2016年3月11日金曜日

人の命を何とも思わない傲慢漢 木村皓一

 東日本大震災からもう、5年がたつ。
 被災者の方々にはお見舞いの言葉を、行方不明の方々には一刻も早く見つかることを望む。そして、震災の犠牲者の方々に冥福を祈る。
 だが、この男の悪事を見逃すわけにはいくまい。

2012年07月04日(水) 週刊現代

民主も自民もついでに財界もこうしてぶっ潰す 橋下徹 反乱軍を鎮圧する

 消費増税で永田町が混乱するのと同時に、橋下叩きが激化している。増税、原発再稼働・・・・・・「腐った統治システムの破壊者」を自任する橋下氏が潰れて笑うのは誰か。〝反乱軍〟の背後に敵の正体が見える。

制御不能の人間兵器

「橋下さんは国政に出ると言ってるでしょ。調子に乗るなと言いたいわ」
 永田町の政界が、消費増税問題で大揺れする中、その動向に再び注目が集まっているのが、橋下徹・大阪市長だ。内紛状態の民主党は、もはや党としての体を成しておらず、分裂・消滅は秒読み段階にある。
 もし、近い未来に解散・総選挙が行われた場合、橋下氏はどんな決断を下し、行動するのか。中央の動揺が大きくなればなるほど、同氏の存在感は増していく。ところが、そんな大阪市長に、冒頭のように「ダメ出し」をするのは、三起商行(ミキハウス)社長の木村皓一氏である。
 木村氏は'08年の大阪府知事選で橋下氏を擁立、その後も「経済人・大阪維新の会」の副会長として支援を続けてきた。橋下氏にとっては恩人というべき人物の一人であり、同時に財界ブレーンの一人でもある。
 そんな木村氏が、橋下氏に対して公然と苦言を呈している。
「橋下さんは大阪都構想などについては、期待通りの働きをしてくれていると思います。しかし、誤算がありました。いつのまにか府市の顧問団とやらを50人くらい集めてしまって。
 原発反対派で、経産省の言うことには何でも反対の古賀茂明氏が筆頭です。原発反対、節電と言っても、それで大阪はどうするのですか、と。経営者にクビくくれと言いたいのですか。
 原発は危険というけど、(原発が稼働した)この50年で、交通事故で100万人以上が死んでるわけです。原発でそんなに死にましたか?橋下さんは、ただ単に注目を浴びたいだけだと思いますよ。実際、大停電が起きたら誰が責任取るのかと言いたいですわ
 なぜ原発の再稼働に反対したのか。大阪の産業を守る気はないのか。過度の節電や不意の大停電で一般市民に犠牲が出たら、橋下市長はどうするつもりか---。ここ最近、各所で噴出している批判の声だ。
 当の橋下氏自身が停電の可能性を完全に否定できず、容認に転じたのだから、いかにも、もっともに聞こえる。だが、そうした理屈は、決して本質を語っているわけではない。前出の「経済人・大阪維新の会」関係者の一人は、こんな〝ホンネ〟を漏らしている。
「我々が橋下氏を擁立した真の狙いは、大阪府と市にはびこる労働組合を骨抜きにすることでした。生半可な人材では、海千山千の労組と対決し、屈服させるのはムリです。その点、無鉄砲な橋下氏は、対組合の『リーサル・ウェポン(人間兵器)』にうってつけでした。
 ところが、その兵器が最近、敵味方の区別なく四方八方に弾を放つようになってきた。そのうえ、国政に進出するとまで言い出すとは計算違い・・・・・・。制御不能の人間兵器を、このまま放置するのはあまりに危険であると、多くの経済人がそう感じ始めたのです」
 リーサル・ウェポンとは、まさに橋下氏のためにあるような言葉だ。この国の古びて朽ちかけたシステムを破壊するために担ぎ上げられ、大阪に維新の旗を立てた男。立ちふさがろうとする者を薙ぎ払って進もうとするその姿が、国民からの共感を呼んできた。
 ところが、橋下氏は今、足元から涌き出る「反乱軍」に包囲されつつある。「やりすぎ」に業を煮やした財界人の離反だけではない。政治的には素人レベルの人材が多く、「烏合の衆」と揶揄された大阪維新の会の弱点が、ここにきて表面化しつつあるのだ。
 6月17日、大阪市内で開かれた維新の会の全体会議で、異変は起きた。同会議出席者の一人がこう語る。
「実はその場で、維新政治塾の塾生の選定を巡り、橋下さんや松井一郎幹事長(大阪府知事)ら執行部と、所属の議員たちがものすごく揉めたんです。と いうのも、塾生の選定については末端の議員が必死で書類選考などをして合否の判定をしたのですが、蓋を開けてみると、執行部の一存で落ちたはずの候補生が 何人も合格していたんです」
 この日の会議では、女性市議の一人が敢然と立ち上がり、「なぜ自分たちが苦労して選定した結果を無視して、落選者を執行部が拾い上げているのか」と、橋下氏らに猛抗議する一幕があったという。
「選んだほうからすれば、議員の仕事の合間に必死で作業したのに、無視されたわけです。受講態度が明らかに悪く、『これはダメだ』と落としたはずが、いつのまにか復活していた。それを問いただすと、松井さんが『政治的な配慮で』などと曖昧な釈明をした。
 実は問題の復活候補生は、みんなの党などに所属する受講生ばかりだったんですよ。それを松井さんがあっさり認めて開き直った感じになったから、会議が紛糾した」(同出席者)
 その場では橋下氏も「あくまで塾生の選定であって、選挙の候補者の選定ではないから理解していただきたい」と説明したが、会議の参加者たちの目からは、苦しい言い訳をしているだけのように見えたという。
 維新の会関係者の一人が、内情をこう解説する。
「結局、みんなバラバラの方向を向いているんです。橋下さんが、大阪を都にするというから、それに期待して維新の会に参加している者もいれば、国政 進出を見込んで維新塾の塾生を目指している者もいる。もし塾生が国政選挙の候補になるというなら、古参の府議や市議は、どこの馬の骨とも分からない候補 を、自分たちが応援しなくてはならなくなります。『そんなの、ありえへん』というのが府議市議のホンネで、亀裂が広がっているんです」

