2014年4月23日水曜日

効率化よりも身近な経済を


TPP日米協議は極めて厳しい、日豪合意もリスク=米高官

2014年 03月 8日 04:51 JST
[リッチモンド(米バージニア州) 7日 ロイター] -米通商代表部(USTR)のウェンディ・カトラー次席代表代行は7日、環太平洋連携協定(TPP)をめぐる日米交渉について「極めて困難」との認識を示 した上で、引き続き日本に農産物の市場開放を求めていく考えを示した。
日本の交渉担当者は来週ワシントン入りし、こう着する日米協議の打開を目指す。
カトラー次席代表代行は、日本は昨年、関税撤廃に向けた高度かつ包括的なTPP合意に取り組むとして交渉参加を表明したにもかかわらず、進展は鈍いとし、「米国を含めTPP参加国は、交渉に加わった目的を日本に再認識させている」と指摘した。
「われわれは日本の農産物に関して限定的な前進しか遂げておらず、なお大きな開きがある」とし、米農産物に対する日本市場の意義ある開放を求め引き続き注力する考えを示した。
またTPP参加国であるオーストラリアが日本との協議で合意に近付いていることは、米国の対日農産物輸出にとって別のリスクとの認識を示した。
「オーストラリアが農産物に力を入れていることを踏まえれば、オーストラリアは日本市場へのアクセスの点で有利な条件を手にする見込みで、この条件がTPPより先に発効する可能性がある」とした。


TPP、食の安全に重大な脅威の懸念~添加物、残留農薬、検疫の規制緩和の問題点

 2月25日、シンガポールでのTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)閣僚会合が、昨年10月のバリ島(インドネシ ア)でのTPP首脳会合、同12月のシンガポールでの閣僚会合に引き続いて大筋合意をすることなく終了した。共同声明では、次回会合の見通しさえ言及され なかった。
 翌日の各紙の1面見出しは、『TPP暗礁』(東京新聞)、『TPP長期化必至』(読売新聞)『日米、TPP平行線』(朝日新聞)、『TPP針路見えず』(毎日新聞)と、一様にTPP交渉が行き詰まっていることを表現した。
 TPPは、農林水産業だけではなく食の安全にも脅威を与えるものであり、多くの国民の議論が必要なものであるが、情報はほとんど国民に提供されていない。その脅威とは、輸入関税がゼロになることによる輸入食料の急増と非関税障壁の撤廃がもたらすものである。
(1)輸入食品の急増がもたらす食品検疫体制の機能低下
 TPPでゼロ関税となると、米をはじめとして多くの農産物が輸入農産物に置き換わり、国内生産が減少する。
  農林水産省の試算で明らかになった生産減少率は、米が90%、小麦99%、大麦79%、インゲン23%、小豆71%、落花生40%、甘味資源作物 100%、でんぷん原料作物100%、コンニャクイモ90%、茶25%、加工用トマト100%、柑橘類9%、リンゴ9%、パイナップル80%、牛乳乳製品 56%、牛肉75%、豚肉70%、鶏肉20%、鶏卵17.5%となっている。需要が変わらなければ、この生産減少分は輸入に置き換わる。
 この試算に基づき生産減少で置き換わる農産物の輸入量を計算すると、1628万2000トンになる。2011年の食品輸入量が3340万7000トンであるから、TPP加入で食品の輸入量は、4968万9000トンに急増し、現在の輸入量の1.48倍になる。
 これにより輸入食品の検査体制はどうなるか。
  現在、輸入食品の検査は399人の食品衛生監視員によって担われている。この食品衛生監視員による検査は行政検査といわれているが、検査率は、2011年 はわずか2.8%であった。また、行政検査はモニタリング検査であり、検査結果が出るまで輸入を認めない検疫検査でなく、検査結果が出るのは私たちの食卓 に輸入食品が届いてしまった後になる。
 11年は、民間の検査機関(登録検査機関)による検査が8.6%を占めていたため、全体の検査率は11.1%になった。それでも検査率は1割強で、約9割弱の輸入食品は無検査で輸入されていることになる。
 このような現在の検査体制でTPP加入により食品の輸入量が1.48倍になれば、全体の検査率は7.5%に落ち込み、行政検査率は1.89%と過去最低の検査率に落ち込むことになる。とても国民の食の安全を守れるような検査率ではない。
  本来、日本のような世界一の食料輸入大国では、食の安全の確保のためには水際の輸入食品の検査体制の強化が不可欠である。少なくとも輸入食品の検査率を5 割に上げるとともに、食品衛生監視員による行政検査を、「輸入食品の検査結果が出た時点ですでに食卓の上」というモニタリング検査でなく、検査結果が出る までは輸入を認めないという本来の検疫検査にする必要がある。
