2013年10月30日水曜日

崩れた金融ビックバン 北洋銀行の場合

2012年05月18日


  

 今回取り上げる地方銀行は北洋銀行である。


 この地方銀行は北海道拓殖銀行の北海道における支店網を引き受けたことで地銀大手になったのだが、果たしてそれでよかったのだろうか。
 武井正直氏は冥府で今でも悩んでいるのだろうと思う。

 1911年 8月22日、旭川信託設立。
 1912年 8月25日、滝川金融設立。
 1914年 7月17日、増毛信託が設立。
     10月31日、旭川信託が旭川無尽に改称。
     11月9日、滝川金融が滝川金融無尽に改称。
 1917年 8月20日、無尽会社・北海道無尽が設立。
 1918年 1月22日、増毛信託が天北無尽に改称。
     1月27日、北海道無尽が免許を取得後に商号を小樽無尽に変更。
 1922年 11月22日、十勝無尽が設立。
 1928年 1月27日、滝川金融無尽が滝川無尽に改称。
     7月28日、旭川無尽が博益無尽に改称。
 1929年 11月20日 天北無尽が北海産業無尽に改称。
 1931年 7月1日、小樽無尽と滝川無尽が合併。十勝無尽が博益無尽を合併、北日本無尽と改称
 1940年 11月1日 北海道産業無尽が小樽無尽に吸収合併。
 1944年 3月15日、北日本無尽、拓殖無尽、東和無尽、日之出無尽と小樽無尽が合併、北洋無尽となる。
 1945年 本店を小樽市から札幌市に移す。
 1951年 相互銀行法制定に伴い株式会社北洋相互銀行に改組。



 1989年 普通銀行転換に伴い北洋銀行に商号変更(2月)。
 1998年 破綻した北海道拓殖銀行から北海道内の営業を譲渡され、道内最大行、そして第二地方銀行の最大手となった。
 1999年 札幌銀行と包括的業務提携することで基本合意。
 2001年 札幌銀行と共同で金融持株会社・札幌北洋ホールディングスを設立。
 2008年 システム統合をもって、札幌銀行と合併。

 札幌銀行
 1950年 「北海道無尽」として設立。
 1951年 10月20日、北海道相互銀行に転換。



 1989年 普通銀行に転換、札幌銀行になる。



 1990年 DCカードと合弁で札幌カード(現札幌北洋カード)を設立。
 1997年 頭取の出身母体である北海道拓殖銀行の北海道内の店舗引き受けを検討するも北海道拓殖銀行内の反発にあって断念。


 この地方銀行は成功したほうだと思う。
 投資信託の解禁時にあえて参入を見送り、後になって参入する慎重さには驚く。やはり、「バカな大将、敵より怖い」の武井氏の思想が色強く残っているのだろう。今思うにそれぐらいの慎重さをヨーロッパの金融機関が盛っていたらバブルに踊ることはなかったのかもしれない…。