2016年10月24日月曜日

日本のネット言論はなぜ劣化するのか・死刑論から


医師がネットで患者を誹謗中傷多発?!▼ 2010年03月08日 02:00
 
 医療事故の被害者や支援者への個人攻撃、品位のない中傷、カルテの無断転載など、インターネット上で発信する医師たちの“暴走”が目立ち、遺族が精神的な二次被害を受ける例も相次いでいる。 状況を憂慮した日本医師会(日医)の生命倫理懇談会(座長、高久史麿・日本医学会会長)は2月、こうしたネット上の加害行為を「専門職として不適切だ」と、強く戒める報告書をまとめた。 
 ネット上の攻撃的発言は数年前から激しくなった。
 2006年に奈良県の妊婦が19病院に転院を断られた末、搬送先で死亡した問題では、カルテの内容が医師専用掲示板に勝手に書き込まれ、医師らの公開ブログにも転載された。警察が捜査を始めると、書いた医師が遺族に謝罪した。同じ掲示板に「脳出血を生じた母体も助かって当然、と思っている夫に妻を妊娠させる資格はない」と投稿(=暴言)した横浜市の医師は、侮辱罪で奈良簡裁から科料9,000円を命じる略式命令を受けた。
 同じ年に産婦人科医が逮捕された福島県立大野病院の出産事故(日本の法定では無罪確定も、国際法上では有罪が確定)では、遺族の自宅を調べるよう呼びかける書き込みや、「2人目はだめだと言われていたのに産んだ」と亡くなった妊婦を(不当に)非難する言葉が掲示板やブログに出た。
 この事故について冷静な検証を求める発言をした金沢大医学部の講師は、2ちゃんねる掲示板で「日本の全(すべ)ての医師の敵。日本中の医師からリンチを浴びながら生きて行くだろう。命を大事にしろよ」と脅迫され、医師専用掲示板では「こういう万年講師が掃きだめにいる」と書かれた。
 割りばしがのどに刺さって男児が死亡した事故では、診察した東京・杏林大病院の医師の無罪が08年に確定した後、「医療崩壊を招いた死神ファミリー」「被害者面して医師を恐喝、ついでに責任転嫁しようと騒いだ」などと両親を(不当に)非難する書き込みが相次いだ。
 ほかにも、遺族らを「モンスター」「自称被害者のクレーマー」などと呼んだり、「責任をなすりつけた上で病院から金をせしめたいのかな」などと、おとしめる投稿は今も多い。
 誰でも書けるネット上の百科事典「ウィキペディア」では、市民団体の活動が、医療崩壊の原因の一つとして記述されている。
 奈良の遺族は「『産科医療を崩壊させた』という中傷も相次ぎ、深く傷ついた」、割りばし事故の母親は「発言することが恐ろしくなった」という。 
◆ 日医警告「信頼損なう」 ◆
 日医の懇談会は「高度情報化社会における生命倫理」の報告書で、ネット上の言動について「特に医療被害者、家族、医療機関の内部告発者、政策に携わる公務員、報道記者などへの個人攻撃は、医師の社会的信頼を損なう」と強調した。
  匿名の掲示板でも、違法性があれば投稿者の情報は開示され、刑事・民事の責任を問われる、と安易な書き込みに注意を喚起。「専門職である医師は実名での情報発信が望ましい」とし、医師専用の掲示板は原則実名の運営に改めるべきだとした。ウィキペディアの記事の一方的書き換えも「荒らし」の一種だと断じ、公人でない個人の記事を作るのも慎むべきだとした。
 報告の内容は、日医が定めた「医師の職業倫理指針」に盛り込まれる可能性もある。その場合、違反すると再教育の対象になりうる。
3月6日 18時16分 配信   読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100306-00000532-yom-soci

2007/10/02(火) 奈良の妊婦の死亡で 遺族を中傷、医師に略式命令 (毎日放送)
http://www.mbs.jp/news/kansai_GE071001180300052108.shtml

 去年8月、奈良県で分べん中に意識を失った妊婦が、19の病院に受け入れられずに死亡し社会問題となりましたが、 インターネット上でこの遺族を中傷した医師が、刑法の侮辱罪で略式命令を受けていたことがわかりました。
 奈良県五條市のAさん(当時32)は去年8月、病院で分べん中に意識不明となりましたが、奈良や大阪の19の病院に受け入れられず、帝王切開で出産後に亡くなりました。
 その後、医師専用のインターネット掲示板(ソネット・エムスリー)にAさんのカルテなど個人情報が流出、さらに掲示板には「妊娠したら健康な子が生まれ、脳出血の母体も助かって当然と思っているこの夫には妻を妊娠させる資格はない」とという書き込みも掲載されました。
 奈良県警は個人情報保護条例違反などの疑いで捜査を進めてきましたが、遺族の名誉を傷つけたとして、この文章を書いた横浜市在住の医師を刑法の侮辱容疑で書類送検、奈良簡裁が科料9,000円を命じる略式命令を言い渡しました。
 奈良県警は、カルテの情報を掲示板に流出させた人物についても捜査を進めているものとみられます。



