2015年4月19日日曜日

現代社会の孤立化を象徴する歪み

 私はある町の市民カウンセリング(というより、おしゃべりサロンなのだが)に二週間に一回の頻度で訪問している。
  その中で、18日に話した内容を手短に話そうと思う。これは、具体的に厳しいネット、さらには現代人への批判になると思う。
 最近の人たちを見てくると、努力するということを何だか忘れているような気がする。何でもかんでもネットから手に入れられる時代なのである。だから、努力することのありがたみや喜びなんてもちろん、達成感なんてない。学歴だってネットの高校なんだからカンニングすれば手に入るようなもんだ。 疑われるような思いもあるのだ。そんなものだから、達成感なんて感じたことはないのではないか。

 パーリ語で書かれたある原始仏典から
 「10歳人間の時代」
 僅か10歳にならない人間に子供ができる時代が来るであろう。
 そしてこれらの男達と共に娘達は5歳で子供を産める体になるであろう。
 そしてこれらの10歳人間と共に互いの間の激しい悪意、激しい憎悪、激しい敵対、皆殺しへの激しい欲望が支配的になるであろう。


 この言葉を紹介したのは哲学者の久野収氏だった。
 その言葉は残念なことに、今やネットどころか現実社会に恐ろしいまでにはびこっている。こんなことを紹介しなければならないことが心より悲しい。

“顔踏みつけ”鳥栖DFキム選手への「韓国が悪い」批判、GK林彰洋選手が苦言「本当に必要なこと?」
2015年4月7日(火) 17時26分
rbbtoday

 3日に行われたJ1・サガン鳥栖-鹿島アントラーズの一戦で、鹿島MF・金崎夢生選手が鳥栖の韓国代表DFキム・ミンヒョク選手に倒されたラフプレーについて、鳥栖GKの林彰洋選手が7日、ブログで言及。自身の見解を示した。
 金崎選手とキム選手の接触ではキム選手にイエローカードが提示されたが、倒れた金崎選手の顔をキム選手が意図的に踏みつけたような映像が残されていたことから、キム選手の処分が物議をかもしている。
 林選手はこの接触シーンについて「実際にテレビの方でも見ましたが、まずあの反則については不必要な行為であった事は間違いないと思います。そこを擁護するわけではありません」と、キム選手のラフプレーを批判。しかし、「ただ僕は思ったのは彼が韓国人の選手だからといって、『韓国が悪い』や、彼の根本を否定する発言まで見受けられるように思います」と、出身国を理由にした別のバッシングが起きていることに、「それは本当に必要なことなのでしょうか?」と疑問を投げかけた。
 そして林選手は「もちろん。こういうプレーは2度と見たくないです。そしてこういったコメントも見たくないと思ったのが僕の感想です」と私見を述べた。

 林選手の問題提起は、本来なら起きてはいけないことなのである。
 そもそも、人種差別はあってはならない。言い訳をするつもりはないがキム選手のやったことは決していただけない。これは鳥栖のサポーターとしてもはっきりあってはならないと明言する。だが、彼が韓国人だからという理由だけで誹謗中傷されることはそれ以上に許されない行為なのである。これを人種差別と指摘して何と言うべきなのか。
 誹謗中傷する連中を見てくると、私は「ネットの奴隷」に成り下がっているとしか思えないのである。さらに問題なのは、こういったことはちょっと冷静に考えればおかしな話だと分かるのに、平然とヘイトをやらかすわけだから救いようがない。

 そんなものだから、単行本初版で袋とじと称して堂々と性交を載せる「ドメスティックな彼女」のようなひどい作品が「週刊少年マガジン」で堂々とまかり通る。
 ちょっと冷静に考えてみれば、18歳禁止の内容なのは明らかなのに、堂々とやってのける。しかも悪質なことに少年誌なのだから、おかしな話だ。読者が高齢者層になっているからといってもそんなことはまかり通るはずがない。孤独な関係になっていて、ネットを何のために使うのかという確たる方向性がないのが今の人たちなのではないか。
 だから、ネットをやることが単に目的化されているのにしか過ぎない。LINEだって、私は大学時代の友人との連絡を中心に使っている。そのことによって、お互いにかかっていた通信費は大幅削減したのだが、今の人たちはそういうはっきりした目的が見えないまま、空気のまま欲望のままふるまう。
 だから、ヘイトに対しても悪いという自覚が薄いのであろう。だが、その行為が、結果としてリアルに重大な影響をもたらしていることを私は何度も指摘し警告してきたが、残念なことにそのことに対する改善すべき動きが見られない。 「ドメスティックな彼女」では背伸びして大人になりたいという目先の欲望を満たさんとして、性交に走っただけではないか。そして、孤立したまま不健全な主導権の奪い合い。その結果生み出された不健全な人間関係。それは、言い換えてしまえば相互飼育の関係でもあり、孤独ゆえに生まれた不健全なものなのである。
 ならば、何度でも言わねばならない。

 その行為に対する責任が取れるのだろうか。
 その行為に対する結果を受け入れる覚悟はあるのだろうか。

 そういったことをきちんと考えず、あまりにも言葉を軽く見ている大人が増えた。単なる言葉遊びの延長線でブログやツイッターをやっているとしか思えない。「できちゃった婚」の失敗はそういったことが背景にあるのは明快だ。
 そんなことでいいのだろうか。
 はしたないといえる大人はあなたの周りにいるのだろうか。


 JAL、ANAについてですが、今後一切使わないことをここで表明いたします。
 理由はJALが解雇する必要もないのにもかかわらずものをきちんという労働組合弾圧のために不当解雇犯罪を犯したこと、ANAは独占禁止法違反を堂々とやっていることです。今回報道されたANAによるスカイマークへの違法な出資犯罪はまさに独占禁止法に明白に抵触します。このことに対してなぜメディアは厳しく追求しないのでしょうか。
 ましてや日本の航空会社に真の意味での格安航空会社はありません。みんなほとんどがJALかANAの系列なのは明らかで、官製市場と言わざるをえない実態です。国内線を使うのなら、新幹線を使いましょう。