2014年8月19日火曜日

何とも情けないサイバーいじめの構造

ブラジル大敗にネパール少女が自殺

サッカーW杯でブラジルが大敗したことを受け、ネパールで自殺者が出た。インドのIANS通信によると、ネパール東部バラウルに住む高校1年生の 少女(15)が、9日朝に首つり自殺した。警察によると、少女はブラジル代表のファンで、8日東部スンサリ県の自宅で準決勝をテレビ観戦。ドイツに1-7で負けた後、学校で友人にからかわ れたという。帰宅後も試合をめぐって妹と口論。家族によると、ブラジル大敗後はかなり取り乱した様子だった。翌朝、自分の勉強部屋の天井から垂らしたひもで首をつり、母親に発見されたという。

 今回取り上げるのはサイバーいじめである。
 冒頭に取り上げたいじめを日本は笑うことはできない。 元・子役で現在中学2年生になるタレント、春名風花さん(通称「はるかぜちゃん」)が「完全犯罪」というタイトルのブログ記事をアップした。彼女はいじめ問題について積極的に提言を述べている(ただ、私は「明日、ママがいない」を巡って春名とは考えが異なるということは明言する)。
 もしできれば、「聲の形」についてコメントをお願いしたい。表層的なコメントではなくがっちりと述べていただけると議論を盛り上げるという意味でありがたい。その彼女が「LINEいじめ」のグループ機能を使った、「LINE外し」という新しいいじめを批判している。

〈LINEの会話は、そのグループ外からは見えない。(中略)ひとつのグループを作ってそこにいじめ対象を招待し、もうひとつ裏で、その子を外した グループを作り 友だちぶって会話し、(中略)その子を観察しては、裏グループで反応を笑い合う。(中略)被害者本人にもなにがどうなっているか分からないし(中略)ヤバ くなれば、その裏グループごと消せばいいだけ…(中略)いま いじめは「完全犯罪」が可能になりました〉

 更に東京新聞ではこの記事がある。

【社会】

親に通知 いじめ防げ LINE不適切やりとり


 無料通信アプリLINE(ライン)を舞台にした子ども同士のいじめを防ごうと、ITベンチャー企業「エースチャイルド」(東京都品川区)が、「死 ね」「うざい」などトラブルにつながるメッセージがやりとりされた場合、親に警告を通知するサービスを始めた。児童買春など性犯罪防止にも役立つという。
 これまでLINEのやりとりは第三者が見ることはできず、親が把握できない一因になっていた。エース社の西谷雅史社長は「いじめを受けた子は、親 に心配を掛けたくないという心理があり隠すこともある。サービスは監視ではなく、親子で情報共有し話し合える環境をつくりたかった」と強調している。
 スマートフォン上で使える交流サイト見守りサービス「Filii(フィリー)」を利用し六月末から始めた。親がユーザー登録し子どもの承諾を得 て、見守り対象として設定。いじめにつながる不適切なメッセージが、LINE上でやりとりされた場合、親の閲覧ページに警告が表示される仕組みだ。子ども も同じ警告情報を見ることができる。
 同社が警告対象として、いじめや児童買春につながる言葉約二万語を事前に選定。親はどのユーザーとのやりとりだったかが確認できる。ただメッセー ジ全文は子どものプライバシーに配慮し親には分からない。対応するのはアンドロイドのスマホだけで、当面は無料でサービスを提供する。
 LINEをめぐっては、世界で利用者が四億人に達する一方、いじめの温床になっているとの指摘もある。ネットいじめ対策などを担う「全国webカ ウンセリング協議会」(東京都港区)によると、LINE上でのトラブルの相談は昨年が四百九十七件だったが、今年は六月末までに八百六十六件と急増してい る。
 相談は中高生が中心で、複数でやりとりする「グループトーク」機能で、仲間外れにされるなどの相談が目立つ。メッセージが「既読」になっても返信 をすぐに返さないなどささいな理由でいじめに発展する場面もある。協議会の安川雅史理事長は「面と向かって言えない言葉を相手に投げ付けてしまう。親も LINEの仕組みがよく分からず目が行き届かない。子どもだけで問題を抱えるのは良くない」と指摘する。


 私の場合、LINEについても招待制にすべきと考えている。
 mixiが最近衰退しているのはなぜか、レイシストによる卑劣な書き込みが目立つようになったためだがレイシストが増えている要因は招待制から自己参加になったためである。20歳からLINEの参加を認めるべきで、12歳が参加するのはいけないと思うし、そもそもスマホを未成年に持たせる意味はあるのだろうか。
 そこに私は議論の焦点を当てる必要があると思う。スマホやタブレットを今の段階で未成年に持たせることは大変危険だとも言わざるを得ない。

