2014年2月25日火曜日

コメント回答 2014年2月25日付

 このたび、野島伸司批判を行いましたが鈴木昌生さんよりコメントをいただきました。
 本人の許可を得たうえで公開いたします。

 小野様,はじめまして。
 偶然,このブログに出会いまして,時折拝見させて頂いております。取り上げられているドラマは全く見たいとは思いませんが,関係者である野島伸司氏の作風に関する不信・疑問から感想を送信させて頂こうと思いました。
 私は氏が「タブーに挑戦する社会派作品を生み出す脚本家」などとは思っておりません。テレビ番組では報道もドキュメンタリーも視聴しない人間が「こういうドラマを見てる自分てなんて素晴らしいんだ!!」と自己満足に浸るための作品を約20年手掛けてきた「脚本屋」にすぎません。大体この人に「社会的弱者に対する深い関心」があるとは思えません。ただ,「数字を取る手段」として利用しているようにしか思えないのです。そんな作風もゼロ年代以降,経済格差の進行という現実世界により駆逐されたと思っていたら,「作風ごと」しぶとく生き残っていた,というわけです。
 この程度の苦情・騒動は氏も制作側もほとんどが「想定内」のはずです。彼らが取り上げるのは,「自分達以下」の位置の者たちのはずで,「自分達より強く,敵に回すと嫌がらせも辞さない危険な存在」では決してありません。
 人間が普段世間の常識で抑えている「感情と行動」を描いて視聴者の欲望を満たしているだけなのに,愚か者共や太鼓持ちが「現実の問題を題材にしている,現実に起こり得ることを描いている」とさも意義のある作品のように粉飾しているだけだと思います。
 これで題材に関心を持ち「続ける」人間が出てくるとは思いません。野島サン自身が飽きっぽいのか,具体的に同じ題材を取り上げた記憶が私には無いのです。受けて即続編を作ったことはあります。「思い出したように同じ題材で作る」ということもあったと思いますけど。
 本気で題材として扱うのなら執拗に反復すると思うのですけれどね。
 要は「視聴率取りたい→視聴者の欲求を満たす絵が欲しい→暴力・いじめ・性の問題は難しい→じゃ,社会の問題を入れよう」こうやって作って視聴者を弄んで来た,バカな奴らが付いてきた,ただそれだけだと私は想像するようになりました。
 今回はワザと自分の感情に任せ,下品な表現にしましたことをお許し下さい。
 それでは失礼いたします。

 よろしくお願いいたします。


 再びメールを送らさせて頂きます。
 小野様だけではなく,私と同じ感想を抱く黄蘭氏の文章の引用ありがとうございました。
 同感です。「表現の自由の濫用」を行ってきたのが野島という男です。一体どこが社会派作品なのか。児童向けヒーローものの方がはるかに「社会派」だと私は思います。
 ま,この男はそういうジャンルは見下しているであろうことは想像に難くありません。
 野島は「週刊少年サンデー」で漫画の原作をやっています。立ち読みし続け,最初の方は「まだ勘違い社会派やってる」と思っていましたが,今やその残滓も感じられません。
 世間を舐めるな!と思います。

 よろしくお願いいたします。


*小野 コメント*
 私は野島という男を全く信用していません。
 要するに表面だけ見ているだけであって、本質を見抜いておりません。差別の自由はこの世にはありません。
 小林靖子さんという脚本家がいます。この人は「未来戦隊タイムレンジャー」で知りましたが、橋田壽賀子より腕は上だと私は見ています。家族団らんだけで現実が見えない橋田作品より小林さんの作品は社会の問題も踏まえたうえで揺るがない価値観を見せるという点で凄みがありますね。野島はその小林さんの足元にも及ばないのは明らかです。
 今度一度、覆面で橋田・野島・小林さんの競作によるドラマをやってみるといいかもしれません。そして放映後に脚本家を公開するとどれがすごい作品かわかるかもしれません。とにかく脚本家の名前にみんな振り回されているような気がしますね。
 私自身は不勉強の男ですが、これからもどんどんと勉強をさせていただきたいと思っております。なにとぞよろしくお願いいたします。

 なお、最後に鈴木さんのコメントと私のコメントが分かりにくいとの指摘がありましたので訂正を行いました。ご指摘に感謝します。
 また、コメントをいただいた際には私としてもコメントの公開を行いますが、その際には必ずメールで許可をいただくことになるかと思います。その点ご了解ください。