2015年8月21日金曜日

東芝再生論~大企業から、環境と福祉、教育のトップランナーへの脱却~

東芝“粉飾決算”中心人物のあだ名は「原発野郎」! マスコミが報道しない原発ビジネス、安倍政権との関係
http://lite-ra.com/2015/07/post-1313.html
2015.07.22. リテラ

「残り3日で120億円の利益を改善しろ」(佐々木則夫社長 2012年当時)
「テレビはなんだ、この体たらく。黒字にできないのならやめる」(田中久雄社長 2014年当時)
 
 7月21日、東芝は粉飾決算を調査した第三者委員会報告書の全文を公表した。同報告書では過去7年間で1500億円を超える利益の水増しの事実に加え、 予算達成のプレッシャー、「社長月例」と呼ばれる会議でのつるし上げなどのパワーハラスメントのもと、経営トップが関与して“不適切会計”が行われたと分析。これを受けて、田中久雄社長や前社長の佐々木則夫副会長、その前の社長の西田厚聡相談役ら直近3代の社長経験者を含む経営陣9人が引責辞任することが発表された。
 新聞大手3紙の22日朝刊も、大きくこの問題を取り上げ、企業統治の実効性を高めるよう提言した。
 しかし、実はこの問題に対するマスコミ各紙の動きは鈍かった。4月にSESC(証券取引等監視委員会)への告発があり、5月には各社ともかなりの証拠をつかんでいたにもかかわらず、散発的に報道するだけで、通常の企業不祥事のような追及は一切することがなかった。
 さらに、第三者委員会が利益水増しを確定した現段階でもまだ「粉飾決算」という言葉を使わずに「不適切会計」というあいまいな言葉を用いている。3月 22日の各社社説や解説でも、「自浄作用が働かぬ企業風土に問題」(日本経済新聞識者コメント)、「実効ある企業統治を」(朝日新聞社説)、「ルール軽視 の体質を改める必要がある」(読売新聞社説)といった文字が踊り、各紙とも、今回の東芝の不祥事を「企業統治」の問題に落着させるかのようなトーンに終始 している。
 マスコミのこうした弱腰はもちろん、東芝が大スポンサーだからだ。東芝はグループ全体で年間329億円もの宣伝広告費を計上しており、これは日本の企業ではかなり上位に入る。それに配慮して、自主規制しているということらしい。
「これからSESCが検察に告発して刑事事件になれば、もっと厳しい追及をすると思いますが、現段階ではこれが限界ということです」(大手紙・経済部記者)
 しかも、マスコミは今回、もうひとつ隠していることがある。今回の東芝の“不適切会計”は「事業の選択と集中」を行った「非常識経営」の異端児・西田厚聡(パソコン事業出身)が05年に社長に就任したことがきっかけとされている。08年9月のリーマン・ショックを発端とする事業環境の急激な悪化に対し、 「死に物狂いでやってくれ」「事業を死守したいなら、最低100億円やること」(09年1月の会議)と叱咤するとともに、アメリカ流の当期利益至上主義を推し進めた。
 その結果、「とにかくこの会計期間に利益を達成しなければならないという当期の利益至上主義」(第三者委員会・上田広一委員長)が企業風土となり、社内では会計操作が横行したという。
 しかし、実際に粉飾決算をエスカレートさせ、巨大な規模にしたのは、その後の社長職をひきついだ佐々木則夫だった。11年から12年は“不適切会計”が 幅広く行われた。決算期末までの3日で利益120億円の利益改善を迫り、13年3月期にはパソコンなどの部品取引で約310億円の利益を過大計上されたほどだ。
 そして、この佐々木前社長の行為は11年の東日本大震災以降の原発事業の不振をごまかすためだったと見られているのだ。
 東芝の事業の二大柱は、半導体と原子力発電なのだが、佐々木前社長は原子力事業一筋でのしあがってきた人物。たとえば、東芝は06年、相場の3倍以上の 約6000億円を用意し、原発製造大手である米ウエスティングハウス社(WH社)を買収したが、その立役者が佐々木前社長だった。
「週刊ポスト」(小学館)7月31日号「東芝『骨肉の人事抗争』20年全内幕」は、「佐々木さんは社内で『原発野郎』と揶揄されるほど原子力以外には詳しくないとの評が多く、語学も苦手で海外出張にはほとんど行かなかった」という同社の中堅幹部のコメントを載せている。
