2015年6月8日月曜日

漫画から見ること:メディアはどんどん劣化する

2014年10月28日

 講談社の「週刊少年マガジン」で連載されている瀬尾公治さんのマンガ「風夏 (ふうか)」で、タイトル名にもなったヒロイン・秋月風夏が事故死するという衝撃の展開になっていることが28日、分かった。ヒロインが非業の死を遂げる 展開はさまざまな作品でみられるが、タイトルにもなっているメインヒロインが物語の途中で死ぬのは、連載中のマンガでは極めて珍しいケース。瀬尾さんは 「涼風」や「君のいる町」など甘いラブストーリーで人気を博してきただけに、マンガファンの話題となりそうだ。
 22日発売の「週刊少年マガジン」47号では、風夏が主人公の少年・優と両思いになった後、事故に遭って大量出血するシーンが描かれており、ファンの間で「展開がハード過ぎる」と話題になっていた。29日発売の同誌48号では、風夏の死が作品中で明確に描かれる。
 同作は、瀬尾さんが約6年間連載した「君のいる町」の連載終了を受けて、今年の2月に連載をスタートさせたばかり。「君のいる町」の最終話と「風夏」の第1話を同時掲載。異例の取り組みとして注目を集めた。
 講談社のマガジン編集部は「衝撃的な展開になっているが、今後の展開に注目していただければ」と話している。


 今回コメントするのは、最近のメディアの意識である。
 この作品について私は特段コメントはしない。だが、最近の少年マガジンはひどいという思いを強めていた。大今良時氏の「聲の形」では画質やテクニックばかりが先行し、話そのものが劣化するという目も当てられない状況になっていた。
 いや、これで驚いていたらまだ甘い。流石景の「ドメスティックな彼女」では自慰行為も堂々と書かれているし、性交が第一話に出てくるありさまだ。これで少年誌なのだというのだから、私は青年誌を見ているのかと目を疑うありさまであった。しかも第4巻の初版では堂々と性行為の全貌まで書いているのだからもう絶句である。

 少年マガジン一つとっても話のレベルが劣化しているのは明らかで、漫画家の粗製乱造がひどいとしか言いようがない。
 浅美裕子さんの「ワイルドハーフ」が舞台化された。 これは少年ジャンプではそれほど売れなかったものの、画質と話のバランスが極めてとれていて非常に面白かった印象が私にはある。今の漫画もそうだが、雑誌の質はどんどん粗製乱造の中で劣化しているのではないか。
 AKB48ブームもそうなのだが、アイドルも粗製乱造されている、ゆるキャラもそうだ。何もかもが粗製乱造されているとしか思えない。そして粗製乱造の果てにあるのは目も当てられないヘイトブックである。
 本屋の店頭を見てみるがいい、この数年間、やれ「反日」だの「売国奴」だの、韓国や中国への誹謗中傷がはびこった本が流行らない日はない。まさにバカの棚としか言いようのない有様である。侵略戦争まで居直るジャンクブックまで出てくるありさまである。「夕刊フジ・産経新聞」、「読売新聞」、「SAPIO」、「WILL」、「Wedge」、「NEWSWEEK日本語版」、「週刊現代」、「正論」、「週刊新潮」、「週刊文春」、「Voice」、「撃論」といずれもひどいヘイトマガジンどもである。まるでナチスドイツの出していた「シュテルマ―」が日本によみがえったようなものである。
 その果てにあるものは、知性が痴性に成り下がるものである。真実から逃げれば、当然このような結末になるのは明らかである。

 だが、批判だけで終わらせてはいけない。
 生み出した構造を厳しく追及し、もう生み出させない知性を身につける必要が私達にはある。そして、連中が再起不能になるまでにボコボコにする厳しい建設的な論破術を持つことだ。その延長線上にあるのはヘイトスピーカー共の親分である安倍自称首相をも厳しく断罪する信念が必要だ。