2013年10月9日水曜日

フランス版お手盛り大統領 ニコラ・サルコジ


2012年05月07日11:14
オランド、フランス大統領選挙 勝利…17年ぶりに左派政権
原文入力:2012/05/07 07:58(1158字)

 フランス社会党のフランソワ オランド候補がフランソワ・ミッテラン大統領以来17年ぶりの左派政権奪還に成功した。
 通信とテレビなどフランス言論は6日に行われた大統領選挙決選投票でオランド候補が執権し、大衆運動連合(UMP)のニコラ・サルコジ大統領を押さえ任期5年の次期大統領に当選したと報道した。 オランド氏は来る16日以前に1次内閣を発表し就任すると予想される。
 フランス内務部は72.35%を開票した結果、オランド候補が51.1%を得票し、サルコジ大統領は48.9%を記録したと集計されたと明らかにした。 投票終了直後に発表されたIpsos世論調査の結果、オランド51.7% 対 サルコジ48.3%でオランドの勝利を予想し、多くの調査機関がこれと同様な‘52%対48%’を展望した。 この日の投票率は約80.8%で、1次投票時の79.48%よりは高かったが、サルコジが当選した2007年大統領選挙投票率83.97%よりは低かった。
 オランド氏は当選がほとんど確定すると故郷のチュール市で「フランスは変化を選択した。 国家を団結させる指導者になる」とし、歓呼する支持者に感謝の気持ちを伝えた。
 大統領選挙キャンペーン期間中ずっと主要公約として掲げた新財政協約再協議についても既存の主張を繰り返し確認した。 彼は「(大統領選挙)結果発表を見て多くのヨーロッパ国家で安心し希望を持ったと確信する」として「これ以上、緊縮が唯一の対案ではないということを知るようになっただろう」と話した。 彼はまた「ヨーロッパのプロジェクトに成長観点と働き口、繁栄を直ちに、そして未来に提供することが今の私の任務」として「可能な限り早く、優先的にドイツをはじめとするヨーロッパのパートナーたちと会う」と付け加えた。
 サルコジ大統領と共に‘メルコジ’と呼ばれ緊縮中心のユーロゾーン危機解決法を主導したアンゲラ・メルケル独首相もオランドの当選を祝った。 彼女は「可能な限り早く訪問してほしい」として、オランド氏に会いたいという意を伝えた。 また、ギド・ウェスターウェレ独外相も「ヨーロッパのために成長協約のために共同作業を行う」とし新しいフランス大統領の意思を尊重する意向を表した。
 一方、サルコジ大統領は投票終了20分後にオランドに祝賀の電話をかけ「国家の新しい指導者として幸運を祈る」として敗北を認めた。 チョン・ジョンユン記者 ggum@hani.co.kr

原文: http://www.hani.co.kr/arti/international/europe/531545.html 訳J.S
http://blog.livedoor.jp/hangyoreh/archives/1623787.html ハンギョレ・サランバン(韓国ハンギョレ新聞社日本語版)より

 まずはオランド大統領の誕生を祝う。
 だが、今までのシラク・サルコジ極右体制によってさんざんダメにされてきたフランスを立て直す大きな仕事が待ち受けており、暖かくも厳しい眼差しで見守っていこうと思おう。今回書人両断するサルコジには大きな罪がある。

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070704AT2M3000903072007.html
仏、成長路線に転換・2兆円減税で競争力 2007年7月04日 日経

 【パリ=野見山祐史】フランスは財政政策を成長優先型に転換する。残業や住宅購入を促す総額115億ユーロ(1兆9000億円強)の減税を実施し、「仏経済をグローバル競争に立ち向かえるよう“近代化”させる」(フィヨン首相)考えだ。政府保有株の売却などで歳入確保に努めるが、減税規模には及ばない。財政規律の改善はしばらく足踏みする公算が大きく、欧州連合(EU)各国はサルコジ政権の動きに懸念を強めている。
 政府は開会中の臨時国会で減税関連法案を成立させ、直ちに実施する方針だ。減税策は「もっと働き、もっと稼ぐ」というサルコジ大統領の基本理念を具体化した内容といえる。一般歳入の約5%にあたる大型減税は同国では異例だ。(07:02)