「維新の旗」を全国展開へ

本誌の取材の範囲内でも、橋下・維新の会の国政進出に対し、前出のミキハウス・木村氏のように「言語道断」と厳しく批判する人々もいれば、「国政に出ないなら維新の会にいる意味がない」と、真逆の訴えをする者もいる。
「内部には、『クーデターを起こして現執行部を失脚させよう』という過激分子もいます。府市顧問団の古賀茂明氏や飯田哲也氏を『売名したいだけのよ そ者だ』と排斥する動きも出ています。橋下さん自身、『われわれの人気はバブルのようなもの』と話していますが、このままでは本当に泡沫のように消えかね ません」(維新の会メンバーの一人)
 橋下氏の足元は確かに揺らぎ始めているようにも見える。橋下氏にとっては、近い将来倒すべき〝敵〟である霞が関のキャリアもほくそ笑んでいるという。
「総務省の官僚と話したら、『大阪都構想は、どんどん橋下さんにやってもらえばいい。着手すれば、構想実現まで最低10年はかかる。その間、橋下さんは大阪から出て来れないですよ』と笑っていました。
 大阪に逼塞せざるを得ないとなれば、全国的な人気はガタ落ちします。せいぜい、いまの石原慎太郎東京都知事のように、たまに新聞やテレビで発言が取り上げられる首長程度の扱いになるというのです」(全国紙政治部記者)
 だが、この日本政治における最後のスターとも言うべき橋下徹という男が、このまま為すすべもなく、埋没するなど、果たしてあり得るだろうか。
 まず、大阪でも賛否両論、それが原因で維新の会内部に軋轢が生じているという国政進出問題だが、前出とは別の維新の会関係者がこう語る。
「橋下氏が、国政に出ないなどあり得ない選択肢。経済界の一部などに『大阪に専念しろ』という声があるため沈黙していますが、実は虎視眈々と、国政 への足がかりを作っている段階です。現段階でも維新の会に合流したいという国会議員が20人ほどいますが、民主党小沢グループや鳩山グループの衆院議員が そのコアとなっている。
 橋下氏は、こうした国会議員や一部の地方首長と連携し、維新の会の『地方支部』を九州・四国・関東などブロックごとに作る計画を立てています。集 まった人材にブロックの支部長的な役割を担ってもらい、維新の旗を各地に立てていけば、〝反乱軍〟などすぐに沈黙するでしょう」
 維新の会はまだ地域政党に過ぎないため、いざ総選挙となっても、小選挙区と比例代表に重複立候補者を出すことができない。だが、国会議員20人が合流することになれば、「現職国会議員が5人以上」という政党要件を、すぐにクリアできる。
「先日の維新の会全体会議で紛糾した、落第候補生を執行部が無理に引き上げた件も、こうした先々のことを見据えた判断ということです。『いざ解散』という時、出遅れないためにはあらゆるパイプを選択肢として保持しておく必要がありますから」(維新の会に所属する市議)
 また、こうした陣営強化と同時に、意外な〝秘策〟も橋下氏周辺は検討しているようだ。
「現在は『大阪維新の会』という名称を使っていますが、そのままだと地方政党の色が強すぎ、国政に出る場合にそぐわない。そこで、会の名前を『平成 維新の会』などに変更できないか、水面下では検討しているそうです。この名称は、経営コンサルタントの大前研一氏が立ち上げ、国政に挑戦した時の組織名で すが、大前氏と橋下氏は昵懇の間柄。ひそかにこの『平成』の名前を使うことができないか交渉をしたようです」(民主党中堅代議士)

