2015年5月19日火曜日

「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」(イエス・キリスト)

2015年5月12日 11時46分

名駅暴走、殺人未遂認める 名古屋地裁

 名古屋市中村区のJR名古屋駅近くの交差点で昨年2月、乗用車が暴走し通行人14人が重軽傷を負った事件で、殺人未遂の罪に問われた同市内の無職A被告(30代前半)の裁判員裁判の初公判が12日、名古屋地裁(景山太郎裁判長)であり、被告は「(間違いは)恐らくないと思う」と起訴内容を認め た。判決は27日。
 A被告は精神鑑定の結果、発達障害の一種で、対人関係がうまく築けないのが特徴とされるアスペルガー症候群と診断されており、量刑を判断する上で影響をどのように評価するかが争点となる。
 検察側は冒頭陳述で、「高校時代にアスペルガー症候群と診断された被告は、大学を卒業するころから家族に攻撃的になり、家族全員が家を出たことで両親や社会に強い憎悪を募らせた」と「指摘」。事件の半年前には無差別殺人を考え始め、前日に下見をしていたことを明らかにした。
 当日はレンタカー会社で最も排気量の大きい乗用車を借り、犯行現場の歩道に乗り上げた後、「アクセルを強く踏み込み歩道を走行した」として、「全く無関係な人を殺そうとした自己中心的で身勝手な犯行。死者が出なかったのが奇跡的なほど危険だった」と「非難」した。
 弁護側は「被告は人の気持ちを理解する能力が乏しい。鑑定医からは9年前に診断された通常のアスペルガー症候群に加え、攻撃的になりやすい特徴もあると診断された。家族が家を出たことで孤立したことも考慮してほしい」と指摘した。
 起訴状によると、被告は昨年2月23日午後2時すぎ、通行人を無差別に殺害するため中村区名駅1の歩道に乗用車で突っ込み、時速50キロ程度まで加速させながら当時15~42歳の男女14人をはね、けがをさせたとされる。
 名古屋地検が捜査段階で、事件当時の精神状況を調べるための鑑定留置を請求。4カ月半の精神鑑定を踏まえ、刑事責任能力はあったとして起訴した。
(中日新聞)
※被告人が精神疾患であるため、国際法に則り実名及び年齢については一切ふせさせてもらいます。


 はっきり言っておかねばならない。
 この種の犯罪者を死刑にしたとしても、何も得られるものはない。なぜなら、この種の犯罪者は死刑をいわばある種の自動自殺装置にしているのにすぎない。その典型例だったのは、荒川沖連続殺傷事件の被告人、大阪教育大学附属池田小学校児童殺傷事件の被告人ではないか。彼らは結局反省を深めることなく自分から死刑を選んだのにすぎない。
 また、この種の事件もそうなのだが、ただ単に「事件が起きました、厳罰化で裁きました、めでたしめでたし」ではいけない。「なぜこの事件は起きたのか」という、原因やその根源を突き止める必要がある。それが、裁判の本来の役割なのだが、日本の場合はそれがなく、ただ単にお涙頂戴で終わらせようとするのだから話にならない。
 当然起きた事件に対して、精神疾患を配慮に入れた上で適切な裁きがあることを私は望むが、同時に感情的な裁判はやめて欲しい。またメディアは被告人の写真を過去も含めて無断掲載しているが、肖像権の観点から許されない。
 コンプライアンスを守っていないのは、誰なのだろうか。「人の不幸は蜜の味」というが、そこの君達は被告人を裁けると思うのなら、この話をなんと思うのか。
 今回はこれで締める。感情的に断罪しろと喚く者共はイエス・キリストにこう突っ込まれるのが落ちなのである。


 ヨハネによる福音書 第 八 章
http://recoveryversion.jp/read_List.php?f_BookNo=43&f_ChapterNo=8
8:1    しかし、イエスはオリブ山へ行かれた。
8:2    そして朝早く、彼は再び宮に入られた.人々がみな彼の所に来たので、彼は座して、彼らに教えられた。
8:3    すると、聖書学者たちとパリサイ人が、姦淫の時に捕まった女を連れて来て、真ん中に立たせ、
8:4    イエスに言った、「先生、この女は姦淫を犯している現場で捕まえられました。
8:5    モーセは律法の中で、そのような女を石打ちにするよう、わたしたちに命じています。ところで、あなたは何と言われますか?」
8:6    彼らがこう言ったのは、イエスを試すためであり、彼を訴える口実を得ようとしたのである。しかし、イエスは身をかがめて、指で地面に書いておられた。
8:7    彼らがしつこく問い続けたので、イエスは立ち上がって彼らに言われた、「あなたがたのうちで罪のない者が、まず彼女に石を投げなさい」。
8:8    そして再び、彼は身をかがめて、地面に書かれた。
8:9    彼らはそれを聞くと、老人から始まって、一人また一人と去って行った。そしてイエス一人が残され、女はその真ん中に立っていた。
8:10    イエスは立ち上がって、彼女に言われた、「女よ、彼らはどこにいるのか? だれもあなたを罪に定めなかったのか?」
8:11    彼女は言った、「主よ、だれもいません」。イエスは言われた、「わたしもあなたを罪に定めない.行きなさい.今後はもう罪を犯してはいけない」。