2016年5月30日月曜日

「サルガッソーの広い海」を生み出した「ジェーン・エア」から「聲の形」を問う





 この映画は、サルガッソーの広い海という。
 ジーン・リース (Jean Rhys,1890年8月24日-1979年5月14日)というイギリスの小説家によって書かれている。イギリス領ドミニカ出身のクレオール(父はウェールズ人、母はスコットランド人、わかりやすく説明すると植民地出身のヨーロッパ人(ここでは白人という言葉を使いませんのでご了解ください)である)なのだ。
 彼女を有名にしたのは1966年に出版された『広い藻の海』(日本語訳では『サルガッソーの広い海』というタイトルのものも出ている)である。この作品は『ジェーン・エア』(シャーロット・ブロンデ作)に登場する精神疾患当事者の、前半生を語る異色の小説で、後に映画化された。それがこの動画なのだ。
 このジェーン・エアに出てくるバーサという女性が精神疾患当事者なのだが、なぜそうなったのかをこの作品は丁寧に描いている。

 リースはバーサにアントワネットという名前をつけ、ジャマイカのヨーロッパ人の入植者の娘で、父亡き後は母と知的障害を持つ弟との3人暮らしとした上で、奴隷解放が宣言されたあと没落し、貧乏になった白人一家とした。彼女らは周囲の現地人から敵意を浴び、「白いゴキブリ」と呼ばれ、家族の無関心や誰からも心の底から愛されたことのない彼女は、荒れ放題だが野生美むきだしの庭や大地を愛していた。そこに母の再婚と、焼き討ち事件。アントワネットをもてあました義父は、彼女をイギリスからやってきたロチェスターに持参金つきで押し付けた。ロチェスターはアントワネットとの結婚について自分を「詐欺にかかった哀れな男」と言っている。しかも、それぞれの背景の違いから生まれるギャップ、そして精神的な破綻…。
 これらの背景にあるのはクレオールへの蔑視の視線だ。しかもイギリスの貴族社会を成り立たせている植民地の実体とともに、この欺瞞があばかれる。

 私は最近、9月17日に『上映』されることになった「聲の形」を自分なりに違った角度で書きなおしてみようと動いている。
 メディア化展開されるからこそ、歪んだ解釈を鋭くえぐらなければ障がい者差別の本質は消えない。「サルガッソーの広い海」をポストコロニアル理論という。
 この日本版が残念ながらないのが現実だ。いわば、ロチェスターもアントワネットを「飼育」していたのだろう。そんなのでは、健全な人間関係はできない。「聲の形」における竹内、植野直花、島田らはいわば飼育、搾取を狙って弱いものいじめをしていたのだろう。島田の場合は、主人公をうまく騙して動かしていただけ悪質である。さらに渡辺淳一の「失楽園」や「愛の流刑地」も、同じ奴隷の関係にすぎないし、流石景の「ドメスティックな彼女」も同じ関係にすぎない。
 だがその飼育の論理を打ち砕かなければ、民主主義の基本原則など理解できるわけがない。そもそも、生活者という発想が抜け落ちているのだから終わっている。「サルガッソーの広い海」が漫画化されるのなら、私は基本的には応援したいと思っている。
 

