2013年9月22日日曜日

メディアは自壊していく



 メディアがゆがむ時というのは大体パターンがある。
 権力に媚びる時だ。
 今回はお蔵入りにしていたコラム集から引用する。

2012年07月22日
発言の主導権を民衆に取り戻せ
 USTで「午前0時の映画祭」-パブリックドメインの名作を無料配信
(2012年07月11日) http://www.shibukei.com/headline/8659/

 神宮前にある38席のマイクロシアターを拠点にユーストリーム配信なども行うKINEATTIC(渋谷区神宮前2)が、パブリックドメイン(著作権保護期間切れ)の名作映画をユーストリームで無料配信する「午前0時の映画祭」を始める。
 オープニング企画として7月12日~14日、オーソン・ウェルズのデビュー作で監督・製作・脚本・主演を務めた「市民ケーン」(日本語字幕)を配信する。
 新聞王ケーンが「薔薇のつぼみ」という謎の言葉を残して死んだ。その言葉の意味を探ろうと新聞記者のトンプソンは取材を進めていくが…。当時、新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストの生涯をスキャンダラスに描いて物議を醸した。1941年度のアカデミー賞で作品賞を含む9部門でノミネートされ、そのうち脚本賞を受賞した。
 配信開始は各日午前0時(=11日・12日・13日の24時)。第2弾作品は14日配信後に発表予定。
 http://0eiga.com/

 この動きを支持する。
 この動きが現実化すると言う事は、今までの日本のタブーによって不当に公開されてこなかった映画を公開する絶好の機会を得た事を意味する。「南京!南京!」「ジョン・ラーベ」という、南京大虐殺を描いた映画を日本の極右どもが上映させないようにヘイトスピーチやヘイトアタックを繰り返してきた(これらは国際法で言う憎悪扇動罪)。
 テロリストにもそれなりの動機はあり、公平に伝えられるべきなのは言うまでもないのだが力任せに実力で相手をねじ伏せる事はあってはならない。商業主義ではないNPOが運営する映画館が独自に映画の上映を行なえるように著作権法も改正する必要がある。そうすることで、売らんかいなの商業主義にけん制をかける事になる。「制作費が安いからアニメにしよう」「お笑いにしよう」じゃ意味はない。
 そこにはどんな思想があるのかを問わねばならない。

この記事へのコメント
この映画は、中国のチャン・イー・モウ監督の作品でしたっけ?。 この映画は政治色は薄く、映像美が優れた人間愛を描いたもので国際的にも評価の高いものだそうですよ…、わたしも凄く楽しみにしていたんですよ…。しかし、右翼の馬鹿どもの蛮行は断じて許せませんね。やはり、日本でもヘイトクライム禁止法を即刻制定し、極右団体や在特会などの差別暴力集団を厳しく取り締まるべきですね…、奴らは国際的にみても我が国の恥部としか言い様がありませんね…、奴らこそが“売国奴”だと、わたしは断言したい!!!。
Posted by 青い鳥 at 2012年07月23日 21:57

 青い鳥さんからのコメントに回答させていただきます。
 陸川(りく せん、ルー・チュアン)監督の作品が「南京!南京!」です。「ジョン・ラーベ」はフローリアン・ガレンベルガー監督ですけど、角度は異なります。それでも、国際的な評価は極めて高いです。それに引き換え日本では「俺は君のために死にに行く」(ポルポト石原の屑作品)だの、「プライド」だの、戦争責任を不当にごまかす屑作品ばかりが目立っています(北野武程度の屑が大手を振っていられる時代ですからなおさらですが)。
 憎悪扇動罪は日本が今すぐ導入すべき刑罰の一つで、児童ポルノ規制強化より優先されるべきでしょう。在特会や極右団体、極左団体を絶対に私は許せません。多様な意見を踏みにじる彼らのような連中には困ったものですね。
 じっくり構えてお互いに自分を磨き上げていけると幸いですね。

2013年04月11日
アカデミー賞はアメリカの戦争ビジネスの象徴に過ぎない
 2012年度アカデミー賞最有力作品といわれていた映画『ムーンライズ・キングダム』よりもイランでのアメリカ大使救出作戦が描かれた「アルゴ」が選ばれたというニュースを知って、思ったことはハリウッドが戦争ビジネスの一環に過ぎないということだ。
 ハリウッドを利用しアメリカ政府は戦争映画を作ってきた。2001年9月11日の同時多発テロに対しアメリカ政府はハリウッドへ戦争協力要請をし、ハリウッドは承諾。公開を延期していた激しい戦闘シーンのある戦争映画の公開を早め、さらにはアメリカ国民の気概を高めることをめざした短編映画を無料で公開した。一時期はやったジャパンバッシングで言えば悪名高い映画で知られる「ライジングサン」がそうだ。
 そうして仮想敵を絶えずでっち上げ、自国の問題点から目を反らし続けてきたではないか。その付けがアメリカの深刻な赤字につながっているではないか。それでいいのだろうか。私にはいいとは思えない。そうして絶えず仮想敵を作り上げ、不幸のどん底に国民をおとしいれ、「強いアメリカ」という愚かな幻想をばらまいた罪は大きい。
 イランでは案の定反発している。私でさえ対立をあおるような作品がなぜアカデミー賞なのかと思ったほどだ。エドワード・サイードの『オリエンタリズム』(1978年)がここで生きてくる。彼は西洋におけるアジアや中東への誤った、またはロマンチックに飾り立てられたイメージの長い伝統が、ヨーロッパやアメリカの植民地主義的・帝国主義的な野望の隠れた正当化として作用してきたと指摘し、オリエンタリズムの理論を打ち立てるとともにポストコロニアル理論を確立した。
 ハリウッドにはサイードがいない。いたとしても「商業的にもうからない」という理由で追い出される。そこにこの問題の深刻さがある。


 こうしてメディアはどんどん加速するように歪んでいくのである。
 ギャンブルへの意識が甘いと言わざるを得ないのも目先の金欲しさ故なのだろう。

2011年12月06日
おきるべくしておきて当然だ
 大王製紙前会長、特別背任容疑で逮捕…子会社に損害32億円


 東京地検特捜部は22日、いわき大王製紙など子会社4社から計32億円を借り入れ、損害を与えたとして、会社法の特別背任の疑いで大王製紙の前会長井川意高容疑者(47)を逮捕した。
 関係者によると、井川容疑者は、特捜部の調べに対し、逮捕容疑を認めた上で、使途について「借入金はすべてカジノにつぎ込んだ」と説明しているという。
 特捜部は同日、都内や愛媛県内の関係先などを家宅捜索。今後、借り入れの際の認識や使途などを捜査し、巨額借り入れの全容解明を進める。
 逮捕容疑は、今年7月から9月にかけ、子会社に指示し、本人名義の銀行口座などに7回にわたり、計32億円を振り込ませ、4社に損害を与えた疑い。
 大王製紙が設置した特別調査委員会の報告では、昨年5月から今年9月にかけ、7社から計106億8千万円を振り込ませていたことが判明。貸し付けはいずれも無担保で、取締役会の事前決議も経ていなかった。
 大王製紙は井川容疑者が現金で返済した21億円を除いた85億8千万円分について告発しており、特捜部は今後、残りの約50億円についても捜査を進める。
 また、これ以外にも大王製紙のファミリー企業から計5億3千万円を借りていたことが既に分かっている。特捜部はさらに借入額が膨らむ可能性もあるとみて全体像の把握を急ぐ。
 今回の事件で大王製紙は上場廃止の恐れがあると投資家に注意を促す「監理銘柄」に指定されている。来月14日までに決算を発表できなければ上場廃止となる。
[ 2011年11月22日 11:25

創業家との決別打ち出せず…大王製紙社長「今も尊敬している」
大王製紙前会長逮捕
 億単位の入金を要求し、一部はカジノ運営会社の口座に直接振り込みを指示していた。常識を超えた「創業家への絶対的服従」を求めた末、会社法の特別背任容疑で逮捕された大王製紙前会長の井川意高容疑者(47)。だが事件発覚後も現経営陣は「今も尊敬している」と創業家支配からの決別を打ち出せずにいる。
 同社が設置した特別調査委員会も、意高容疑者と父の高雄元社長による会社支配について「社員は会社でなく、井川父子に対する帰属意識を持つ」と指摘。「彼らに絶対的に服従するという企業風土」を事件の背景と断じ、創業家支配を薄めるよう訴えた。
 にもかかわらず、佐光正義社長は10月28日の会見で「井川家を今も尊敬しており、悪いという考え方はまったく持っていない」「決別は一切考えていない」と擁護に終始。報道陣から「改革に真剣に取り組む気持ちが伝わってこない」と批判を浴びた。
 神奈川大経営学部の小島大徳准教授(企業統治論)は「スピードある判断や優れた創業家への求心力など、同族経営にも良い面はある」としながらも、「能力のない人がトップになると機能しなくなってしまう」と指摘。井川父子について「何十年も続く同族経営で、会社を“思い通りになる家族”のように思っていたのではないか」と分析する。
[ 2011年11月22日 11:27 ]

特別だった「お坊ちゃん」小学校時代は飛行機で東京の塾通い
大王製紙前会長逮捕
 起業した祖父、事業を拡大させた父親に続く、創業家の3代目。会社法の特別背任容疑で22日、東京地検に逮捕された大王製紙前会長の井川意高容疑者(47)。業界3位の総合製紙メーカーで若くして社長の座を約束され、周囲からは特別な存在の「お坊ちゃん」だった。
 「明日までに自分の口座に振り込むように」。子会社役員に対し、目的や使い道を説明せず、担保もない貸し付けを指示。振り込みは昨年5月から今年9月まで26回、計106億8千万円に上った。
 だが子会社役員は「前会長には逆らえなかった」。返済の可能性は検討されず、取締役会に諮られることもなかった。
 「小学生の時から週末ごとに飛行機で東京の塾に通い、東大卒の社員が家庭教師をしていた」。子どものころを知る愛媛県の住民は、派手な“英才教育”を振り返る。
 らつ腕経営者とされ、厳しいことで知られた父高雄元社長も「意高氏には甘かった」と20年以上同社に勤務した男性は話す。受験に合格したときのことを、社内会議でうれしそうに自慢していたのが印象に残っているという。
 現役で東大に合格。大学時代の友人は「明るく快活な人柄で、頭も良かった」と評した。このころ、政官財の有力者から芸能界まで幅広い人脈を培っていったという。
 1987年に入社するとわずか4年で取締役に就任し、98年には副社長に昇格。同社OBの男性は「口数は少なかった。ただ立場が役員だろうがなんだろうが(意高氏は)ジュニアとして特別な存在だった」と話す。一方で、同社関係者は「お坊ちゃんだから周囲も触れたがらない。孤独な感じだった」とも打ち明けた。
 2007年、社長に就任した際には「社員と問題意識を共有する企業風土に改めたい」と述べていた。
 元役員の70代男性は「なんでこんなことになったのか…。立派な父親から会社を引き継いだプレッシャーがあったのかもしれない」と言葉少なに話した。
[ 2011年11月22日 11:28