 このためには、食品衛生監視員を現在の399人から約3000人体制に抜本強化しなければ対応できない。しかし、政府は、このような強化の方向性は持っていない。
(2)危機に直面する残留農薬問題-ポストハーベスト農薬が増加
 11年2月1日に外務省は、「TPP交渉の24作業部会において議論されている個別分野」を公表したが、その冒頭に次のような記述がある。
「今後の交渉次第で複数の作業部会の成果が一つの章に統合され、または、『分野横断的事項』作業部会のように作業部会の成果が複数の章に盛り込まれる可能性もある」
 ここでは「分野横断的事項」がクローズアップされているが、同事項で検討されているのは、食の安全基準であり、外務省発表文では次のようになっている。
「同 一物品に対して適用される基準(例えば食品安全基準)が国によって異なったり、重複する規制が国内規制当局によって適用されたりすることから生じる企業負 担を減らすために、今後新たな規制を導入する前に当事国の規制当局同士の対話や協力を確保するメカニズムの構築を目指す」
 これは、TPP で企業負担を減らすために、食品安全基準の規制緩和を進めようというものであり、特に輸出国の残留農薬基準を輸入国に適用させようという狙いが明らかであ る。ここで注目されるのが、米国通商代表部の「2010年外国貿易障壁報告書」である。この報告書は、「米国の貿易に対する重大な障壁となるこれら特定の 種類の措置及び慣行を確認し、撤廃しようとする本政権の努力を明示している」(出典:衆議院農林水産調査室仮訳。以下同)文書だが、米国政府として、自国 にとって「重大な障壁となる措置」を貿易相手国に撤廃させようとしているものである。
 この報告書では、「日本は、ポストハーベスト(収穫 後)に使用される防カビ剤を食品添加物として分類し、これに対して完全に独立したリスク評価を受けるよう要求している。(略)さらに、日本の食品表示法 は、ポストハーベスト防カビ剤を含むすべての食品添加物の販売の小売時点における告知を要求している。(略)このような要求事項は、日本の消費者が米国産 品を購入することを不必要に妨げている」と、ポストハーベスト防カビ剤の食品添加物扱いをやめるよう要求している。
 さらに、農薬の最大残 留基準値についても「日本がコーデックスの国際基準に合致した基準値の実施措置を導入するよう、米国は日本に対して強く求め続ける」としている。コーデッ クスとは、FAO(国際連合食糧農業機関)・WHO(世界保健機関)の世界食品規格を策定する国際機関で、WTO協定で国際基準と位置づけられている。
  ポストハーベスト防カビ剤は、柑橘類に使われているOPPとTBZ、OPPナトリウム、ジフェニール、さらに柑橘類とバナナに使われているイマザリルの5 品目である。これらが食品添加物から外され残留農薬扱いになれば、食品添加物表示から外れることになり、輸入柑橘類やバナナにおけるポストハーベスト防カ ビ剤の存在がわからなくなる。
 また、残留農薬として使用量が増える可能性があるのに加えて、農薬の最大残留基準値についてコーデックスの 国際基準に合致した基準値を導入したらどうなるか。ちなみにコーデックスの残留農薬基準は、ポストハーベスト農薬の使用を前提としたものである。収穫後の 農薬使用であるから、農薬残留水準は高い。このコーデックス残留農薬基準がすべての農産物に導入されれば、ポストハーベスト農薬をいくら使ってもなんの問 題もなくなる。
 TPPに加入すれば、このような米国政府が要求している食品安全基準の緩和やポストハーベスト農薬の使用規制緩和が、TPPによる企業負担を減らすメカニズムによって否応なく迫られることになる。
(3)非関税障壁の撤廃で食品添加物の急増が不可避となる
  TTPは、食品安全基準のような非関税障壁による企業負担を減らす規制緩和メカニズムを導入しようとしていが、実はTPPを主導している米国政府は、食品 添加物問題でも日本に対して身勝手な要求をしている。米国通商代表部の「2010年外国貿易障壁報告書」の該当箇所を見てみよう。
「日本の 食品添加物の規制は、いくつもの米国食品、特に加工食品の輸入を制限している。米国及び世界中で広く使用されている数多くの添加物が、古い代替品よりは安 全と考えられている新しい添加物を含め、日本では認可されていない。(略)2002年、日本は迅速な審査に関する46品目の食品添加物のリストを作成した が、25品目の添加物は、安全に関する広範囲にわたるデータが利用可能であるにもかかわらず、未だ審査及び認可がなされていない。米国政府は、食品添加物 のリストの審査を完了して、食品添加物に関する審査のプロセスを迅速にするよう、日米規制改革イニシアティブを通じて日本に強く要請している」