 私は最近発達障がい対策の一環として所属先以外のカウンセリングを受けるようになった。
 そこで60歳以上の主婦たちと知り合い、話をするようになった。彼らは今のスマホについてついていけないと異口同様に指摘している。私もLINEをやっているが、少なくていいと思っているし、所属先の人(OBも含む)とつながろうとは全く思っていない。
 鋭い意見を私のブログの知り合いであるMichiko氏はしている。

被爆の語り部に対する中学生の暴言とネトウヨの極悪的卑劣さとそれを支持するギャラリーたち

伊藤浩士のブログ より

9. 実質的には、ネットが子供を育てている。
 何か、このニュースには、脱力します。
 何も言う気にならないというか、まあ、いいかげんに、子供の躾に手を抜いているということを、国全体で認めるべきだろうと、思います。
 いつからそうなったのか、わかりませんが、たぶん、子供が自由にネットに触れるようになってからは、ネットがお父さんでありお母さんであって、それらの言うことを、「実践」しているんでしょう。

 子供がネットをやっている間は、親は、別のことができるので、ラクなんです。
 うちの妹なんかも、子供には、早いうちから、ゲーム機やPCや携帯スマホを与え、それらに熱中させることによって、自分がほかのことをする時間を、作っています。
 よその家もみんなそうだからというんで、買い与えないわけにはいかないといって、まるで言い訳をするようにして、どんどん、新しいものを買い与えています。
 そうすると、構ってやらなくていいので、本当は親がラクだという話なんですが、自分がラクをするためにそうしているんだというふうには、考えたくないようです。実際には、体のいい子守代わりにしていますね。
 よその家の子がみんな持っている→だから子供が欲しがる→だから無理をしてでも買い与える→すると子供はそれに熱中→親は自分の時間ができる
 結果的に、家の中に居たとしても、子供は、親に育ててもらっているというよりは、ネットに育ててもらっているような状態かもしれませんで、物理的に家の中に いるということが、親が面倒を見ているとか、躾をしているとは、もう言い切れないんじゃないだろうかと、そういう気もします。
Michiko
10. ネットが育てるの2
 被曝者をバカにした子らは、明らかに、「ネットというお父さんお母さん」の言うことのほうを、重んじて、実践しています。
 この子たちの親が、被曝者をバカにしなさいと言ったわけはありません。
 日本における子供とネットの問題は、社会に大きな影響を与えているという意味で、非常に深刻なのですが、そのわりには、「見えにくい」ので、軽視されています。
 そういえば先日も、どこかの女子高生が、親には「部活に行く」とウソをついて、ネットで知り合った47歳の男に会いに行って、生きて帰りませんでした。
 この女子高生を、「特殊だ」というふうに思うのは、たぶん、間違いだろうと思います。
 リアルの世の中を知る前に、子供のうちからネットに育ててもらっているような、そんな異形の子供たちが、そこらじゅうにいるんでしょうし、それらが差別やい じめをすれば、「例外的に悪い子だ」としか思われず、こうやって犠牲になれば、それも「例外的に運が悪かった」としか思われず、これらの2つの、「まった く別の問題のように見えるもの」について、「根は同じである」という認識がされないままなんでしょう。
 根が同じだと言えば、Japanese Onlyのバナーも、四国の巡礼韓国人女性への嫌がらせも、サッカーの試合中に、韓国人選手に差別発言をしたプロサッカー選手も、みんな原因はネットのはずです。ネットがなければ、そういうことをしていないはずです。
 日本人は、ほぼ20年間、適切なネットとの付き合い方を構築できていなくて、「危険なもの」だという認識をせずに、野放しにしていて、それによって、ネトウ ヨが総理大臣にまでなってしまったり、たぶん戦争までするのかもしれませんが、それもこれも、ネットが社会に与える悪影響を、軽視し続けてきたことのツケでしょう。
Michiko
 このいじめ問題は、差別問題につながっていくのである。
 こんなことでいいのだろうか。
 私は何度もここで繰り返す。私自身も、いじめの被害を受けてきた。それが、発達障がいによるものだったということを知り、再出発を2012年10月に行って今所属している企業グループに去年の1月に所属した。
 そうして自分を何とか取り戻してきた。ネットとの距離感も含め、主治医とも相談を重ねて何とかここまでたどり着いたのだ。私は正直に言って、LINEを使っているのは我が盟友との通話や何人かの知り合いとのやり取りだけだ。
 そもそも、ネットの絶対化というのが恐ろしい。いつの間にか他人になりすますケースだってあるのだから。その闇の一部がサイバーいじめなのではないか。全く情けないとしか言いようがない。