 いずれもスポニチより引用。

 驚くに値しない。
 私は大昭和製紙のワンマンだった斎藤了英を知っている。関連会社の大昭和愛鷹によるゴルフ場開発に反対した市民の圧倒的多数の支持を得ていた市長を金権選挙で不当に落選させたり人妻を強奪して愛人にしたとんでもない悪魔人間なのだが、1990年5月15日にニューヨークのオークションでゴッホの「ガシェ博士の肖像」を絵画史上最高の約125億円で落札、ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」を約119億円で購入、ゴッホの「アイリス」を83億円で購入し、「死んだら一緒に燃やしてくれ」と発言し、非難された。ちなみにそんな彼を持ち上げたのが北野武だったとだけ言って置こう。
 その彼は長男で現社長の公紀を学生時代、ホテルニュージャパンのスウィートルームに住まわせ、そこから通わせていたという。バカでも何でも息子に跡を継がせるんだといっていたのだから私には驚きもない。私はギャンブルやカジノの類を全く嫌うのはそうしたこともある。そもそもあぶく銭にすぎないのであって、それらを得て幸せになったと言う話を私はてんで聞いたことはない。
 ちなみに韓国ではパチンコは禁止である。それはギャンブルにより生活がおかしくなると言うこともある。これについては過去のコラムを引用する。


だからギャンブルは嫌いだ(小野哲)
テーマ:ブログ
2010-05-05 05:51:57
 日本ではパチンコやオートレースなど、ギャンブルがやかましい。
 中にはギャンブルで文字通り一攫千金を勝ち得た輩が話題になる。だが、なぜか隣の韓国が下した勇断を取り上げていない。韓国ではパチンコに似た遊戯機器であるメタルチギという機械がある。
 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から引用すると、遊戯にパチンコ球ではなくメダルを使用する以外は日本のパチンコと同じなんだそうだ。遊び方は、台にメダルを投入するとまずそのメダルが発射される。このメダルが入賞口に入ると今度は盤面にある液晶で(日本のパチンコ機とほぼ同様の)抽選が行われ、この抽選に当選すると「大当たり」となる仕組みだ。「大当たり」となると台から景品用商品券(通常の商品券とは異なる、メダルチギ景品用の商品券)が払い出される。通常、店舗付近に設置された両替店で、景品用商品券を換金することになる。この際、10パーセント前後(店舗により異なる)の手数料が引かれる。なお最近ではメダルを使用せず、台の横にある紙幣投入口に紙幣を投入すると台のクレジットが増え、スタートボタンを押すと100ウォンずつクレジットを消費して台上部の液晶パネルで第1段階の抽選を行うことでメダルの発射の代わりとしている台が多い。パチンコと異なり、技術介入要素は排除されている。
 だが、韓国では違法化されている。このことについては作家の若宮健氏のレポートを引用させていただきたい。


 6月末に韓国のパチンコを取材したくて韓国へ飛んだ。驚いたことに、昨年暮に韓国ではパチンコが法律で禁止されていた。パチンコ屋はすべて撤去されていて看板も残っていなかった。日本のマスコミは韓国のパチンコ禁止を何故か報道していない。不思議である。
 韓国でもパチンコの被害は大きかったと言う。それにしても、政府の判断でパチンコを禁止したのは素晴らしい決断である。日本とは大違いで、日本ではパチンコの被害が益々増えているのに放置されている。
 韓国でも、パチンコ絡みの事件が絶えることがなかったと言う。判決が下りた事件を少し紹介してみる。熱くなり易い国民性を持っているので、パチンコの弊害は大きかった。
 忠州市に住むチャン容疑者は今年(〇6年)3月4日、同ゲームで1日150万ウオン(日本円15万円)を失ったことに腹を立て、ガソリンを持ってきてゲーム場に火をつけた。チャン容疑者には懲役3年6ヶ月の実刑が宣告された。
 果物の露天商を営んでいたチョン容疑者(47)は同ゲームで96万ウオン勝った後、一瞬でそのすべてを失った。腹が立ったチョン容疑者は兇器と工業用のアンモニア水でゲーム場の従業員を脅し「300万ウオン出せ。これをまけば全員死ぬ」と脅迫した。ゲーム場の主人の通報により捕まったチョン容疑者は懲役2年に執行猶予3年が宣告された。(後略)

 実際はゲームコーナーで事実上換金されるようになっているので、規制は空文化されているようだが私はこの韓国の取り組みに賛同している。置き去りになって子供が熱中症で亡くなったケースもあるし、犯罪に巻き込まれて死ぬケースもある。
 同じギャンブルなら、こっちのほうが前向きだ。

「脱ぐシーンばかり、話題にする日本はオカシイ。ヨーロッパではそういうことはないのに」
「賞は頂いた時点で過去のモノになる」

 この名言を発したのは女優の寺島しのぶ氏。ベルリン映画祭で銀熊賞に輝いたことはつい最近のニュースである。2010年3月5日(金)のNHKニュースウオッチ9の『寺島しのぶさん生出演 銀熊賞、演じること その素顔に迫ります』でキャスターの田口五朗氏に答えた内容の一部である。
 ヨーロッパは実力だけが問われる。有名無名に関わらず演技力が厳しく問われる。寺島氏は歌舞伎の名門に生まれながら、それこそ体当たりの演技で有名になった実力派である。ジャニーズだのバーニングだのの七光でやっているひ弱な芸人とは訳が違う。彼女は体当たりの演技を選んだのも一種のギャンブルである。失うものも多いが得るものも多い。
 下半身が一人歩きする事への懸念を寺島氏は持っており、上記のコメントになって現れる。「生活の一部として裸になることだってあるから」というから裸のシーンもやっているそうだ。これを、性の商業化で稼いでいる人たちは何と思うだろうか。何も言えなくなってぎゃふんとなるだけだろう。
 ゲームコーナーでのパチンコには口を出すつもりはない。なぜなら、換金できないのだからだ。だが、換金できるとなれば熱くなるのは自然である。ギャンブルはだから私には苦手である(ただ、寺島氏の前向きなギャンブルには拍手を送るが)。

今回参考にした文章の一部
http://www.wakamiyaken.jp/topics/topics.cgi
若宮健リポート 2007/07/17 


 ちなみにソフトバンクの創業者の孫正義氏の父君で現在はソウルに在住されている三憲氏はかつてパチンコ店の経営に携わっていたが、パチンコは客が必ず負けるものであるので好きではないと佐野眞一氏に述べているそうだ。
 私はパチンコをしないのはかつてパワハラ加害者がパチンコに狂い借金を闇金融からし始めてそこからクレームに繋がっていったことへの戒めがある。そのバカどもに私は人生を狂わされたのだから碇を未だに強く持っている。
 
 また私は人生論でもピンボケのメディアを批判している。
 ここまで言わないといけないのかと私は呆れる限りだ。

2012年04月02日
努力論 頑張らなくたっていいんだよ
 今回、NEWSポストセブンより引用する。

解任された横浜FC監督 「試合中も観客とほぼ同じ反応」の評
2012.03.22 16:00

 キング・カズこと三浦知良(45)の所属する、J2横浜FCの岸野靖之監督(53)が、18日付で解任され、後任監督には元日本代表MF・山口素弘氏(43)が就任する。開幕からわずか3試合(1分2敗)でのフロントの決断に、「(解任は)早過ぎる」の声もある一方で、一部サポーターからは「遅すぎる」とも指摘されている。あるスポーツライターはこう解説する。
「昨年、20チーム中18位になった時点で解雇されて当然。昨シーズン途中で首を切るべきだった。GMと監督を兼任させたのが、そもそもの間違い。自分の子飼いの選手をたくさん連れてきたが、ほとんど機能しなかった」
 昨季終了時点で、GM職は剥奪され、監督としての権限は残ったが、選手からもあまり信頼されていなかったという。
「試合中、『上がれ』とか『戻れ』とか状況を観て単純なことを叫ぶだけで、なにひとつ具体的な指示がない。監督なのに、ほとんど観客の反応と同じだった。ベンチサイドにきた選手も、監督ではなくコーチに意見を求めていることが多く見受けられ、戦術らしきものを感じることもできず、選手もシラけていた」(同前)
 2006年には、開幕1試合で当時の足達勇輔監督を解任し、“アジアの大砲”こと高木琢也氏をコーチから監督に昇格させ、優勝を果たし、念願のJ1行きを決めた過去もある横浜FC。山口新監督のもとでどんなプレーをみせてくれるのか。

 この岸野、以前監督をしていたサガン鳥栖からかなりの選手を引き抜いてそれだけ生え抜きの選手を追い出した。そのほかにも以前鳥栖に所属していた選手も引き抜いたのだが、まったく効果がなかった上に生え抜きの選手や引き抜いた選手の一人である藤田祥史選手がジェフ千葉に移籍した上開幕戦で活躍する皮肉である。そもそも、鳥栖でも評価は賛否両論あったほどだ。解任に関しては以下の記事が詳しい。

横浜FC監督解任(開幕直後)のウラにカネ
日刊ゲンダイ 3月24日(土)10時0分配信
 横浜FCが18日に岸野監督(53)を解任した。岸野体制1年目の10年は6位と健闘。しかし、昨季は18位に落ち込み、今季も1分け2敗で最下位に低迷。後任には98年仏W杯日本代表で、07年に現役を引退した山口素弘(43)の名前が取りざたされている。
「チームと本人は合意済み。一両日中に正式発表される」(マスコミ関係者)ともっぱらである。
 勝てないチームを引き締め、選手にカツを入れるための指揮官交代はサッカー界では常套(じょうとう)手段とはいえ、第3節でのスピード解任は早過ぎないか? 「カラクリがあった」と某サッカー記者が続ける。
「岸野前監督は3年契約を結んでいた。たとえば昨季終了時に解任された場合、3年目の今季分も年俸を支払わなければならない。しかし、シーズン途中の成績不振が理由の解任だった場合、年俸の月割り分しか払わなくていいのです。もともと横浜FCは岸野前監督を昨季限りでクビにする考えもあった。でも、今季分の年俸を丸々払いたくない。とりあえず今季も指揮を執らせ、出だしにつまずいたら解任することにしていた。次期監督内定の山口素弘とはオフから接触。開幕後に前向きな返答が届いたこともあり、それで第3節での岸野解任となった」
 横浜FCは20日、地元で東京Vと対戦してスコアレスドロー。采配を振ったのは、暫定監督の田口ヘッドコーチだったが、早ければ25日の次節・甲府戦で「山口新監督」のお披露目となる。

