2015年12月18日金曜日

性教育に欠かせない生きる意味、死生観、そして道徳

<IT坊主の説話>結婚しない“おひとりさま”の不安と人生設計の重要性
2015年1月17日(土) 06:00
IT坊主 東京IT新聞

 IT界と仏教界を経験した現役僧侶の“IT坊主”こと牧野豊潤(ほうじゅん)氏がITビジネスで役立つ「説話」を連載。世の中でもっとも新しい業界であるITの世界に、2500年の歴史を持つ仏教の教えは通用するのでしょうか――。今回(第13回)は、未婚化が進む現状や懸念と、仏教における結婚と子育ての考え方を紹介しています。

結婚する人の数が少なくなったのは放置できない問題
 既に日本の人口減少は始まっていて、2048年に人口が1億人を割り込み、60年には8674万人とピーク時の約3分の2に縮小する、という推計があります。
 出生数は年々減少しています。高齢者人口は2010年の2948万人から増加傾向を続けた後、42年の3878万人がピークで、60年には3464万人になるとの予測が出ています。
 総人口は、東京・大阪・名古屋の3大都市圏ではある時期までは増加しますが地方では既に減少に転じています。首都である東京の人口は今現在は増加(地域により減少)していますが、2020年には減少すると予測されています。
 出生数が減り、総人口に占める高齢者の割合は増える期間がありますが、先述のようにやがて高齢者も減少し総人口は減少します。高齢化や高齢者の減少は致し方のない流れです。
 しかし、なぜ生まれる子供の数が少なくなったのか、そもそも、結婚する人が少なくなったのでしょうか。
 こちらの流れは種々の要因が相まってのことでしょうが、考え方によっては流れに変化を起こすことが可能です。
 「結婚・出産」は、センシティブ(機微)で自由意志の事柄といえばその通りですが、放置しておけない人口減少です。

家制度や仏壇、日本ならではの独特の文化
 結婚はパートナーはもちろん、パートナーの家族も新しい家族になります。結婚すると様々な事柄が家族という括(くく)りで営まれることが多くあります。
 たとえば、日本では夫婦別姓は認められていませんのでどちらかの「氏」になります。つまり、新しい「○○家」の始まりです。また、江戸時代に制定された寺請(てらうけ)制度(明治4年に廃止)によりでき上がった檀家制度(寺院と檀家の関係文化)が、明治時代に制定された家制度と相まって運用されてきました。
 1947(昭和22)年に家制度は廃止されましたが、檀家制度だけが風習として引き継がれているのが実情です。先祖代々のお墓がある場合にはそれらを含めて継承することになります。家に仏壇がある事も見逃せません。独特な日本文化の一つです。

「一人で自由に気ままに」との思いに変化が現れる年齢
 結婚は生活を大きく変化させます。人によっては各種風習に煩わしさを感じることもあり、「一人で自由に気ままに暮らしたい」と思う時期があります。そのほうが居心地がいいかもしれません。
 しかし、ある年齢になると考え方にも変化が出てきます。自由でいたいと思っていた人も30代後半以降になると結婚願望が出てくるようです。周りは結婚して既に子供がいるという年代です。
 私は仕事が縁で、あれこれ相談をお受けしたことが発端となって結婚相談事業にも携わっているのですが、相談者の約80%が男女共40代です。本人は当然ですが親のほうも真剣です。

「おひとりさま」は悔いが出ないように
 年齢が40代以降になると深刻度合いも大きく、パートナーが必要と感じ結婚を意識し始めると同時に、新たな不安に直面します。
 「年齢的に子供を持つことが出来るかどうか」(女性)、「結婚できなかった場合、一人で居る事による先々への不安が強くなる」(男女)などシビアな内容です。また、「結婚ができなかったら、代々のお墓の整理(墓じまい)や檀家から外れることも考えたほうがよいか」などという相談もあります。切実な事柄ですが現実です。
 結婚や子育てが必ずしも幸せな人生とは限りませんが、ある年齢に近づくとこういった不安を持つことになる人がいることも現実です。
 最近は「おひとりさま」という表現があります。ただ、なんとなく流れの中で“おひとりさま生活”をしてきたということであったとすると、いずれかの時期にこのような不安を抱くことにもなるかもしれません。
 計画的な人生設計が大切です。誰かがやってくれることはありません。自身のことですから自分の意思で人生の計画をたてることが重要です。
 おひとりさまでは最期の始末はできないことが多くあります。一人ひとりの意識の持ち方が大切です。