2016年5月24日火曜日

まさに奴隷根性 高橋はるみら



北海道新聞

高橋被告、道政初の「4選」 北海道知事選、佐藤氏善戦114万票

第18回統一地方選の前半戦となる北海道知事選は、与党の推薦を受ける「現職」の高橋はるみ被告(61)が、実質的な野党共闘で挑んだフリーキャスターで新人の佐藤のりゆき氏(65)との一騎打ちを「制し」、道知事初の「4選」を果たした(事実上強制落選であり、佐藤氏の事実上当選が国際法によって確定しました)。
 高橋被告は午後8時の投票終了直後、報道各社の「当選確実」が出たことを受け札幌市中央区の選挙事務所で記者団に「12年間の(道政運営の)結果に一定の理解をいただいた」と選挙戦を振り返った。最重点公約に掲げた人口減少対策について「公約との整合性をチェックし、しっかり頑張っていく」と述べ、「4期目の道政運営」への決意を「表明」した。
 高橋被告は各市町村で「堅実に得票を積み重ね、149万票を獲得」したが、2011年の3選時の184万票からは大きく票を減らした。前回は全179市町村で「トップ」だったのに比べ、今回は上川管内上川町、十勝管内池田町など一部で佐藤氏を下回り、室蘭市、登別市などで佐藤氏とほぼ互角の戦いだった。
 佐藤氏は過去に高橋被告と争った候補では初めて100万票台を超えて114万票を得て、善戦した。ただ、遊説で重点を置いた札幌市内10区で全て高橋被告を下回り、期待していた無党派層の支持も伸び悩んだ。
 ◇北海道知事選 投票率59.62%
「当選」 高橋  はるみ 1,496,915票(国際法上全て無効票とします)
国際法に基づき事実上当選   佐藤 のりゆき 1,146,573票


★個人献金という名前のわいろ:北電役員が毎年、高橋自称知事に /北海道

 高橋はるみ自称北海道知事(以降被告)の政治資金管理団体「萌春会」に対し、北海道電力役員が毎年、個人献金(事実上のわいろ)していることが分かった。
 29日の道議会で共産党の真下紀子道議(旭川市)の一般質問に対し、高橋被告が明らかにした。
北電役員の個人献金を巡っては、07年の道議会で共産党道議が「形を変えた企業献金」と問題視していた。
 政治資金規正法は企業が政党以外に献金するのを禁じているが、高橋被告はこの日の定例会見で、 「企業献金ではないので、(今後の献金も)誤解のないような形で受け入れていく」と話した。
 ただし、献金した人数や金額については「手元に資料がない」と述べた。
 また、道は同日、05年3月~11年3月に退職した部長級3人と課長級1人が、北電と関連会社に再就職していたことを明らかにした。
 道の再就職要綱では、退職前5年間に在籍した職場と密接な関係にある企業への再就職は退職後2年間自粛すると規定しているが、道は「4人は抵触していない」と説明している。

毎日新聞 http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20110630ddlk01010348000c.html 
*高橋被告の公権力犯罪を厳しく断罪するため、自称知事と最初に呼称し、被告とさせてもらいます。高橋被告の公権力行為は国際法に基づき全部無効とさせてもらいます。

 ところがどっこい、そうはいきません。
 この「当選」は国際法によって無効とさせてもらう。北海道電力と癒着して違法な金権選挙で票を盗んだうえに、企業ぐるみの圧力選挙で票を奪った公権力犯罪者の高橋に対し、佐藤氏を拙ブログでは国際法及び日本国憲法に従い、正統・北海道知事と呼ばせていただく。今津寛・極右自民党自称衆院議員が、野党共闘を「万が一のことがあったら、共産党が道政の与党に入る」と恐喝した段階でもう高橋被告の完全敗北は決定づけられた。
 毎日新聞の4月10日の報道では泊原発の再稼働に有権者の57%が反対している。しかも、保守でも4割反対という事実を高橋は「アーアーキコエマセーン」でごまかすが、そうはいかない。佐藤正統知事の内部に鈴木宗男というとんでもない抵抗勢力がいた結果、いわば敵矢で辛くもごまかしただけに過ぎない。北海道・道議会で共産党やまともな民主党から厳しい追及を食らって涙目になるのは時間の問題に過ぎない。

 この種の自称知事どもが今回の選挙であほなことを繰り返した。
 徳島県でも異常な金権行政が、大分県でも極右の暴走が続いた。だが、国際社会はこんなあほな日本の異様さを徐々に見抜いている。その結果は己らに必ず戻ってくるのは明らかだ。高橋被告らに投票したお馬鹿どもを、私は奴隷だとみている。
  いつまでも奴隷のままでは、民主主義の意味は絶対に理解できないだろう。そして、国際社会から批判を突き付けられ、現実の前に震え上がるのは時間の問題である。そのスケープゴートになるというのなら、勝手にしろとしか言いようがない。
 ネトウヨと同じような奴隷を相手にする時間?私にはない。