「100議席」の可能性も

もうひとつ、あらためて注目すべきは、石原慎太郎都知事との連携だ。
 民主党幹部がこう語る。
「いわゆる『石原新党』が、立ち上げのための秒読み段階に入っています。石原氏の存在は、野田政権も官邸も最近まで『ただのロートルおやじ』と軽く見ていましたが、都による尖閣諸島の買い取り問題で、再び脚光を浴び始めた。
 この石原新党に合流を図っている民主党議員もおり、もし維新の会やみんなの党と連携しあえば、総選挙で合計100議席獲得は固いと見られています」
 永田町では、消費増税法案を巡る民主党内の意思統一が難航し、通常国会会期末になっても、内輪揉めを続けた。この光景に国民は呆れ果てており、どういうシナリオでも、求心力ゼロの野田政権の終焉が近づいていることは確かだ。
 衆院解散・総選挙が行われる時期は、遅くとも年内は確実。最速では9月までの会期延長の後、即座に衆院解散に至る、というシナリオも囁かれている。
 政治評論家の屋山太郎氏はこう語る。
「橋下氏と石原氏の共通点は、ともに『日本の統治機構を潰す気でいる』ことです。既得権に凝り固まった古ぼけたシステムを壊さないと、この国は潰れてしまうと叫び続けている。
 いまや官僚機構の守護者に変節した野田首相に対し、それを壊すことに挑戦する橋下氏と石原氏。次の総選挙では、そうした構図が明らかになるでしょう」
 他にも、自民党の安倍晋三元首相、民主党の前原誠司政調会長ら、橋下氏に秋波を送っている与野党の幹部クラスも多い。そして、公明党とは「大阪と兵庫で公明党候補がいる選挙区には維新の会から対立候補を立てない」ことで、水面下の同盟関係ができ上がっている。
 維新の会幹部の一人は、「いざ解散という号令がかかったときが勝負」としてこう話す。
「解散の際、いまはまだ既成政党に〝潜伏〟させている維新シンパの国会議員が、一斉にこちらに合流してくる。橋下さんは、そのチャンスが来るのをじっと待っています」
 永田町では、消費増税に「政治生命をかける」と言い放った野田首相が、結局は瑣末な党内抗争の収拾に四苦八苦している。自民党はそんな民主党に増税の責を押しつけ、政権を奪還することしか考えていない。
 これでは、この国は永遠に変わらず、新しい未来は開けない。既存の政治家たちが扉を固く閉ざすつもりなら、それを素手でぶち破ろうとする男に、期待してみるしかないではないか。