  米国で認められている食品添加物で、日本で認められていない食品添加物を使った加工食品は、食品衛生法違反として現在、日本への輸入は認められていない。 そのため米国政府は日本政府に対して、米国で使われていて日本で使用が認められていない食品添加物の審査・認可を一刻も早くするように躍起になっている。
 では、米国で使われている食品添加物は、どれくらいあるのか。
 米国では、約3000品目の食品添加物が使用を認められているとされている。それに対して日本は、指定添加物で413品目、既存添加物で419品目と、米国と比べても2000品目以上も少ない状況である。この差を一気に縮めたいのが米国政府の立場である。
(4)遺伝子組み換え表示の撤廃が交渉目的-TPA法案
  遺伝子組み換え表示が守られるかどうかは、消費者の関心事項である。昨年も米国オレゴン州で安全性の確認されていない未承認の遺伝子組み換えの小麦が作付 け地帯で自生していたということで、大問題になった。これを受け、日本もアメリカ産小麦の入札売り渡しをストップした。安全性の確認されていない遺伝子組 み換え小麦が日本でも流通しかねない事態であった。それだけに、日本の消費者は、遺伝子組み換え表示がTPP交渉で非関税障壁として撤廃されるのではない かと不安に思っていた。
 これに対して日本政府は、TPP交渉でも日米二国間でも、遺伝子組み換え表示の撤廃問題は議題になっていないと説明してきた。
  しかし、事実と異なる。米国のTPA大統領貿易促進権限法案は、大統領にTPP貿易交渉権を与える代わりに、詳細にTPP貿易交渉の目的を記載し、それを 大統領に実行させることを求めているが、この法案を見れば、米国政府がTPPで何を実現させようとしているかが明らかになる。内容は広範囲にわたり、物品 の貿易、サービス貿易、農産物貿易、外国投資、知的財産、国有企業及び国家管理企業、労働及び環境、通貨などである。
 この中に「合衆国を 不利にするような諸手法を撤廃させる」として「バイオテクノロジーを含む新科学技術に影響を与えるような、表示といった不当な貿易諸制限ないし商業上の諸 義務」を撤廃することが明記されている。要するに米国政府のTPP交渉目的に、遺伝子組み換え表示の撤廃が明記されているである。それが米国政府の交渉目 的であり、日本政府にそれを求めないということはあり得ないのである。
(5)48時間通関の義務化で検疫の規制緩和
 従来 TPPは、ニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイの4カ国で開始されてきた。この4カ国のTPP協定(P4協定)が、米国政府が今進めている 12カ国によるTPPの有力なたたき台の一つになっている。そこに盛り込まれている協定内容は、ほぼTPP協定に盛り込まれると見られている。
 このP4協定では、通関手続きが独立の章として取り扱われ、ペーパーレス貿易、至急貨物通関などとともに、加盟国は貨物が到着後48時間以内に通関させることを義務づけている。このような規定を定めているFTA(自由貿易協定)は、日本が締結しているFTAにはない。
 日本がTPPに加入すれば、48時間以内通関が義務づけられることになるが、これでいったいどのような事態が生じるのか。
  09年の財務省調査によると、日本における一般貨物(海上貨物)の輸入手続き平均所要時間は、62.4時間となっている。これだけでも、48時間にはだい ぶ隔たりがあるが、中でも他法令該当貨物すなわち動植物検疫や食品検疫の対象となる貨物についてみると、48時間の倍近い同92.5時間となる。なぜ、こ のような時間になるかといえば、畜産物では動物検疫の検査対象になり、農産物では植物検疫の対象になり、食品では食品検疫の対象になるため、その届け出や 検査に時間がかかるからである。
 では、48時間以内通関にするために、輸入手続きはどうなるのか。
 財務省は、予備審査制 と特例輸入申告制度(AEO制度)で時間短縮をするとしている。予備審査制とは、貨物が日本に到着する前に、あらかじめ税関に予備的な申告を行い、税関の 審査を受けておくことができる制度である。AEO制度とは、貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された貿易関連業者を税関が認定し、迅速で簡素 な通関手続きを提供する制度である。要は、AEO認定業者が輸入申告した場合は、税関による現物確認検査等はなしで書類審査だけで通関されるというもので ある。AEO貨物の通関所要時間はわずか0.1時間とされており、現物確認なしで通関するため、時間が短縮されるのは当然である。
