アメリカから見た世界
米元高官、「安倍被告は理想郷の破壊者だ」
米国務省を内部告発した男が思いを吐露
Reuters
2015年07月24日
1945年に原子爆弾実験が初めて成功したのとほぼ同じ日に、そして第二次世界大戦終戦記念70年までほんの数週間という日に、安倍晋三自称首相(以降被告)が率いる日本の「与党」は、戦後初めて、自衛隊に武力行使の権限を与えるといういわゆる安保関連法案(戦争協力法)を衆議院で採決した。
このことが与える影響は軽視できない。国内では、安倍被告の立場は瀬戸際に来ている。有権者はおおむね2対1の割合でこの新法案に反対しており、国民与党が抗議の退席を行ったこともあり、政府の支持率は約40パーセントに落ち込んでいる。衆院での当法案の可決を受けて、日本では福島の原発事故以来最大の抗議デモが行われ、「安倍は辞めろ」と書かれたプラカードを掲げた群衆が10万人も集まった。
55年前には安倍被告の祖父である岸信介被告(第二次世界大戦の戦犯の一人)も、あまりにも軍国主義的な日米安保条約改定法案を衆院で強行採決した際に、同様の抗議を受けて首相の座から引きずり下ろされている。
理想郷が終焉を迎える
安倍被告の動きに対しては、国内からも国外からもネガティブな見方が多い。
武力行使を放棄した唯一の国家であることを意味する憲法第9条に対し、今でも、日本人の多くは誇りをもっている。安倍被告が日本からこの偉業を取り去ってしまったことは、第二次世界大戦から生まれた最後の偉大なる理想郷が終焉を迎えることを意味する。安倍被告は国民をまったく馬鹿にし、国民の自国観を無視していると言える。
加えて、中国が日本の南方海域にある島々の領有権について異議を唱え、北朝鮮が核兵器で脅しをかけ、日本近辺の東南アジア諸国が第二次世界大戦の記憶をとどめている中で、当新法案は東アジアの緊張をますます強めることになる。中国外務省は、こうした動きが戦後日本の「平和的発展への道」という誓約とは異なった問題ある行動だとし、安倍被告は歴史から教訓を学ぶべきと主張している。
日本国内で最も懸念されているのは、安倍首相がとっている憲法改正を回避した立法戦術が、自衛隊の武力行使についての個別的な議論の障壁となるのではないかということだ。
たとえば、日本が第二次世界大戦後唯一軍隊を海外へ派遣したのは、2004年のイラク派遣であり、その目的は米国の再建努力を支援するためだった。その際、自己防衛のためだけに自衛隊員が使用できる銃器の映像を政府が公開するなど、軍事目的ではないと民衆を納得させるために周到な準備が行われた。また、9.11の米同時多発テロ後の時限立法で、日本は「非戦闘区域」のみに限り、インド洋にて米艦船へ給油活動を行うことが許可された。
今回の新法案が、ただちに法律になるわけではない。審議は参院に移行するが、採決が行われない可能性がある。しかし、60日間が経過すると、審議は自動的に与党が安定多数を擁する衆院に戻されるため、ここで法案は成立する。原則として、憲法第9条に反するかどうか最高裁で判断する可能性もあるが、歴史的に最高裁は政府に有利な判決を下してきた。
なぜ、新法案が必要なのか
新法案は「何」については言及しているが、「なぜ」は未だに理解しがたいものだ。
