2014年7月11日金曜日

人種差別の闇

 今回のコラムは、人種差別に関する2つの記事を引用いたします。

サイエンス

人種差別は薬で治る精神疾患?

Common Heart Drug May Combat Racism
オックスフォード大学の研究者が、心臓病の薬で人種差別意識を緩和できそうなことを発見した
2012年3月9日(金)16時32分

一般的によく使われている心臓病の薬で、潜在的な人種差別意識が改まる可能性がある――そんな研究結果が発表された。
 研究では、交感神経の働きを抑えるベータ遮断薬「プロプラノロール」を服用した人と、プラシーボ(偽薬)を服用した人を比べた。すると前者のほうが、人種的偏見を抱く傾向が少なかったと、英インディペンデントが報じた。
 プロプラノロールは、心拍などの自律的機能をコントロールする神経回路に作用する。同時に、恐れや感情反応に関係する脳の部位にも作用する。そのため不整脈や高血圧などのほか、不安やパニック障害などの治療にも使用される。
 今回の研究結果は、人種差別は「恐れ」に根差すものだという事実によって説明出来るだろう――研究を行った科学者たちはそう考えていると、オーストラリアAP通信(AAP)は報じている。

差別心は誰にも起こりうる

研究の中心になったのは、英オックスフォード大学の実験心理学者であるシルビア・テルベック博士。彼女はAAPに対し、「われわれが得た研究結果 は、脳内で潜在的な人種的偏見が形成されるプロセスについて、新たな根拠を示すものだ。潜在的な人種的偏見は、平等を心から信じている人の中にも存在しう る」
 AP通信によれば、有志参加者18人ずつからなる2つのグループを対象に研究は行われた。一方のグループはプロプラノロールを、他方はプラシーボを服用してから1〜2時間後に、「人種に関する潜在連想テスト(IAT)」を受けた。
 彼らにコンピュータの画面で黒人と白人の写真を見せ、即座に好意的区分か、否定的区分かに分類してもらう実験を行った。するとプロプラノロールを 服用した人々の3分の1以上が、「マイナス」の得点を出した。つまり彼らは潜在意識のレベルで、非人種差別主義の方に偏っていた。
 プラシーボを服用したグループでは誰1人として、そうした傾向が表れなかった。
 研究の共同執筆者であるオックスフォード大学哲学科のジュリアン・サブレスキュ教授はAP通信に対し、「こうした研究は、われわれが無意識にとっ ている人種差別的態度は薬で調節できるという可能性を提起するものだ。その可能性は興味をそそるものではあるが、慎重な倫理的分析を必要とする」と、語っ ている。
 彼はこう続ける。「人間を道徳的により良くすることを目的にした生物学的研究には、暗黒の歴史がある。それに、プロプラノロールは人種差別を治療 する薬ではない。ただ、多くの人がプロプラノロールのような『道徳的』副作用のある薬を使っていることを考えれば、私たちは少なくとも、その副作用がどん なものなのか理解を深める必要はあるだろう」
GlobalPost.com特約




「IQの低さと偏見・人種差別主義の傾向に関連」カナダの研究チーム

カナダ、ブロック大学の研究者チームがこのほど、「人のIQの低さと他に対して偏見を持ったり人種差別的傾向を持ったりすることとは関連がある」とする内容の調査報告を行った。
チリのメディアによれば、調査報告は「子供のころにIQが低いことと、成人してから偏見を持ちやすい傾向、また人と交わる際の保守的傾向とは関連がある」としている。(1月30日付参考消息)
(翻訳 尚蕾/編集翻訳 恩田有紀)

 なお、無意識な思想をつかむテストとしてIATテストがあるのですが参考程度に考えてください。
 これでもし仮に差別意識が強いと言ってもあわてる事はなく、「これから変えていけばいいんだ」でいいのです。
 ネトウヨに警告しておきましょう。ナチス・ドイツのデマゴーグ新聞「突撃者」の発行人だったユリウス・シュトライヒャーJulius Streicher1885年2月12日1946年10月16日)はユダヤ人への誹謗中傷の下劣さ故にナチス内でも批判があったほどです。ウェクスラー成人知能検査による検査がニュルンベルク裁判の被告全員に行われた際驚くことなかれ、彼ののIQ値は106で、被告の中では最低だったのです。
 ですが、行った行為こそ私達は批判しなければなりません。これは断固として守らねばならない真実なのです。