2015年4月23日木曜日

護民官の原点をギリシャに見よ

[ニュース分析] 新自由主義を拒否したギリシャの選択

登録 : 2015.01.27 01:04 修正 : 2015.01.27 08:27 ハンギョレ新聞・日本語版

ギリシャ総選挙で急進左派連合(SYRIZA)が圧勝


緊縮緩和・国家負債の縮小など巡り
ドイツ主導債権団と対立不可避
保守と中道の主流両党を押しのけ
急進左派、ヨーロッパ政治秩序に新局面
スペイン総選挙にも影響する見込み
 ギリシャの急進左派連合(SYRIZA:シリザ)がが25日の総選挙で圧勝し、ヨーロッパの既存政治秩序と新自由主義経済に亀裂を起こす信号弾を打ち上げた。
 この日の総選挙でSYRIZAは36.3%を得票し、300議席の過半数に2議席足りない149議席を確保した。SYRIZAは既存の71議席から議席 数を二倍以上に伸ばし、執権党に跳躍した。 既存の執権与党である中道右派の新民主党は27.8%の得票で76席に終わった。次いで、極右の黄金の夜明け党と中道性向のポタミがそれぞれ17議席を得 た。 左派陣営の代表政党だった汎ギリシャ社会党は13議席を占めた。 ギリシャの最年少総理になるアレクシス・ツィプラス SYRIZA代表(40)は26日、議会で総理宣誓を行い28日までには連立政府を構成する予定だ。ツィプラス代表は26日午前、救済金融条件に反対して きたギリシャ独立党のパノスカメノス党首と会い連合政府の構成に合意したとBBC放送が明らかにした。
 ツィプラス代表は勝利が確定した後「ギリシャは災難水準の緊縮政策から脱却する。恐怖や権威主義も、5年間の恥辱と苦痛からも決別するだろう」と宣言し て、ヨーロッパ連合(EU)等の国際債権団が救済金融の核心条件として要求してきた緊縮政策を受け入れないことを明確にした。 SYRIZAは3200億ユーロに達するギリシャの国家負債を半分に縮小することを債権団に要求する再協議を総選挙公約として掲げた。 ドイツが主導するヨーロッパ連合などの債権団との崖っぷちの対立が予告され、ユーロゾーンの未来にも重要な変化をもた変数をもたらす見込みだ。
 SYRIZAが執権することになったのは、経済的には新自由主義に立脚した経済的処方を拒否し、政治的には既存政治勢力と秩序を拒否する勢力がヨーロッ パ政治の一軸として登場したことを意味する。SYRIZAは新自由主義秩序に反対する人々の政治勢力化を象徴する。国境を行き交う国際金融資本の利益を優先して福祉など政府の役割を縮小し規制の緩和を要求する新自由主義は、2008年の金融危機を招いても依然猛威を振るっている。SYRIZAはこのような状況を批判して、最低賃金の引き上げ、団体交渉権の復活、大量整理解雇の禁止、料金未納で電気が切られた家庭に対す る電気の復旧などを直ちに実践すると明らかにした。 ギリシャ人口の25%に及ぶ貧困層の生存対策は妥協の対象ではないという点を明確にした。
 SYRIZAは国際債権団の“IMF式緊縮処方”に反対するだけの代案なき勢力ではない。救済金融危機以後、ギリシャでは約400の市民団体が力を合わせた「皆のための連帯」等が市民社会次元の診療所、給食所、法律相談などの活動を行い、新しい経済モデルの端緒を作っているが、SYRIZAに所属する議 員全員は月給の20%をこの連帯組織に拠出していた。 SYRIZAはこの連帯運動が自分たちが構想する社会変化の基盤であり、執権後には一層積極的な役割を果すと強調する。 『21世紀の資本』の著者であるパリ経済大学のトマ・ピケティ 教授は、ギリシャでのSYRIZAなど反緊縮政党の浮上は「ヨーロッパにとって良いニュース」とし、「彼らは民主的ヨーロッパの建設を望んでいるので、支持を送らなければならない」と声援した。
 SYRIZAの執権を契機に中道右派指向の保守政党と中道左派である社会民主主義政党を二大軸とするヨーロッパの戦後政治秩序も転換点に立つことになった。 2008年の金融危機以後、フランス、オランダ、オーストリア、デンマーク、英国、イタリアなどヨーロッパの多くの国々では経済危機と移民問題などに不満を抱いた大衆を狙って極右ポピュリスト政党らが既存の主流政党を脅かして急激に勢力を拡大した。
 このような状況で左派指向のSYRIZAが先に執権に成功した状況は、ヨーロッパの極右ポピュリズムの拡散を阻む新たな代案の可能性を提示した。 先ずは今年のスペイン総選挙にも影響を与えるものと予想される。 ギリシャと同じく負債問題に苦しんでいるスペインでもSYRIZAに類似した路線の左派政党ポデモスが躍進している。 ポデモスのパブロ・イグレシアス代表はSYRIZA勝利の後「希望が近づき、恐怖が退いている。SYRIZA、ポデモス、我々は勝利するだろう」と歓呼し た。
 SYRIZAが触発した新たな実験は始まった。ギリシャの負債縮小交渉に頑強に反対しているドイツ主導の国際債権団との交渉が最初で最大の関門になるだろう。
チョン・ウイギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2015/01/26 23:43
http://www.hani.co.kr/arti/international/europe/675368.html 訳J.S(2294字)

