2015年3月7日土曜日

安易に薬に頼っていいのか

北陸発

自閉症 治療薬に弾み 金大など 新化合物効果確認


開発ベンチャー設立へ

 自閉スペクトラム症の研究を進める金沢大(金沢市)や北海道大(札幌市)などのグループは、愛情や信頼の気持ちを生み出すといわれる脳内ホルモン 「オキシトシン」の新しい化合物を作り、天然のオキシトシンよりもその効果が持続することをマウスの実験で確認した。この発見を生かすため、今月中にも北 海道に研究開発型のベンチャー企業を設立することが決定。金沢大も連携し、自閉スペクトラム症の治療薬開発に弾みを付ける。(酒井ゆり)
 北海道大は昨年六月、オキシトシンに炭素を加えた新しい化合物を作製。そこで金沢大は、不安などの感情を左右するとされる遺伝子「CD157」を 欠損させたマウスに、天然のオキシトシンと新しい化合物を与え、ほかのマウスに関心を示す行動量を比較した。すると、新化合物は天然のものより行動量が 30%以上上回ることが確認できた。
 この成果は今年一月二十日付のスイスの科学雑誌(電子版)に掲載。金沢大と北海道大は、新化合物の特許を連名で申請した。
 研究成果をもとに、北海道大が主体となり、経済産業省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の起業家支援事業に応募したところ、 その一つに選ばれた。大学発の新会社は二月中にも札幌市内に設立される予定。今後は金沢大も研究に加わり、新しいオキシトシン化合物を用いた治療薬の開発 を目指していく。
 金沢大などはこれまでも、オキシトシンを使った臨床試験で、自閉スペクトラム症患者の症状が改善することを確認している。金沢大子どものこころの 発達研究センターの東田陽博特任教授(神経化学)は「オキシトシン治療の実現に向け、会社設立は大きな一歩となるだろう」と力を込める。
 自閉スペクトラム症 自閉症やかつてアスペルガー症候群と称されていた症状の総称。先天的な(生まれつきの)脳の障害とされ、独特のこだわりを持っていたり、対人関係やコミュニケーションが苦手だったりする。知的障害を伴う場合もあれば、知能の遅れのない人もいる。


 私はこのことについて他人事ではない。
 評価はするが、本当に薬に頼っていいのだろうかという疑問がある。様々な研究はあっていいのだが、薬によっては人の人生を変えてしまう危険性だって否定できないのだ。
 理研の組織的犯罪が記憶に新しいのに、これが一気に暴走するとろくなことはない。しかもこのオキシトシンは陣痛促進剤であり、そのことによって副作用があることも忘れてはいけない。