(日刊ゲンダイ2012年3月21日掲載)

 このことは脇においておこう。
 何故引用したかといえばこの岸野と言う男は精神力に依存した指導に終始していたのだ。そう、次のニュースでもそうだ。

G大阪・呂比須氏の発言に「ダメだこりゃ」の声
【社会ニュース】 2012/03/22(木) 10:38
 20日のACL(アジア・チャンピオンズリーグ)1次リーグにて、アデレードに0-2で完敗したG大阪。その試合後、敗因を尋ねられた呂比須ワグナー・ヘッドコーチのコメントが物議をかもしている。
 呂比須ヘッドコーチは敗因について「簡単には言えないが、私は気持ちの問題だと思っています」とコメント。4試合で10失点という守備の崩壊の理由を、選手のメンタルに求めた。
 しかし昨季まで強豪としてリーグの覇を競ったG大阪が開幕から4試合未勝利である現状を、「選手の気持ち」だけに原因を求めるのはやや無理がある。
 インターネット上では、この発言に対して「ダメだこりゃ」「その気持ちも含めてマネジメントするのがおまえらの役目だろとw」「ブラジル人は気持ちが好きだなw」「根性論最高や!」「何でも精神論で片付けられるのならコーチや監督は要らないだろうが^^;」と、失笑にも似た声が飛び交っている。
(情報提供:Sports Watch)

 精神力に依存しているようでは何もできない。
 以前私は精神力で自殺が減るかと皮肉った。 http://tetsuono123.seesaa.net/article/239796834.html
 同じことは介護福祉にも言える。今の介護福祉は弱者にばかり負担が集中している。彼らは雪隠詰め動揺に追い詰められてしまう。その最悪の結末を私たちは知っている。

ニッポン密着:清水由貴子さん自殺 「シングル介護」悲劇 懸命に母支え、疲れ…(毎日新聞) [2009年05月04日(Mon)]
2009(平成21)年05月04日(月・祝)
毎日新聞 東京朝刊
トップ>ライフスタイル>健康>福祉・介護

ニッポン密着:清水由貴子さん自殺
「シングル介護」悲劇 懸命に母支え、疲れ…
http://mainichi.jp/life/health/fukushi/news/20090504ddm041040117000c.html

 女優や歌手として活躍した清水由貴子さん(49)が4月20日、静岡県小山町の墓地で自殺した。翌日見つかるまで傍らには、車いすに座った認知症の母(78)が残されていた。
 芸能界から引退、母の介護を独身の身で引き受けていた清水さん。父の墓前で命を絶つまで笑顔を絶やさなかった。介護保険制度が始まって9年。その死は、独身者を含む家族が担う在宅介護の難しさを改めて浮き彫りにした。
 東京・浅草寺に近い下町で育った。小学3年のころ、父が急死。体の弱い母が内職で清水さんと7歳下の妹を育てた。
 「ユキちゃんは窓を開けて、澄んだ歌声を響かせていた」。
 当時を知る人は振り返る。
 「通学定期券で選考会場に行ける」。
 77年の歌手デビューのきっかけとなったテレビ番組「スター誕生!」の応募理由だ。
 弾き語りに使ったギターは、母が生活費を切りつめて買ってくれた。
 「家族を助けるため歌手になった。みんなの家を建てたい」。
 母への感謝を胸に身を粉にして働いた。東京都武蔵野市に一軒家を新築したのは94年のことだ。



 「食事は?」
 「寝る時間だよ」
 「戸締まりは?」。
 仕事の合間に電話をかけては母を気遣った。持病の糖尿病を軽くしようと食事療法を研究した。
 母は05年ごろから近くのデイサービス施設へ通い始めた。娘のヒット曲「お元気ですか」を歌った時期もあるが、次第に視力が悪化。外出が困難になり、清水さんは06年、所属事務所を辞めた。「介護しながら花を扱う仕事をしたい」と話していたが、実際は電話オペレーターのパートで介護と家計を支えた。引退後も連絡しあったデビュー当時からのマネジャー、富士原光男さん(56)は泣き言を聞いたことがない。ただ、こんなつぶやきが耳に残る。
 「車いすになったら大変だな」
 昨年8月、母は自宅で転倒して骨折し、要介護度は「5」に。車いす生活が現実となり、認知症も進んだ。介護関係者は、ヘルパー派遣やショートステイの利用を勧めたが、清水さんは「私が見ます」とこだわった。
 月約36万円(1割は自己負担)の介護サービスのうち使ったのは25万円程度。同居の妹には「家のことは気にせず老後のために貯金しなさい」と、独りで抱え込んだ。「負けず嫌いだから。引くに引けなくなったのかな」。富士原さんは思いやった。



 独身の子供が親を介護する「シングル介護」が増えている。厚生労働省の調査によると、65歳以上がいる世帯のうち「親と未婚の子だけ」は、86年の11・1%から07年は17・7%になった。介護などで離職や転職する人も多く、総務省の就業構造基本調査では年間約14万4800人(06年10月~07年9月)に達する。立命館大の津止正敏教授(地域福祉論)は
 「親の介護が影を落とし、結婚できない人が増えているのではないか」と指摘。
 「介護離職者は収入が減るのに介護支出が増え、貧困に直結する。介護者の支援プログラムが必要」と提言する。
 厚労省の研究班が05年に実施した調査では、在宅介護者の4人に1人は抑うつ状態だった。
 介護問題に詳しいノンフィクション作家、沖藤典子さんは「介護保険には、思いを聞くなど介護者をケアする仕組みがない。追い詰められる人は大勢いる」と語る。毎日新聞が報道した06~08年の介護殺人・無理心中(既遂)は97件。年平均(約32件)は介護保険導入前の99年(21件)を上回る。


 「すぐ帰ってくるね」。
 先月20日、清水さんは妹に言い家を出た。通所介護の予約日だったという。
 JR御殿場駅からタクシーで冨士霊園へ。運転手に
 「往復で」
 と告げたが、降車の際は
 「時間がかかるので帰ってください」
 と言い直した。現場に
 「母を連れて行きます」
 と書かれた遺書があった。だが、硫化水素を吸ったのは清水さんだけ。
 ともに人生を切り開いた母を道連れにすることをためらい、心は揺れ動いたのか。
 「お花がきれいに咲いてるよ」。
 近所の女性は、自宅玄関前で、車いすの母にやさしく語りかける清水さんの姿が忘れられない。【山本将克、佐藤 浩】

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■ことば
◇介護保険制度
 寝たきりや認知症などで日常生活に手助けが必要になった高齢者を社会全体で支える社会保障制度。00年4月にスタートした。
 市区町村が運営し、介護サービス費用の9割を給付する。40歳以上が保険料を払い、原則65歳以上がサービスを受ける。介護が必要かを示す要介護認定は最も軽い「要支援1」から、日常生活に介護が必要な最重度の「要介護5」まで7段階あり、利用限度額に差がある。
 少子高齢化の進展に伴い、介護保険の総費用(介護給付費と自己負担額の合計)は3・6兆円(00年度実績)から7・4兆円(08年度予算)に倍増し、利用者も約150万人から約380万人に増えた。

毎日新聞 2009年05月04日 東京朝刊

 精神論で何とかなるわけではない。
 周辺の人たちに言いたい。「一人で抱え込まないでいいんだ」「頑張らなくたっていいんだ」という声をかける必要があるのではないか。たとえば、ゴールを決めるにはいくつかのプロセスがある。相手の反則を誘うプレイもそうだしサイドからのオーバーラップ、シュートなどもそうだ。それを無理に一つしかないと言うのがハシゲやポルポト石原に過ぎないのである。
 何度も私は言いたい。頑張らなくたっていい。休んだっていいじゃないか。人と比較して足りなくてもいい、ただそれだけ努力する必要はあるけど、それを認める人だっている。

 それに、政治一つとってもここまで不信感を招いているのである。
 これでいいのだろうか。

2012年04月26日
この政治の停滞を前に進むために
<虚偽記載事件>小沢一郎元代表に無罪判決…東京地裁
毎日新聞 4月26日(木)10時3分配信
 資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の判決で、東京地裁は26日、無罪(求刑・禁錮3年)を言い渡した。大善文男裁判長は、東京第5検察審査会の起訴議決を有効と判断し、元秘書たちが作成した陸山会の政治資金収支報告書が虚偽記載にあたると認定。元代表の一定の関与も認めたが「元代表は違法性の根拠となる具体的事情まで認識していなかった可能性を否定できず共謀を認めて刑事責任を問うことはできない」と結論づけた。
 政界実力者が検察審査会の議決で罪に問われた異例の公判。無罪となったことで政界に多大な影響を与えるとともに、検察審制度の在り方を巡る議論にも波及しそうだ。
 判決は、元代表が土地購入時に提供した4億円は陸山会への貸し付けにあたると判断。陸山会事務担当の元秘書で衆院議員、石川知裕被告(38)=1審有罪、控訴中=は借り入れを04年分報告書に記載せずに同額の銀行融資を記載し、土地購入についても05年分報告書にずらして記載したと認定した。その動機については「4億円提供が対外的に明らかになって(元代表が)マスコミなどから追及され政治的な不利益(になること)を避けるため」と指摘した。
 さらに判決は、土地購入の記載を先送りしたことや4億円を記載しないことについて、「元代表が石川議員から報告を受けるなどし、了承・承知していた」と関与を認定。こうした虚偽内容が含まれる収支報告書についても、元代表が石川議員のほか、後任事務担当だった元秘書の池田光智被告(34)=同=から「改めて報告を受けて認識し、了承していた」と指摘した。だが、共謀の成立に必要な要件である「(虚偽記載をしようという)故意」を欠くと結論づけた。
 公判では、東京第5検察審が議決の根拠の一つとした、石川議員の聴取状況をまとめた田代政弘検事(45)作成の捜査報告書に実際にはないやりとりが記載された問題も判明。弁護側は「検察は意図的に検察審に誤った判断をさせており、議決は無効」とも訴えたが、判決は「審査手続きの瑕疵(かし)とは別問題」だと指摘。議決を有効とした。【和田武士、鈴木一生、山本将克】

 ◇「公正さに敬意」小沢元代表がコメント
 民主党の小沢一郎元代表は26日午後、無罪判決についてコメントを発表した。内容は次の通り。
 本日の判決は、「虚偽記載について共謀したことは断じてない」というかねてからの私の主張に沿うものである。裁判所の良識と公正さを示していただいたことに敬意を表するとともに、今日までご支援いただいた同志と全国のみなさんに感謝を申し上げたい。