2016年5月18日水曜日

アビスパ福岡に贈る言葉~J3からの再生を求める~

パルマを救いたいアルベルティーニ氏 「セリエBからの再出発に全力を尽くす」

アルベルティーニ氏、パルマを救えるか

 2015/04/04 14:56:00

 破産通告を受けたパルマをサポートする役割を受け持つことになったデメトリオ・アルベルティーニ氏は、クラブが無事に今季を戦い終えた上で来季セリエBから再出発できるように手を尽くす見通しを語った。
 深刻な財政難に陥り、シーズン中にクラブが2度にわたって売却されたパルマ。先月19日には裁判所から破産通告を受け、破産管財人がついてクラブの買い手を探すことになった。
 現役時代にはミランやイタリア代表で活躍し、イタリアサッカー連盟(FIGC)副会長も務めたアルベルティーニ氏は、パルマと各方面との折衝などを行う仕事を担当することが1日にクラブから発表された。
 今後の活動について会見で述べたアルベルティーニ氏のコメントを、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』などが伝えている。

「数日前に破産管財人と会うことを受け入れた。とても喜ばしいことだと思ったよ。意見を求められ、手を貸してくれる意思があるかどうかと尋ねられた。喜んでこの役割を受け入れることにした」
「今の時点でパルマとサポーターのために何よりも大事なのは、彼らの未来について一番に考えることだ。私は管財人たちが目標を達成するために協力し、サッカー連盟およびレーガ・カルチョと直接の関係を取り持つことになる」

 試合開催の経費不足などから、今シーズンを終えられるかどうかも危ぶまれたパルマだが、残りの試合を無事に戦えるようにすることもアルベルティーニ氏の役割の一つとなる。

「テクニカルディレクターではないが、チームとの関係を持って、たとえばこれからシーズン末までの試合の開催を助けるなどの役割だ。管財人を助けて、クラブの未来のために最善の解決策を見つけ出せるようにしたい」

 アマチュアリーグへの降格を回避し、セリエBからの再スタートにこぎつけるためには、クラブの買い手を見つけて2億ユーロ以上と見られる負債を解消することが必要となる。

「セリエBへの軟着陸は、非常に具体性のある希望だ。負債総額はセリエAの評価次第だが、我々はこのクラブが2部リーグに残ることができるように全力を尽くす」

2015 (C) Goal.com

 あの名門のパルマFCですらも、破産し、アマチュアリーグに降格した。
 280億円の債務については、返済は厳しいと私は見ている。小さくなってもいい、そこから再生することが大切だと思う。主将アレッサンドロ・ルカレッリ(DF)はアマチュアリーグになったとしても「パルマに残る。パルマは常に私と共にある」と言いきった。こういう選手がいる限り数年かかるかもしれないが再生すると私は見ている。
 「J1に昇格した」今のアビスパ福岡だが、今のままでは間違いなく同じ過ちを繰り返す。悪名高いフーリガン集団・ウルトラオブリへの処分がないからだ。彼らとの関係を断ち切ることは絶対に欠かせない。一時期収入面で問題があるというのは間違いない事実だろうが、私はJ3からの再出発が欠かせないと考えている。
  J3だと負担が軽減される。今の状況ではアビスパ福岡にプロ選手を抱えるだけの体力はないと見ていい。年間予算を1億円以内に抑え、1000万円の年会費を払うだけでおそらく今の状況ではなんとか行くと見ていい。
 その他にもやらないといけないことは多すぎる。フーリガン共との決別に加えて、高校生をどんどん選手として使い、いわば野心あふれる若手の登竜門としてアビスパ福岡を再生させねばならない。それが、アビスパに唯一無二残された道なのである。その上でサガン鳥栖、ギラヴァンツ北九州、V・ファーレン長崎、ロアッソ熊本、FC琉球と和解すべきだ。
 同じことは、ガンバ大阪(実態はガンバ吹田)、ヴィッセル神戸、東京ヴェルディにも言える。

