2014年7月12日土曜日

障がい当事者の雇用を問う

【東京】

目黒の杉本さん 母娘でつづる本



 生まれつきの聴覚障がいと発達障がいのため、人と心を通わせるのが苦手だったという目黒区の杉本聖奈(まりな)さん(27)と、母香苗さん(54)の 合作本「聖奈の絵はコトバ」が出版された。聖奈さんがイラスト作家として活動するまでの道のりを本人のイラストと、香苗さんの文でつづった。「障がい児を育てる親のはげみになれば」と香苗さんは期待する。 (丹治早智子)
 母は娘を愛情込めて「不思議ちゃん」と呼ぶ。障がいのため幼いころから周囲の言葉が分からず、自分の気持ちを伝えることができなかった。九歳まで通ったろう学校は四回転校した。画一的な単語学習が苦手で、級友とコミュニケーションできなかった。
 興味のあることには集中するが、それ以外は先生の言葉にも耳を貸さない。広汎性発達障がいの難しさを併せ持つ聖奈さんが変わったのは、世田谷のフリースクールに通い始めてから。「あるがままの聖奈を受け止めてくれた」と香苗さんは振り返る。
 都立工芸高定時制アートクラフト科を経て、二年前、豊島区の美術造形専門学校を卒業した。現在は、イラスト作家として聖奈さんが独自に考案した立体イラスト作品を作成。個展なども開く。東京メトロのクッキー缶のデザインも手掛けた。
 専門校卒業あたりから、聖奈さんは、幼少期までさかのぼり、自分が理解されなかった心情を四コマ漫画にこめ始めた。障がいの診断、学校探し、コミュニケーションにおける困難、それを乗り越えるための工夫であった「絵」の才能の開花などが描かれている。
 娘をもっと理解したい、母にもっと伝えたい。合作本はこの四コマ漫画がきっかけで完成した。「これからも私と娘の葛藤は続く」と香苗さんは話す。障害が一つの個性として認め、理解してもらえるような世の中を願う。
 「聖奈の絵はコトバ」は、中央法規出版刊、オールカラー、A5判、百九十二ページ。千七百二十八円。出版を記念して、紀伊国屋書店玉川高島屋店で、聖奈さんの作品「電気の街」の展示やグッズの販売が行われる。八月八日まで。
※一部記事に不適切な表現がありましたので訂正を行いました。

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 この方のような人たちを、重複障がい当事者というのである。
 千葉県ろう重複障がい者施設をつくる会という団体がある。それによると「聞こえない障がいに加え、知的障がい・肢体不自由・精神障がいなどを併せ持つ子ども達です。全体的な発達の遅れもありますが、聞こえないという障がいによるコミュニケーションのつまづきや人との関わりの困難に大きな特質があります。」という。
 こういう人たちが社会的に自立するには、今の日本の社会はあまりにも残酷である。児童養護施設を出た人たちの受け皿に性産業がなっているという指摘すらあるのだからぞっとする。そんなことでいいのだろうか。
 今回ここで取り上げた人はごく一部の人に過ぎない。問題はこういう人たちをいかにどうやって社会的に自立に導けるかにある。Kaien、アイエスエフネットだけにこういう雇用をやらせてはいけない。三菱東京UFJ銀行での偽造請負がばれて批判を浴びている日立コンサルティング(日立製作所グループ)やオリンパス、KDDI、ワタミなどがこういう人たちに時短で彼らの特性に合わせた業務を積極的に切り分けて雇用を積極的に行い、時短労働の実現を目指すべきなのは誰の目からしても明らかなのである。