飯田哲也元大阪市特別顧問 山口県知事選出馬
「橋下維新」で脱原発を目指す

橋下徹・大阪市長は都市計画や公務員改革、財政などのスペシャリストをブレーンとして活用している。その一人が橋下氏の元を巣立ち、7月12日公 示の山口県知事選に挑む。飯田哲也氏(53歳)。NPO法人・環境エネルギー政策研究所所長で、脱原発の急先鋒だ。その飯田氏が橋下市長に学んだ政治手法 について語った。
 特別顧問辞任の挨拶をした際、橋下さんからは『よくやっていただきました』とこれまでの労をねぎらってもらいました。しかしその場では、選挙や政 治の話は一切しませんでした。橋下さんは今、自分が微妙な立場に置かれていることを知っていますし、私にもわかる。万が一、私が選挙の話など口にしてし まったら、困ってしまうでしょう。
 ただ、もし当選したら、お互いに協力して一緒にやっていくことで意見が一致しました。協力の中身についてはまだ白紙ですが。
 橋下さんの元では原発やエネルギー問題について自由に意見を述べさせてもらいました。各分野のエキスパートをブレーンにする橋下さんのやり方は私 の考えと共通しています。どんなに優秀な人間であれ、一人だけで膨大な議題を適切に処理するのは難しい。私も知事になったら、橋下さんのやり方を参考にし て、ブレーンの力を借りるつもりでいます。
 橋下さんはリアルな変革にこだわり、現実を動かす政治をやっています。原子力の問題を変え得る唯一の政治家ではないでしょうか。その姿は、私の考える政治家のイメージに近い。
 もちろん政治家でないと社会が動かせないわけではありません。逆に政治家になると、時間などの縛りや制約も多く、必ずしも効率的ではない。だから6月17日に出馬表明する直前まで悩みました。
 しかも山口県は保守王国で、県選出の国会議員6人のうち、5人が自民党。安倍晋三さんは元首相だし、他の人も高村正彦さん(元外務大臣)や河村建 夫さん(元官房長官)、林芳正さん(元防衛大臣)といった大物ぞろい。高校卒業まで過ごした故郷とはいえ、そんな土地での知事選出馬ですから、自分でもま だ不思議な感じがします。
 しかし、だからこそ当選すれば山口から日本を変えられるかもしれない。3・11以降、一時は脱原発とエネルギー革命の流れに向かいながら、政治は 民意を無視して大飯原発の再稼働を決めてしまい、安全神話に基づく原発依存に戻りつつあります。その流れを食い止めなければならない。
 ドイツの「緑の党」は6月13日、野田佳彦首相に書簡を送りました。書き出しは「恥を知れ、国民の声に耳を傾け、責任のある行動を取れ」で、大飯 原発の再稼働に反対しています。私も同感です。いまだに多くの人が避難生活を強いられている福島第一原発の事故原因すら明らかになっていないのですから。
 それにもかかわらず、山口県知事選には脱原発の選択肢がありませんでした。すでに出馬を表明している、自公推薦の山本繁太郎さん(元国交省審議 官)も、民主党議員の高邑勉さんも原発推進派です。私が立候補することで、今ならまだ歴史を変えられるかもしれないと思ったのです。
 これからの時代は、電力会社にとって原発が巨大な不良債権になる可能性が高い。中国電力は上関原発(山口県熊毛郡)の建設をあきらめてはいませんが、冷静に考えれば作らないのが正しい選択です。
 原発は20年動かさなければ初期費用を回収できない。しかし、その間に発送電分離などが行われ、原発で作った電気が売れなくなってしまえば、投資費用が回収できなくなって倒産しかねません。
 電力会社は既得権益の固まりです。橋下さんの嫌いな『競争がない』『秘密主義』『高コスト、非効率』の三つにドンピシャでした。
 もし私が知事になることができれば、現実的に変革を起こせる自信があります。橋下維新の会ではありませんが、明治維新を生んだ土地でもう一度、維新を起こしたい。長州と会津が争った前回とは違い、今度は山口が福島を助ける維新にもなるはずです。

