2013年9月21日土曜日

フィギュアスケートの商業化に歯止めをかけよ

 来年のソチ体育祭を以て、浅田真央選手、金妍児選手、織田信成選手、鈴木明子選手は第一線から退くと表明している。
 そのことについては個々の問題故なので尊重する。 彼ら彼女らには私達には理解できない世界がありその世界で限界を感じて新たな世界に踏み出そうという決心をしたのにすぎない。問題は彼ら彼女らの後をだれが受け継ぐかだ。
 だが、フィギュアスケートの商業化がひどい形で加速しているのは放置してはいけない。フィギュアスケートはあくまでも氷上の美術にすぎないのだからだ。


 フィギュアスケート問題については我が盟友Neutralizerが鋭い指摘をしていたのでここに掲載する。

スポーツ報道には『BOSS』が良く似合う
テーマ:スポーツ
2009-05-10 18:21:42
 今回のタイトルに出した『BOSS』とはサントリーの缶コーヒーのことである。 何故缶コーヒーのロゴとスポーツ報道を引っ掛けたかというと10年ほど前にやっていたCMに由来する。ペンギンの親子が『人間動物園』へ行き、そこで様々な人間の姿を見る。ガラス越しの人間の一人が何かトラブルを引き起こし「まいったなあ」と言いながら缶コーヒーを飲むという内容である。
 でここから言いたいことは何かというと一定のスポーツ選手に対する報道の過熱化がスポーツ選手を『タレント』化、または『見世物』化させていることである。例えば我が親友が取り上げたフィギュアスケートの浅田真央とキム・ヨナの二人である。3月に行われたフィギュアスケートの大会直前の練習でキム・ヨナが日本人に妨害されたというニュースがあった。日韓双方の新聞やブログを見て思ったのだがどちらも煽りが大きかった。特に韓国の番組でキム・ヨナが出演した番組で浅田をこき下ろしたものもあった。これでは我が親友が指摘したとおり、パンダ同然の扱いになってしまっているではないか。
 もしこの光景を他の動物が見ていたとしたら人間こそ面白おかしく映るのではないか。どうもメディアというのは光をよく使うだけあって注目の人物だけにスポットライトを強烈に浴びせるものらしい、それも太陽ほどのまぶしさで。これはかなり強烈な皮肉ではあるがこういう人々に『人間動物園』に入ってもらい、「まいったなあ」といいながら缶コーヒーでも飲んでいてもらったら結構人気がでるのではないか、テレビ朝日系列の番組『いきなり!黄金伝説』でお笑いタレントをガラス張りの建物で過ごさせて見世物にするより(この企画は南米のとある番組でも女優がやっていた)よっぽど面白いと思うのだが…。



アイドル狂想劇
テーマ:スポーツ
2010-03-29 20:18:50
 一昨日から昨夜の二日間、フィギュアスケートの世界選手権が行われ、浅田真央が優勝した。
 それはそれでいいのだが、彼女といい、ライバルとされているキム・ヨナといい、日韓両国でのフィーバーは甚だしい。我が親友も何度も取り上げ、その度に呆れるほどである。
 このフィーバーを見て、私はフローレンス・ナイチンゲールを思い浮かべる。この女史はご存知のとおり、19世紀に起こったクリミア戦争で兵士達の看護をして有名となり、後の女性看護師の基礎を築いたのだが、そのクリミア戦争で活躍した時、彼女の祖国イギリスでアイドル視され、色々な物に彼女の名前をつけたり、彼女を讃える歌や彼女のブロマイドまで出るという大フィーバーが巻き起こった。
 だが彼女の偉いところはこれをかえって迷惑がるだけでなく、戦後にイギリス政府が用意した凱旋用の船に乗らず、ひっそりと帰国したことである。更に死んだ後も政府による国葬を断った。(NHKラジオ第一『おしゃべりクイズ疑問の館』08.8.26放送分より引用)
 周囲による一定の人の祭り上げは祭り上げられた本人を精神的に傷つけてしまうことが多い。事実、キム・ヨナもマスコミからのインタビューで周囲の加熱する報道に負担を感じていた。(FNNニュース2009.4.23より引用)
 にもかかわらず日韓両国のメディア、熱狂的ファンの心ない持ち上げは今も続いているし、それにともなってライバルへの誹謗中傷も激しい。だが彼らには分からないであろう、その行為が応援する選手の足を引っ張っていることを。
 更に言えば祭り上げている選手にも厳しい自己統制が必要とされる。北京五輪で金メダルを取った石井慧を見よ、バンクーバー五輪でフィギュアスケートで銅メダルを取った高橋大輔を見よ、どちらも自分の功績に浮かれ、他選手への配慮を忘れたり傲慢になったではないか。好成績はいつまでも続きはしない。自己を磨くことなく、周囲のフィーバーに浮かれるならば転落は必須である。


