2013年10月22日火曜日

資本主義を見つめ直すべきだ

 今回は資本主義を見つめ直すことにする。
 まずは私が過去書いたコラム集からいくつか引用する。

効率主義だけでいいのか-パルコとJフロントの提携について-

Jフロントがパルコの筆頭株主に、過半数取得は難航も
ロイター 2012年3月23日(金)19時43分配信
[東京 23日 ロイター] パルコ<8251.T>の筆頭株主に躍り出たJ.フロント リテイリング<3086.T>だが、経営の主導権を握るための株式追加取得は困難な状況になっている。
 株の買い増しのためには株式公開買い付け(TOB)の手続きが必要になるが、資金負担も膨れ上がるほか、Jフロントと敵対するかたちになっている第2位株主のイオンが持つ株式を買い取れるかどうかも不透明だ。経営の主導権を握るために過半数を握りたいというのがJフロントの本音だが、簡単には手に入れられそうもない。

<Jフロント、パルコ株買い増しへ3カ月は動けず>
 Jフロントは23日、森トラストから33.24%のパルコの株式を取得し、筆頭株主になったと発表した。Jフロントの関係者は「パルコとは、グレードやテイストが似ている。大丸は関西、松坂屋は名古屋を地盤でJフロントとしては首都圏が弱かった。パルコとの協業は、首都圏でのプレゼンスを高める上で大きい」と、今回の株式の取得効果に期待する。
 しかし、Jフロントが保有する株式は3分の1に満たないため、定款変更など特別決議への拒否すらできないなど、行使できる支配権は限定的だ。今後、シナジー効果を極大化させるためには「追加取得によりできれば過半数の株式を保有したい」(関係筋)としている。
 Jフロントが今後、過半を取りに行く場合、TOBの手続きを踏まなければならない。金融商品取引法は、保有割合が3分の1を超える株式を取得する場合にはTOBを実施しなければならないと規定しているからだ。Jフロントが、パルコ株を買い増して3分の1を超える場合も、このルールが適用される。
 ただ、TOBする場合には、複数の課題がある。ひとつは、時間的な制約だ。金商法では、一度株を取得した後、3カ月間は3分の1を超える取得はできず、Jフロントが追加取得に動けるようになるのは早くても6月下旬以降になってしまう。
 
<Jフロと政投銀合わせても過半数に満たず>
 さらに大きな課題は、12.3%を握るイオンをどのように排除するかだ。もともと、パルコがイオンの影響力排除を狙って日本政策投資銀行と提携し、同銀を引き受け先に150億円の転換社債(CB)を発行したことから、イオンとの関係はこじれた。Jフロントの株式取得もイオンは寝耳に水で、「岡田元也社長は怒り心頭」(関係者)といい、パルコとのイオンとの関係はさらに悪化しているとみられる。
 Jフロントと政投銀の保有比率を合わせても過半数には足りないため、逆にイオンに敵対的TOBを仕掛けられると過半数を取られてしまうリスクが残る。「イオンを排除したいだろうが、妙手がないだろう」と証券会社関係者はみる。
 過半数取得を目指しTOBをしても、そもそもイオンが応募するかどうかも不透明だ。イオンによるパルコ株の取得平均単価は約860円。Jフロントが森トラストから取得した1株1100円の水準でTOBを掛ければ、イオンには売却益が立つものの、「感情的になっているイオンが応じるかどうか分からないままでは、その手は取りにくい」(銀行関係者)との見方がもっぱらだ。
 しかも、株の買い増しによる資金負担もバカにならない。1株1100円で完全子会社化しようとすれば総額約800億円、過半数の株式取得にとどめても約250億円の追加資金が必要になる。
 Jフロントは、今回のパルコの株式所得に必要な約300億円を手元資金と借り入れで賄う。日本格付研究所は「良好な財務体質からみて、今回の株式取得代金を有利子負債で調達することになった場合でも特段格付に影響を与えるものではない」との見解を示している。しかし、過半数以上の株式を取得しようとすれば、負担は決して軽くはない。
 Jフロントがイオンからだけ株式を取得するには、市場価格よりも安くTOB価格を設定する「ディスカウントTOB」がありえる。しかし、現在のパルコの株価は793円(23日終値)で、イオンの取得単価を下回っている。イオンが売却に応じるとは考え難い。