 09年の社長就任後は「原子力事業で売上高1兆円」という目標を掲げ原発ビジネスに邁進するも、11年の東日本大震災、東京電力福島第一原発事故発生。 しかし、その直後でも「日経ビジネス」(日経BP社)11年8月29日号「編集長インタビュー 原発の世界需要揺るがず」では、「(原発市場は)縮小とい うより、増えるのではないですか」「原発事業がなくなるとは思っていません。当社の原発関連売り上げの7割は海外向けです。国内でも、原発のメンテナンス売り上げが減って、3割のうち3分の1がなくなるとしても、海外も含めた全体で見れば10%減少にもならない」と海外展開を続けることを明らかにした。
 12年、「政権交代」で安倍晋三=ネオナチジャパン政権が誕生すると、佐々木氏は産業競争力会議の民間議員や経済再生諮問会議の民間委員など政府の役職を率先して引き 受けるようになる。13年、安倍被告がUAE、トルコなどを訪問、原子力協定を結んだ際には同行し、東芝の原発を売り込んだほどだ。
 13年6月のアベノミクス第3の矢である成長戦略「日本再興戦略」のなかに「インフラシステム輸出」も加わったが、この成長戦略には佐々木が大きく関わった。その後も佐々木は法人税率引き下げの論調をリードするなど安倍ネオナチ政権下での“財界総理”気取りで政界に影響を及ぼしていた。
 しかし、世界的に原発の新設にブレーキがかかっているなか、「原子力事業で売上高1兆円」という目標どころか、現状維持も難しくなっているのが実情だ。
 「週刊金曜日」(金曜日)7月10日号「東芝不正経理の影に原発事業の不振」では、〈原子力大国フランスを支える原発メーカーのアレバも(略)14年の決算では、過去最高となる48億ユーロ(約6700億円)の損失を計上していた、仏政府はアレバ本体に公的資金を資本注入するほか、新興勢力・中国からの資本参加も取りざたされている(略)日本の原発産業関係者は(略)「東芝はアレバと同じように『原発投資』への引っ込みがつかなくなり、結果として首がまわらなくなった、会社がつぶれてもおかしくないのに、まだ気づいていない」〉と指摘する。
 さらに、「週刊朝日」(朝日新聞出版)7月31日号「東芝を食い潰した日米の原発利権」では約6000億円を用意して買収したWH社が不良資産化している現状を明らかにしている。
〈東芝は買収によって、原発ビジネスが約2000億円から15年には約7000億円、20年には約9000億円に拡大すると計画していた。
「06年に経産省が「原子力計画」を発表し、既存原発の60年間運転、30年以降も原発依存度30~40%を維持、核燃料サイクルの推進、原発輸出を官民一体で行うとぶち上げました。東芝はその先陣を切ってコケた。計画を当時まとめたのが現在、安倍被告の秘書官として出向している経産官僚らです」(元政府高官)〉
 その不良資産総額はWH社ののれん代4000億円と、「赤字が続くと計上が認められなくなる」繰り延べ税金資産の取り崩し額最大5000億円も含めれば、合計9000億円となり、新たな巨額損失になりかねないのだ。
「(原発産業によって)バラ色だと思っていた未来が、イバラの道に見えてきた」(毎日新聞朝刊)と東芝幹部は語るが、世界的に斜陽化しかねない原発ビジネスに突っ込んだ経営陣の経営判断のミスを、ウソにウソを塗り固めてごまかそうとしてきた。これが今回の巨額粉飾の本質なのだ。
 今回の不正発覚の端緒になったSESCへの内部通報も、原子力発電の社会インフラ関連事業会計に不正行為があるという内容だった。
 それにしても、産業競争力会議の民間議員や経済再生諮問会議の民間委員など政府の役職を務め(今回すべての公職も辞任)、アベノミクス第3の矢にも大きく関わった人物が、企業統治も出来ないどころか、パワハラと粉飾決算の“原発野郎”とは、安倍ネオナチ政権の底の浅さをまたも明らかにする形になったではないか。
 しかし、朝日、読売、日経の大手3紙も産経も、東芝と原発の関係について触れようとはしない。触れたのは毎日新聞と東京新聞だけだ。
 東芝“不適切会計”報道は原発業界と安倍ネオナチ政権、さらには巨額の宣伝広告費問題にも飛び火しかねない。今回の事態を早期収束させたいのは、東芝だけでなく、マスコミも同様なのかもしれない。
(小石川シンイチ)