 余談だが、先週の金曜日に竹下通りで『アイドルが来る』というデマが飛び交い、人がそのデマにつられて密集して、女性数人が怪我をした。
 『ツイッター』を利用する人々による噂の伝播が原因とされているがそれ以上にアイドルに群がる群衆心理も大きな要因だ。この騒ぎも狂想劇である。

「新生活日記 Neutralizerの移ろい行く日々」よりいずれも引用


2012年01月13日
アスリートなのか、アイドルなのか
浅田真央さんエッセー発売中止 「私の思いと異なる」
 フィギュアスケートの浅田真央選手(21)が2月8日に刊行する予定だった初のエッセー「大丈夫、きっと明日はできる」が発売中止になったことが12日、分かった。浅田さんは自身のホームページで「本の宣伝、告知について、私の思いと異なるもので進められた」と説明している。

 版元のポプラ社などによると、同書にはスケートに取り組む浅田さんの姿勢や思いのほか、昨年12月に亡くなった母親への感謝の言葉などがつづられ、既に10万部を超える予約が入っていた。昨年末に作成した告知ポスターで強調された「ママ、ほんとうにありがとう」の文言などが、浅田さんの本意でなかったという。

2012/01/12 20:29 【共同通信】

 これは当然だろう。
 浅田選手はあくまでもアスリートに過ぎない。テレビCMやバラエティに出ること事態がある意味問題なのだが、ポプラ社は悪乗りしすぎた印象がある。
 私は浅田選手に厳しいことも言う。
 だが、これには浅田選手を擁護する。浅田選手と母親は生と死によって関係が切れている以上、つなげてお涙頂戴ではいけない。ましてやこの時期にわざわざ傷口に塩を塗るような愚かなまねである。そういう行為は絶対にやめて欲しい。


2012年12月04日
タレント、フィギュアスケーター、どっち!?
セガ、PS Vita「サムドラ」でフィギュアの織田信成選手をカード化
佐藤和也 (編集部) 2012/10/24 18:27

 セガは、PS Vita用オンラインゲーム「サムライ&ドラゴンズ」(サムドラ)について、フィギュアスケートの織田信成選手がゲーム内カードとして登場することを発表した。
 サムドラは、基本プレイ無料だが有料でのコンテンツ販売をビジネスモデルとしている、オンライン専用のアクション&モンスターバトルゲーム。
 織田氏のゲーム内カード化は、プロモーションムービーにゲスト出演したのが縁となったもの。10月24日より11月7日のメンテナンス開始までの期間、「織田信成 降臨 ログインキャンペーン」と題したキャンペーンを実施し、期間中に一定日数ゲームにログインすることにより、もれなく魔獣カード「R☆織田信成」(武将族)を入手することができる。



 厳しい言い方かも知れないが、はっきり言って不快感しか感じられない。
 理由はネット中毒を後押しするようなものだからだ。織田選手はソチ体育祭後に引退してコーチになるとのことだが、現役時代からこんなセコい金儲けとは一体なんだろうか?
 ネットゲームの恐ろしさについては以下の記事を紹介する。この恐ろしさを一児の父である織田選手は理解して欲しい。

「インターネット依存症」日本国内に270万人 脳が退化、「妄想や幻覚を見る」は本当か
J-CASTニュース 2012年11月9日(金)18時42分配信

日本のみならず隣国でも「ネット中毒」が深刻に
 テレビのバラエティー番組で、いわゆる「インターネット中毒」が取り上げられた。四六時中ネットを利用していると「脳が退化」し、果ては「妄想や幻覚を見る」とまで話が発展したが、本当だろうか。
 実際にインターネット依存症を扱う病院が国内にはある。しかし治療を始めたのは最近で症例の蓄積が少なく、具体的な解明はこれからだ。