 しか し、これはきわめて危険な規制緩和といえる。米国は、輸入されるコンテナ貨物は100%検査をしている。それは、テロの脅威を防ぐためである。日本がテロ の脅威の例外となる根拠はない。さらに、麻薬等の薬物の密輸も横行している中で、このような規制緩和は、日本のリスクを高めるものといえる。
 さらに問題なのは、税関の手続き時間を短縮しても、他法令該当貨物、すなわち動植物検疫や食品検疫の時間がどうしてもかかるため、その短縮がなければ48時間をクリアできないことである。
 ここで出てくるのが、動植物検疫や食品検疫の規制緩和である。
  09年7月6日、日本政府は、「日米間の『規制改革および競争政策イニシアティブ』に関する日米両首脳への第8回報告書」で米国政府に対して「厚生労働省 は、関係業界の意見も踏まえ、検疫所における輸入手続きがより効率的に行えるよう引き続きつとめる」ことを約束している。現に、厚生労働省は米国政府に対 して、残留農薬検査で残留農薬基準違反があっても、米国の残留農薬基準が日本と同等の基準の場合は、業界全体の輸入を差し止めないと約束をしている。
 以上みてきたように、TPP加入は、日本の農林水産業と食の安全を大きく脅かす可能性をはらんでいるといえよう。
(文=小倉正行/国会議員政策秘書、ライター)



 私はTPPよりも身近な経済の再建を図るべきだと考えている。
 そもそも、TPPはアメリカによる日本の支配条約にすぎなかった。そのことはこれらの記事で明らかになった。そこで、日本は戦争責任から中国と和解を始めなければならないし、尖閣諸島については棚上げ論に戻るべきだと考えている。すでに過去の先人たちが棚上げ論を提案し、歴代政府はそのことを尊重すべき義務がある。
 その一方で中国には媚びてはいけない。もちろん日本人が過去の戦争責任についてきちんと後世に伝える事が条件なのだが、台湾の併合を目論む中国に「民主化を進めない限り台湾の国民は反発する」と言わねばならない。
 私はちなみにレアメタルの輸入規制には賛成だ。環境破壊してでもとるものではなく、安く環境に優しい方法で代替技術ができるのならそれを優先して使えばいい。それでかつて日本は成功したではないか。中小・中堅企業の経営統合を後押しして大企業と競える企業にする必要もある。その新会社は20大雇用による一般正規雇用が当たり前でないとならない。そして大企業は特許を解放して経済の活性化を図る必要がある。
 私は消費者金融の廃止にも賛成する。ただし、徐々に閉鎖する必要がある。5年以内と定め、当面はコンビニに返済できるようにして、まじめに働くように人々の意識を改めさせる必要がある。また銀行へ業務内容を転換させる必要があり、地方で経営不振に陥っている信用金庫や信用組合を5社買収させるといい。
 そして出資法による過剰な金利支払いを返済させるのである。また闇金融についてはその行為そのものを違法として禁止し、過去にさかのぼって断罪させねばならない。カードローン依存よりも貯蓄への回帰を銀行は図らねばならない。銀行は何のためにあるのか、真剣に考えてほしい。NISA非課税よりも、庶民の貯蓄非課税が日本には必要なのは誰の目からして明らかであり、投機ブームは厳しく規制されねばならない。
 その他にもパチンコの設置規制を行う必要はある。たとえば新規でパチンコ店を立ち上げた場合、設置する面積の2倍に相当する既存の施設2店舗を即座に介護福祉施設にすること。こども園、学校、塾、図書館から1km圏内に立ち上げることを禁止する。なお、後者の規制については3年後に施行する。
 この規制は電力消費についての規制になる(その他にも全産業にも前年比20%の節電を義務付けさせるか自然再生エネルギーによる地消地産化に踏み切るよう義務付けさせる)。コンビニなどでの宝くじの販売を規制するのもその一環だ、つまり賭け事の自然的な縮小を図っていかねばならない。当然、面積規制については場外馬券販売場・風俗店(ラブホテル、ホストクラブ、キャバクラ、ソープランド、出会い系喫茶)でもかけるべきだ。ではパチンコ店からゲームコーナー店にするというのなら、これについてはある程度緩やかでいいのだが、入場制限の設定と営業時間の規制、消費電力規制も行う必要がある。パチンコ店の換金業者については、他の仕事への斡旋を行うほか、カード換金システムを運営している場合に関しては経営不振の地方の信用組合を5社買収させて銀行に参入させる。
 私は古紙回収業への支援を強化、古本屋への参入支援を行うべきだと考える。場合によっては国立の青空文庫を立ち上げるのもいい。外資系や国内系の投機を規制する法律も導入。開発規制や過去にさかのぼって納税義務強化で懲らしめる。
 つまり経済そのものの意識を人々が変えなければ今後の日本はよくならないのである。