 2007年10月、フランス大統領府はサルコジの給与を現状の2倍以上に引き上げる意向を示した。与党・国民運動連合は「大統領であるのに他の閣僚よりも給与の額が低いから」と説明したが、これをお手盛りと言わずしてなんというのか。
 トップクラスブロガーである村野瀬玲奈女史はサルコジ批判を行なっているが、これには唸らされた。

ニコラ・サルコジ仏大統領の失敗の理由 (仏経済紙レゼコーからメモ)
ジャンル : 政治・経済 スレッドテーマ : フランスの政治と社会

 フランス大統領選で敗北し、対立候補の社会党フランソワ・オランド氏に次の5年間の大統領職を譲ったニコラ・サルコジー氏の失敗の理由を整理した、ドミニク・スー編集長による記事がフランス経済紙レゼコー紙に出ていましたので、要約して記録しておきます。(記事のアップロードの時刻が大統領選投票締め切り時刻ぴったりの5月6日20時で、更新が同じ日の21時18分であるところからして、サルコジの敗北はこの経済紙には織り込み済みだったということも書いておきましょうね。)
 これを、政治や社会運営に失敗しないための教訓の一つとして。その教訓の少なくとも一部は日本でも適用可能だと思いますから。

●Les Echos.fr
Les dix raisons de l'échec de Nicolas Sarkozy
ニコラ・サルコジの失敗の10の理由
http://www.lesechos.fr/economie-politique/election-presidentielle-2012/ump/0202048290486-les-dix-raisons-de-l-echec-de-nicolas-sarkozy-320042.php
06/05 | 20:00 | mis à jour à 21:18 | Dominique Seux

1. 政治的重力という単純な法則
 政権交代への強い意欲が生じた。それとともに、極右が定着して、右派のサルコジ候補にとって選挙戦が難しくなった。
2. きびしい経済状況
 他国で2008年以降の経済危機の前に敗退した国家指導者と同様に、サルコジ大統領ももちこたえられなかった。
3. 候補者自身の個人差
 そのエネルギーとリーダーシップはアメリカやドイツや中国には歓迎されたが、一部のフランス国民にはそのエネルギーがネガティブなものとなった。
 また、自派の中からの対抗馬として若くエネルギッシュなイメージとともに登場してきたサルコジ氏の個人的行動も批判の対象になった。
4. ついていくのが難しい急な進路変更
 サルコジ大統領は「物語」≪ story-telling ≫と「じゅうたん爆撃」≪ carpet-bombing ≫のチャンピオンになることをめざしていた。これは、政治とメディアの場を自分のアナウンスで埋め尽くすことを意味する。それが5年間行われた。また、さらに、大統領選期間中も行われた。
 彼の取り巻きの一部は、「5年間、大統領は国民を守り未来を用意した」という別の選挙運動をすすめていた。しかし、大統領の答えは、「業績で勝つことはできない。極右国民戦線の支持者たちは別の政治言説を求めている」というものだった。
 そこで、極右支持者に支持されそうな「移民反対、反欧州、財政規律反対」など、自分の政策と一致しない言説に配慮した選挙運動をすすめた。
 しかし、移民が目立つわけではない農村地帯の極右票は、移民反対ではなくて、むしろ、「見捨てられているという感情」を訴えていたのではなかっただろうか。
5. サルコジは再選を目指して一体何をしたいのか?
6. 政策変更の交渉のまずさ
7. 対立陣営からの攻撃
8. フランソワ・オランド陣営の巧みな選挙運動
9. マスメディアとの関係の複雑化
10. 大統領任期は短い。

(転載ここまで)
 第3点と第4点が日本にも共通する問題に触れていると思われますので、項目の題名だけではなくその内容説明も要約して書き出しました。
 私なりに感じたサルコジ氏の落選の理由を整理するなら、上にあがっている理由に加えて、次のようなことになるでしょう。