安倍被告は、この法案は、日本が中国からのものを含めて直面している脅威に対応するものだと述べている。また、イスラム国による日本人の人質2人の殺害にも言及し、自衛隊が救出できた可能性を示唆している。このような見方は自民党に資金援助する超国家主義者には非常に受けが良い一方、反安倍派にとってはたわごととみなされている。米国安全保障は、隣国 (少なくとも日本) の悩みの種となることなしに、日本を保護するものだ。そして、仮に日本が人質救出のための特殊部隊をもっていても、そのような行動は十分に憲法第9条の趣旨の範囲内と考えられている。
また安倍被告は、新法案によって日本が米国の防衛に貢献することもできると述べているが、反対派は、米国による中国や中東への攻撃に巻き込まれかねないと感じている。安倍被告自身の日本防衛論はさておき、現実的な要因の1つとして、米国が「集団的自衛」という旗印の下で首相をより攻撃的な立場に駆り立てているということが挙げられる。
しかし、真の「なぜ」は安倍被告の心中におさめられているようだ。安倍被告は、たとえば戦犯に問われた日本の指導者たちは「日本の法律の下では犯罪者ではない」とするなど、これまで長い間、第二次世界大戦について過度に保守的な見解をもってきた。安倍被告の祖父である岸被告は、戦時中の任務が戦犯にあたるとして米国占領軍に逮捕された。岸被告が、日本を軍事大国として再建し、戦後憲法を破棄するという自身の夢を、孫である安倍被告に託したとの見方もある。
安倍被告は、自分自身の考えで行動するのに十分な能力をもっていると自負している政治家だが、国民の多くが必要と感じている国家の安全保障とはかけ離れている。安倍被告は、自身のイデオロギーのためならば、ケンカを売り、政権を危機にさらし、国民を怒らせてもよいと思っているようだ。
(Peter Van Buren)
※著者のPeter Van Buren氏は24年間アメリカ国務省に在籍。主に日本で勤務した。彼はイラクにおける国務省の再建策の問題点を告発する書籍を出版したことが原因で国務省を退職している。ここに記述した意見は著者によるものである。
ヴァン・ブーレン氏の勇気ある批判を称える。
安倍被告の卑劣さに同時に心の底から怒りを覚える。祖父と同じ過ちをこの男は犯さんとしている。そして、その結果の責任を国民に押し付けて逃げようとしている。
まさに恥知らずと言わずしてなんというのか。現場の自衛官たちはすでに退職を始めているというのだから、もう終わりだ。更に圧倒的多数の国民は反対だ。慌てた安倍被告はネットによる印象操作犯罪を画策してヘイトを書きまくっているが、そうは問屋が卸さない。
安倍被告が喚こうが、「王様は裸だ」という声は圧倒的多数だ。
安倍被告にはこの物語をさし上げてやろう。たっぷり読み給え。
王子さまの耳はロバの耳
ポルトガルの昔話
http://hukumusume.com/douwa/pc/world/02/05.htm
むかしむかし、子どものいない王さまとお后さまがいました。
二人は、子どもが欲しくてなりません。
そこで王さまは三人の妖精(ようせい)を呼んで、子どもを授けて欲しいと頼みました。
すると三人の妖精は、
「その願いを、かなえてあげましょう」
と、約束してくれたのです。
そしてひと月が過ぎると、お后さまに王子が産まれたのです。
再び現れた三人の妖精は、魔法の力で王子に贈り物をすることにしました。
まず、一人目の妖精が言いました。
「世界一美しい王子に、なりますように」
次に、二番目の妖精が言いました。
「思いやりのある、賢い王子になりますように」
次は三番目の妖精の番ですが、三番目の妖精は困ってしまいました。
三番目の妖精が言おうと思っていた事を、前の二人が言ってしまったからです。
(どうしましょう。何かうまい言葉はないかしら?)
