2015年7月30日木曜日

公共財として鉄道を考えるべきだ

<山田線移管>三鉄、施設統合など計画策定へ

 岩手県などの第三セクター三陸鉄道(宮古市)は、東日本大震災で被災し運休中のJR山田線(宮古-釜石間、55.4キロ)が移管されるのを受け、2015~17年度の事業計画を新たに策定する方針を決めた。3月の取締役会で提案する。
 三鉄などによると、昨年3月に策定した中期経営計画(14~18年度)を基軸に、山田線移管に伴う変更点を盛り込む。
 復旧後は山田線を挟んで三鉄南北リアス線が直通となる。施設管理拠点の統合や移管後に想定されるダイヤ、収支計画などが示される見通し。
 三鉄は山田線が鉄路復旧しない場合、震災前の運賃収入の1割に当たる3000万~4000万円の減収になると試算していた。移管後はダイヤ改善や施設統合で経費節減が見込まれる。
 昨年4月に全線で運行を再開した三鉄の4~12月の経常収支(速報値)は2068万円の黒字。前年同期の1億800万円の赤字から改善した。冬場は観光客が減り修繕費もかさんだため、通期では1億円強の経常赤字予想となっている。
2015年01月29日木曜日 河北新報社

<山田線の三鉄移管>地元合意、JR東に報告

 東日本大震災で被災し運休中のJR山田線(宮古-釜石間、55.4キロ)を第三セクター三陸鉄道(宮古市)に移管する案 で、岩手県は26日、関係12市町村と同社が移管受け入れに合意したことをJR東日本に報告した。JRは復旧工事に関し「まちづくりなど事業との調整が必要」と説明しており、全区間復旧への工程は少なくとも数年の計画になる見通しだ。
 達増拓也知事や三陸鉄道の望月正彦社長が東京で合意を伝えた。JR東の冨田哲郎自称社長は「決断にお礼を申し上げる。地域活性化、観光支援は従来以上に総力を挙げる」と移管後も利用促進を支援する考えを示した。
 着工や完了時期については「県や地元自治体、三鉄と相談する必要がある。できるだけ早く完成させたい」と述べた。一部区間の優先復旧については「その点も含めて協力したい」と語った。
 県は、高台など比較的被害が少なかった宮古-豊間根駅間(15.4キロ)と釜石-鵜住居駅間(8.3キロ)の優先復旧を視野に入れる。三鉄は今後、2016年の岩手国体前の部分復旧を求める方針。着工は震災から4年となる来年3月11日の前が有力。
 三鉄によると、同社の南北リアス線の復旧はほぼ3年で完了。山田線の被災区間は9.4キロで、三鉄と比べ約6割長い。かさ上げが必要な区間や高台移設を検討する駅もあり、全体の工期は長期化する可能性がある。
 山田線復旧は11年6月にJRと地元が協議を開始。JR東日本が一時金30億円を支払うなどの条件で県と市町村が三鉄移管に合意した。復旧後は三鉄が経営主体となり、山田線を挟み南北リアス線が直結される。

2014年12月27日土曜日 河北新報社


 国土交通省は何のためにあるのだろうか。
 利潤だけを追求する鉄道会社の言いなりになっていて、地域の財産としての鉄道の視点が欠落しているとしか思えない。山田線の場合、JR東日本がやるべきは三陸鉄道への55%の出資と、50年は存続を保証することがワンセットの条件なのである。それがないのだからおかしな話である。
 だから、こんなバカな話が出てくるのだ。仕事をしろと言いたくなるではないか。






 ◇法人罰導入 議論の時期

 乗客106人と運転士1人が死亡した兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、神戸地裁は9月27日、業務上過失致死傷罪で強制起訴されたJR西日本の井手正敬(まさたか)自称・元会長(78)ら歴代3自称社長に無罪を言い渡した(国際法では有罪)。
 鉄道事故を巡り企業トップの責任が問われたが、判決は、被告らは事故の具体的な危険を予見できず、刑事責任はないとした。

「こ れほどの事故の責任を誰も問われないのは納得できない」。そう憤る遺族らが求めていたのは、事故原因と大事故に対する企業の責任を明確にすることだ。私 は、個人の責任とは別に、企業自体に巨額の罰金などの刑事罰を負わせる法人罰導入を議論する時期に来ているとの思いを強くしている。