 ◇小沢元代表の強制起訴内容
 小沢元代表は(1)陸山会の会計責任者だった元公設第1秘書の大久保隆規被告や、事務担当の秘書だった衆院議員、石川知裕被告と共謀。04年10月12日ごろ、4億円を陸山会に提供して同会が同29日までに東京都世田谷区の土地の購入費として約3億5200万円を支払うなどしたのに、04年分政治資金収支報告書に記載せず(2)大久保元秘書や、石川議員の後任の秘書だった池田光智被告と共謀し、土地購入を05年1月7日と偽って05年分報告書に記載し--それぞれ各年度末に総務相に提出した。

 ◇陸山会事件
 小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」が04年10月、元代表提供の4億円を元に土地を購入しながら同年分の政治資金収支報告書に記載せず、購入の事実だけを翌05年分にずらして記載したとされる政治資金規正法違反(虚偽記載)事件。10年に東京地検特捜部が石川知裕衆院議員ら元秘書3人を逮捕、起訴(1審有罪、控訴中)し、元代表は不起訴とされたが、一般市民で構成する東京第5検察審査会は「起訴すべきだ」と2度議決。検察官役の指定弁護士が11年1月、同法違反で元代表を強制起訴した。

 陸山会事件についてはとりあえずの結論が出たわけで、このことについてはコメントは差し控える。
 しかし、小沢氏にはこの資金の動きについて説明する義務がある。ニコニコ動画に出て説明するだけではなく、週刊金曜日やしんぶん赤旗に出て説明するべきだろう。そうすることで、小沢氏への支持が回復するばかりか、誤解が解ける可能性が一気に高まる。
 「新自由主義から社会民主主義的政策への転換」「官僚支配の打破」「米国偏重外交からの脱却」という、民主党を中心にした連立内閣の精神を護憲保守・中道・革新勢力によって構成した日本版「オリーブの木」連合の実現を小沢氏にはして欲しい。小沢氏が尊敬しているチャーチルはナチスドイツを倒すためにソ連と手を組んだように、小沢氏は日本共産党と手を組み、新党きづな・社民党・自民党護憲保守派新党と共闘してもらわねばならない。
 絶対にハシゲやポルポト石原、愚か者のネオコン・ネオリベとは手を組んではいけない。石原など、こんな馬鹿なことをしている。

バカバカしい!「尖閣」の値段 3億~350億円で大騒ぎ
【政治・経済】
日刊ゲンダイ
2012年4月23日 掲載
どんな思惑があるのか
 東京都の石原知事が買い取りをブチ上げ、政府もメディアも「尖閣諸島」問題で大騒ぎだ。地権者の弟がインタビューにバンバン登場し、仲介者の自民党・山東参院議員も経緯を説明。中国が毎度のごとくヒステリックに反応し、民主党の前原政調会長は「買うなら国が」と踏み込んだ。
 ひと口に「尖閣」といっても、5つの小島からなり、今回買い取りの対象になっているのは、最も面積が大きく西端にある魚釣島とその周辺にある南小島と北小島の3島。さいたま市在住の所有者は、この3島を国に貸していて、年間の賃借料は合計2450万7600円だ。
 都と国のどちらが買うにしろ、その財源は税金だ。石原が購入価格について「言えない。そんなに高くない」と隠すから、ワイドショーなどでは相場予想もかまびすしい。国の年間賃料から推測して3億~5億円という見方もあれば、10億~15億円とハジいた大学教授もいた。そんな中で、ギョッとする価格を口にしたのが、当の地権者の弟である。テレビや新聞の直撃に「外国資本が350億円で買いたいと言ってきたこともある」と明かしたのである。
 これには、尖閣問題を取材してきたジャーナリストがいぶかしがる。
 「わざわざ350億円と明かしたのは、価格を吊り上げようとしているんじゃないか。石原知事によって、ナショナリズムがあおられ、島の価値が上がっていく。それに、地権者本人は出てこないで、弟がスポークスマン役なのも不思議です」
 「国益を守る」という大義名分の下、言い値を支払わされることになったら、たまったもんじゃない。

 このバカ騒ぎでアジアがまたしても憤慨している。台湾がすでにこの動きをけん制している。
 国際法ですでに日本の領土であることは明らかなので、このことでガアガア言うバカどもは相手にする必要はない。資源がそんなに欲しいのなら、日本が主導権を握る形で共同開発を提案し、相手の先をしのぐ形で封じ込めればいいのである。
 中国の独裁政権が感情的な態度を取れば取るほどハシゲなどのファシストどもは喜ぶ始末だ。なぜなら、アジアよりもアメリカと仲良くしたいのが本音なのだから。しかし、アメリカはそんなに甘くはない。さらに東日本大震災で苦しんでいた日本を救ったのは韓国と台湾であり、彼らとの友好関係をさらに前に進めるべきなのは言うまでもない。そうすることで中国の独裁政権に緩やかな圧力をかけられるメリットがある。
 小沢氏はそうしたことを念頭において、反TPP、アジアとの関係の密着化を中心にしてもらいたい。そこで共産党とは共闘できるはずだ。

 そしてメディアはこんなくだらない小娘どもに現を抜かす。
 本当にばかばかしいの一言に尽きる。

2012年06月06日
短い人生は時間の浪費によっていっそう短くなる。(サミュエル・ジョンソン)
 AKB総選挙:フジテレビが開票特番! 「L字画面」で全ての選挙結果生中継
2012年05月16日
 6月6日に日本武道館で行われる「第4回AKB48選抜総選挙20+件」の開票イベントをフジテレビが生中継することになった。
 AKB史上初の“選挙特番”で、午後7時から全ての選挙結果が出るまで放送する。政治の選挙速報さながらのゴールデンタイムでの生放送決定は、選抜総選挙20+件が国民的関心事になってきたことを証明した。
 特番は「AKB48第4回選抜総選挙20+件 生放送SP(仮)」(後7・00)と題し、東京・台場のフジテレビ本社特設スタジオから生中継。昨年は日本テレビ「なるほど!ハイスクール」の放送内で中継したものの、1~3分間の短い映像が3回ほど流れたのみだった。
 前半1時間は総選挙の見どころを紹介。同局のアナウンサーが進行役を務め、卒業発表により不出馬を表明した前田敦子(20)の心境、総合プロデューサー秋元康氏(56)の思い、AKB48ファンのタレントらによる順位予想などを中心に伝える。
 午後8時台から会場の日本武道館と中継を結び、発表の模様を放送。イベントの開始時間はまだ公表されていないが、過去3回は午後6時からスタート。政治の選挙特番さながらに「L字テロップ」を使い、中継前に発表された順位も含めて速報していく予定だ。舞台裏にもカメラが密着し、メンバーの会場入りする表情やスタッフの動きなどを追いかける。
 放送終了時間は未定。昨年は午後9時ごろに最終結果が発表されており、同局は「1位の発表まで中継する予定です」とコメント。番組の濱野貴敏プロデューサーも「武道館の興奮をお伝えしながら、64位から1位の発表まで全順位を網羅する」と力が入っている。
 今回は通算27枚目のシングル(8月発売予定)を歌うメンバーをファン投票で選ぶイベント。姉妹グループ含め過去最多となる237人が参加する。昨年までは40位以内が発表対象だったが、今回は64位に拡大。前回1位の前田の不出馬により、センターが誰になるのか大きな関心を集めている。(スポニチ)

 一言で言って、歌を歌うためだけに総選挙なる人気投票とは情けない。
 私はアホくさくて相手にする必要はないと思っている。シビアな批判を早速日刊現代がしていたのでここに引用する(ただ、見ている読者層もかなり甘いので人の事は言えないのだが)。

AKB総選挙狂騒曲のなんとも異様な舞台裏
【芸能】
2012年6月6日 掲載
テレビ局、芸能プロ、マスコミがお互いにチャチャを入れず一体となって神輿を担ぎ…
<一喜一憂はファンだけじゃない>
 6日、注目のAKB総選挙1 件が日本武道館で行われる。立派な社会現象である。
 4回目となる今回は、フジテレビが国政などの選挙さながらに開票速報を「選抜総選挙生放送SP」として独占中継する。普通なら他局が裏に強力な番組をブツケてくるが、ワケあって横やりはなし。開票速報一本かぶりになりそうな雲行きである。そこで、テレビマンの間では視聴率予想が盛り上がっているという。
「TBSはロンドン五輪の男子バレーボールですが、女子と違って人気は高くない。他は通常編成です。速報は演出にもよりますが、10%台後半は堅いとか、20%超え、25%超えといった声もあります」(テレビ局スタッフ)
 また、スポーツ新聞や雑誌では事前の順位予想が花盛り。AKBバッシングなど批判的論調は皆無で、芸能界、テレビ局、マスコミが一丸となってAKBという“お神輿”を「わっしょい、わっしょい」と担いでいる印象だ。実はAKBを盛り上げるのは芸能界全体の総意のようなものだという。
「景気が冷え込んで、AKBの他に芸能界では『嵐』もの以外、ヒットしている企画がないためです。全体を仕切っているのは電通。セブン―イレブンやグーグルなど大企業がスポンサードしていて、巨額の“AKBマネー”が芸能プロ、テレビ局、マスコミに流れて潤している構造です。すでによく知られていますが、AKBは大小さまざまな芸能プロに所属するアイドルの集合体。モー娘のブームの時のように、特定の事務所だけが儲かるという構図ではない。“お神輿”を担いでいればどこもそれなりの“御利益”にもあずかれるシステムなのです」(広告代理店関係者)
 普段はライバルのはずの民放同士や新聞各社が一緒になってお祭り騒ぎを繰り広げ、よそがやっていることにチャチャを入れたりもしない。なんとも異様な状況になっているのだ。これで視聴率が取れないなんてありえない話。ダメならAKBブームもそろそろ……ということだろう。総選挙の結果に一喜一憂しているのはファンだけじゃないようだ。

 噺家の桂南光氏はAKB総選挙を「言うたら悪いけど、 ひっどい商売するなと思ってね。これね、宗教とかねいろんな商売とかそんなんをひっくるめた一つのやり方やで。いやこれごっつひどい」と批判した。だが、この批判をメディアは隠している。
 さらにナインティンナインの岡村隆史氏も2011年6月10日、ラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』で、以下のように「AKB48総選挙」などのアイドルグループとその商法を疑問視するコメントを発した。
 
「総選挙いうてますけど、パッケージが総選挙やからいいんですけど、これ逆ホストですよ」
「逆ホストクラブ。あなたをこのお店でナンバー1にしてあげるわっていうのと同じことやと思うんですよ」
「僕だけでしょうか? ゾッとしているのは」
「こういうのが普通になってきてCDぎょうさん買ってね、選挙でこの人が1位になってセンターになって、しかもオサワリなんて握手くらいなもんでしょう?」

