2015年2月10日火曜日

鉄道会社に問われていること(新幹線を問う)

 まず、読者の皆さんに言っておきます。
 私は多忙なスケジュールが今後予想されます。ですので、それほどコラムのコメントをすることはないと思います。
 どこかの誰かみたいに有名人になりすまして罵倒をする暇は私にはそれほどありません。ですので、某ブログでの「なんちゃら=倉野」認定については、一切関与はありません。そういうことをいう人は自分で自分の信用を潰すだけだと言っておきましょう。
 なお、ここは前もって警告しますがネトウヨお断りです。



記事
鉄道
2014年12月15日(月) 16時13分

富士急、JR東海から371系を購入へ…旧型「フジサン特急」の後継

レスポンス
 富士急行は12月15日、JR東海から371系特急形電車7両(7両編成1本)を2015年3月下旬に購入すると発表した。7両編成を3両編成に改造し、旧型「フジサン特急」2000系の後継車両とする。2015年度中の営業運転開始を目指す。
 371系は1991年、JR東海の特急形電車として登場。7両編成が1本のみ製造され、小田急線とJR御殿場線の直通特急『あさぎり』で運用された。 2012年3月には『あさぎり』での定期運用を終了し、その後はJR東海の臨時列車で使われていたが、今年11月末に臨時列車での運用も終了した。
 旧型「フジサン特急」の2000系は2002年から、大月(山梨県大月市)~河口湖(富士河口湖町)間の富士急行線で営業運転を開始した電車。JR東日本 の165系改造車「パノラマエクスプレスアルプス」を購入したもので、3両編成2本が『フジサン特急』として運用されてきた。このうち1本が今冬に引退 し、7月から営業運転を開始した新型「フジサン特急」8000系に置き換えられている。
 8000系も371系と同様、『あさぎり』で運用されていた小田急車の特急ロマンスカー20000形「RSE」を3両編成に改造した車両。今回の371系の購入により、『あさぎり』のJR車と小田急車が富士急行線で再び「競演」することになる。
《草町義和》

 みなさん、これを聞いてすごいと思うではないだろうか。
 だが、私はそう思わない。この富士急行は普通電車の老朽化がひどく、JR東日本から205系という、山手線や京葉線で走っていた車両を譲り受けて3両編成にして4編成走らせているが、更新のペースが追いついていない。
 つまり、最大で使う人達向けのサービスが全く出来ていないのである。
 同じ失態を犯しているのがJR東日本だ。宇都宮線や高崎線の普通列車を運休しても車両のやりくりはうまくいくものの、JR他社に影響をもたらすような車両については運転できなかった分の切符の清算支払いが発生するためというわけだ。つまり、国鉄の会社化による負の影響のつけがまともな顧客に全て押し付けられているというわけだ。
 つまり、自社都合というエゴを顧客に押し付けているのだ。そんな傲慢なやり方がまともではないのは誰の目からしても明らかだ。すでにイギリスでは完全破綻しているのに、何故か日本ではもてはやされているのだから驚く限りだ。
 鉄道会社は、本来持つべき公共資産という意識をもう一度取り戻さねばならない。特急というエゴを切り捨てる蛮勇こそが、必要なのである。

 そして、もう一つの角度から考えたコラムをここに用意する。

リニアモーターカーの稼働には原発3~5基分の電力が必要

   建設費約9兆円をかけた日本史上最大の鉄道事業、それが、JR東海が2014年10月に着工するリニアモーターカー「リニア中央新幹線(以下、リニ ア)」だ。しかし、最近になって計画に反対する声が挙がっている。その原因は「電力」。
 リニアは、超伝導磁石で車体を浮上させ“飛ぶ”新幹線。電気抵抗がゼロの技術にもかかわらず、消費電力は東海道新幹線の約3倍である。昨年の原発事故以降、 節電の必要性が浸透しているなか、この事実はあまりアナウンスされていない。山梨県立大学の伊藤洋学長は、乗客ひとりを運ぶエネルギーをもとに「リニアには原発3~5基分の電力が必要」とまで推計する。
 もちろん、JR東海がリニアのために原発を稼働させるべ きと公に明言したことはない。だが、リニアと原発の関係は否定できない。というのは、山梨県のリニア実験線の主な電力供給元は東京電力・柏崎刈羽原発(新潟県)だからだ(昨年秋から、実験線の延伸工事のため走行実験は休止中)。
 そして、原発とリニアの関連性を裏付けるかのような発言も飛び出している。昨年5月14日、静岡県の浜岡原発が運転停止したわずか10日後に産経新聞に 掲載された、JR東海・葛西敬之自称会長(経営者ではありませんので自称会長と付け社会的制裁を実施します。しかもこの男は安倍自称首相と癒着しています)の「原発継続しか活路はない」と題した談話だ。以下はその要約。
「原発を止めれば電力供給の不安定化と電力単価の高騰を招き、日本経済の致命傷となる。原子力の利用には、リスクを承知の上で、それを克服・制御する国民 的覚悟が必要。政府は原発をすべて速やかに稼働させるべきだ。この一点に国の存亡がかかっている」
 この発言について、リニア建設に反対するJR東海労働組合書記長の小林光昭書記長は、「会社はリニアのために原発を稼働させたいのです」と推測する。
 また、リニア計画の妥当性を話し合うために国土交通省に設置された「交通政策審議会中央新幹線小委員会」でも、昨年5月、家田仁自称委員長は「原子力安全・保安 院は浜岡原発の停止期間を2年程度としているため、現時点ではリニア計画に影響しない」と、リニア建設は原発稼働を前提としているかのような発言をした。
 いかにも原発稼働ありきで進んでいるように見えるリニア建設計画。計画当初と現在では、日本人の価値観が変わってしまっただけに、新たな検証材料が必要かもしれない。
(取材/樫田秀樹、写真/本田雄士)