 まず、ここまでひどい実態になった以上、東芝に対して求めることはただひとつ。
 会社更生法の即刻申請だ。その上で、以下の提案を潔く飲んでもらう。

1.東芝を家電・重電ビジネスから環境・福祉・教育ビジネスで日本屈指の企業に脱皮させる。
 具体的には、会社更生法を申請した後に、三菱グループの支援を受けることを前提に、三菱電機に家電およびPC製造・販売事業の全てを売却し、撤退すること。また、その中で中国の中堅家電・PCメーカーを共同で各5社買収し、製造部門をベトナムやフィリピンに移すこと。北欧にデザイン開発部門を立ち上げる。中国の工場跡地については障がい者や生活困窮者のためのグループホーム兼雇用団地にする。
2.電車製造及びその関連部門については、三菱重工に原発部門以外の重電部門ごと売却する。
3.原発部門については東京電力の会社更生法申請を前提に、東京電力と統合させる。
 そこで、家電及び重電ビジネスから東芝は脱却することになる。更にグリーンピースジャパンから監査役を招くことで脱原発を明確化し、介護福祉・教育にかじを切る。
4.三菱商事・三菱電機・三菱重工・イオン・ソフトバンクに出資してもらい、地方の空き家を買収し、障がい者や生活困窮者、シニアのためのグループホームを全国で1年で300拠点立ち上げる。5社を中心にそのグループ企業に正社員として採用させると引き換えに支援を行う。
5.リゾートマンション跡地にグループホームを立ち上げ、病院と併設させる。また、利用者が運営するレストランなどを立ち上げる。
6.ブラック会社で悪名高いサイゼリヤ、大庄、すかいらーくを買収し、労働環境を大幅改善すると同時にリストラクチャリングで余剰になった人員を出来るだけ回すこと。同様にカフェ中堅も2社買収し、労働環境を改善の上障がい者や生活困窮者の雇用に当てること。
7.静岡県浜松市天竜区佐久間地域に進出し、空き家や廃校を活用し障がい者や生活困窮者のための「解放区」を立ち上げること。
8.中国の雇用団地に同業他社のコールセンターを立ち上げる。障がい者にコールセンター担当になってもらう。
9.三菱電機との家電部門統合に伴い過剰施設として閉鎖される工場についても、障がい者や生活困窮者の雇用団地にして、コールセンターや介護福祉団地にしてしまう。 もしくは地元の地方自治体と共同で工場団地にして中小企業の進出を呼びこむこと。そして障がい者や生活困窮者の雇用につなげること。
10.本社を東武鉄道と共同で立ち上げて移転する。 千葉県船橋市の三菱電機子会社が持っている土地を再開発して本社にすること。
11. 三井住友銀行と関係を清算し、三菱東京UFJ銀行、地方の中小信用金庫、中小信用組合からの有志を受け入れて市民型企業へ脱皮すること。
12.地方の経営破たん寸前の私立学校法人を買収し、通信制の学校を立ち上げること。塾型のフリースクールを立ち上げること。また経営破綻した山田義塾の商標権を買収の上、不登校の小中学生を救済するフリースクールとして再生させる。
13.業務とは関係のない禊研修から足を洗い、トップはもちろん中堅社員をフィリピン、オーストラリアなどの海外に10年間赴任させる。