 全く同感だ。
 そんな事で騒いでいるのなら、原発問題やハシゲの独裁を厳しく追及してみろと挑発したいほどだ。桂氏や岡村氏の批判を真っ向から受け止めて見やがれといいたい。こんな馬鹿な事ばかりするから、著作権がどんどん闇の世界に消えていってしまうのだ。
 タレントは商売道具ではない、芸術を世の中に商売し、価値で評価されるアーチストである。人を道具にする今のメディアのあり方に私たちは疑問を感じざるを得ない。

 更に国家財政が破たんしたギリシア問題でも日本のメディアはピンボケ報道に終始した。
 本当に腹立たしい。情けないではないか。

2012年06月19日
カジノ経済なんかに頼るから破綻する
 
【話題のニュース】

ボーナス貯蓄1万5千円アップ 今夏の想定、消費に慎重
2012年6月16日 16時52分
 ボーナスから貯金に回すお金は昨年より1万5千円アップ―。電通総研が実施した今年夏のボーナスの使い道調査によると、支給額が抑制されるなか消費に一段と慎重になり、貯蓄を優先する家庭の姿があらためて浮き彫りになった。
 ボーナスの想定額は、世帯平均で昨年に比べて1万1千円少ない59万6千円。預金や貯金に振り向ける金額は1万5千円増えて27万7千円となる一方、消費に充てる金額は15万5千円と8千円少なくなった。
 各世帯が使い道として検討しているのは「国内旅行」(30・0%)が昨年に続き首位で、「ぜいたくな外食」(11・2%)が続いた。
(共同・中日新聞社)

 最初にこのニュースを示したと言う事はどれだけ不景気なのかと言う事を実感してもらうためのニュースである。

【国際】
ギリシャ、緊縮支持派で連立政権発足へ 
2012年6月18日 12時46分

 【アテネ=有賀信彦】ギリシャ議会(定数300)の再選挙は17日に即日開票され、内務省の中間集計(開票率99・8%)によると、財政緊縮策推進派の新民主主義党が第1党となる129議席、全ギリシャ社会主義運動が33議席を獲得し、旧与党の両党で過半数を確保した。緊縮推進派が勝利を収めたことで、ギリシャのユーロ圏離脱の危機は当面回避された。
 反緊縮派の急進左派連合は第2党の71議席にとどまった。急進左派連合が勝った場合、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の金融支援が停止され、ギリシャがユーロ圏離脱に追い込まれるとの見方もあった。
 新民主主義党(ND)のサマラス党首は17日夜、「国民がユーロ圏残留を望んでいることを示した。これは欧州全体の勝利だ」と勝利宣言し、全政党による挙国一致内閣の樹立を呼び掛けた。一方、急進左派連合のツィプラス党首は敗北を認めた上で「引き続き反緊縮の立場で戦っていく」と連立入りを拒否した。
 サマラス党首は18日にもパプリアス大統領の要請を受け、組閣作業に入る。全ギリシャ社会主義運動は連立参加の意向を示しており、両党を軸に連立政権が発足する見通し。
 中間集計によると、新民主主義党の得票率は29・7%で、急進左派連合の26・9%とわずかな差しかないが、ギリシャの選挙制度では第1党に50議席のボーナスが与えられるため、大差となった。
(中日新聞)

 サマラス自称党首は傲慢なものの言い方をしているようだが、最初にきっぱり言っておかねばならない。
 ギリシャをめちゃくちゃにしたのは賄賂文化でありそれにのっかかったND、PASOKの罪は際立って深い。国民はこんな選択をした。

議会定数300
ND 129議席(得票率29.7%)
反緊縮派 急進左派連合 71議席(同26.9%)
全ギリシャ社会主義運動(PASOK) 33議席(同12.3%)
「独立ギリシャ人」党 20議席 ND造反議員
極右政党・黄金の夜明け党 18議席
「民主左派」 穏健反緊縮派 17議席
ギリシャ共産党 12議席

 ギリシャの経営破たんに関しては唯一きちんとした問題指摘をしているのが日本共産党だけと言うのは非常に情けない。
 
2010年7月2日(金)「しんぶん赤旗」
ギリシャと日本ココが違う 「即破たん」根拠なし

専門家が指摘
 菅直人首相は「このままいったら1年か2年でギリシャのようになってしまう」(参院選第一声)と脅して消費税増税を持ち出しています。日本がすぐ財政破綻(はたん)するという主張には根拠がないとの指摘が専門家から相次いでいます。

資金は日本国内
 識者が共通して指摘しているのは国の借金=国債の約7割を海外投資家が買っているギリシャと、9割以上が国内の資金で買われている日本との違いです。
 経済ジャーナリストの荻原博子さんは自身のブログでギリシャについて「ちょっと危ないとなればすぐに資金を回収にまわる消費者金融(海外)から借りている」とたとえました。日本については「お父さん(国)がお母さん(国民)に借金をしている」と言い、「国内でもたれている分には、即座に破綻してしまう危険性は少ない」と書いています。
 毎日新聞社が発行する経済週刊誌『エコノミスト』は6月29日号で「国債暴落の“ウソ”これだけあるギリシャとの違い」の特集を組みました。そこで国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局エコノミストの徳岡喜一氏はこう述べています。
 「ゆうちょ銀行、その他の銀行、保険会社などを通じた間接保有も含めると、少なくとも国債残高の半分を、家計がその巨額の金融資産をもってファイナンスしていると解釈することができる」

外資左右できず
 英国の経済紙、フィナンシャル・タイムズ2月8日付は「日本の債務危機は誇張されている」との論評で「日本の債務は国の保有分を差し引けば国内総生産(GDP)の100%以下」「日本の債務の95%は国内で消化されている。気まぐれな外国人が左右することはできない」と論じています。

2012年6月15日(金)
ギリシャ再選挙 ユーロ圏残留 富裕層に増税 注目集める急進左翼
 17日に迫ったギリシャ議会の再選挙で、5月の総選挙で議席第2党に大躍進した急進左翼連合の伸張が世界の関心を集めています。同党は、融資と緊縮に関するギリシャと欧州連合(EU)との合意の廃棄と同時に、ユーロ圏残留を主張。しかし「急進左翼が政権をとれば国が破産しユーロ離脱となる」と批判を受けています。同党はこれを「脅し」ととらえ、「希望」を対置してたたかっています。 (アテネ=小玉純一 写真も)
 小学校の授業。教師がユーロ圏の国名を次々読み上げると、児童が質問します。「ギリシャは?」。沈黙する教師―。
 これは選挙に向けた新民主主義党のテレビスポット。世論調査では国民の8割がユーロ圏残留支持です。
 「ギリシャが救済計画(EU合意)をキャンセルすれば欧州の厄介者だ」「これはユーロ離脱となる」―新民主主義党のサマラス党首は13日、会見でこう述べました。
 同党は今年2月、ギリシャに一層の緊縮を押し付けるEU合意を容認。5月の選挙で議席は第1党となったものの、得票を大幅に減らしました。その後の世論調査でしばしば急進左翼に支持率トップを奪われています。
 サマラス党首の発言に対し急進左翼は13日、「貸し手による脅しの繰り返しだ」と批判する声明を発表しました。
 “貸し手”であるEUと国際通貨基金(IMF)はギリシャに対し、合意を堅持してユーロ圏に残留するよう繰り返し要求。オランド仏大統領も13日、ギリシャのユーロ圏残留には「信頼関係が必要だ」と述べ、合意の堅持を求めました。
 急進左翼の候補者の一人、イリオプラス氏(30)は、こう語ります。「EU合意で賃下げ、公務員削減などを決めた。100万人以上が失業、若者の半分が失業している。EU合意を廃棄すれば破産するというが、人々はすでに破産している」
 急進左翼は、ギリシャ経済を悪化させるEU合意を廃棄し、債務返済に関しEUと交渉する方針。「貸し手にけんかを売るのではない。説得するのだ」―ツィプラス党首は12日、会見でこう強調して、「急進左翼が勝利すれば新しい政治の時代が到来する」と語りました。
 同氏は各地の演説で、「最低賃金、失業手当、年金を元の水準に戻し、富裕層に課税し、汚職をなくす」と述べ、こう語っています。「他党は恐怖の言葉を語っている」「われわれは希望の言葉を話す」

 今回の選挙は事実上急進左翼の勝利と私はみなさせてもらう。
 既存政党は既存勢力に甘い顔をして庶民には傲慢な税制を課す。その結果、こんなとんでもない事態になった。CNNより引用する。

緊縮財政のギリシャで自殺者が急増、抗議の焼身も
2012.04.09 Mon posted at: 16:27 JST
緊縮財政を進めるギリシャでは自殺者の数が急増しているという
(CNN) 銀行に面会を拒まれたアポストロス・ポリゾニスさん(55)は、絶望と怒りに身を任せるほかなかったという。事業が破綻(はたん)して、当時の所持金はわずか10ユーロ。昨年9月、その金でガソリンを買い、ギリシャ2 件北部テッサロニキの銀行前で焼身自殺を図った。
 3児の父親でもあるポリゾニスさんは、銀行に融資を撤回されて苦境に陥り、「生きている価値はないと思った。自由なギリシャ人でいる権利を失った」と振り返る。幸い、警察に助けられて病院で生死の境をさまよった末に回復したが、債務危機が悪化する中、このニュースは大きな注目を集めた。
 欧州連合(EU)統計局によれば、ギリシャの昨年の失業者は5人に1人の割合に達し、年金や給与のカットにあえぐ人も増加。緊縮策に対する抗議デモが続く首都アテネでは、4日にも77歳の男性が抗議の遺書を残して、銃で頭部を撃って自殺した。
 当局の統計によれば、同国の2011年1~5月の自殺者は、前年同期に比べて約40%急増した。自殺防止ヘルプラインを運営する非政府組織には、1日あたり100件あまりの相談が寄せられ、4人中3人が経済問題で悩んでいるという。景気後退に陥る前の相談件数は1日10件足らずだった。「ギリシャの社会的枠組みが、ひずみを生み出す原因となっている。社会の病的な状況の表れの一つが自殺だ」と同組織の関係者は言う。

ギリシャ緊縮策に70代男性が抗議の自殺、生活苦訴える遺書
2012.04.05 Thu posted at: 12:11 JST
アテネ(CNN) ギリシャの首都アテネ中心部にある議事堂前で4日、元薬剤師のギリシャ男性77歳が通勤時間帯に自殺した。政府の緊縮策に抗議したとみられる。警察が4日に明らかにした。
 警察によると、男性は現地時間の同日午前9時ごろに自殺し、付近から銃が見つかった。周辺には抗議行動を行っている人たちがほかにもいたという。男性は子ども達に負債を残したくないと叫んだという。
 国営テレビによると、死亡したのは70代半ばの男性で、「年金を35年も払ったにもかかわらず政府のせいで生きていけなくなった。ゴミ箱から食べ物をあさる前に、死ぬ以外にまともな方法を見つけられなかった政府のせいで生活できなくなった」とする内容の遺書を残していた。遺書は男性の娘がマスコミに届けたとされるが、警察では中身を確認していないとした。
 パパディモス首相は哀悼の談話を発表し、「われわれの社会が難局にある中で、国そして国民のすべてが、絶望の中にいる隣人を支えなければならない」と指摘した。
 政府報道官は記者団に対し、男性の死は「悲劇」だとしながらも、死に至った状況は分かっていないと述べ、政治論議に影響が及ぶことはないとの認識を示した。

