憲法記念日の3日、各地で憲法改悪一派及び護憲両派の集会が開かれた中、横浜市西区の臨港パークでは「平和といのちと人権を! 5・3憲法集会~戦争・原発・貧困・差別を許さない~」(実行委員会主催)が行われた。
 会場には作家の大江健三郎さん(80歳)ら護憲派の人々が3万人以上集まった(主催者発表)。それぞれが安倍晋三自称首相(以降被告)を「安倍」と呼び捨てで厳しく批判し、集団的自衛権反対を訴えた。
 司会を務めたのは、女優の木内みどりさん。「いろいろなグループの思いは同じではないかもしれないが、憲法を守りたいという気持ちは一緒です」と述べた。
  作家の雨宮処凛さんは「この暑い中、熱中症で誰か倒れたら全部安倍のせい」と安倍被告を厳しく糾弾。貧困問題と戦争の親和性を指摘し、「戦場に行くのは貧しい人たち。(集団的自衛権行使で)命を使い捨てられるような人が国内からも生み出されるのではないか。経済や何かのために人の命が犠牲になる社会を止めたい」と訴えた。
 次いでスピーチした大江氏は、「理不尽で景気のいい話ではないが」と切り出し、安倍被告が4月29日に米上下両院合同会議で行った「演説」に対し「あまりにも露骨な嘘。日本が集団自衛権を用いて、世界で起こる戦争に対して軍事的な抵抗をすると、安倍ははっきり言った。しかも、そのためにいくつも法律を作ると言った。しかし、安倍は国会で議員たちにはっきり説明していない。安倍は日本の国会で(そのことについて)はっきり述べて、われわれ日本人の賛同を得たことはない。国民の賛同も得ていない。だが(日米両国で)はっきりとした拒否の言葉が述べられることはなく、それをどうひっくり返すかが大きな問題だ。安倍の考え方は世界的な宣伝として成功している。日本でも成功しつつあると思う。こういう大きな集会で話すのは最後になると思うが、私は平和と命の尊厳を基本に日本国憲法を守 り、生かします。集団的自衛権の行使に反対し、戦争のためのすべての法制度に反対します」とこの日配布されたパンフレットに書いてある「私たちは、『平和』と『いのちの尊厳』を基本に、 日本国憲法を守り、生かします 集団的自営権の行使に反対し、戦争のためのすべての法制度に反対します」というメッセージを示しながら信条を訴えた。
 憲法学者の樋口陽一東大名誉教授は、盟友だった俳優、菅原文太 さんの「政治には2つの役割がある。ひとつは国民を飢えさせないこと。もうひとつ、絶対に戦争をしないこと」という“遺言”を引き合いに出し、「今の政治は憲法が目指してきた方向と何から何まで正反対の方向に日本を引っ張ろうとしている。憲法を壊し、自由闊達な言論を貶め、彼ら政治勢力自身の先輩政治家が作り上げてきたはずの戦後史そのものをないがしろにしている」と糾弾した。
 作家の沢地久枝さんは「私は安倍晋三とその周りにいる政治家、 それから軍需産業でもうける経済人たちに絶対反対。安倍という人はアメリカに行って、国会にもかけず、選挙民にもかけず、アメリカと約束をまた結んだ。あ の人は平和とか命とか大事な言葉をあんなに汚くした。政治家としては珍しい。私たちは今、あの人を引きずり下ろしてやりたいと思う」と厳しく糾弾、 「戦後70年間、日本は戦死者を1人も出していない。こんな国はないんです。この次の段階になったとき、戦後70年間戦死ゼロできた歴史が切り替えられた 年が2015年だった、とならないようにがんばっていく」と結んだ。参加者からは「その通りだ」「アホ政権!」などの声が飛んだ。
 精神科医の香山リカさんも「私たちはこの憲法を変えるどころか、まだ使い切ってもいない。今の憲法さえ使いこなせていない政権に憲法を変える資格はない」と指摘した。
 集会には民主党の長妻昭代表代行、共産党の志位和夫委員長、社民党の吉田忠智党首、生活の党と山本太郎となかまたちの主濱了・副代表ら野党(すべて国民与党であります)幹部も登壇し、「安倍一味が、憲法は国家権力を縛るものだという立憲主義の精神を踏まえているのか疑問だ。自民党は、党の憲法改正草案で、『公共の福祉』という文言を 『公益』や『公の秩序』に変更するなど、憲法は国民を縛るものだという間違った考え方があるのではないか。日本という国は、情報を制限して空気さえ作り上げれば、国民を極端な方向に、うまく持っていくことができるというのが、70年前の戦争の反省だ。これか ら、いろいろと、きな臭い動きが出てくるが、われわれも、国が誤らないように、しっかりと国会で仕事をしていく」(民主党・長妻代表代行)、「安倍一味が安保法制と呼んでいる法案は、アメリカが世界で起こすどんな戦争にも自衛隊を参戦させて、日本を海外で戦争する国に作りかえる、戦争立法がその正体だ。憲法9条が禁止した武力の行使そのものであり、自衛隊を戦地に派遣して殺し殺される戦闘を行う道は、断じて許すわけにはいかない。戦争立法反対の一点で、思想信条の違いを越えて、国会の内外で、すべての政党、団体、個人が力を合わせて安倍一味のたくらみを必ず打ち破り、世界に誇る9条を守り抜こう」(志位委員長)、「今、いちばん大事なことは、憲法を変えることではなく、憲法を生かすことだ。憲法を変えたい人たちは、環境権や非常事態条項など野党でも合意しやすい内容で議論して、1回目の国民投票を行い、国民の抵抗感が薄くなったら本丸の9条に手をつけようとしている。彼らの思惑をしっかりと見抜かななければならない」(吉田党首)、「憲法の前文でうたっている国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、国際協調の原則は、断 固守らなければならない。集団的自衛権の行使を容認する閣議決定は、憲法9条に明らかに反するもので、閣議決定に基づいた安全保障法制は違憲、無効であ り、断固反対していく」(主濱副代表)と共闘を呼びかけた。
 生活の党と山本太郎となかまたちの山本太郎共同代表も飛び入り参加。「政府の面を被った人間たちが根底から覆そうとしているこの憲法、何が何でも守りましょう」と市民に呼びかけ盛大な拍手を集めていた。
※本来の記事は護憲派への誹謗中傷を狙うことが明らかでしたので、訂正すると同時に権力犯罪者である安倍被告を認めない観点から大幅に書き換えました。