2016年5月12日木曜日

モラルが崩壊した日本:無秩序の奴隷

 この数年間、ネットではもはや見てもいられないようなひどい無秩序な状況にある。
 性情報なんかで言えば、盗撮あり、下半身写真を自ら披露する子供ありなど、なんとも信じがたい状況である。さらに言えば裏商売の手段として、マルチ商法の販売、まだまだこの種の話に関して限りがなく呆れる限りである。
 モラルの崩壊の果てにこんなことが起きるのは当然である。




高齢者ホームに無届け施設が増加中 虐待まがいの介護実態も


 外見は鉄筋作りの瀟洒なマンションだ。ところが、玄関を抜けると消毒液と排泄物の混ざったツンとすえた匂いが鼻を突く。訪れたのは、都内のシニアマンションである。
  一室のドアを開ける。4畳半ほどしかない狭い居室のカーテンは閉じられて薄暗い。高齢女性がベッドで仰向けに寝ている。ベッドの四方は高さ30cmほどの 柵に囲まれている。手には大きなミトンが被せられ、腰にも幅20cmほどの拘束帯がきつく巻かれて、柵に固定されていた。女性は身体を起こすこともでき ず、うつろな眼でこちらを見つめていた──。
 高齢者ホームの数が近年、急増している。この10年で有料老人ホームは約3倍、特別養護老人ホーム(特養)は1.5倍になった。約4年前に制度化されたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は5000か所を超えている。
 増加の理由は運営団体の多様化だ。従来は医療法人や社会福祉法人だけが施設を運営していたが、ゼネコンやディベロッパー、住宅メーカーなどの新規参入が進んだ。
  高齢化による需要増に応じて施設数が増えるのは歓迎すべきことだが、その一方で行政の目が届きにくくなり高齢者虐待が増加するなど、「悪徳ホーム」が増えたのも事実である。冒頭のようなシニアマンション(東京・北区)の「拘束介護」の実態が朝日新聞(11月9日付)で報じられたのも、その一例だ。
 同マンションを訪れた人が語る。
「鉄製の引き戸は外からつっかい棒がはめられ内側からは開けられない。起き上がることもできず、入居者は自由にテレビも見られない。まるで牢獄のようだった」
 高齢者住宅開設のコンサルティングを行なう「タムラプランニング&オペレーティング」代表・田村明孝氏が解説する。
「行政から有料老人ホームの開設許可をもらうためには、看護師やヘルパーなどが十分足りているか、今後30年間の収支計画はしっかりしているかなど、詳細なチェックを受ける必要がある。つまり、開設にはそれなりの資金と時間がかかります。
  そこで最近、そうした手続きをせずにオープンする『無届け施設』が増えています。東京・北区のシニアマンションもそうした施設で、届け出されていないため行政も管理・指導ができない。だから虐待まがいのような介護が行なわれてしまう。こうした無届け施設は私が知る限り、首都圏だけでも170か所以上あります」
 急増する高齢者ホームは玉石混淆の時代になった。
※週刊ポスト2015年1月1・9日号
 
