6月30日午前11時40分ごろ、神奈川県小田原市内を走行中の東京発新大阪行き東海道新幹線「のぞみ225号」先頭車両で火災が発生、緊急停止 した。男が先頭車両でガソリンのような液体をかぶり、火を付け死亡した。神奈川県警捜査1課は現住建造物等放火容疑で捜査している。捜査関係者によると、 男は東京都内の職業不詳A容疑者(70代前半)と判明、焼身自殺だったとみられる。他に横浜市の52歳女性が死亡し、26人が負傷。国土交通省は新幹 線では初の「列車火災事故」と認定した。
 先頭車両の一番前のドアが開くと、小さなポリタンクを右肩に担いだA容疑者が立っていた。「やめなさい!」。最前列にいた60代女性が呼びかけ た。しかし、A容疑者は無言のままポリタンクを傾け、中のピンク色がかった液体を体にかけ始め、ライターで着火。1号車の車内にオレンジ色の光が広がっ た。
 1号車の中ほどに座っていた会社員男性(43)は弁当を食べている時、「ガソリンかぶったぞ!」の声に気付いた。「そしたら、車内がオレンジ色に なった。煙がサーッと床を伝って走ってきた。それで逃げた」。2号車にいた乗客は「次々に乗客が逃げ込んできた。中にはススだらけになった人、髪の毛が焼 けてちりちりになっている人がいた」と話した。
 1号車6列目の右窓際にいた千葉県内の男性会社員(50代後半)は、A容疑者が液体をかぶるのを目撃した。新横浜駅を過ぎた時「後ろから歩いてき て、運転席の後ろのデッキに入った」という。しかし2号車の方へ1度戻り「その後、後ろから帰ってきて、また運転席の後ろのデッキに入った」。次にドアが 開いた時、白いポリタンクを担いでいた。男性は「焼身自殺だ」と直感し、2号車へ逃げたという。
 最前列の60代女性の証言では、A容疑者は直前に「お金あげる」と1000円札を差し出した。女性が「いらない」と話すと、通路をうろつき、液 体をかぶったという。女性が「やめなさい」と言うと、A容疑者は「あなたも逃げなさい」と答えた。女性が逃げながら途中で振り向くと、燃えていたとい う。
 車両は緊急停止し、運転士が油まみれになっているA容疑者を発見、消火活動をした。県警は焼身自殺とみて、現住建造物等放火の疑いで捜査を始め た。A容疑者は1号車の1列目と2列目の通路にあおむけで倒れ、ズボンのポケットには免許証のコピーが入っていた。消防隊員は「見た瞬間、搬送する必要 がない状態だと分かった」。近くにはリュックサックが置いてあり、たばこ、歯ブラシ、ティッシュペーパーなどが入っていた。遺書は見つかっていないとい う。
 他に1両目と2両目の間で倒れていた横浜市内の整体師Bさん(50代前半)が死亡。A容疑者と面識はないとみられる。目立った外傷はなく、 逃げ遅れて煙を吸い込むなどしたとみられる。小田原市消防本部によると負傷者は1~65歳の26人。新幹線車内の事件や事故としては過去最悪の被害となっ た。
*なお、被害者および容疑者の個人名や情報については匿名で表記させていただきました。この事件でのすべての犠牲者に哀悼の念を表明し、けがをされたからがたにはお見舞いの言葉を申し上げると同時に、ネオナチジャパンの格差政策に対し心より強い怒りを表明します。