 日本のネットの劣化ぶりは大変なものがある。
 私は以前、医療過誤犯罪で加藤克彦自称医師(国際法により『福島県立大野病院産科医による医療過誤・業務上過失致死事件』と呼称)を前身の『新生活日記』で厳しく批判した。その時に加藤自称医師を不当に擁護する間抜けどものすさまじいヘイトスピーチに呆れ返った。
 その時に私はすでにアクセス禁止ツールを導入していたので、IPアドレスを強制公開した上でアクセス禁止を言い渡したが、とにかくネット言論の劣化をその時点で見抜けなかった不明に今は恥じている。なお、加藤自称医師は今でも犯罪行為を認めず冤罪と妄想しているが、その言葉を言う資格はネオナチジャパンに二度も痴漢の冤罪をでっち上げられた植草一秀・正統早稲田大学教授であると言ってやろう。大淀事件の遺族は「中傷は被害者を苦しめるだけでなく、医療界の信頼を下げるということも強く考えてほしい」と話しておられたが、そのとおりなのである。この言葉は加藤自称医師にはさぞかし痛かろうが、人間としての良識を失ったのならもう、獣としか思えない。
 更に蕨市のカルデロン一家不当強制送還犯罪。これでもネット言論のヘイトスピーチが目立ち、アクセス禁止を言い渡したが呆れた事にやらかした輩共はヘイトブログを立ち上げて傷の舐め合いをする始末だ。なぜ私が厳しく叱ったのか、その理由を彼らは理解できていないのである。
 彼らの思想はある種のDeep clean、つまり徹底的な浄化社会である。この浄化社会はたしかにその思想の中では平和なのだろうが、やりたいことも希望も何もない。それでは何もいいわけがない。つまり、情報に対する距離があまりにも取れていないのである。ネトウヨと言われる輩はその点すさまじいまでに自己崩壊しているが、今やどの思想にもそれは言える。
 私は持病故に医師と付き合っているが、主治医には常に情報開示を行っているし、逆に薬を変えるときにも薬の副作用を確認しているのである。
 よってそういう形で意思との信頼関係ができている以上、机上の空論に踊るバカ共は一切相手にしない。そういうバカどもほど、総理大臣と妄想するアベシンゾー(国際法では単なる公権力犯罪者にすぎない)に騙されている奴隷であり、騙されている方にも責任があるとだけ指摘しておこう。騙す方は自らは決して手を汚さない。騙されている輩は自らの行動を正当化させて手を汚している。それだけの違いにすぎない。
 同じことは、死刑廃止論に対する犯罪被害者遺族の一分にある不当な拒否論に言える。こういった論理は国際法でも、道徳論でもすでに破綻している。破綻したものをあたかも正当なものであると思いこむ彼らには『王様は裸だ』と言い続けるしかない。岡村勲なる『弁護士』は完全に破綻した論理もどきで日弁連の決定に不当な文句をつけていたが、瀬戸内寂聴氏に厳しくたしなめられて涙目だった。
 バカウヨ共はそんな岡村『弁護士』の『主張』を正当と決めつけ、瀬戸内氏への卑劣なヘイトスピーチを展開し、『謝罪』を押し付ける犯罪行為を行ったが、国際法では明らかに瀬戸内氏の指摘が正当であることは明快だ。すでに国連では日本政府に対して死刑の廃止を事実上命じる国連決議を出しているのだ。
 そもそも、死刑はいま犯罪抑止力に何一つ役に立っていない。逆に凶悪犯罪者共は死刑を悪用して自らの犯罪を正当化しているのだから、完全犯罪を死刑が皮肉な意味でアシストしているとしか思えない。それで被害者が浮かばれるのか。私のこの指摘に死刑賛美派共は反論できるか。何一つ出来ない。
 荒川沖連続殺傷事件の死刑囚は最後まで反省せず、被害者遺族は今でもやるせない思いを抱えて生きている。彼らは裁判で『死刑にしろ』と言ったことを後悔しているのではないか。もう、これ以上の過ちを犯すのはたくさんだ。
 ネット言論は現実から学ぶべきである。現実は一つや二つの回答では出てこない。奥深いものであり、苦しみながら答えを出していくものなのである。まだしも、滝本太郎弁護士のようにきちんとした現実から死刑規制論付きの死刑ならまだしも分かるが、今の死刑賛美論は明らかに歪んでいる。