仏教における結婚観と親が果たすべき役目とは
 仏教に「人は、ある日突然に存在するのではありません。脈々とした流れの中で生まれ、生まれた瞬間から命という誰にも分からない有限の時間が与えられ、滅(死)する瞬間まで歩き続けるのです。歩き方は人それぞれですが、後世の人が困らないよう滅後に対しての手立てをしておくことは大切です。使った時間は取り戻せません。命は時間です」という教えがあります。
 また、仏教の本質は「如何に正しく生きるかを説くもので、人はみな、互いを理解して結婚し、夫の道理、妻の道理を尽くしながら家庭を形成すること」との結婚観が示されています。
 結婚すれば一般的に子の誕生を願います。お釈迦様の教えでは、「親の教育は、その子が死ぬまで影響を及ぼす大事なものである」とされています。
 つまり、「親は子供にとって最初の師であり生涯の先生である」ともいいます。
 特に、親が教える道徳は、子供にとって一生役に立つ貴重な宝物になります。「親は子に人格を形成する材料を与えるとともに、子の成長に伴い親も成長し、一番身近な先生に成長することになるのです」と説いています。
 つまり、結婚や出産、子育ては、命を次世代に繋ぎ、親子ともに成長する大切なことなのです。
合掌

牧野豊潤(まきの・ほうじゅん)
ITコンサルタント/比叡山延暦寺一山教区明王院法嗣
 東芝や日立情報システムズ(現日立システムズ)でシステムコンサルタント業務に従事後、比叡山延暦寺などで修業。現在、比叡山延暦寺一山教区明王院法嗣、大本山九龍山遮那院僧侶をつとめる。IT界と仏教界をつなぐ唯一の“IT坊主”として、僧侶とフリーのITコンサルタントとして活躍。著書に『プロジェクト運営のための知識の部品箱~IT坊主のひとりごと』(文芸社)がある。公認情報セキュリティマネージャー(CISM)、認定プライバシーコンサルタント(CPC)


2015年01月25日11:55 秒刊サンデー
親に否定され続けた17歳トランスジェンダー「遺書」で親に抗議

 アメリカオハイオ州に住む 厳格なクリスチャンの両親を持つトランスジェンダーのティーンエイジャーが自殺。その遺書が数時間後本人によってセットされたSNSで公開されるといういたましく衝撃的な事件が起きました。トランスジェンダーに閉鎖的なのは日本も同じことですが これに「宗教」が絡むと私たちが思っている以上に事柄をもっと複雑化させてしまうようです。死をもって親に抗議したジェシカ(17)の痛烈な叫びをご紹介します。

※以下は掲載先の文章を拙訳したものです。
あくまで本人の意志を尊重したうえでの文章となっていることをご了承ください。


「君たちがこれを読んでいるっていうことは私はもうこの世にいないってこと。でも悲しまないで。私にとってこの結果が良かったのよ。だってゲイだから。
どうしてこんな事になってしまったか、詳細を語るね。
私は4歳の事から 自分は女の子だって思った。女の子なのに男の子の体に閉じ込められてしまった感覚。とにかくずっと混乱してた。でも14歳の時 授業でトランジェンダーを習って、ようやく自分が何者なのか。解ったの。 私はすぐに母親にこの事を告げたの。
でも厳格なクリスチャンの母親はそんな私を
「神様が間違う訳がないでしょう?!そんなことを思うあなたがおかしいのよ!」となじったわ。もしこれを読んでいる貴方。絶対に絶対にこんなおぞましい事を人に言ってはダメ。特にわが子にはね。お願いよ。
私はトランスジェンダー・セラピーを受けたかった。勿論親は認めてくれなかった。その代り 私をクリスチャン・セラピーに連れて行ったの。そこで私が「どれだけ我がままで間違っているのか。そしてその間違いを神に祈ること」って繰り返し 繰り返し言われ続けたわ。
それだけでは足りずに母親は私の携帯 パソコン全てを取り上げた。私の友達は私を女の子として扱っていたから、それが許せなかったのよ。私から 友達と愛を根こそぎ奪ったわ。残されたのは絶望と孤独だけだった。そんな「友達」も実際に本当の友達じゃなかった。って後になって気づいたわ。結局彼らは私とパソコンのスクリーンで週に5回会えば十分な存在だったのよ。
月日が流れてカレッジの準備をする時期になっても 私には絶望と孤独しかなかった。私はこの中途半端な自分をぶら下げて 誰にも理解されず 孤独にまみれ 生きていくしかないのか?もう十分苦しいんだわ。充分よ。人は「きっと上手くいくよ」って言ってくれるけど 私の場合日に日に悪くなる一方なの。もう十分。
 私が自殺した理由はざっとこんなもの。もしかしたらあなたにとって十分な動機じゃなかったかもね。
死後私が所有しているお金(銀行に預けてあるわ)を全て民間トランスジェンダー教会に寄付します。
全てのトランスジェンダーに人々が私のような惨めな仕打ちを受けなように、一人の人間として 人権を尊重され生活できますように強く願います。
学校でも早ければ早いうちにトランスジェンダーいつての教育がなされますように。
そしてどうか どうかこの社会が変わっていきますように。
さようなら。