日刊現代

「“悪夢の超特急”リニア中央新幹線」樫田秀樹著

2014年12月2日
 10月17日、国土交通省はリニア中央新幹線の工事実施計画を認可した。これによって、着工はもはや確実となったと言ってよいだろう。

 品川から大阪までを1時間7分で結び、そのスピードから“夢の超特急”とうたわれるリニア。しかし、樫田秀樹著「“悪夢の超特急”リニア中央新幹線」では、リニア構想の裏側に国民生活を揺るがしかねない大きな問題が隠れていることを浮き彫りにしている。

 リニアには超電導磁石が格納され、両脇の壁に電流が流されることで反発が起こり車両が動く。このために消費される電力は、品川-大阪で74万キロワッ ト。これは、東京電力と中部電力、関西電力の発電量の“わずか0・6%”と説明されてきた。しかし、ひとつの会社のたったひとつの路線が、これほどの電力 を消費するのは日本最大級だと本書。そしてリニア実現のためには、原発の稼働が不可欠となる可能性が高いことについても言及している。
 また、リニアの総事業費も問題だ。全長の9割がトンネルを走ることになるリニアのトンネル工費は、1キロあた り約200億円と見積もられている。しかし、これは甘い試算だ。実際、東京中央環状線のトンネル工費は1キロあたり700億円、地下鉄では300 億~500億円かかっている。革新的技術の場合、当初の見積もりの数倍の出費がかかるのが常だ。リニアの総事業費は、計画当初は3兆円といわれてきたが、 90年代には5兆円に、そして最近では9兆円ともいわれている。採算が合わず経営破綻が起きた場合、税金によるシワ寄せを食うのは我々一般国民だ。

 他にも、工事による川の水枯れなどの環境破壊、電磁波による人体への影響についても詳述。スピードと引き換えに背負う問題から目をそらしてはならない。

(旬報社 1600円+税)




2014年9月15日(月) しんぶん赤旗

生活脅かすリニア計画

沿線住民が山梨で集会 見直し求め宣言

「リニア中央新幹線への疑問や問題点をチェックしよう」と13日、山梨県甲斐市で集会が開かれ、県内外から250人が参加しました。

  同県内のリニア計画沿線住民らでつくる「リニア新幹線研究会」(佐藤袿子代表)や「新日本婦人の会甲斐支部」(小松トヨ子支部長)などが開いたも ので、「リニアは百害あって一利なし。沿線住民の平穏な生活とくらしを脅かすリニア計画は見直すべき」などとする大会宣言を採択しました。

  第1部では、ジャーナリストの斎藤貴男氏が「安倍自称政権と原発・リニア」と題して講演し、「リニアのデメリットは数えきれないほどあるが、メリット といえば、ごくわずかなビジネスマンが名古屋などの自宅から首都圏に通えることぐらい」と話し「安倍自称首相は、リニアと原発をセットで輸出することを国策と し、トップセールスを重ねている」と批判しました。

 第2部では、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、岐阜の各都県でリニアの問題点などを住民に訴えてきた住民団体代表や議員、14人が活動を報告。 「30軒の住宅や墓地、神社の移転が迫られる。絶対反対だ」(山梨)、「利益は何もないのに(川の水量が減るなど)被害だけと、懐疑的意見が増えている」 (静岡)、「車両基地で40世帯が立ち退かされる。市職員が土地買収にあたるのもおかしい」(神奈川)などの意見が相次ぎました。


 私はリニア新幹線計画に反対する。
 はっきり言っておくが、今は新幹線ですらも建設はもったいない。在来線を転用の上、ミニ新幹線で運営することがコストからしてもいいし、地域の活性化にもなるのだ。 そもそも、問題として言うならば、浜松でこんな問題がある。
 浜松-豊橋の東海道本線では深刻な混雑ラッシュに苦しんでいる。だが、JR東海はこの異常な状況を放置しているのだ。運賃の高い新幹線に無理やり顧客を移行させようとしているのではないか。こんなバカげた話は聞いたことはない。
  これが普通の小売業なら、徹底的に批判されるしぼこぼこにされる。そもそも、基本線である東海道本線の混雑には知らん顔では話にならない。 まず、JR東海がやるべきは東海道本線のダイヤ改善ではないか。そのうえで、東海道新幹線の運賃の値下げだ。そういう積み重ねなしに何がリニア新幹線なのか。ちゃんちゃらおかしな話である。
 鉄道は利益を生み出すというのが会社化だが、本来は公共の財産なのである。赤字になるのが当然なのである。国土交通省が今やらねばならないのはJR東日本に対して、今すぐにしなの鉄道に対して篠ノ井-長野間の譲渡と資本参加、長野新幹線の一部区間の料金を地元住民に限定で在来線と同じ値段で販売すること、無責任経営者の無責任経営に苦しむ銚子電鉄の経営権を引き受けて経営再建を行うことを命令することなのである。
 こういうインフラの確保が役所の仕事なのだが、開発の促進ばかりにお熱を入れるようではサボタージュだ。大手の会社は地方の鉄道に出資する代わりに、そこで新技術の実証実験を行えばいいのだが、それがないのだから発想が硬直している。 JR九州が最近開発した交流畜電車は、地方だからこそできたのである。おそらく都会ではできなかったではないか。JR九州にできて、JR東日本やJR東海にできない話がない。