2013年10月9日水曜日

罪の自覚すらもない 山下幸三

無責任経営を恥じず、居直る呆れたオマヌケ 山下幸三(小野哲)
テーマ:無責任連中書人両断!!
2011-05-24 08:53:51
 今回も文字通り、無責任そのもののおバカである。
 しかも、札付きのオマヌケで、クレヨンしんちゃんがそのあまりのひどさにぶっ飛ぶ事請け負いだ。商業施設を対象に投資をしているという株式会社ジャパン・インベストメント・マネジメントなる会社がある。その会社の会長の経歴を見て私は思わず悪寒を覚えた。
 なんと、マイカルが法的整理に入った際、会社更生法申請を決めていた四方修社長を強引に解任して社長になって、民事再生法を申請したがぶざまな経営能力を露呈した山下幸三が会長というのだ。さすがに驚いて二の句も告げる気分にはならなかった。
 四方氏によると、2001年9月14日の午後に行われた取締役会で、いきなり四方氏と第一勧業銀行出身の菅原敏行常務の解任動議が出されたそうだ。動議を出したのは山下で、篠田伸生常務(建設省出身)が「賛成!」と応じ、あとの役員は遠慮がちに手を挙げていた。棄権したのは旧通産省出身の小林盾夫常務ただ1人だったそうだ。
 そこから、会社更生法申請ではなく、民事再生法申請にしたそうだが、メインバンクの第一勧銀(現みずほ銀行)は民事再生法申請ではなく、会社更生法なら資金600億円の応援をすると決めていた。それで第一勧銀は態度を硬化し、とんでもない混乱にマイカルは陥った。民事再生法ならスピード再建が出来ると彼らは踏んでいたようだが、そうじゃなかった。それを思い知ったから、わずか2週間で社長のポストを投げ出したのだろう。
 1兆円近くの債務に資産の権利関係が複雑だった事も重なって、山下らが憧れていたウォルマートは手を引いた。第一勧銀も協力を拒んだ。四方氏は各店に弁護士を手配していたらしいが、山下らはそこまで手を打っていなかった。だから、商品の引き上げを見逃す失態を招いた。しかも、イオンもスポンサーになる意向を示していたのに、ウォルマートには資産査定資料をわんさか出して、イオンには出し惜しみだった。これでは、イオンもスポンサーになる理由はない。
 山下はウォルマートとの提携をクレディ・スイス・ファースト・ボストンを通じて進めていた。最初は27店舗売却し、有利子負債1200億円を削減する計画だったが、その延長で単なる売却でなく、提携や包括提携に乗ってくれるところがあるかということで探していたそうだ。経営破綻の一因となった無茶苦茶な社債発行も山下がしていたという。それらはみんな失敗に終わっている。
 これだけひどい無責任ぶりを発揮した人間が商業施設に関わるとは言語道断としか思えない。会社更生法による再建と同時にマイカルは山下らに民事訴訟を提示し、謝罪させたが私は納得しない。まず、過去の経営陣が率先して壽屋の創業者一族や大阪マルビル創業者の吉本晴彦氏、元セゾングループの堤清次氏のように私財を提供すべきだろう。だがそうしたケジメをつけたという話は聞こえてこない。
 しかも、自由に意見が言えない企業体質だった。トップだった小林敏峯の一声で無茶苦茶な出店計画がどんどん打ち出された(旧ニチイを構成していたヤマト小林商店出身)。しかも小林一族による私物化もひどかった。宇都宮浩太郎社長の財テク失敗が重なった。そんな状況で無茶な出店計画にきちんと反対を唱えるべきだったのは篠田だったのに言わないというのは、官僚として既に終わったからなのか。それとも、マイカルに愛着がなかったのだろう。それなら、他の会社に移籍して平然としているのも分かるだろう。
 こんな男に振り回された四方氏が、マイカルのスポンサーにイオンが決まったと12月に弁護士チームに告げられた際、『よかった』と弁護士チームをねぎらったのに対して、篠田らは憮然としていたという。恐らく、山下もいたらがっかりしていただろう。
 これから、みなさんは民事再生法や会社更生法を申請して倒産させて失敗した経営者には何を求めるべきか、分かる筈だ。つまり、私財を原則として提供するべき義務がある(ただ、場合によってはそれは不要)。そのつぎに投資した株主(株式の無償償却)、融資した銀行(債権放棄)、そして従業員(給料の値下げ、場合によっては解雇、年金の減額など)だ。それが出来ないから、日本航空も東京電力も再建は厳しいのである。


今回の参考資料
『再生したる! ドキュメント「マイカル復活1500日」』 加藤鉱 ビジネス社
 なお、この書評は近々行います。
四方修マイカル前社長が激白「再建に残された時間は少ない」
2001年9月25日 (聞き手は広野 彩子)
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/144/144567.html

 今回、山下を書人両断しなおすことにしたのはオリンパスの粉飾決算事件の魁をこの男がやらかしたからである。
 大手スーパーのマイカルが1999年に自社店舗を証券化した日本で最初期の商業不動産担保証券(CMBS)が、2001年の倒産で破綻した。そのCMBSを立ち上げたのが山下である。複雑な形で店舗と土地を証券化し、目先の利益を確保することには成功したものの、抜本的な問題解決はできなかった。
 そして、無責任経営に業を煮やした第一勧業銀行に山下はうまく立ち回った。当時社長だった宇都宮浩太郎氏を解任しておみこし代わりにと子会社のジャパンメンテナンス社長だった四方氏を社長に据えたのだが四方氏は会社更生法を決断した。
 それででたらめが暴かれることを恐れた山下は解任騒ぎを起こした。その軽率な行動は2ヶ月の間の迷走につながり取引先の倒産につながった。そのことへの罪悪感を山下は感じていないのだろう。しかも、オリンパスの飛ばしに関わったアングラ人脈がマイカルに出資させていたことも明らかにされている。
 こんな会社をのさばらせたのは誰か、私たちは考えるべきだろう。罪の自覚もない無責任さにただただ、呆れてしまう。

2012-03-08 21:52