■精神疾患かどうか結論は出ていない
 「ネット中毒」に焦点を当てたのは、2012年11月7日放送の「ホンマでっか!? TV」(フジテレビ系)に出演した教育評論家の尾木直樹氏だ。「コンピューターを使い過ぎると脳が退化する」と口火を切ると、情報を容易に探し出せるネットに頼り過ぎれば、自分の脳で考えなくなると述べた。
 これに脳科学者の澤口俊之氏が続いた。ネットの使い過ぎが原因による「Internet Addiction Disorder」(IAD=インターネット依存症)では、重度の症状になると妄想や幻覚が見えるという。攻撃性が増して社会性が失われ、「覚せい剤中毒とほぼ同じ。そうなったら隔離しないとダメ」と刺激的な話も飛び出した。1日ネットに触れなかった際にイライラや不眠が増したら、「中毒」の初期段階らしい。
 国内には、IADの治療を専門に手がける医療機関がある。神奈川県にある久里浜医療センターだ。国立病院機構に属し、1963年に日本初のアルコール依存症専門病棟を設立、世界保健機関(WHO)からも指定を受けている。2011年7月に国内第1号となるネット依存治療研究部門を立ち上げた。
 IADは1997年、米国の精神科医イヴァン・ゴールドバーグ氏が理論づけた障害だ。多くの研究者が定義付けを試みているが、現時点では確立されたものはなく、精神疾患であるかどうかも結論は出ていない。研究者のひとりで米セント・ボナベンチャー大学のキンバリー・ヤング教授は、ネットに過度に没入するあまり、パソコンやモバイル機器を利用できないといらだったり、人間関係に煩わしさを感じたりするようになるのが特徴だと説明する。久里浜医療センターの2007年の調査では、国内でIADが疑われる20歳以上の人は約270万人と推計されている。未成年者はこの数字を上回る可能性が高い。
 同センターが公開している資料を見ると、訪れる患者の年齢層は10~50代とさまざまで、若年層はオンラインゲームにはまり込むほか、交流サイト(SNS)や動画サイトなどに没頭するケースが多い。食事や睡眠がおろそかになり、不登校や出社拒否、家族とのトラブルに発展する。ネット利用を妨げると暴力をふるわれることもあるようだ。
■中国の更生施設では「軍事訓練」、死亡事故も
 症例は20歳未満の未成年に多く、他の依存に比べて本人の問題意識が乏しい傾向にあるとする。しかし、久里浜医療センターがIAD患者の治療を初めてまだ1年強のため症例が少ないうえ、症例ごとに年齢や性、依存パターン、家族構成などが異なるため画一的な治療が難しいという。スマートフォンの急速な普及で、従来にはなかった新たな依存の問題が生じる懸念もある。
 隣国でも同様の問題がある。中国共産党の機関紙「人民日報」の電子版、人民網(日本語版)2010年2月3日付記事は、中国の「ネット中毒者」が2400万人を超えると伝えた。特に18~23歳の年齢層が割合で最も多く、数も増えているという。中毒の程度が詳述されておらず、IADと同義ととらえてよいかは微妙だが、相当の人数なのは間違いない。
 依存者を立ち直らせるための更生施設は、中国全土で200か所とも400か所とも伝えられる。毎日新聞は2010年8月16日の記事で、山東省にある施設を紹介した。隊列を組んでの行進をはじめとした「軍事訓練」を中心に、体を鍛え規則正しい生活を送り、人とのつながりを取り戻すのを目的とする。一方で、こことは別に悪質な施設の事例も報告されており、2009年には更生プログラムを受けていた少年を教官が殴って死なせる事件まで起きた。
 韓国では2012年、小学4年、中学1年、高校1年の約174万人を対象にした調査で、6万8044人が「ネット中毒」またはその「予備軍」との結果が出たと、2012年5月30日に聯合ニュースが報じた。主要紙の中央日報も3月6日、幼児・児童の「ネット中毒率」が7.9%に上り、満20~49歳の6.8%より高く若年層で深刻化している現状を浮き彫りにした。

 しかも、この前の神奈川県逗子市で起きた殺人事件はネットで展開された殺人事件でもあった。
 織田選手に言いたい、フィギュアスケーター、タレント、あなたはどっち!?