 つまり、政府の目先の行動がこのような愚かなことを招いたのだが、このようなことは無届け施設ばかりではない。
 ワタミを見てみるがいい。



ワタミ、客離れ加速で危機深まる 「質」劣化深刻な居酒屋、事故と苦情多発の介護・宅食


 ワタミが11月11日に発表した今期(15年3月期)中間連結決算(14年4-9月)の最終損益は41億円の赤字(前年同期は6億円の黒字)となった。営業損益も10億円の赤字(同25億円の黒字)で、中間期の営業赤字は1996年の上場以来初となる。
 同日記者会見した桑原豊社長は「会社設立以来、最も厳しい結果」と、危機感を滲ませたが、その原因は主要3事業の総崩れ。特に主力の「国内外食事業(居酒屋事業)」が惨憺たる状況だった。
●居酒屋、客数減に歯止めかからず
  同社中間決算発表資料を見ると、まず売上高の43%を占める国内外食事業は、売上高が前期比9.3%減の313億円、営業損益が同24億円の赤字だった。 同社は既存店の営業強化を図ったが客離れを止められず、売上高も客数も前年同月割れが続いた。その結果、上期は既存店ベースで売上高、客数ともに前期比 7.3%減になった。全店ベースでは売上高が前期比10.2%減、客数が13.0%減だった。
 このため同社は今期期初に計画していた60店閉鎖に上期の不採算店42店を追加、今期末までに102店を閉鎖する計画に変更。わずか1年で全店の16.8%を閉鎖する見込みとなった。
  同社は既存店の営業不振を客単価アップで挽回しようと、主力業態の「和民」「わたみん家」でメニュー刷新の「リブランディング」(ブランド再構築)を今年 3月から全国規模で実施した。その結果、客単価が最大3%上昇したものの逆に客離れの加速要因となり、客数が最大12%も落ち込んでしまった。中間決算発 表資料は「リブランディングはお客様の支持を得られなかった」「リブランディング以降価格満足度が低下、想定した結果が得られなかった」としている。
 外食業界関係者は、同社の営業不振の理由について次のように指摘する。
「居酒屋はメニューと接客が勝負だが、同社の場合は両方の劣化が激しい。前者の場合、例えばサイコロステーキは今年3月以降値段が変わらないものの量が半分に 減り、実質的な値上げとなった。同社は消費者に『メニューを一新した』と説明するが、客離れを起こす要因となっている。また、後者の店員の接客の質も相変わらず改善せず、例えば追加オーダーをすると忙しいせいか露骨に嫌な顔をする店員も多い」
 同関係者は「ワタミの居酒屋は、リブランディング以前に肝心なものが欠け落ちている。それを改善しない限り、どんな新しい取り組みをしても業績不振に歯止めをかけられない」と断言する。
●介護、入居者減少加速
  次に介護事業は、売上高が177億円で前期比0.6%の微増だったが、営業利益が28.6%減の16億円だった。施設への新規入居者数が前期比14.4% 減の614名にとどまり、既存施設の入居率も4.5%低下の82.7%になったのが響いた。開設経過年別入居率では、開設1年以上2年未満が58.0%、 2年以上10年未満が86.0%、10年以上が71.4%となっており、新規入居者向けのいわゆる「新築老人ホーム」の不振が際立っている。
  同社介護事業「ワタミの介護」のトラブルと紛争の多さは、介護業界で有名だ。例えば12年2月に発生した「レストヴィラ赤塚水死事件」。これはパーキンソン病を患っていた入居者を風呂に入れたまま1時間半放置し、浴槽で水死させた事件だ。同社は家族に「入浴中、10分ほど目を離した隙に倒れ、病死した」と説明した。ところが家族の告発を受けた高島平警察署が捜査したところ、入居者が浴室に入った後、死体が発見されるまでの1時間半、誰も浴室に行っていなかった事実が判明、家族への説明は虚偽だったことが発覚した。死因も病死ではなく水死と判明。同社はこの捜査結果を突きつけられると「ほかにも入浴者がいて、職員の手が回らなかった」と説明を変えている。