【海外の反応】

    ・ タトゥーをしているひと ゲイの人レズビアンの人、いい人は沢山いるわ。
      そしてそういう人たちをジャッジする人って週に一回必ず教会に行って祈ってるわ
    ・ ↑かなり高い確率でね
    ・ 本当の両親って無条件でわが子を愛するものよ。
      それを宗教を押し付けるなんて 悪い事しか起きないわ。ジェシカが安らかに眠りますように
    ・ 僕はジェシカの母親のFacebookを見たよ。
      息子(彼女は娘とは言ってなかった)が亡くなったって書いてあったけどね。
      その理由も書いてなかったし、なんと我が子の年齢すら間違っていたよ!!!
    ・ この記事を読んでいるゲイ・トランスジェンダーの方がいたら、ヘルプセンターに電話をして!
      世の中には貴方たちを理解し サポートしてくれる人たちが大勢いるの。
    ・ 少し難しい人生になるかもしれないけれど、あなたが思い描いている人生を送れるのよ!
      貴方の人生あなたのもの。誰にも奪う権利はないわ。


 宗教に雁字搦めになり 我が子より「神」を選んだ母親はこのような悲しい結末を望んだのでしょうか
 我が子が死してもアップしたFacebookから、彼(彼女)の痛烈は叫びが届いたのか疑問に思います。
 こんな悲しい結果になってしまうなんて 神様も本末転倒ですね。

参照記事
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2891267/Transgender-teenager-leaves-heartbreaking-suicide-note-blaming-Christian-parents-walking-tractor-trailer-highway.html?ito=social-twitter_dailymailus

(秒刊ライターSKKC)

 今回、取り上げる性教育の問題だが、私は今まで包み隠さない性教育の重要性を指摘してきた。
 だが、今回取り上げる性的マイノリティの問題も、じっくりと考えていかねばならない。まず誤解のないように申し上げるが私は保守派であり、基本としては男性同士の恋愛はまずありえないし考えにくい。だが、自分の性に対する違和感ゆえに性の変更を申し立てる人に対しては全く介入はできない。それで本人が満たされるというのなら認めるのも一つの共存する社会だと思う(性的マイノリティを侮辱する気はないということをここに明言する)。
 こういう問題をも含め、すべて考えるべきは人生観の設計、生きる意味とは何か、死生観とは何か、そして人としてあるべきモラルとはを真摯に考える機会だ。これらがこの問題を解き明かすのには最低限必要なのである。
 当然、私は道徳的モラルから、下半身の話題は人前ではやらない。女性の前で堂々と下半身の話をするほどだらしないことはしたくない。それは、ネットを通じて知ってきた性教育によってなおさら強くさせた。
 私は絶食系男子宣言した後、老後についてもいろいろと調べた。そしてその課題を洗い出し、対処方法も一つ一つ練ってきた。「何のために生きているのか、何のためにモラルはあるのか」をきちんと考えていかなければ、この問題は本当の意味で解決はできない。
 ちなみに私は今後、どういう風に生きるのかという人生設計はおぼろげながらある。だが、それはここではあえて語らないことにした。語ってもそれは意味がないからだ。