせ、国民の声が生きる新しい政治をつくろうじゃありませんか。男性も女性、お年寄りも子供さんも、国民みんなが未来に希望を持って生き られる新しい日本をつくろうではありませんか。首都・東京での戦いが大変大切です。東京で勝てば全国で必ず躍進します。昨年の都議選での日本共産党の躍進 は参議院選挙の躍進につながりました。どうか皆さん、今度の総選挙、首都・東京で比例で3議席、必ず獲得させてください。よろしくお願いいたします。小選挙区でも必ず首都から議席から獲得しようじゃありませんか。このことを最後にお訴えし、私も全国駆け巡って躍進の先頭に立つ決意を申し上げて、この場をお 借りしての第一声といたします。ありがとうございました。頑張ります。


 はっきり言おう。
 選挙民はあきらめてはいけない。この2年間の安倍自称政権の悪事三昧は、志位氏の指摘通り、取り返しのつかない悪夢と恐怖のどん底に日本を落としせしめた。今、安倍自称政権やその亜流勢力に一切票を入れて引けない。
 保守派ははっきり言ってこの数年間、すさまじいまでに劣化してしまった。事実から目をそらし、オベンチャラで媚びた結果、日本はすさまじいまでに劣化した。私は今回、絶対に自民党やその亜流勢力には一票を投じないと明言する。
 国連の規約である国際法をことごとく無視し、独裁政治を繰り返す。こんなあほなことを許していいのだろうか。保守派も今回は厳しいお灸を自民党やその亜流政党に据えるべきだ。共産党だからいやだと言っていられる場合ではない。
 政策で判断し、こびない政治に回帰してもらいたい。