 こんな人間とは思えない冷血なギリシャ政府に我々は拒否を示さねばならない。
 ギリシャから他の国に移住していくケースも出てくるだろうし、その逆にアジアからギリシャへ移住する外国人も出てくる。その中で問題なのは既存のギリシャ人との衝突である。それらはギリシャに大きな破滅をもたらす危険性が高い。
 私はギリシャを厳しく見続ける。自称政府には拒絶の声を容赦なく上げ続けると明言する。

 そして、既得権力者と成り下がったメディアはここまで腐敗する。

2012年08月09日
オンライン電子図書・メディアとどう向き合うか(6)


戦時中の検閲国家に逆戻り! こっそり進む悪法ACTAを止められるか?
 2012年8月6日 15:00 

外注の検閲法が参院で可決
 マスコミ報道がロンドンオリンピックで塗りつぶされる中、悪法の批准がこっそり進められている。「模倣品・海賊版拡散防止条約」通称「ACTA」と呼ばれる条約だ。批准が決まると、日本は戦時中と同じ検閲国家に逆戻りする。

発端は中国コピー商品対策
 同条約はもともと2003年に日本が提唱したもの。中国からのコピー商品に悩む小泉政権が中国政府に対するけん制として起草に取り組んだ。
 ただ、その後の起草過程はいっさい公開されず、条約案は徹底した秘密主義のもとで作成された。同条約案についての報道がいっさいなかったため、2008年にウィキリークスが審議過程を暴露するまで、審議されていることすら知られていなかった。
 提唱したのが日本であるにもかかわらず、日本語訳はない。外務省は「仮訳は存在しない。作る予定もない」と冷ややかな対応をみせる。

まるで戦時中! 検閲国家を実現する条約
 内容的にもさまざまな問題がある。個人のブログなどに、わずかでも著作権を抵触する恐れがある表現が盛り込まれた場合、ただちに接続を遮断されることもありうる。
 著作権法の詳細には曖昧な点が多く、現在でもさまざまな裁判で争われているほどだ。法律家でも判断が難しいが、それを100%クリアしていなければ、どんな情報も国家の判断で遮断できることになる。
 ブログやFacebook、Twitterなどでは常に双方向のやりとりがおこなわれており、著作権を侵害する意図がなくても、同法に問われない状態を常時保つことは、ほとんど不可能である。
 また表向きは著作権侵害を見張るため、としてプロバイダーに対して情報の監視義務を負わせている。
 たとえば現在、金曜日ごとに多くの人が集まる官邸前デモについて情報発信しているサイトを狙い撃ちして、「著作権法違反」の言いがかりをつければ、大手マスコミがほとんど報じない中、簡単に情報統制をおこなうことができる。

欧州議会では圧倒的多数で否決
 言論封殺にもつながる危険性が高いため、欧州議会では7月4日に開かれた本会議で、賛成39、反対478、棄権165と、圧倒的多数の反対によって否決された。
 日本では7月31日、まったく反対意見などが出されないまま、参議院外交防衛委員会にて、あっさり可決された。衆議院外務委員会が賛成すれば、正式に批准が決まる。
 欧州では欧州委員会(EC)が署名した条約を欧州議会が否決した。今回初めてのケースだというが、実現させたのは280万人分の「ACTA反対」請願署名だった。日本でもあきらめてはならない、として急ピッチで署名が集められている。

 私はこの自称国際法に断固反対する。
 問題点があまりに多すぎる。偽物や著作権法違反を取り締まるというのなら、著作権教育を小学校の段階から行うべきなのに最初から力尽くで行うのだから問題だ。これでまともな言論者は死滅しかねない。あろうがことかあの日本共産党まで賛成したというのだから事は深刻だ。
 私はこの法律もどきの提出を恥ずかしいことに知らなかった。村野瀬玲奈さんのエントリーで知って大至急調べて内容を把握し、直ちに批判すべきだと判断した。反対署名に既にサインをさせてもらったが、日本はこの数年間で危険なまでに戦争ができる「普通の国」になりつつある。だが、それは決してあってはならない。
 イギリスではアメリカ政府による国策捜査によってイギリス人学生が不当に逮捕された。そんなことが日本でも日常茶飯事になることは目に見えている。この動きに国際的ハッカー集団・アノニマスが既に反対している。可決されれば確実に危険な情報テロが行われる危険性が高い。
 そうなれば逆にかえって国民の危険性を増やす結果になってしまうのだ。
http://wired.jp/2012/07/12/richard-odwyer/

 更にアメリカべったりの日本のメディアはここまで堕落する。
 この国をゆがませたいのかと深い怒りを覚える。

2012年12月14日
孤独死・日本のアメリカ化を回避するべきだ
大さんのシニア・リポート~第6回 あなたは"孤独死予備軍"ですか?
社会 2012年11月19日 13:26 NETIBニュース
* http://www.data-max.co.jp/2012/11/19/post_16449_oh_1.html
* http://www.data-max.co.jp/2012/11/20/post_16449_oh_1.html

 「ハナ肇とクレージーキャッツ」の桜井センリさんが亡くなった。孤独死だという。そういえば飯島愛、大原麗子、山口美江という女優やタレントも孤独死だった。人は誰でも死を迎えることを知ってはいても、人生の最期が誰にも看取られることなく逝くというのは、いかにも悲しい。しかしながら、孤独死から完全に逃れる術を誰も持つことはできない。孤独死の現状を報告してみる。

 2008年7月、フジテレビ「報道2001」にゲストコメンテーターとして出演したときのこと、レギュラーコメンテーターのひとり、評論家の西部邁(すすむ)さんが、「人間生まれたときも一人、死ぬときも一人」という内容のことを話された。「シリーズ老人漂流」のコーナーで、拙著『団地が死んでいく』をベースに、「集合住宅での孤独死」について話を進めていたときのことだった。

 「西部さん、一人で死ぬのは勝手ですが、遺体の処理は大変なんですよ.」と話した。生放送終了後のことである。孤独死の場合、当然検視が入り、その後「特殊清掃業者」によって遺体は処理されることになる。一般の葬祭業者ではない。名前の通り、「特殊」なのである。日にちの過ぎた遺体は痛み、その処理は困難を極めるという。具体的な処理法には言及しないが、想像に難くないだろう。このことを話すと、西部さんは「これじゃ、1人で死ねないね」と苦笑された。

 孤独死という言葉は、1995年の阪神淡路大震災のとき、仮設住宅内で起こった独居高齢者の自死や病死のことを、神戸新聞をはじめとするマスコミが「孤独死」と表記したことにはじまる。厚労省はかたくなに「孤立死」を譲らないが、「孤独死」と「孤立死」とでは意味が微妙に違う。

 その孤独死を本格的に世間に知らしめたのは、千葉県松戸市にある常磐平団地である。1960年竣工。167棟、総戸数5,359、団地人口2万4,000人(現在1万9,000人)、築52年の超オールド団地である。2000年、その団地に孤独死が起きた。家賃が3カ月振り込まれなかったため、催促にきたUR(都市再生機構)の職員が白骨化した遺体を発見した。死後3年がたっていた。家賃が自動引き落としだったため、預金が底をつくまで誰も彼の死に気づかなかったのである。

 自治会長だった中沢卓実さんは、団地の恥と決断して、その孤独死に積極的に対峙した。マスコミが注目したことで「孤独死」という言葉が一気に世間の耳目を集めた。加えて「孤独死は高齢者の専売特許」という概念をよそに、40代、50代の働き盛りの孤独死者も含まれていたことで、問題を多面化させた。

 中沢さんは団地内に「松戸孤独死予防センター」を開設。高齢者を中心とした生活相談の場を提供。合わせて「いきいきサロン」という高齢者の居場所を設けた。利用料は1回100円。コーヒーなどの飲み物がふるまわれる。1年362日オープン。1日30人が訪れるという盛況ぶりだ。同時期に独居高齢者の見守りをスタートさせている。その後、NPO法人「孤独死ゼロ研究会」を立ち上げ、盤石の態勢を敷いた。

 常盤平団地は家賃値上げ、建て替え反対運動を通して住民の意識を喚起し、絆を深めたという歴史的背景を持つ。これに「孤独死ゼロ作戦」を展開させたことで、UR賃貸の空室状況を一変させることになったのである。松戸市も「孤独死ゼロ作戦」に協力するという姿勢を見せたため、松戸市は福祉にやさしい町としてのイメージを一気にアップさせた。常盤平団地は空室ゼロで、周辺のUR賃貸住宅の苦戦をよそに、入居待ち状態が続いている。

 興味深い事実がある。2年ほど前、東京都板橋区にある大規模団地の管理組合から、「孤独死に関して、管理組合としてどのように対応すればいいのか。良策があれば指摘願いたい」という依頼を受けた。いわゆるアドバイザ-として助言を求められたことがあった。

 マンションは個人所有である。そこに孤独死が発生すると、持ち主はその事実を隠して販売しようと目論む。資産価値が下がると判断したためである。わたしは松戸市の常盤平団地の実情を説明し、「孤独死は隠さない」ことを提案した。

 管理組合というのは基本的にマンション全体の管理(修理や営繕等の計画と実施。諸経費の徴収など)を行なうのが常である。部屋の売買に関して管理組合が直接関わることはない。
 買い手は築年数、間取り、交通の便、セキュリティなどを考慮する。最近ではマンション全体の管理状況とともに、管理組合自体が、マンション全体としての「将来のあるべき姿」にまで踏み込んだ管理・運営の仕方を明示するマンションを選択する。マンションを"終の棲家"として考えざるを得ない住民が増えたためである。
 そのなかに孤独死に対する管理組合としての取り組みが含まれている。「孤独死を放置しない管理組合」ということが結局は資産価値を高めていることに、管理組合(売り手)も買い手も気づきはじめたからだ。管理組合の総意として「孤独死を隠すのではなく、積極的に表に出して対応する」。これが「安心してマンションライフを楽しむトレンド」なのである。