<イオンは「当面保有」>
 イオンによると、パルコからはいまだに筆頭株主交代の説明はなく、当面、パルコ株の保有を続ける構えだ。パルコとイオンとで提携内容を検討する業務検討委員会も宙に浮いたままだ。「こちらから取り止める理由もなく継続する」(イオン関係者)というものの、何らかの実がなる可能性は薄い。
 「多くのステークホルダーが混在する状況が続けば、シナジー効果を実現していくうえでの障害となるリスクも否めない」(クレディ・スイス証券の山手剛人氏)ことは確かだ。筆頭株主が森トラストからJフロントに代わった後も12.3%を保有するイオンの存在は、Jフロントにとっては頭の痛い問題になりそうだ。
(ロイターニュース 江本恵美 清水律子 編集:布施太郎)

 私はこの計画が失敗に終わると見ている。
 理由は主導権を奪われたくないパルコと奪いたいJフロントでは企業の文化が異なると見ているからだ。イオンはあのマイカル北海道(ポスフールを経てイオン北海道)を時間をかけて買収した。融合性もきわめて高い北海道トップクラスのGMSに育て上げたイオンのことだ、現在空白地の福井県に関してもなんだかの買収をかけてしまえばいいと見ているはずだ。
 イオンを侮っているとパルコ、Jフロントは大きなツケを払うことになる。まずは非正規労働者を全員直接正規雇用化し、士気を高めることからはじめる必要があるのではないか。


2011年12月06日
トヨタが消える日
 今回は鬼塚英昭氏の著作「トヨタが消える日」を取り上げる。
 アマゾンのふれこみによると「「クルマは、もう売れない!」日本経済を襲う大津波、王者トヨタさえ飲み込まれる 世界は、どう変わる?人の心は、どう変わる? 著者渾身の最新作は、世界のトップ企業に登りつめたトヨタ自動車、その栄光と落日を描きあげる。」となっている。
 さて、最近トヨタ自動車がReBORNキャンペーンを展開し始めた。第1弾は「大河ドラマ風ロードムービーCM」となっており、織田信長役に木村拓哉、豊臣秀吉役にビートたけしを起用して現代の日本に、かつて「国づくり」に身命を賭した戦国武将が生まれ変わり、東北をはじめ全国をドライブで旅してまわり、様々な歴史上の人物の生まれ変わりと出会っていくストーリーらしいほか、20年後のドラえもんのキャラクターまで出す始末である。
 しかし、そんなキャンペーンをしている場合だろうか。トヨタ自動車は過去にこんな悪事をしている。この清算こそが優先されるべきなのだ。過去のコラムをここに転載する。

だからトヨタは嫌われる(小野哲)
テーマ:企業・市民
2007-10-10 20:44:55
 ミサワホーム創業者の三沢千代治さんは今、新たな会社ミサワインターナショナルを興している。
 この会社は二百年住宅を標榜し、昔からの知恵を生かした家作りをしているようだ。
http://www.m-int.jp/  三沢インターナショナルホームページ

