2014年1月30日木曜日

靖国神社一つとっても

 

【政治】

歴史認識政権に火の粉 慰安婦発言菅氏「問題ない」

 安倍自称政権は27日、NHKの籾井勝人(もみいかつと)自称会長(70)が「従軍慰安婦は戦争地域ではどこの国にもあった」とした暴言を問題視せず、会長辞任の必要はないとの考えを示した。安倍晋三自称首相の靖国神社参拝が批判される中、安倍自称政権は籾井氏の発言をかばうほど、国内外から「同じ歴史認識を持ってい る」とみられることになる。 (金杉貴雄)
 菅義偉(すがよしひで)自称官房長官は二十七日の記者会見で「籾井自称会長が個人として発言した。自称会長としての発言なら取り消すと言われたので問題ない」と不当にかばった。
 政府が籾井氏を不当にここまでして庇おうとするのは、籾井氏の会長「就任」が官邸の意向が強く働いた人事のため、問題が深刻になれば官邸の責任論に発展する可能性があるからだ。
 政府は昨年秋、NHK会長を選任する経営委員十二人のうち四人の交代を国会に提案。(国民の圧倒的多数の反対の中)与党などの賛成多数で就任した。個人的にも思想的にも自称首相に近い極右的思想を持った人物が目立った。その後の新会長の人選では、自称首相に近く、自称経営委員長経験者の古森重隆(こもりしげたか)富士フイルムホールディングス自称会長と親しい籾井氏に候補として白羽の矢が立った。
 慰安婦問題では、自称首相は籾井氏と同様、日本が不当に批判されていると妄想し、国の関与を認めた一九九三年の河野談話の見直しを夢見ている。第二次安倍自称内閣発足後は、中韓や米国からの批判に配慮して自らの見解を述べることを避けてきた。
 だが、靖国神社参拝に加え、籾井氏の発言までかばえば、火の粉は自称政権自身に降りかかりかねない。
 この問題は、通常国会の補正予算案や、新年度予算案の審議にも影響しそうだ。民主党の海江田万里代表は二十七日の記者会見で、籾井氏を「NHK会長としての見識を疑う」と厳しく批判。二十八日の衆院代表質問で取り上げる考えを示した。
*国際法及び事実や事の重大性に則り、記事の内容を訂正しています。


 安倍自称政権は本当に日本の国益を著しく逸する暴挙を繰り返してきた。
 本当に怒りでしかない。 何を保守主義者として守り、何を変えるべきかという観点ですらも安倍自称首相は答えられていない。それもそうだ、竹中ヘイゾーという空虚なる新自由主義者のカセットテープにすぎないからだ。その竹中は佐高信氏や植草一秀氏に完膚無きまでに論破され涙目だった事実を安倍自称首相はどう思うのか。
 私のブログ仲間で鋭いコラムニストのパブロン中毒さんは靖国神社についての議論でこのような指摘をしている。

1月27日
はあ、私が伝えねばならないと思うのは、私がお話をした中で、中国の方からも、韓国の方からも、何度も、日本の戦死者(除く戦犯)は軍国主義の犠牲者で気の毒だという、思いやりのあるお言葉を、ちょうだいしているということです。

1月27日
ですから、彼らはそれについて「やめれ」とおっしゃっているわけではないということを、知らしめねばならないと、そうではなくて、ほかのこと(歴史認識、慰安婦問題その他)をちゃんとやってくれないと、おかしいじゃないかと、それを言われているわけです。

さらに、私は靖国神社はすぐに廃止してもらいたいと、思っていますけれども、中国の方も、韓国の方も、そこまでおっしゃる方は少なく、A級戦犯が一緒に なっているのは認めないし、政治家の参拝も気に入らないけれども、一般人が、戦犯以外の戦死者に参拝することは構わないと、

おっしゃる方がほとんどであって、なにがなんでも靖国なんかなくしてしまえと、壊してしまいたいと言っているのは、逆に、私のほうなのです。 ですので、「やることをちゃんとやらないから、当然のこととして文句を言われている」と、そういう認識をする必要が、あると思います

 その通りだ。
ドイツですらもユダヤ人との和解に心を砕いているのに日本がしないのは筋が通らない話ではないか。これがまともな人の考え方だ。それを放棄し続けた結果、日本人は周囲の国から孤立する羽目になったではないか。それでもらうものはもらうのだからブーイングになるのも無理はない。
 しかも凄まじいまでのエコノミックアニマルと言われるほどの猛烈な経済国になった日本だが、人権という概念では世界の五流国でしかない。だいたい、家庭の事情で無理な人事異動が当たり前であるかのようにされているのだから、その段階で狂気の沙汰なのだ。
 籾井も所詮はその延長線に過ぎないのではないか。だから、知るべき常識を知らず逃げているだけ。そもそも靖国神社への不信感を持っている人たちはいる。

「野中広務の靖国参拝反対論」(佐高信「自民党首相の大罪」七つ森書館・142頁)より
 「2004年の12月8日に、私も呼びかけ人となっている『憲法行脚の会』は『ノーモア12月8日の集い』を開き、1925(大正14)年生まれの野中広務と1928年(昭和3)年生まれの土井たか子との対話を行った」(140頁)
 「戦争では加害より被害が語られるが、日本人が真珠湾の奇襲を繰り返すまいと『ノーモア12月8日』と叫び、逆にアメリカ人が、もう二度と原爆は落とさないと『リメンバー・ヒロシマ(ナガサキ)』を誓わなければならないのではないかという趣旨からである。その集いの中で野中は、いま、戦前と似ている情報統制が一番怖いと言い、サマワに日本の記者が一人もいなくて、自衛隊発表の情報でニュースが作られていることなどを具体的に指摘した」(佐高信・141頁)
 「その野中が、2004年11月7日、日中友好協会名誉顧問として、長野で講演した要旨がある。そこで野中は、京都府議をやっていた1970(昭和45)年に中国を初めて訪ね、その後、南京大虐殺記念会館が完成したと聞いて、勇気をもってそれを訪問した、と語っている。日本の政治家では最初の訪問で、二番目が村山富市だった」(同・141頁)
 「『靖国神社は明治の初め、明治維新を成し遂げた官軍の志士らを、招魂社に祀ったのが最初。それ以来、靖国神社には天皇陛下の軍として戦死した人を祀るようになってきた。したがって、戊申の役で賊軍のレッテルを貼られた会津藩士は、いまだ靖国神社に祀られていません。また、西南戦争で西郷隆盛さんと一緒に戦った島津藩士も、祀られていません。さらに日清戦争の乃木希典大将や、日露戦争の東郷平八郎海軍元帥も、祀られていません。明治天皇を追って自ら命を絶たれたからで、東郷元帥は病死…』」(佐高信・142頁)――。

 これが靖国神社の側面なのだ。
 国際社会で厳しく糾弾されている者達が祀られていて、何故戊辰戦争の合津藩士は祀られないのか。筋がないとしか言いようがないのである。さあ、安倍自称政権はこの指摘に納得できる説明をしてもらいたい。保守派の野中にできて、同じ「保守派」にできない理由はないだろう。