 介護業界関係者は「家族がワタミの説明を不審に思わなければ、病死で片づけられていた。『ワタミの介護』には、こうしたずさんな介護と虚偽説明が多すぎる」と批判する。こうした実態が入居率減少要因になっているようだ。
「同社の新規入居者獲得営業は、地域医療機関からの紹介が大半。それが昨年あたりから、地域医療機関に『ワタミの介護への紹介はNG』という空気が広まってきた。ただでさえ忙しいのに、トラブルや紛争の関係者として警察や裁判所に呼び出されるのはたまらない」(同関係者)
 実際、中間決算発表資料でも、この紹介入居件数が今期第1四半期をピークに第2四半期は急降下している。
●宅食、低い宅配品質サービス
  このほかの事業としては、高齢者向け宅配弁当の「宅食事業」は、売上高が前期比6.1%減の201億円、営業利益は42.6%の激減で10億円だった。配食数も7.7%減の26万食となり、同社は今期通期の配食計画を、期初より20.0%も少ない28万食に下方修正した。
 同社宅食事業であ る「ワタミの宅食」は、13年度第3四半期の29万食をピークに、月別の上下動を繰り返しながらも下降傾向が止まらない。同社はこの下降傾向に歯止めをかけようと、高齢者に人気の高い和食特化メニュー「まごころこばこ」を今年3月から発売したが、これも不発に終わった。
 宅配弁当業界関係者は「宅配弁当は一般家庭では出せない味と配達時刻の正確さがウリだが、ワタミの弁当は両方とも欠けている」と、次のように指摘する。
 ワタミの弁当は具材が一見多彩でメニューは日替わりだが、味が毎日同じで、配達時刻が毎日バラバラで狂い、誤配も多いという指摘が多い。
「ワタミの弁当はいつ来るかわからないとの苦情が多い。賞味期限が当日午後10時なのに、午後7時を過ぎてから配達に来たとの苦情もある」(同関係者)
  その原因は、配達員の慢性的な不足にあるようだ。弁当配達員「まごころスタッフ」は主婦が中心で、完全出来高制の業務委託契約。同社の募集広告では「月 20日、1日20軒程度で月収7万円」となっているが、同社関係者は「募集説明会で保険、税金など配達車の維持費とガソリン代、万一事故を起こした時の補償金や示談金などが自己負担とわかると、大半の応募者が席を立つ」と打ち明ける。
 中間決算発表資料でも、配達員募集単価の上昇と正反対に、応募数が12年9月の90%台をピークに昨年10月以降は50%を割り続けている。この採用難から来る配達員不足が、配達サービス品質の悪さを引き起こしているようだ。
 加えて正社員業務も配達員が行っていた偽装請負疑惑や、昨年12月には埼玉県熊谷営業所管内で配達した弁当に芋虫が混入していた事件が発生。他の営業所でも、人毛やビニールなどの異物混入に対するクレームが頻発している。
「ワタミの弁当が事業開始以来昨秋まで食数を伸ばしてきたのは、リピーターではなく新規客の増加によるもの。味が毎日同じで配達がいつになるかわからないのでは、食数が急激に落ち込むのは当然だ。『狩猟型営業』の限界を示している」(同関係者)
 中間決算発表資料には「まごころこばこで裾野拡大も食数増にもつながらず」「まごころスタッフ増員に向けた取り組み強化も施策の効果がなく、増員できず」など反省の文言が並んでいる。
 経営コンサルタントは「事業理念は立派。桑原社長もいろいろと業務改善策を打ち出している。しかし、事業理念も業務改善策も、現場に一向に浸透しない」と苦言を投げかける。
 同社は総崩れした主要3事業を、どのようにして立て直すのか。外食業界関係者の関心は、桑原社長にではなく創業者の渡邉美樹前会長に向かっている。
「渡邉氏は13年5月にワタミの全役職を辞任したとはいえ、今も当社の筆頭株主(14年3月末時点、渡邉氏の資産管理会社アレーテーが全株の25.1%を保有)で実質的なオーナー。当社の経営は、現営陣の一存では何一つ決められない」(同社関係者)
 業績不振脱出への道は、まだ遠いようだ。
(文=田沢良彦/経済ジャーナリスト)