 で、なぜ彼の話をしたかというと、トヨタ自動車の非常識ぶりを批判するために登場していただくことにした。トヨタ自動車は住宅部門に弱く、どうしても強化したがった。そこで、東海銀行と親密な関係先だったミサワホームの買収をしようとした。
 だが、三沢さんはことごとく拒絶した。自動車産業の持つ交通事故という特異性が平和産業である住宅部門とそぐわないという強い信念だったからだ。そこで、トヨタはヒトラー小泉の懐刀であるマック竹中平蔵にあからさまな利益供与を行ってUFJになった東海銀行の懐柔を図った。そして、その上に正常債権だったミサワホームにわざと不良債権を擦り付けさせてミサワホームを無理やり産業再生機構に押し込んだわけである。東証一部だった環境建設も正常債権だったのだがでっち上げで不良債権にさせられて自己破産させられた。この不正を取り上げたメディアが週刊金曜日と日刊ゲンダイだけだったというのだから救えない。
 私はトヨタ自動車を嫌う理由に派遣社員の乱用も挙げておきたい。派遣社員を乱用して、散々口利きを設けさせて自分達が楽する。そして、嫌がる買収を強引に行う卑劣さ。そして、本田技研が苦労して普及してきたF1に泥棒同然で参入し、富士スピードウェイなる三流コースを無理やり日本開催地に押し付ける横車ぶり。鈴鹿スピードサーキットの地元である三重県鈴鹿市ではトヨタに対する反感が高まっているのは明らかだ。
 その三重県では伊勢神宮近くにトヨタ自動車や松下電器産業、三菱、住友、三井など大手企業が研修させる修養所があるのだが、これが凄まじいのである。深夜に川に使ってみそぎを受けさせるのだから恐ろしい。トヨタの幹部もこうした非常識の世界からのし上がってきたのである。
 何も、トヨタの利益の出し方にけちをつけるつもりはないのだが、あまりにも地域をそっちのけにするやり方では納得しがたい。三沢さんに今からでも遅くはない、謝罪して慰謝料を払って和解せよといいたい。

 なお、みそぎ研修に関しては以下のブログが詳しい。これは大変恐縮なのだが無断で貼り付けしている。コメントしようとしたのだがシステムの関係上拒絶されてしまったのでこのような行為に出ざるを得なかった。申し訳ない。
http://blog.so-net.ne.jp/illustration/2006-02-14/

国際社会を知らないトヨタの自滅劇(小野哲)
テーマ:ブログ
2007-10-21 18:06:25
 F1が今年と来年は富士スピードウェイで行われる。
 だが、今年はあからさまにひどすぎた。トヨタ自動車が自社のチームを応援しようとあからさまに独占席を用意するなどやらかしたのである。2000年に三菱地所から買収してトヨタグループの広告塔にしてきた富士スピードウェイも1976年前後に何回かはF1をやったことがあるがクレームが多すぎたので中止していたのだ。

 F1の支配者といわれていたのがイギリス人のバーニー・エクレストンである。彼の運営する会社SLECホールディングは様々な企業の出資で運営されているのだが際立って関係が深いのがCVCという投資会社である。この会社は日本ではすかいらーくに野村ホールディングスと共同出資している関係だ。
 ちなみにSLECという名前は彼の妻でクロアチア人のスラヴィカ夫人の名前からもらったものである。それほどF1のドンというべき人である。その彼がF1の開催地選択権を事実上握っており、施設改修要求や興行権料の高騰でサーキット側の負担は厳しくなっているわけだ。
 
 トヨタのやらかした犯罪は以前当ブログでミサワホールディングス不正買収を取り上げたほど卑劣なものだ。
 本田技研の子会社鈴鹿サーキットでのF1日本GP開催の契約が2006年シーズンまでだったことに着目したトヨタは、2007年以降の日本GP誘致に乗り出し、2006年3月24日にFOA(フォーミュラ・ワン・アドミニストレーション)とF1日本GPを2007年に開催することで合意したと発表した。2006年10月1日には、トヨタ自動車の岡本副社長が時事通信社の取材に対し、国際自動車連盟(FIA)との契約期間が5年間であることを明らかにした。しかし2007年9月30日には、富士スピードウェイの加藤裕明社長が、富士スピードウェイでのF1開催権に期限が設けられていないことを明らかにした。前述の岡田副社長の発言については「岡本副社長が勘違いしていた。契約の年限は決まっていない」と訂正した。 鈴鹿サーキット側も2008年以降の開催を目指していたが、2007年9月8日にFIAは、2008年は富士で開催、2009年以降は鈴鹿と富士が隔年で交互に開催を行うことを決定した。
 観客にドライバーやチームの応援フラッグの掲示を規則だからとの理由で全面禁止にしたにも関わらず、トヨタチームの横断幕・フラッグのみ掲示をさせた。観客の交通の便でも失態を繰り返し、鈴鹿サーキットに言って勉強すればよかったのに勉強しなかったから見えない席が出る始末。