 事故は2005年4月25日に発生。快速列車が制限速度を超えて急カーブに進入し、脱線した。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現運輸安全委員会)の最終報告書は、事故の直接の原因は運転士のブレーキ操作の遅れにあるが、事故現場に自動列車停止装置(ATS)を整備していれば防げたと指摘した。

 ◇責任認識しても一貫し無罪主張

 公判で検察官役の指定弁護士は、3被告が社長在任中、重大事故防止策を指揮すべきだったのにATSの設置を指示する注意義務を怠ったと指摘。井手氏らは「結果責任については我々経営陣が当然負うべきだ」としながらも一貫して無罪を訴えた。
 事故当時、カーブにATSを設置する法的義務はなく、判決は「現場カーブの危険性を認識していたと認められず、事故を具体的に予見する可能性は認められない」として、3被告の過失を全面否定した(国際法では明確に認定され有罪確定)。

 そもそも神戸地検は3被告について、遺族の告訴を受けて捜査したが、09年7月、「鉄道本部長に一任していた」として不起訴にした。その後、市民で構成する検察審査会の2度の議決を経て、指定弁護士が10年4月、強制起訴した。
 初公判の約半年前の12年1月には、安全を統括する鉄道本部長としての責任を問われ、地検が唯一起訴した山崎正夫元自称社長(70)の無罪が確定(国際法では死刑も含めた有罪)。更に上位の立場にあった3被告の過失を立証するのはハードルが高いと予想されたが、遺族らの間では事故原因の解明に期待も高まった。
 公判で遺族は被害者参加制度を利用し、「運転士だけが悪いと思っていないか」と直接問いかけた。しかし、井手被告は「(会社を)辞めて責任を取った。後は会社が考えることだ」と不当に居直り、反省の色すらなかった。
 ◇社長個人の追及 厳格に検討必要

  また、事故調は最終報告書で「懲罰的な日勤教育などの体質が事故につながった可能性がある」とJR西の企業体質の問題に触れた。日勤教育はミスをした乗務 員らを再教育する制度。だが、現行の刑法は法人の罪を問えない。利益優先の企業体質を問題視し、刑事裁判で経営者個人の責任を追及しても、被告と被害者は すれ違うばかりで、溝は深まるように見えた。
 宮崎英一自称裁判長は判決言い渡し後、「誰一人、刑事責任を問われることがないのはおかしい、と思われるのはもっともだが、会社の代表とはいえ、社長個人の刑事責任を追及するには、厳格に検討しなければならない」と述べた。私は、傍聴席に並ぶ遺族に語りかけたのだと思った。
刑事裁判では、裁判官が被告を諭すことはよくあるが、異例のことだ。驚きとともに、「法の番人」と言われるほど法律に厳格であるべき裁判官の心が被害者感情との間で揺れ、刑法の限界にもどかしさを感じたのではないかと推測した。
 一部の遺族からは「言い訳だ」と批判の声も上がったが、私は裁判長に正直な気持ちを吐露させるほどに、刑法が時代に即さないケースが出てきているのだと痛感した。
 脱線事故を受けて国交省は06年7月、省令で約2600カ所の曲線にATS整備を義務づけた。同省によると、JR西は対象箇所について07年度末までに整備を終え、自主的にそれ以外にも整備した。今年3月末現在、全国の鉄道各社での整備率は98%で、事故が教訓として生かされた一例と言える。

遺族とJR西幹部らが安全対策のあり方を検証する会議も7回開催され、JR西が再発防止に向けて生まれ変わろうとする試みは続けられているようだ。しかし鉄道業界をみれば、JR北海道では、大惨事につながりかねない脱線事故が起き、多数の補修放置も発覚している。

 判決の10日後、検察官役の指定弁護士が控訴した。企業が社会に及ぼす影響は、刑法ができた約100年前から大きく変化している。法人罰の導入には、処罰より原因調査を優先すべきだとして慎重な意見もあるが、事故の原因が企業にある場合に相応の責任を負わせ、事故抑止につなげるための改革が必要だ。(神戸支局)