備軍"ですか?(後)
社会2012年11月20日 07:00

 阪神・淡路大震災のとき、仮設住宅内で「クリニック希望」を開設し、住民の健康を心身共にバックアップしてきた医師の額田勲さんは、著書『孤独死』の中で、「"孤独死"とは、単なる『独居死』ではない。貧困の極みにある一人暮らしの慢性疾患罹病者(アルコール依存症も含めて)が、病苦によって就業不能に追いやられ、次いで失職により生活崩壊という悪性の生活サイクルに陥り、最終的には持病の悪化、もしくは新たな疾病の合併が引き金となって、死に追いやられるケースがあまりにも多い」「"孤独死"というのは、いかにも突然死のように世間から受け止められがちだが、実際は自殺など例外を除けば、慢性疾患によって長い期間苦しみ続けた帰結である場合が圧倒的である」とし、孤独死を「緩慢な自殺」と表現している。

 常磐平団地自治会長の中沢卓実さんも、「孤独死には"予備軍"というのが存在している。それは"ナイナイづくし"から発生する」と述べている。"ナイナイづくし"とは、「挨拶ができナイ」「ゴミ出しができナイ」「友達が作れナイ」「他人を思いやれナイ」人のことである。自ら閉じこもり、世間の風に当たろうとしない人たちのことを指す。思い当たる人は少なからずいるはずである。

 もっとも、どう生きるかは「個人の勝手」なのである。他人にとやかく言われる筋合いのものではないことも理解できる。ただし、"孤独死予備軍"は、結局人生の最期に至っても他人に迷惑をかけてこの世から消えるのである。それでいいのなら、もちろんそうすればいい。現実には、前出の西部さんの「これじゃ、一人で死ねないね」なのである。

 最近になって蜜月だった常磐平団地とUR(都市再生機構)との間がしっくりいっていない。理由は「孤独死の定義」。どういう状況を孤独死というのか、という定義付けである。内閣府は「誰にも看取られることなく、息を引き取り、その後、相当期間放置されるような孤立死」として期間の明示を避けた。自治会長の中沢さんは、再三にわたり厚労省に「孤独死の定義づけ」を迫ったものの、なしのつぶて状態だ。

 突然、団地の大家であるUR側が孤独死を「一週間を超えて発見されなかった事故」と定義付けたことで事態が急変した。理由は「発見時の死後経過にかかわらず、すべて孤独死とすることに異論がある」「家族で連絡を取ったり、クラブ活動に参加する基本サイクルがおおむね一週間」を論拠に挙げた。これに対し、新井康友・中部学院大講師(社会福祉学)は、「『社会的孤立をした果ての死』を孤独死と考える立場からは、発見時の死後経過で区切る意味はなく、一週間とする根拠もあいまい」(「東京新聞」11・12・28)と疑問を投げかける。URにとって、孤独死は「より多くの新規入居者募集」という思惑がある以上、迷惑な言葉なのだろう。「孤独死者の数をできるだけ少なく見積もりたい」「URの賃貸物件には孤独死は発生しにくい」が本音だろう。

 URの定義では、孤独死を「不浄な、できれば伏せておきたい死」と考えるマンションのオーナーや自治体の関係部署にとっては朗報だろう。「孤独死隠し」にも拍車がかかることが予想される。「孤独死ゼロ作戦」に真摯に取り組んでいる常磐平団地では、UR側に対して猛反発。公開質問状を提出して対抗した。しかし、納得できる返答が届いていない。UR側の定義は中沢さんたちの進める孤独死対策運動に逆行する。「孤独死を隠さない」「住民を孤独死から救う」ことで、UR常磐平団地の資産価値を高め、入居希望者が後を絶たない実情を、URは認識していないことになる。

 そういえば、わたしが住む団地の裏にそびえるUR賃貸住宅は空き室だらけだ。URは空き室対策として「家賃の減額」を実施しているものの、改善の兆しすら見あたらない。住民のコミュニティを考慮するうえで欠かせない「自治会の創設」に微妙な圧力をかける。「自治会を通して住民が注文をつける」という妄想が、未だにURのトップの頭を占めているのだろう。古い体質が、実はそこに住む住民を孤立化させ、やがて孤独死につながるという発想を持つことができないでいる。

 この団地にも"孤独死予備軍"と思われるSがいる。今春に愛妻が脳溢血で入院。意識の戻らぬ絶望的状態が続いている。Sは'絶望'を肴に朝から酒を飲み、2Fの通路から日がな一日'下界'を見つめている。その目はいつもうつろだ。最近、その姿を見かけなくなった。おそらく救急搬送されたのだろう。家族はこうして崩壊していく。あなたは"孤独死予備軍"ではありませんよね。


 今回取り上げるのは孤独死問題である。
 最近では30代、40代、ひとりでいるのが心地いい世代が旅先などで病死して官報に載って引き取り手を待つ〈行旅死亡人〉をたどる例も出てきている。彼らの魁というのがあの『イントゥ・ザ・ワイルド』のクリストファー・マッカンドレス氏だとすればなんとも残酷なものだ。
 買い物はコンビニ、食うのはファストフード。他人とのつながりはネット、ケータイ。そして収入はぎりぎり。誰も訪ねて来ないから、部屋は踏み場もないごみの山。精神崩壊してしまうのも目に見えている。問題なのはそうした人たちがネウヨなど歪んだつながりに人間関係を依存していき、政治をハチャメチャにすることだ。
 ハシゲというのはそのシンボルにすぎない。それで社会は良くなるのだろうか?むしろ歪む方向へ突き進むだけだ。日本は変な意味でアメリカ化しつつある。雇用でもそうだ、報道でもだ。何から何までアメリカの51番目の州に成り下がらせようとふざけた勢力による国の精度改悪でめちゃくちゃにされた。その結果はあの創造学園大学だったではないか。歪んだ規制緩和に寄って勘違いした経営者たちが大学を作ったり短大を大学に変えたりしたがいずれも無残だったではないか。
 その大学のキャンバス跡地を朝鮮大学校や朝鮮高級学校、中学校にしてしまえば効率がいい(私は政治的なことについては現在の北朝鮮に対して不信感があるが、朝鮮人との和解はやるべきだという考えだ)。むしろこうした提案を率先してなぜネウヨたちはしないのだろうか?在日コリアンを物のように扱って当然と思い込んでいるのだろうか。
 それではまわりまわって己らを侮辱し、まともな保守派や我々日本人を侮蔑したことになるのだ。日本のアメリカ化を回避するには、日本人の精神的な自立は待ったなしだ。そのためには共産党だの保守主義だの思想はどうでもいい。共闘してこそ、この国の危機を乗り越えられるのだ。

 最後に、今年亡くなったマーガレット・サッチャーについての報道を読み解く。
 政治家として評価は複雑であることは確かだ。信念はある事だけ私は認めるが、方法が間違っていた。

 
2013年04月14日
マーガレット・サッチャーの闇
サッチャー元英首相の死去で「祝宴」集会
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5306570.html

 先週死去したイギリスのマーガレット・サッチャー元首相への評価が割れています。ロンドンでは「祝宴」と称して、大規模な集会が行われました。
 「マギー、マギー、マギー、死んだ、死んだ、死んだ」
 この集会は、およそ20年前、サッチャー氏の首相退任後に呼びかけられたもので、千人以上が集まりました。サッチャー氏は低迷する経済を改革した一方、福祉の削減などによって貧富の差は広がりました。今にまで続く問題の下地を作ったとの批判は根強く、国葬級の葬儀に疑問の声も出ています。
 「彼女は徹底的に社会を粉砕したんです」(参加者)
 葬儀当日も抗議活動が予想され、警察は大規模な警備体制を敷くとしています。(2013年4月14日09:58 TBS)


英音楽チャート1位に「悪い魔女は死んだ」、サッチャー氏死去で
2013年04月11日 19:18 発信地:ロンドン/英国
【4月11日 AFP】「鐘を鳴らせ!悪い魔女は死んだ(Ding Dong! The witch is dead)」――。米映画『オズの魔法使い(The Wizard of Oz)』のこの挿入歌が、マーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)元英首相の死去後、英音楽ダウンロードチャートのトップに躍り出た。
 映画の中で主演のジュディ・ガーランド(Judy Garland)たちが合唱するこの歌は、1939年にリリースされたもの。9日、英国内における米アマゾン(Amazon)の音楽配信サービスで突如、ダウンロード数1位に上がった。
 ジャズ歌手エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)によるカバー・バージョンも、アマゾンで4位につけたほか、米アップルの音楽配信サービス「iTunes」では英国内のボーカル曲部門の販売数トップになった。
 脳卒中のため8日に87歳で死去したサッチャー元首相が英国社会に残した「遺産」に対し、音楽ファンたちが下した「裁き」がチャートに反映された形だ。背景には、米SNSフェイスブック(Facebook)上で「英国を分断した元首相の死を祝おう」という呼び掛けが広がったことがある。
 全英の音楽販売データをまとめるオフィシャル・チャーツ・カンパニー(Official Charts Company)は、「英国の音楽ファンの悪趣味なユーモアセンス」に後押しされてこの勢いが続けば、「鐘を鳴らせ!悪い魔女は死んだ」は8日~14日の週間チャートでもトップ40入りするだろうとの予測を示している。(c)AFP

 マーガレット・サッチャー女史の死去については様々な声がある。
 私個人の見解は政治家としての信念は認めるが、政策には不満があるということだ。東京新聞の社説をここに掲載し、考えてみたい。


【社説】
サッチャー氏死去 保守革命が遺した宿題
2013年4月10日

 「英国病」を克服し、保守革命を通して一九八〇年代の国際社会を先導したサッチャー元首相が死去した。国益を最優先に強い指導者像を全うしたが、新保守主義的手法が遺(のこ)した課題もまた大きい。
 英国初の女性首相に選出された際、サッチャー氏がアッシジの聖フランシスコを引用し「いさかいのある所に調和を」と述べたのは有名だ。実際の政治手法は徹底して闘争的だった。
 戦後政府の手厚い保護政策で活力を失っていた英国経済を受け継いだサッチャー首相は、国有企業の民営化、労働組合の解体、規制緩和を大胆に敢行。同時に英国が優位を保つ金融立国化を大胆に進め、英国像を一新した。
 既存権益と激しく対立しながらも、マルビナス戦争の勝利後は支持率が安定、同時期に保守革命を進めたレーガン米大統領とともに新保守主義の旗手として、一九八〇年代の国際秩序の先導役を担った。
 社会民主主義、社会福祉、社会市場経済と、独仏など大陸欧州が重視する社会的価値観と徹底的に闘った十一年間だった。回顧録では「社会はそれを構成する人間と遊離した抽象的なものではない」と記しているものの、在任中の「社会なんていうものはない」という発言は「サッチャー革命」のキーワードたる自助努力、自己責任の精神の象徴となっている。
 メルケル独首相、クリントン前米国務長官ら、国際政治の指導的立場への女性進出を促す役割を担った功績も特筆されよう。三者には敬虔(けいけん)なプロテスタントの家庭に育った経験も共通している。
 冷戦終結に大きな役割を果たしながら、ドイツ再統一には最後まで抵抗した。第二次大戦を経験した英国の拭えないドイツ観が反映されているのだろう。
 首相辞任説が伝えられたのは一九九〇年、全欧安保協力会議(CSCE)首脳会議のためパリに滞在している時だった。冷戦終結直後の象徴的な退任劇だった。
 冷戦後の欧州は、国家を再生させる使命を帯びる指導者と、国家主権の一部を共有して超国家的な組織を指導する役目を担う指導者が交錯する時代に入っているといえる。
 サッチャー氏は一方の指導者像は示したかもしれない。しかし、欧米主導の金融市場が危機に瀕(ひん)し、欧米の影響力が低下するグローバル時代に求められるもう一方の指導者像は、次世代の政治家の課題として残されたままだ。