 トヨタは世界1位になる自動車メーカーである。その自動車メーカーがお客様の声を踏みにじるとは何事だろうか。鎌田慧というジャーナリストがトヨタ自動車の労働者の実態を描いた「自動車絶望工場」(講談社文庫)を出したが、その本の批判にも屁理屈で言い逃れする。
 こんなことばかりしたらトヨタはお客様からしっぺ返しが来る。


トヨタ自動車の歪んだ体質(小野哲)

2010/02/04 20:43

 トヨタ自動車のリコール問題はフラッグシップブランドの一つであるプリウスにまで拡大する勢いである。
 そこで、順不同ではあるが今回のニュースを見てみよう。

琉球新報モバイル【経済】トヨタ、プリウス苦情の調査を本格化
 トヨタ自動車は3日、ハイブリッド車「プリウス」のブレーキの利きが悪いという苦情が米国や日本で相次いでいることを受け、事実関係の調査を本格化させた。トヨタは欧米などで別の車種の大規模リコール(無料の回収・修理)問題を抱えている。海外に加えて国内でも主力車種で品質問題が拡大すれば、業績やイメージに対する大きな打撃となりそうだ。
 トヨタは「北米と日本の販売店を通して、数十件の苦情を受けている」と明らかにした。国土交通省から調査の指示を受けたことも認めた。
 苦情があったのは昨年5月に発売した新型プリウス。生産を一部受け持っている子会社のトヨタ車体も3日「トヨタが調査しており、指示があれば最大限の対応をする」とコメントした。
 また、ラフード米運輸長官は2日、トヨタの大規模リコール問題でAP通信に、トヨタの対応について「やや安全を軽視した」と批判した上で、運輸省高官の日本への派遣を決めたと語った。
(共同通信)(2010/02/03 17:35)
http://ryukyushimpo.jp/r.php?t=4&n=156885

NHKニューストヨタ“信頼回復に全力”
 トヨタ自動車がアメリカなどで販売した440万台余りの車でアクセルの部品に不具合が見つかりリコールを実施する問題で、トヨタは2日、記者会見を行い、顧客に心配をかけたとして陳謝したうえで、各国での不具合の修理を急ぎ、信頼回復に全力をあげる考えを示しました。
(2月2日 18時18分)
http://k.nhk.jp/knews/k10015389611000.html

岩手日報◆トヨタ、米当局がリコール迫る 07年に発見できず
 トヨタ自動車の佐々木真一副社長は2日、リコール問題について、07年に米国でアクセルペダル関連部品の不具合を指摘されたが、今回の欠陥は発見できず、最終的には米運輸安全当局からリコールを求められたことを明らかにした。
http://www.iwate-np.co.jp/newspack/cgi-bin/s_imode_news.cgi?MN2010020201000516_2+g

 この前批判した日立製作所と同じく、トヨタ自動車もみそぎ研修を行っている。
 問題なのは、この種のリコール問題がなぜ疑惑の段階で伝えられなかったかなのだ。それも、日本の場合なおさら遅い。電通を通じてトヨタから広告費という名前の賄賂を受け取っているのだからリコール問題を書かないのか。それなら、以前私が取り上げた千葉奈良屋を三越(現三越伊勢丹ホールディングス)が買収する話をスクープしようとして広告費を悪用した恐喝が日常茶飯事で起きていて、それに現場は何とも感じないのだと言うことになる。
 それで本当にいいのだろうか。トヨタ自動車を日本のメディアは批判しているがお盛んな時に厳しく批判したのは週刊金曜日だけだったではないか。奥村宏ではないが、「鮎の解禁ならぬトヨタ自動車の解禁」なのか。それなら、頭のてっぺんから足のつま先まで腐敗しきっていると言うしかない。
 トヨタ自動車はそのほかにも、ミサワホームの不正乗っ取り事件を起こしている。その際に共犯として関わったのが竹中平蔵である。トヨタ自動車は竹中の参議院議員選挙出馬の際に選挙支援を行うなどしているのだ。すでに動かない証拠もある。東京地検はこの不正こそ、断固として立件しなければならないのだ。
 リコール問題をきっかけに、トヨタ自動車が今まで法令遵守にそぐわぬ悪事を繰り返してきたことが明らかになれば、トヨタ自動車はまじめな原点に返らざるを得なくなる。