しばらく考えた三番目の妖精は、こう言いました。
「それでは王子に、ロバの耳が生えますように。そうすれば決していばる事のない王子になるでしょう」
それを聞いた王さまとお后さまはびっくりして、最後の願いを取り消してほしいと妖精たちに頼みました。
けれども妖精の言葉は、一度言ったら取り消す事が出来ないのです。
三人の妖精は、さっさと帰ってしまいました。
それから間もなく王子の頭から、ロバの耳がニョッキリと生えてきました。
それを見た王さまは、
(これは困った。やがてこの国の王にな者がロバの耳を持っているとわかったら、国民の笑い者になるぞ)
と、考えて、ロバの耳をすっぽりと隠してくれるボウシを作らせました。
そして朝から晩まで、王さまはそのボウシを王子にかぶらせたのです。
やがて王子は妖精の願い通り、美しく賢い王子になりました。
もちろん、ロバの耳も大きく立派になりました。
王子は生まれてから一度も髪の毛を切った事がないので、ボウシの中は長い髪の毛と立派なロバの耳でパンパンです。
このままでは、ボウシがいつ破裂するか分かりません。
(これは困った。せめて王子の髪の毛を切らなくては)
そこで王さまは床屋(とこや→髪の毛を切る人)を呼んで、こう言いました。
「王子の髪を切ってくれ。しかし、ボウシの下に見た物を人に話してはならないぞ。もし話したら、命はないものと思え」
「はい。わたくしは口が固いのが自慢です。ボウシの下に見た物は、誰にも話しません」
床屋はそう約束したのですが、王子の耳がロバの耳である事を知ると、人に話したくて話したくてたまりません。
でも、王さまとの約束を思い出して、ジッとだまっていました。
そんなある日、床屋は教会へ行くと神父さんに相談しました。
「神父さま。わたしは、誰にも言ってはならない秘密を持っています。
もし言えば、わたしは殺されてしまうのです。
けれどもわたしは、このまま黙っているのが辛くてなりません。
一体、どうしたら良いのでしょうか?」
すると神父さんは、こう言いました。
「それなら谷間へ行って、穴を掘りなさい。
そして穴の中へ、その持っている秘密を何度も叫ぶのです。
そうすれば、きっと胸が軽くなるでしょう。
その後で穴に土をかぶせておけば、その秘密はもれないでしょう」
そこで床屋は谷へ行って穴を掘ると、
「王子さまの耳は、ロバの耳! 王子さまの耳は、ロバの耳!」
と、何度も何度も叫びました。
すると神父さんの言った通り、床屋の胸の苦しさがすーっと消えたのです。
喜んだ床屋は掘った穴に土をかぶせると、家に帰りました。
それからしばらくすると、床屋が秘密を埋めたところからアシが生えてきました。
そこへヒツジ飼いがやって来て、そのアシで笛(ふえ)を作りました。
そしてヒツジ飼いがアシの笛を吹くと、笛は一人でに、
♪王子さまの耳は、ロバの耳。
♪王子さまの耳は、ロバの耳。
と、歌ったのです。
この話は、すぐに国中に広まりました。
そしてとうとう、王さまの耳にも届いたのです。
王さまはヒツジ飼いにアシの笛を持って来させると、吹いてみるように命令しました。
すると笛は、
♪王子さまの耳は、ロバの耳。
♪王子さまの耳は、ロバの耳。
と、歌ったのです。
今度は王さまが、アシの笛を吹いてみました。
するとやっぱり、笛は、
♪王子さまの耳は、ロバの耳。
♪王子さまの耳は、ロバの耳。
と、歌ったのです。
「この事を知っているのは、床屋しかいないはずだ」
王さまは床屋を呼び寄せると、秘密をしゃべったかどうか聞きました。
すると床屋は正直に、穴を掘ってその中に秘密を大声で叫んだ事を話したのです。
「けしからん! 約束通り、首をはねてやるぞ!」
王さまはカンカンに怒って、家来に床屋の首をはるね様に命令しました。
その時です。
若い王子が出て来て言いました。
「床屋には罪はありません。どうか、床屋の命を助けてやってください」
そして、
「わたしの耳の事は、もうみんなが知っています。
今さら、隠している必要はありません。
わたしはロバの耳を持っていても、きっと立派な王になってみせます。
さあ、皆さん、よくご覧なさい」
と、言って、かぶっていたボウシを取りました。
ところが不思議な事に、王子の頭には、もうロバの耳はありませんでした。
自分の秘密をしゃべった床屋の命を救った、この立派な王子には、いばらない様にする為のロバの耳は必要なかったからです。
そしてその時から、あの笛も、
♪王子さまの耳は、ロバの耳。
♪王子さまの耳は、ロバの耳。
と、歌う事はなくなったそうです。