 そのサッチャー女史は取り返しのつかない大きな罪を犯している。


サッチャー元首相死去に苦い感慨、英国と戦ったアルゼンチンの人々
2013年04月09日 17:01 発信地:ブエノスアイレス/アルゼンチン
【4月9日 AFP】英国のマーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)元首相の死去を受けて、フォークランド諸島(Falkland Islands、アルゼンチン名:マルビナス諸島、Islas Malvinas)の領有権をめぐってサッチャー首相時代の英国と戦火を交えたアルゼンチンの人々は、苦い感慨を抱いている。
 1982年のフォークランド紛争(以降マルビナス戦争と拙ブログでは表記)に従軍したアルゼンチンの退役軍人の中には、喜びをもってサッチャー氏の訃報を聞いた人もいる。ある退役軍人(71)は「あの憎たらしい女が死んだこの日に神の祝福を」と言う。「あの女は本当に嫌な人間だよ。英国内の選挙に勝ちたいがために戦争を始めたんだ」
 一方、マルビナス退役軍人センターのマリオ・ボルペ(Mario Volpe)氏は、マルビナス戦争に関してサッチャー氏が罰を受けることも法の裁きを受けることもないまま死去したことに不満をもらす。ボルペ氏は、サッチャー元首相が当時のアルゼンチンの軍事政権と和平交渉を行う機会を無視して、英軍にアルゼンチン海軍の巡洋艦ヘネラル・ベルグラノ(General Belgrano)の撃沈を許可したことを批判する。
 1982年5月2日のベルグラノ撃沈に先立ち、米国と中南米諸国などが加盟する米州機構(Organization of American States、OAS)は英国とアルゼンチンに和平案を提示していた。「彼女は平和に貢献した人物として記憶されるべきではない。停戦の機会が提示されたのに彼女は受け入れなかった。それどころか攻撃を激化させたのだ」とボルペ氏は言う。

■「冷酷」だった「鉄の女」
 ベルグラノの撃沈ではアルゼンチン海軍の323人が死亡した。これは74日間続いたマルビナス戦争におけるアルゼンチン側の戦死者649人の半数近くを占める。一方、同紛争での英国側の戦死者は255人だった。ボルペ氏は、肺と肩に重傷を負ってマルビナス戦争から帰還した。
 当時、アルゼンチンはレオポルド・ガルティエリ(Leopoldo Galtieri)大統領が軍事政権を率いていた。ボルペ氏は「ベルグラノを撃沈することによって戦いを継続させると決断したサッチャーは、ガルティエリと同程度に成り下がったということだ」と断じる。ガルティエリ大統領は、国民から支持を得る目的でフォークランド諸島への侵攻を決断したとされている。
 学校に入った最初の日からあの諸島は自国領だと教えられるアルゼンチン人の多くはそれを事実だと信じているが、だからといってマルビナス戦争に至った軍事政権の判断を支持しているとは限らない。
 マルビナス戦争が始まった1982年4月2日に生まれたカルロス・ディアス(Carlos Diaz)さん(31)は、「まず、アルゼンチンを必要のない戦いに導き、ろくに訓練も受けていない少年たちの生命を危機にさらしたことについて、わが国の指導者たちは正式に謝罪すべきだ」と言う。
 一方、サッチャー元英首相については、「国際法上はアルゼンチン側に理があると知りながら、軍事力で劣るアルゼンチンとの戦争を積極的に選んだ」と批判する。「彼女は冷酷さをもって紛争に対処し、あの諸島の石油資源と英国人住民を守ったんだ」(c)AFP/Daniel Merolla

 そのほかにも、サッチャー女史は大きな罪を犯している。内橋克人氏が厳しく批判しているのでその一文を引用したい。

 1997年、18年ぶりに政権を奪還したイギリス労働党は、地方自治体の「課税自主権」を復活することから手をつけざる を得なかった。ブレア政権に先立つサッチャー政権は、財政において「小さな政府」を標榜しながら、その実、中央の掌握する権力においては比類なき「大きな政府」をめざすものだったからだ。
 サッチャー政権は地方税の少なからぬ部分を国税化した結果、地方においては歳入に占める自主財源の割合が、80年代の55%から20%以下へと劇的に減衰した。自治体予算の上限を中央政府が決定する手法の導入で地方自治体の自由と活力は奪われた。
 中央政府による地方支配は盤石のものとなっていく。他方、 財政において「小さな政府」を演じるため、「公共の企業化」(公共サービスの民営化・規制緩和)をあらゆる領域で強引に進めた。その一つ、強制競争入札制度は各領域で深刻な弊害を生み出した。自治体による住民サービスは劣悪なものとなった。
 こうして政治と市民の距離は遠くなり、人びとは民主主義を支える投票行動からも離れていった。「地方自治の母国」イギリスは荒廃した。
 政権交代後のブレア労働党政権は、サッチャリズムの壮大な「負の遺産」を清算するため、 地方税の徴収額を住民投票によって決める新たな制度を創設し、同時に自治体予算の上限を国が決定するというような、中央政府による地方支配のあり方も見直した。
 こうした政策の延長上にスコットランドやウェールズでの分権が可能となり、前者ではパーラメントが、後者ではアッセンブリー(ともに地方議会)が、住民投票によって設置され、国防と外交を除く内政分野で、自治体自らが立法権、課税自主権(3%まで所得税の上乗せが可能)をもつことができるようになった。
 ブレア政権にとってサッチャ リズムの「負の遺産」は大きいものだった。
 貧富の差に関係なく、ひとたび健康を失えば、だれでも個人負担ゼロでケアを受けることができた「ナショナル・ヘルス・ センター」(NHS)は、「ゆりかごから墓場まで」を象徴する福祉の砦だった。サッチャー政権は財政負担削減のためNHS解体に乗り出す。
 アラン・エントホーフェンという名の経済学者がアメリカから招聘された。米本国では、マクナマラ国防長官に仕え、ベトナム戦争下、「いかに効率的にベトコンを殺害するか」に知恵を絞った経済学者だ。ベトコン一人を殺害するコストを最小化する、その学名を彼はキル・レイシオ(kill-ratio)と呼んだ。
 招聘に応えてイギリスに渡ったエントホーフェンは、今度はいかにコスト安く病人、老人に死んで頂くか、に専心し、これをデス・レイシオ(death-ratio)と名付けた。60歳超の慢性腎臓病患者には人工透析を禁じたのもその一つだ。戦時のキル・レイシオ(殺害効率)、平時のデス・レイシオ(死に至らしむる効率)である。(注)
http://www.zck.or.jp/article/uchihashi/

 そのほかにもこのような言葉がある。

「忘れないで欲しい。マーガレット・サッチャーは、南アのマンデラをテロリストと呼び、拷問者で殺人者であるチリのピノチェトとお茶を飲んでいたことを。」(ケン・ローチ監督)
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-68b3.html
マスコミに乗らない海外記事より

 この現実を私達は厳しく受け止め、中曽根新保守主義や小泉「構造改革」という名前の社会崩壊、さらにアベノミクスというその場しのぎの対策にNoを突き付ける必要がある。経済だけが暴走するのではいけない、経済と道徳は厳しく両立しなければならないのだ。


この記事へのコメント
>国葬級の葬儀に疑問の声も出ています。

・・・そもそも彼女を国葬扱いすること自体、間違っているのです。

村野瀬玲奈さんのサイトにも、掲載されていましたが

ケン・ローチ氏は

「どのように彼女を讃えるべきか。彼女の葬儀を民営化しよう!そして、競争入札に出し最安値で競り落とそう。それが彼女の最も望んだことである。」

とコメントされています。
同じことをアーヴィン・ウェルシュも発言しております
「国葬だ?ふざけんな、税金使わず民間でやれがあいつのやり口だろ」

私も全く同感です。あれほど「小さな政府」「新自由主義」を標榜しておきながら、葬式は国の税金で行ってもらうなんて自家撞着も甚だしい、遺言か何かで「私が死んでも国葬は不要」と生前に表明しておくべきでした。

私に言わせれば、サッチャーは政治家としての信念も中途半端でいい加減な人物としか言いようがありませんね。
Posted by 1zxcvb at 2013年04月21日 17:22

2013年04月21日
コメント回答 2013年4月13日
 「マーガレット・サッチャーの闇」に今回1zxcvbさんからコメントを寄せていただきました。
 まず、このコメントに感謝します。あの石橋湛山氏も山県有朋が死んだ時、『死もまた社会奉仕』と喝破しています。ケン・ローチ氏の発言は知っていましたが、アーヴィン・ウェルシュ氏も同様の発言をされておられたのですか。初耳です。
 サッチャー女史の保身だったのでしょう。彼女の起こした行動による教訓を私達は歴史に反映し後に続く世代にその過ちを受け継がせてはいけませんね。政治家としての信念も中途半端でいい加減だったという評にはかなり手厳しいものがありますが、それだけいい意味でも悪い意味でも彼女のもたらした影響は大きすぎたのでしょう。
 イギリスはあの「改革」によって貧富の格差が拡大してしまいました。そのためにも世界が今こそ一つになって法人税・所得税をフランス・ドイツレベルに増税し、消費税の減税を行うべきだと思います。
 世界銀行やIMFはこのことも視野に入れるべきですね。

【経済】
最貧困層を総人口の3%に削減 世銀新目標
中日新聞 2013年4月21日 11時02分
 【ワシントン共同】世界銀行と国際通貨基金(IMF)の合同開発委員会は20日、1日1・25ドル未満で生活する最貧困層を2030年までに世界の総人口の3%に減らす新たな目標を策定した。今年秋の次回会合で目標達成に向けた具体的な道筋の議論を始める。
 開発委が発表した声明は「この目標の達成には、発展途上国全体の力強い成長とともに、低所得国で成長を貧困削減に結び付けることがこれまで以上に必要」と指摘。インフラや農業生産性向上のための投資の重要性を強調した。

 サッチャー女史の負の教訓を私達は研究する必要がありますね。
 そして、ゆがんだ思想を乗り越えるべく議論を重ねる必要がありますね。今後ともコメント感謝します。