 そう、ミサワホームをトヨタ自動車は竹中平蔵と共謀して公権力を悪用して買収した。
 その卑劣さを厳しく批判したのはあの週刊金曜日と日刊現代、佐高信氏だけだったのである。これには私も呆れて話にならないと思った。まず、三澤千代治氏率いるミサワインターナショナルにミサワホームおよびトヨタホームの株式を無償で譲渡し、債務をトヨタ自動車の責任で処理すべきではないのか。それこそが資本主義で言うルールではないのか。
 そのほかにもある。政治資金と言う名前の賄賂を払う暇があるのなら非正規労働者を無条件で正社員にすべきではないのか。中古自動車を電気自動車にするビジネスに参入すればそれだけ中小企業にも仕事が回るし環境にも優しい。
 トヨタの歪んだ実態をこの本は技術面を中心に暴いている。会社のゆがみについては週刊金曜日が取り上げた「トヨタの正体」が詳しいが、これは技術面で優れている。そして経済面についても取り上げている。この本は決して侮ってはいけない。あのGMですらも沈没したのだからだ。


http://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%81%8C%E6%B6%88%E3%81%88%E3%82%8B%E6%97%A5-%E5%88%A9%E7%9B%8A2%E5%85%86%E5%86%86%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%83%BB%E8%B2%AA%E6%AC%B2%E7%94%9F%E7%94%A3%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AE%E6%9C%AB%E8%B7%AF-%E9%AC%BC%E5%A1%9A-%E8%8B%B1%E6%98%AD/dp/4880862436


2011年12月25日
強欲資本主義 ウォール街の自爆
 今回は元ゴールドマン・サックスで現在はアメリカで投資銀行を営む神谷秀樹氏の著作「強欲資本主義 ウォール街の自爆」を取り上げる。
 「我が世の春を謳歌し世界中のビジネスマンのお手本だったウォール街は、何を間違えたのか。米国経済の「失敗の本質」を鋭く暴く」という触れ込みにふさわしいほど、アメリカの投機銀行の歪みがことごとく指摘されている。私は河野謙三氏の言葉を思い出す。戦後何でもかんでもアメリカの真似をして、最後にコケたと河野氏はこき下ろしている。
 結局、その失敗に懲りることなく繰り返したのが三井住友銀行であり、みずほ銀行だったのだろう。いや、野村證券もやらかして損失がひどいと言われており、大幅出資も時間の問題であるモルガン・スタンレーの次に三菱東京UFJ銀行の軍門に下るのは確実と言われている(三井住友は日興証券の経営再建で精一杯であり、大和証券の買収は難しい)。こうした銀行の支援を受けてオリンパスの呆れた損失隠しは10年以上も繰り返されてきたのである。
 銀行はあくまでも実業の支援者にすぎない。それが「ウォール街」という映画で脚光を浴びてしまったことで勘違いをしてしまったのである。一億ゴードン・ゲッコー化が進行してしまい、静岡銀行や北洋銀行、三菱銀行のようにバブルに踊らなかった金融機関は少なかった。今、日本の企業で元気なのはバブルに踊らなかった企業ばかりではないか。
 当時の大蔵省は北洋銀行にもっと融資をするよう迫ったが当時の武井正直頭取が拒んだ。そうしたバンカーこそが取り上げられねばならないのに郵政会社化で暗躍した三井住友系の西川某がでかい顔をしているのは何事だろうか。私は不快感すら覚える。西川は神谷氏から学ばねばならなかったのだ。

http://www.amazon.co.jp/%E5%BC%B7%E6%AC%B2%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9-%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AB%E8%A1%97%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%88%86-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E7%A5%9E%E8%B0%B7-%E7%A7%80%E6%A8%B9/dp/4166606638