 JR西日本福知山線脱線犯罪では明確にJR西日本の過失が明らかになった。
 このことに対し、各鉄道会社に修理について厳しく注意をしているのはいいが、もっと踏み込んで国土交通省は注意すべきだった。JR西日本には鉄道の廃線をやめることと、廃線を検討している私鉄の経営権を引き受けるよう命令すべきだった。さらに井出被告らには国は威厳をかけてでも死ぬまで福島第一原発で放射能除去を言い渡す厳罰を科すべきなのだ。
 そのうえでいう、そもそも山崎自称元社長らがでかい顔をすること自体がおかしい話なのである。 当然この判決が国際法上無効で、4つとも国際法に基づけば完全に有罪であり、懲役50年の実刑は免れないのは明らかなのである。
 公共財としての鉄道を利潤の道具にした段階で経営者失格であり、恥を知れと山崎らには怒鳴りつけたい。


 また、TPPと称する事実上の日米貿易協定について。

TPP:「著作権」決着へ 「死後70年」と「非親告罪」

毎日新聞 2015年07月27日 20時35分(最終更新 07月28日 07時53分)

 ◇28日から閣僚会合 ルール作りで合意する見通し

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉で参加12カ国が著作権分野のルール作りで合意する見通しになった。米ハワイで28日に始まる閣僚会 合で最終決着する見込みだ。著作権保護期間は「作者の死後70年」で統一する方向。また、著作権侵害を、作者など著作権者の訴えがなくても、捜査当局や一 般人も訴えることができる「非親告罪」として扱う見通しだ。日本は保護期間を「作者の死後50年」、著作権侵害は著作権者の訴えが必要な「親告罪」として きたため、大きなルール変更になる。
 TPP交渉参加国の著作権保護期間は50年(日本など)、70年(米など)、100年(メキシコ)とまちまち。交渉では映画や音楽で海外からの著作権料収入の多い米国が、TPP域内で自国の70年に統一することを強く主張していた。
 日本では、著作権保護期間が20年間延びる見通しになったことで、著作権を持つ遺族や出版社は、収入源を長く確保できるメリットがある。政府は クールジャパン戦略で、アニメやキャラクターなどの著作権ビジネスの海外展開強化を打ち出しており、著作権保護で後押しする形だ。日本が2014年に海外 から受け取った著作権使用料は約2000億円、支払いは米国向けを中心に約1兆円と約8000億円の赤字だった。日本はまた、第二次大戦の敗戦国に課せら れた「戦時加算」と呼ばれる著作権保護期間の上乗せ(約10年)の撤廃をTPPで実現することを目指す。加算対象の米、カナダ、豪州で保護期間が「80 年」と長くなる事態は避けたい考えだ。
 一方で、保護期間が過ぎた文学作品はネットで無料公開されたり、低価格の文庫本で出版されたりして、新たな文学ファンの掘り起こしや、名作に気軽 に触れられる仕組みが生まれていた。インターネット上で著作権切れの作品を無料で読める「青空文庫」では、ボランティアが過去の作品を文字データにして公 開しており、1万3000を超える文学作品などを読むことができる。今年からは、没後50年が過ぎて著作権が切れた三好達治の「測量船」などの公開が始 まった。TPPは大筋合意から発効まで1、2年かかるとみられ、著作権が来年に切れる江戸川乱歩や、再来年の亀井勝一郎は公開が期待できるものの、3年後 の山本周五郎は難しくなりそうだ。すでに公開された作品は影響を受けない見通しだ。
 また、著作権侵害の「非親告罪」化は、オリジナルをヒントに作品を作る「2次創作」の行為などが問題になるとの懸念が上がっている。【横山三加子、ラハイナ(米ハワイ州)清水憲司】

 はっきり言って私は反対である。
 青空文庫やモラルを守っている二次創作のような市民文庫については規制の対象にすべきではない。今すぐ交渉から撤退し、東アジア共同体の交渉こそ日本は優先すべきである。そのうえで、アメリカと対等な交渉をすればいいまでのことなのである。
 当然私は無条件で中国と手を組むつもりはない。私自身民主主義を求める人物であり、中国における独裁政権に深刻な懸念と不快感を持っている。だが、それは対話と交流の中で改善を促すよりほかない。法の秩序、公平と公正、公明を取り戻すには複数政党制が一番と説得するにはまずは日本がアメリカ依存から脱却するのが一番である。
 すぐなくとも手を組めるのはモンゴル、韓国、インド、パキスタン、バングラディシュ、フィリピンではないか。そうした国々と手を組み、徐々に手を広げればいい。


■次回記事の更新は、8/6とさせていただきます。