2018年1月17日水曜日

阪神大震災の痛みを忘れている神戸市へ警告する

 東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県大船渡市が2013年に解体が決まったサンタマリア号の譲渡を申し出た。
 このサンタマリア号は1492年のマルコ・ポーロの航海に使われた船を復元したものなのだが、神戸市は1991年に無償で譲られた後は何故か抜本的な手入れをしていなかった。この船に関しては様々な問題がある。この船が寄港した大船渡市では、青年会議所OBらが、譲渡を求める運動を開始。地元の金山が奥州平泉の黄金文化を支えたとの説もあり、「黄金の国ジパングとして、世界に発信する拠点に」と3月、船全体の譲渡を神戸市に要望した。
 その一方では植民地支配の問題などもある。だからこそ、残すべきだったのだが、神戸市は老朽化して倒壊の恐れがある、として、解体を決定し、元乗組員らが解体の延期や、サンタマリア号の誘致に名乗りを上げた岩手県大船渡市への譲渡を求めていたが、神戸市は「傷みが激しく、輸送は不可能。このまま台風シーズンを迎えるのは危険」として共産党、みんなの党(当時)、広範の市民の反対を不当に押し切って解体を強行した。そして神戸市は錨(いかり)や舵(かじ)など一部を大船渡に押し付けようとし、圧倒的多数の大船渡市民の激怒を招き、ボイコットされた。
 大船渡市の関係者は「後世に伝えるべきものをなくした大船渡の現状を理解してほしかった」と失望を表明した。当然だろう。補修に約1億3000万円かかるというが、話し合いでなんとかなるはずだった。

 神戸市は阪神大震災で手痛い失敗を犯した。
 それは埋め立て開発行政優先政治の破綻だ。地場産業を軽視し、埋め立てを行って大企業本社を誘致するやり方が、結果として破綻したのだ。その結果は貧富の格差を招いただけではないか。
 東日本大震災で私達も同じような行政の失敗を見てきたではないか。その当時の民主党にネオナチジャパンは責任転嫁しているが、そもそも全ての原因はネオナチジャパンの無能無策が招いた人災でしかないのだ。
 政治とは生活そのものなのだ。サンタマリア号をシンボルにするのは私も若干疑問があるが、教育などの工夫によって活用できる可能性が高い。