2012年07月14日
フランスは民衆の決断を尊重した、日本も見習おう

 消費税に関してフランスからこんなニュースが飛び込んできた。

2012年7月6日(金) しんぶん赤旗
仏、消費税(付加価値税)増税を撤回 富裕層へ課税を強化

 フランス政府は4日、今年度補正予算案を閣議決定し、このなかで付加価値税(消費税に相当)の引き上げ撤回、富裕層への課税強化を打ち出しました。
 付加価値税引き上げは、サルコジ前「政権」が雇用対策として今年10月からの実施を決めていたもの。現行19・6%を21・2%に上げる予定でした。
 今年5月の仏大統領選挙では、国民負担の緊縮策を強いるサルコジ「前大統領」が敗北、反緊縮政策と成長戦略を掲げたオランド氏が勝利しました。付加価値税引き上げ撤回は公約具体化の一環です。
 一方、富裕層や大企業への課税強化は、財政赤字削減の目標達成をめざすもので、72億ユーロ(約7200億円)を盛り込みます。
 金融取引税も税率を0・1%から0・2%に引き上げ、富裕層の資産を対象とする「富裕連帯税」は13年からの引き上げを前倒しし、高額の相続や贈与、株主配当金への課税も強化する方向です。(松本眞志)
 フランスの付加価値税 税率が19・6%、7%、5・5%、2・1%の4段階に分かれています。最高税率19・6%は、別の税率適用が定められた品目を除くすべての財とサービスの販売にかかります。映画・演劇・書籍などの文化や観光関係には7%、水や食料、ガスなどの必需品には5・5%が適用され、特別品目に分類される保険薬、新聞、テレビ受信料の税率は2・1%となっています。

 日本もこのフランスの動きを見習うべきである。
 そもそも、一律に同じ税でやってしまう事に問題があり、サルコジ自称大統領の失政の数々はフランスを混乱と破滅に落としせしめていた。そこで、日本政府に一つ提案したい。かつて明治維新と言う名前のエセ改革でお雇い外国人を使って日本の制度を改革したと言うが以下の人物をお雇い外国人として招きいれる事を提案する。

 フランス共産党、左翼党、統一左翼が形成した統一会派「左翼戦線」からフランス大統領選挙に立候補したジャン-リュック・メランション氏(60歳)
*採用理由 フランス大統領選挙に立候補した際に公開した「共同綱領」の中で次のような政策を提示している。

*グローバル化した金融資本主義を制御・管理する権力を握る為の「市民革命」を提唱する。
*様々な危機に立ち向かう際のL’humain d’abord 「先ず人間らしく」という原則に基づき、急進的変革を追求する(小野注:できるだけ急激ではなくゆっくりと改革を進めていく事)。
*具体的には、週35時間労働制の再確立、60歳定年制、月額1700ユーロ最低賃金制などの実現を目指す。企業経営者の給与を企業内の最低給与の20倍に制限する。
*国際的には、フランスの政治的・経済的独自性を主張して、EU・IMF支配体制からの脱却を図る。また、北大西洋条約機構・NATOからの即時脱退、アフガン戦線からの兵力撤収を直ちに行う。
*生産偏重主義からエコロジー保全へと重点を移す。
*原発問題は国民的論議の後に,方向を決める。
*農業では、OGM(遺伝子組み換え作物)を排除する。