▼目玉政策「もっと働き、もっと稼ごう」などが効果を上げなかった。
▼5年間の失政という状況の中、対立候補への批判がどうしても自分へのブーメランとなってしまった。対抗相手はオランド氏ではなくて、自分自身の5年間の政治であった。
▼分断と対立をあおる世論扇動に国が荒れ、フランス国民が疲れて、実直な政治を求めるようになった。
▼右派候補として中道票と極右票を両方取り込もうとあれこれ訴えているうちに主張がにごってわかりにくくなった。
▼本人も選挙戦最終盤で反省の弁を述べることを余儀なくされたように、彼自身の資質は本来は大臣どまりであり、敬意を集めるべき大統領の器ではなかった。

http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-3429.html
以下略

 村野瀬女史の指摘に最後付け加えるとしたら、サルコジはそもそも政治家としての素質がなかったということだ。
 こういうことをしでかしているではないか。

フランス、国内大手6行に公的資金105億ユーロ注入へ
2008年 10月 21日 11:02 JST
 [パリ 20日 ロイター] フランスのラガルド経済財務雇用相は20日、年末までに国内主要銀行6行に105億ユーロ(141億2000万ドル)の公的資金を注入する方針を明らかにした。
 同国のサルコジ大統領は前週、各国当局による金融市場支援策の一環として、仏政府が3600億ユーロの金融安定化基金を設立したことを明らかにしていた。
 ラガルド経済相は、国内主要行の幹部が出席した記者会見で、資金はこの基金の一部である400億ユーロの資本再構成基金から拠出される見通しとし「発行債券への応募は、国の投資機関を通じて行われる」と語った。
 また、2009年にも同額を銀行に融資する用意があると述べた。
 これら融資の条件には、個人や法人顧客、地方自治体への融資目標が含まれている。
 同相によると、金融機関が発行する劣後債に応募する形で、クレディ・アグリコールCARG.PAに30億ユーロ、BNPパリバ(BNPP.PA)に25億5000万ユーロ、ソシエテ・ジェネラル(SOGN.PA)に17億ユーロ、クレディ・ミュチュエルに12億ユーロが注入される。
 また、ケスデパーニュには11億ユーロ、統合相手のバンク・ポピュレールには9億5000万ユーロが融資される見込み。

仏ソシエテ・ジェネラル:公的資金4500億円を4日に返済-監督機関
ブルームバーグ
 11月7日(ブルームバーグ):時価総額でフランス2位の銀行ソシエテ・ジェネラルが4日、金融危機下で受け取った公的資金34億ユーロ(約4500億円)を、仏銀への資本注入のために設立された監督機関「国家資本参加会社(SPPE)」に返済したことが7日、分かった。SPPEがウェブサイトに発表文を掲載した。
ソシエテは先月、公的資金返済と資本増強のため、株主割当増資により48億ユーロを調達。仏銀最大手のBNPパリバも先月、ソシエテに先立ち、43億ユーロを調達した。仏5大銀行が受け取った公的資金は計約200億ユーロ。
原題:SocGen Has Paid Back State Aid of $5 Billion,Regulator Says
-- Editor: Keith Campbell
記事に関する記者への問い合わせ先:Helene Fouquet in Paris at hfouquet1@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:James Hertling at jhertling@bloomberg.net.
更新日時: 2009/11/09 09:24 JST



http://www.antennefrance.com/newsletter/tag/%E3%82%BD%E3%82%B7%E3%82%A8%E3%83%86%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8D%E3%83%A9%E3%83%AB/
 AntenneFrance n.432 フランスでも多額の報酬に批判集まる
2009年3月26日 1:52 AMニュースレターAIG | ソシエテ・ジェネラル
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A__n__t__e__n__n__e____F__r__a__n__c__e______________ISSN_1881-2597_n.432
S O M M A I R E  2009/3/26
□フランスでも多額の報酬に批判集まる