2015年2月25日(水) しんぶん赤旗
ギリシャ 財政改革案提出
EUなどが審議へ
承認なら4カ月支援延長

 【パリ=島崎桂】ギリシャ政府は24日、欧州連合(EU)に対し、ギリシャへの金融支援延長の条件となる行財政改革案を提出しました。同案には、脱税・汚職対策の強化と併せ、緊縮政策で打撃を受けた国民生活の回復を企図した各種施策も盛り込みました。EU、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)とユーロ圏各国の財務相は同日午後にも同案を審議。承認されれば、各国での議会承認を経て、正式に4カ月間の支援延長が決定します。
 同案の提出は当初、23日中を予定していましたが、関係者の合意の下で24日にずれ込みました。承認可能な改革案の策定に向け、調整が難航したものとみられます。
 欧州メディアによると、改革案には、貧困層を対象とした食料支援や電気・医療・交通費の無料化、低額年金者への財政支援などを明記。富裕層増税を盛り込んだほか、燃料やたばこの密輸取り締まり強化による歳入増を見込んでいます。いずれも、1月末の総選挙で政権交代を果たした急進左派連合(SYRIZA)が公約していたものです。
 ロイター通信によると、EUの当局者は今回の改革案について、「妥当な出発点になる」と評価しました。
 ただ、同じく公約に掲げていた最低賃金の引き上げについては、ギリシャに融資を行う複数の国の最低賃金を上回り、反発を招く恐れがあったため見送り。緊縮下で課された公的部門の改革についても継続を約束しました。
 加えて、かねてから「新たな支援は必要ない」としてきた政府方針を覆して支援延長を決めた事から、国内では政府への反発も生まれています。
 SYRIZAの古参議員で欧州議会議員を務めるマノリス・グレゾス氏は、「以前の状況と変わっていない」と述べ、政府の方針転換を批判。一部野党からも、同様の声が上がっています。
 

ギリシャ、資産売却益を社会福祉政策に活用へ 債務削減でなく

2015年 03月 17日 22:22 JST
 

[アテネ 17日 ロイター]
 ギリシャは近く、民営化を行う機関を投資ファンドに転換し、資産売却に伴う収益を公的債務の削減でなく、社会福祉政策の財源として活用する法案を示す。バラバニ財務副大臣が明らかにした。
歳入を債務削減に使うよう求める国際債権団とギリシャ関係の緊張が一層高まる恐れもある。
 同氏は議会委員会で、数週間以内に国有資産開発基金(HRADF)と、公共資産を管理・運営する企業を合併、新組織を設立する法案を示すと説明した。


 アフガニスタンでNPOを運営している中村哲さんはこんなことを指摘している。

 今、日本は少し貧しくなっても安全に平和で暮らせる社会か、豊かだけれども危険と隣り合わせの社会のどちらかを選択しなければならなくなったと私は思います。

 この言葉の意味を今の日本の自称政治家共はわかっていない。圧倒的多数が少し貧しくても安全で平和な世界を求めているのは明らかだが、日本の歪んだ政治は後者があまりにも強い。だから、法律違反を堂々と「総理大臣」がやらかして反省すらしていないのである。
 それでいいとは私は思えない。ギリシャは理想を追い求めつつ、現実を踏まえた改革案を打ち出した。日本はその機会をこのままでは永遠に逸したまま、滅亡への道を歩んでいるとしか思えない。
 私が言葉で厳しい批判を繰り返すのも、そういうことは勘弁してほしいという思いだからだ。だが、今の日本はまさにゆでガエルそのものの状況だ、このコラムを最後に締めたい。私が尊敬するジャーナリストの筑紫哲也氏の言葉である。

 沸騰したお湯にカエルを入れると、カエルは周りに変化に気づきお湯から出ようとする。しかし、水に入れたカエルを徐々に沸騰させていくとカエルは周りの変化に気づかず…しまいにはゆでガエルになりかける。

 こうなる前に市民はもっと情報を疑ってみるべきだと筑紫氏は訴えていた。
 そんな筑紫氏を極左の浅野健一はAll or Nothingの狭い世界観に依存して誹謗中傷した。そのつけは今自らに出ているが自業自得である。