 これらの全てが正しいとは思えない。
 しかし、否定できないものもある事は確かだ。私はこの意見をたたき台にして、日本共産党や「国民の生活が第一」、新党大地・真民主、減税日本に議論をするよう呼びかける。ハシゲ極右より数段建設的な意見ばかりが揃っているからだ。その中で実現可能なものを共同で国会に提出して議論を行う。
 少なくとも、その議論に「大阪維新の会」やミンナノトー、ジミントー、お間抜けネオコン族やコーメートー、シャミントーなどのとんでもない愚か者どもは混ぜてはいけない(当然、辻元清美など落第だ)。お雇い外国人はまだまだ他にもいる。
 メランション氏に後もう何人かの知り合いを呼び寄せてもらい、日本の歪みを直す改革案を出してもらい議論の末に改善させるのもいいのかもしれない…。こうした提案はとても屈辱的だが、私はやるべきだと思う。アメリカに国を私物化されるよりは数段増しなのだから…。


2012年07月16日
コメント回答・甘くない現実
 
 パソコンが不調のためコメント回答が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。

 こっぱなお役人(北方在住)さん
 日本の政治家の「約束」は選挙のときに媚びてばかりなので信用できません。
 ハシゲの場合もそうですよ、選挙の時には散々都合のいい事ばかり言っていて、やれば中身のない政策です。少しは現実を見て公約を作れといいたいですよ。私は選挙の時には政党の名前を隠して政策でしか見ないようにしています。
 そうじゃないと全く信用できませんね。

 欧州のバブルがはじけた結果、菓子の世界でもこんな事になっている。

欧州債務危機がチョコ需要も直撃、スイスやドイツで売上減
2012年 07月 13日 14:38 JST
[ロンドン 12日 ロイター] チョコレートは景気の見通しが悪くても消費者が購入を止めない嗜好品であり、不況の影響を受けにくいという仮説は、どうやら間違いであるようだ。チョコレート需要の指標とされる欧州カカオ豆圧砕高は12日、統計開始以来最大の落ち込みとなった。
 ベルギーの首都ブリュッセルに本部がある欧州ココア協会(ECA)が12日発表した第2・四半期の欧州カカオ豆圧砕高は、前年同期比17.8%減の29万2551トンとなり、最も悲観的な事前予想だった同12%減を大幅に上回る落ち込みとなった。
 また、チョコレート大国であるスイスの業界団体によると、2012年1─4月のチョコレート国内消費量は前年比約8%減少。スイスチョコの輸出先は約3分の2が欧州域内だが、同時期の輸出量は約12%落ち込んだ。
 世界でも指折りのチョコレート消費国であるドイツでも、1─4月のチョコバーの小売売上数量が前年比7.3%減になったという。
 アナリストらは、ユーロ圏の景気悪化が欧州のチョコレート需要も直撃しており、債務危機が一段と深刻化すれば、さらに需要は減退する可能性があると指摘している。
 失業率が高止まりしているスペインでも、チョコレート消費量は落込みが予想されている。市場調査会社ミンテルの6月のリポートでは、スペインの消費者の4割以上が、チョコレートは価格が上がれば購入を減らすと答えている。
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 おそらく、欧州の業者はアジアの企業に買収される可能性がある。
 旧三和銀行系列のロッテがすでにポーランドのヴェーテル、ベルギーのギリヤンを有している。すでにアラブ諸国系列の金融ファンドが企業を買収している事は皆さんご存知であろう。アラブマネー傘下のサッカーチームにイギリスのマンチェスター・シティ、スペインのマラガ、フランスのパリ・サンジェルマンがある。そのほかにもイギリスの老舗百貨店ハロッズがアラブマネーファンドの傘下である。
 最近ではタイの派閥も買収に意欲を見せている。かつてヨーロッパはアジアを軽視していた。これはこの曲名からも分かる。



 ラモー「優雅なインドの国々」より未開人の踊り

 
 ラモーはあのルソーからコテンパンに批判されている。
 その当時の欧州ではアジアを未開の国としていた。それゆえの限界的なヒューマニズムなのであり一概に批判はできないが、今を生きる我々は戒めとして覚えておく必要がある。


 今回のコラムを、秋原葉月さんと観測霊さんに捧げます。