2015年9月6日日曜日

ここで足を止めるわけには行かない

 お疲れ様です。
 倉野でございます。私はあるプロジェクトの立ち上げに動いています。そのプロジェクトは、今の段階では未確定要素が強く公開することは出来ませんが、動き出したらこの日本社会を大きく変える可能性を秘めたものであることは確かです。
 実は世代間交流に私はこの春から加わっております。場所についてはお話できませんが、この世代間交流を通じて大きく物事は動き出そうとしています。この国に本来あった寛容さを取り戻し、安倍自称政権によって生み出されたヘイトソサイエティの撲滅に近づけたいという思いがあります。
 ですが、私は直接的に政治的な活動をしようとは思いません。参加者を通じて、一人ひとりが考える仕組みを構築したいのです。

 この国は在日コリアンへの誹謗中傷に加え、最近では北海道のアイヌ民族へのヘイトスピーチ、沖縄県への差別など、この国はどんどんマイノリティへの誹謗中傷を繰り返しています。
 そんなことでいいのでしょうか。私は障がい当事者の一人として、そういう現状を放置するわけには行きません。自信がないからヘイトに走るのは日本人として見苦しいといわざるを得ないのです。
  厚生省(現厚生労働省)の無責任な実態を暴いて見せしめに解雇された(これは当然国際法に違反する暴挙)宮本政於氏、筑紫哲也氏とC.W.ニコル氏の対論集「自分の問題、 他人の問題」(講談社文庫)の後書きでニコル氏は日本籍を取る手続きをしていることを明らかにしています(すでに日本籍を取得しており、現在はニコル・シーダブ リューが本名)。
 その中で彼は捕鯨の際の出来事を回想しています。
 彼はスコットランドからカナダに公的身分の保証目的で国籍を変更したのですがその中で彼はある日系カナダ人(90歳なのにカナダの公用語である英語もフランス語も全く話せない(しかも生涯の大半はカナダで過ごしている))と出会っています。
 ですが、周囲は「英語もしゃべれないのにカナダ国民の資格はない」と言わないのです。そしてニコル氏がカナダ政府の視察官として日本の捕鯨船に乗り込んでいたとき、命の危機を救ってくれた操舵手のことを「特にそれほどの関係ではない人を彼は身を挺して救った」と印象に残していたのです。
 ニコル氏は彼のように他人の命を救うために躊躇わずに身を投げ出す人間こそを真の日本人だと考えています。ゆえに「同じような肌をし、同じような行動や考え方をしないと、日本人として認めないような生き方はそろそろ捨てた方がいい」と指摘しています。彼が国籍を取得した後の講演会で「私は日本人のニコルです」「私は日本人ですけど、英語のうまい日本人です。ただ し、日本語は下手ですけども」と言えばどっと笑うというあきれた風潮には哀しい限りです。
 私の出向先ですが、実は上長が韓国人です。ですがほとんど日本語なんか問題ないのです。そういう世界に私は飛び込んでいるのですから、足を止めるわけには行きません。