真柄昭宏 政策研究者
「橋下徹 人の心を掴むコツ」

私は「政策研究者」として28年間、日本の政治を見続けてきましたが、橋下徹大阪市長は間違いなく新しい時代の政治家像です。
 彼はツイッターを巧みに利用する。ネットの世界の住人は、「作り物」や「偽物」に非常に敏感で、疑い深い目を持っています。だから、本心と違う上辺だけの言葉はすぐに見抜かれてしまう。国民は、ストレートで、人格の表れる言葉を欲しているのです。
 それに対し橋下さんは本心を赤裸々に語ります。例えば、テレビ番組のコメンテーターやマスコミの記者バッシング。時には実名を挙げ、ツイッター上 で堂々と批判します。こんなこと、従来の政治家では考えられなかった。皆、マスコミを敵に回すことを恐れていますからね。しかしこれが、マスメディアに対 して不信感を持っている人たちの気持ちを猛烈に刺激し、彼らの目を釘付けにする劇的な効果を生んでいるのです。
 また、橋下さんは政策的概念を大勢の人にわかりやすく説明するための手段としても、ツイッターをうまく活用しています。
 例えば6月4日の朝6時台から7時台にかけての1時間に、彼は20本の「つぶやき」を投稿しました。テーマは、大飯原発の再稼働問題について。停 電リスクと再稼働リスクのバランスを考えたうえで再稼働を支持したという自身の見解について論じたものですが、これがなかなか高度な議論なんです。普通に 説明しただけでは、なかなか理解するのが難しいくらいの内容なんですが、ツイッターは一度に140字しか書けないので、必然的に少しずつ噛み砕くように説 明することになる。だから、スッと頭に入ってくるのです。
 また、橋下さんは言動の歯切れの良さや力強いリーダーシップから、「劇場型」という点で小泉純一郎元総理との相似性をよく指摘されます。確かに、私もそうだと思う。
 小泉さんは郵政民営化に際して、「自民党の支持基盤を失ってでも俺はやる!」という意気で郵政選挙に持ち込んだ。一方、橋下さんで言えば、大阪都 構想を掲げた先の大阪ダブル選挙がそれですね。選挙期間中、彼には多くのSPがついていた。恐らく、身の危険を感じる場面もあったのでしょう。「それでも 俺はやる」という橋下さんの覚悟が、劇的効果を生んだのです。
 かつては、「命懸けの決意」というのがなかなか国民に伝わりませんでした。しかしテレビの時代になり、さらにネットの時代になると、その本気度合 いが即座に伝わるようになった。以前、鳩山由紀夫さんが首相時代に言った「命を守りたい」という施政方針演説は有名劇作家の手によるものでした。しかし東 日本大震災の際に、民主党政権は命を守ることを最優先にしたとは評価されていません。単なるパフォーマンスは、ネットの世界ですぐ化けの皮が剥がされてし まいます。
 橋下さんが多くの支持を集めている理由。それは、ネットを巧みに使いこなしているだけではなく、偽物ではない、魂から発した言葉を、きちんと国民に訴えかけているからなのです。
「週刊現代」2012年7月7日号より


 では、そのハジモドを持ち上げた木村に聞く。
 大阪はハジモドの独裁政治によって何もかもおかしくなったではないか。教育でも人心の荒廃が進み、何もかもが金。共産党が2015年地方選挙で躍進したのはそういうことへの批判の表れだったのではないか。
 その結果は、大阪からの人口流出への歯止めをかけられないことで明らかだ。歯止めをかけたければ、まずは福祉や教育に金を費やすべきなのは誰の目からしても明快。だが、こういうことには金を出し惜しみしておきながら、財界へ金はホイホイと出すのだから、アホも甚だしい。
 つまり、ソフト不在の行政そのものなのである。そのことを放置してきた木村こそ、旧時代財界人そのものではないか。そんなミキハウスの商品をなぜ勧める気になるのだろうか。私は大きな疑問と違和感を感じた。