2014年8月9日土曜日

諦めるのはまだ早い~橋本龍伍~

 今回の「諦めるのはまだ早い」は橋本龍太郎元首相・大二郎(前高知県知事)の父で知られる政治家の龍伍(1906年-1962年)を取り上げたい。
 彼は少年の頃に結核性の腰椎カリエスにかかり、11年に及ぶ闘病生活を送り生涯杖を離せない身体となった。苦学して第一高等学校、東京帝国大学法学部を卒業、大蔵省を経て吉田学校の一員として文部大臣、厚生大臣等を歴任した。
 その彼は ついて長男の龍太郎は生前「物心つくころから私には父におぶってもらったり抱いてもらったという記憶はありません。いつも松葉杖かステッキをついている父の後を追って歩いた、そんな思い出だけが残っています」「私が自分の父親を尊敬し今でも誇りに思うのはそのハンディキャップにもかかわらず自分の人生を自分の力で切り拓いていった、その強靭な精神力です。そして絶対に物事に対してあきらめを持たなかった。本当に挑戦者という姿勢を生涯とり続けたことです」と述べている。
 思想問題で官憲に追及されている友人を下宿にかくまったことにより、警察に2度拘留された他
自身の体が不自由だったことから、「政治は弱い人のためにある」を政治信条にしていた。

 今、この彼の想いこそ私達は必要にすべきではないのだろうか。
 大二郎は小さかった頃、龍伍がお願いしていた衆議院の車の運転手さんが、「時間があいたので、ちょっと乗ってみませんか」と、兄弟を誘ってくれたことがあったそうだがしばらくして家に帰ると、父にものすごいけんまくで怒られたそうだ。衆議院の車は公用車なのだから、子供たちが私的に使ってはいけないというのだ。公私の区別には、厳しい人だった。
 その厳しさが、今の政界にあるのだろうか。
 今の私達にあるのだろうか。
 だから、東京都のセクハラ自称都議会議員を生み出すことになる。