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◆◆フランスでも多額の報酬に批判集まる
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 アメリカではAIG幹部が多額のボーナスを受け取ったことが物議を醸しており、オバマ大統領も「詰まるところは大統領である自分の責任だ」として、この事件を解決することへの責任を明らかにしている。
 しばらくはこの問題が日本の報道番組でも大きく取り上げられていたが、一方ではフランスでも同じ事が起きており、企業経営者の多額な報酬が批判の対象となっている。やはりサルコジ大統領も法律で規制を設けることを発表している。
 フランスでは公的資金を受けているソシエテ・ジェネラルが、経営陣らにストックオプションの形での報酬を計画していることが発覚。ブトン会長に7万株分、ウデア最高経営責任者(CEO)に15万株分を支給することなどを決めた。
 しかし、同行は政府から17億ユーロ(約2200億円)の公的資金の資本注入を受けていただけに政府が猛反発。
 サルコジ大統領は公的支援を受け、人員削減を実施している企業の経営幹部らがボーナスやストックオプション、その他の例外的な報酬を受け取ることは「到底受け入れられない」と強調した。
 その後同行は、国民の不満を回避するために、経営支援を受けている間はストックオプションの権利を行使しないと誓約したことを発表している。
 経営幹部の報酬は固定給の割合がけっこう少ない。フランスの大手120社の経営幹部の報酬の内訳は次のような構成となっている。固定給23%、ボーナス31.5%、無料の株式14.5%、ストックオプション31%となる。これま
で多額の報酬を受け取ったことで知られるのはヴァンシー社の元会長などで、1億7300万ユーロを手にしている。
 これだけAIGの問題で騒がれる中に、あらゆる経路を駆使して報酬を受け取ろうとする経営者幹部たちは、時代の空気を読めないのでなくあえて読もうとしていないのだろう。「欲」のあらわれとしか言いようがない。
 政府は現在、フランス経団連に具体的な策を求める他、国の支援を受けている企業の経営者の報酬を月4万ユーロに制限するか、ストックオプションに対する税率を引き上げるなどの案を検討している。

仏ソジェンの第4四半期は大幅減益 ギリシャ国債の評価損など響く
2012年 02月 16日 16:53 JST
 [パリ 16日 ロイター] フランスの銀行大手ソシエテ・ジェネラル(SOGN.PA)が16日発表した2011年第4・四半期決算は、投資銀行部門の不良資産の減損処理やギリシャ国債の追加評価損計上が響き、88.6%の減益となった。減益幅はアナリスト予想を上回った。
 同期の純利益は1億ユーロ(1億3066万ドル)で、前年同期の8億7400万ユーロを大きく下回り、ロイターが集計したアナリスト10人の予想(1億9000万ユーロ)にも届かなかった。
 収入は60億1000万ユーロと12.4%減少したが、予想の58億1000万ユーロは上回った。
 狭義の中核的自己資本(コアTier1)比率については、厳格化された9%の基準を半年早く達成した。ソジェンはこの基準を達成するため、2011年は配当を見送ると発表していた。
 ソジェンのフレデリック・ウデア最高経営責任者(CEO)はCNBCテレビに対し、資本市場業務は好調な滑り出しを見せたものの、依然として今年の見通しには慎重になっていると語った。
 同CEOはまた、欧州中央銀行(ECB)による巨額の流動性供給は重要な動きだったと評価しつつ、先行きの経済成長は低調だろうと予想した。
 ソジェンは保有するギリシャ国債について1億6200万ユーロの評価損を計上し、引当率が75%になったとしている。
 主力部門である法人・投資銀行部門の純損益は4億8200万ユーロの赤字だった。08年の金融危機から持ち越された不良資産の減損処理やユーロ圏債務危機が金融市場に与えた影響が響き、同部門の収入は3分の2減少した。

 私はソジェン再生にはフランス倒産法による更生手続は不可欠と見ている。
 要するに、金融機関は生活者の公共財である。その原点を忘れてカジノ資本主義に踊り狂った金融機関には株主責任をきっちり取ることが必要だ。無論、ペイオフの発動も欠かせないだろう(預金者の責任として)。ギリシャ国債は全面放棄してもらうのは当然だ。
 はっきり言って、ギャンブルのつけをギリシャ国民に押し付けるのは言語道断でしかない。破廉恥そのものである。サルコジはそうしたことすらしなかったのだから、政治家失格と指摘されて誰も納得だろう。

2012-05-13 12:20