 更には2015年2月13日には子会社「ワタミの介護」が運営する介護付き有料老人ホーム「レストヴィラ東大和」(東京都)で起きたノロウイルスによる食中毒事故で、16人が食中毒になりうち一人が死亡した。多摩立川保健所は2月19日、「レストヴィラ東大和」の給食が食中毒の原因であると断定。3日間の食事供給業務の停止処分を行った。
 つまり、稼ぐためなら手段もへったくれもない。それだけ偽物が増えてきているのだ。こんなことが許されるわけがない。今後、我々は偽物を見抜く目を養わねばならない。そして、偽物を毅然と拒む厳しさも持たねばならない。


2016年5月6日金曜日

Being a disabled person is inconvenient, but it doesn't mean that I'm not happy.(障害は不便である。しかし、不幸ではない/ヘレン・ケラー)

Being a disabled person is inconvenient, but it doesn't mean that I'm not happy.
(障害は不便である。しかし、不幸ではない/ヘレン・ケラー)

 今回は、ヘレン・ケラーの名言からコラムを書きたい。

 私は発達障がいについて今までしんどい思いをしてきた。だが、決して不幸だと思ったことはない。
 その不便さにやるせなさや悔しさを何度も噛み締めてきた反面、真っ向からルール違反を厳しくとっちめるようにしたことで、自分らしさを最後までルールに従いながら貫いたことを誇りに思う。
 幸いにして、私は多くの人との巡り合いにより、今の境遇を手にすることができた。
 だが、世の中はそうはうまくいかない。

 様々な精神疾患が原因で外にでることが厳しく、ひきこもらざるを得なくなった人もいる。
 働きたくても適した仕事に辿り着けず、不満を抱えて生きている人がいる。
 そんな人達に対して、今の私はプロとして全力で尽くしているといえるのだろうか。
 ヘレン・ケラーも同じ思いだったのかもしれない。
 彼女の場合、たまたま周囲の教育などがあって社会的な自立を果たした。張力・視力・言葉のない三重苦のうち、話すことについてはクリアし、その生涯を自身と同じような苦しい人達のために捧げた。それ故に男女同権論者として婦人参政権、避妊具の使用を主張した。また、人種差別反対論者であり、過酷な若年労働や死刑制度、そして第一次世界大戦の殺戮にも反対した。これらの活動のため、彼女は FBI の要調査人物に挙げられている。最初の訪日の際には特別高等警察の監視対象になっていた。
 逆に言えば、民主主義の申し子そのものなのであり、彼女の活動は今で言う自民党にとっては目の上の瘤のようなものなのである。



 今、私が目指す次の目標は明確だ。
 私をいわば踏み台にして、多くの障がい者たちが社会に出て挑戦する時代を待ち望む。そうすることで、社会は弱者にとっても優しくなる。
 私の知り合いは、妻の出産後子育てに関わるようになったが「バリアフリーが便利だと思った」というまでになった。
 そういう社会は優しい社会でもある。だが、同時に甘えすぎてもいけない。

2016年5月1日日曜日

軽率な男であることを露呈した 桑田真澄

 今回の書人両断は軽率な男であることを自ら告白したこの愚か者である。

“盟友”清原逮捕にペラペラ 桑田真澄の言葉に拭えぬ違和感

日刊ゲンダイ 2016年2月6日(土)15時3分配信

「こういうのを、『後の祭り』『下衆の後知恵』というんですよ。少なくとも私は、聞いてていい感じを受けなかった」

 作家の吉川潮氏がこう言った。清原和博容疑者が覚醒剤取締法違反で逮捕されたのを受けて、4日に“盟友”の桑田真澄(47)が会見。「2人で力を合わせて野球界に貢献できる日を心待ちにしたい」などと話したことに対する吉川氏の感想である。

 4~5年前から、清原に関する良からぬウワサが耳に入るたび、本人に忠告を続けていたという桑田は、「小姑のように言い続けた。それが言えるのがボクだ と。ただ、小言を言われるのに嫌気が差したんでしょうね。(清原から)『一切、関わらないでくれ』と言われた」とのエピソードを明かし、それが原因で3年 前に決別して以来、絶縁状態だったと告白。神妙な表情で「もうちょっとボクが言い続けた方が良かったのかな」と悔いてみせたのだが……。

「事が起きてから、いろいろ言ったって、意味はない。清原から、関わらないでくれ、と言われたのだとしても、恩師や他の友人などの力を借りてなんとかする のが、本当の友達ってもんでしょう。放っておいてくれ、そうか分かった、と手を引いたんじゃ何もやっていないのと同じです。要するに、実際の2人は友達でも盟友でもなんでもなかったということなんだろうね。図らずも、それがよく分かりました」(前出の吉川氏)

 そもそも2人は、85年のドラフトでその関係にヒビが入った。PL学園のエースだった桑田は早大進学を表明。ところがいざ巨人に単独1位指名されると手のひらを返して巨人入り。当時の王監督からサインをもらい、巨人からの指名を信じていた清原が涙を流した姿はよく知られている。このドラフトが清原の人生に最初に影を落としたとすれば、そのキッカケをつくったのが桑田だろう。

 吉川氏は「2人は友達でもなんでもなかった」との印象を持ったと言ったが、実際、清原は13年10月の日刊スポーツのコラムで、桑田への複雑な思いを吐露している。

「ドラフト当時は、桑田に対して思うところはあった。正直、憎かった時期もある」「桑田が早大を断って巨人に入ったために、PLの後輩は早大進学のルートを断たれた。(中略)これは動かせない事実だ」「PL野球部が衰退していく契機は、間違いなく、あのドラフトにあった。その決断に伴う責任はあるはずだ」 「だから桑田の(早大大学院)進学が信じられなかった」「東大の野球部を指導している場合じゃない」「桑田はすぐ母校へ飛んでいき、名門復活の手助けをするべきだ」

 そう正論を並べ、桑田の偽善や自己中心的な言動を批判している。

 桑田は、小言を重ねて清原に煙たがられたと言ったが、むしろ清原が愛想をつかしたのだ。

 覚醒剤に手を出した清原に言い訳の余地はないが、それでも清原逮捕の報に接した球界OBや、かつてのチームメートは一様に言葉を選んでいる。それがかつての仲間へのせめてもの思いやりというものだろう。

「まったくです。桑田は『みんなで彼を支えることも必要』と清原の更生に力を貸すようなことも言ってましたが、そういうものは報道陣の前で公言してするも のではない。陰から見守り、人知れず手を貸してやるもの。桑田の言葉からは、自分をいい人に見せようという思惑が透けて見えるようで、残念でしたね」(前出の吉川氏)

 これが、まっとうなファンの感想だ。
(C)日刊ゲンダイ

 この桑田、悪質な自己中男で知られている。
 カドヤスポーツ社員だった中牧昭二さん(後に格闘家になった)が会社と桑田の契約に絡み、桑田から様々なユスリタカリを受けていたことを暴いた。『さらば桑田真澄、さらばプロ野球』というタイトルで書かれたこの本はかなりヒットし、その上不動産業で姉の元夫が作った20億円の債務まで抱えて読売新聞に負担してもらっていたのがこの桑田の悪質な正体なのである。
 社命で、高校生の桑田真澄を口説き落せと命じられた中牧さんは、マイナーなカドヤスポーツの製品を買ってもらおうとPL学園通いし、そして努力がかなったのか、桑田が東京に遊びに来る際に、中牧昭二に逢ってもらえることになった。中牧さんは欣喜雀躍し、高校生の桑田くんに何をご馳走しようかとかんがえた。しかし桑田真澄は 言った。「ソープランドに連れて行ってくれ」。しかも、これをワールドペガサスで負担させたのだから許しがたい。
 悪いことばっかりやっておいて、覚せい剤の失態をやらかした清原の批判をする資格はない。私はどっちが悪いかといえば、『どっちも悪い』と言い放つしかない。「裁判の過程で第三者に登板日を漏らしたことは巨人側も認めた。著書の正しさが証明された」という中牧さんの指摘に桑田はぐうの音も出なかった。それだけ桑田と読売新聞は悪事三昧だったのである。
 しかも、風俗店にカドヤスポーツのお金で行っていたから、破廉恥も甚だしい。こうしたことに対し桑田は何も反論できなかった。まさに、軽率な男であることを隠すために淡々とした自分を演じているのにすぎない。でなければ、父親への憎悪を中牧さんに明かさないわけがない。
 吉川氏の苦言に桑田は反論できないだろう。ましてや、中牧さんは桑田のこの『コメント』に「よう言うわ」と呆れているに違いない。