2017年5月10日水曜日

桃田賢斗『選手』への引退勧告

バド桃田賢斗5月に復帰 15日に出場停止処分解除
[2017年3月12日18時23分]
日刊スポーツ
 日本バドミントン協会は12日、都内で理事会を開き、違法カジノ店での賭博行為で無期限の試合出場停止とした男子シングルスの元世界ランキング2位の桃田賢斗(22=NTT東日本)の処分を解除することを満場一致で決めた。処分解除日は5月15日で、15日以降試合出場が可能になる。
 銭谷欽治専務理事(64)は、処分解除に至った理由を「NTT東日本からバドミントン、仕事に対する取り組みの報告を受け、理事会があることに理事のみなさんに報告していた。積み重なって、そろそろ時期的にいいんじゃないかということになった」と説明。解除日が5月15日となったことには「明確な理由はない」としたが、5月27日からさいたま市で行われる日本ランキングサーキット大会のエントリー締め切りが5月15日であることが関係していると示唆。「本人、所属チームが出るでないは選択肢がある」としたが、同大会での実戦復帰が濃厚とみられる。
 国際大会への出場は、現在日本代表ではないため、自費参加となり、なおかつ日本協会の強化本部長の特別許可が必要となる。上松強化本部長は国際試合派遣に関し、本人の意志があるなら「前向きに検討したい」とした。

1.1年ボランティアして免罪符とは一体何なのか
 私はこの処分解除に断固として反対する。
 理由は、あまりにも早すぎるということだ。賭博で永久追放処分を受けた元西鉄の池永正明氏に示しがつかないこともある。池永氏は金銭授受をしたことで八百長(敗退行為)に巻き込まれ、金銭授受を認めた上で「絶対に八百長などしていない。先輩である田中勉から『預かってくれ』と言われた金を押入れにしまっていただけだ」と主張し、刑事事件としては不起訴処分となったものの、日本野球機構側は、『依頼金を受け取り返さなかった事、誘われた事実を機構事務局に通報するのを怠った事、実際に1969年シーズン終盤に短いイニングでKOされた試合が2試合あったこと』を理由に1970年5月25日に永久追放処分とした。そして処分は2005年まで解除されなかった上、解説者として呼ばれないなど未だに事実上永久追放された状況にある。
 その池永氏は桃田の処分解除になんと思っているのだろうか。金銭授受だけで処分されたのに対して桃田は実際したのだから永久追放すべきなのは言うまでもないと思っているのではないか。

2.社会のカジノ排除が進まない段階での復帰は時期尚早だ
 私は社会のカジノ排除運動が停滞している状況にいらだちを感じている。
 カジノは後述するように、依存症へと導きかねない。パチンコやくじ等、もはやその実態は深刻なのは誰の目からしても明白なのだが、その対策は全く進んでいない。むしろ逆にワンピースやちびまる子ちゃんなどアニメやウルトラマンを使うなどして煽る傾向が目立っている。
 適度に行えばいいじゃないかという意見があることは私自身も承知だ。だが、その限度を知らない人が多いこともまた事実なのだ。

3.ギャンブル依存症当事者への支援が必要だ
 NPO法人潮騒ジョブトレーニングセンターのように、依存性当事者の社会復帰に取り組む団体はあまりにもまだまだ少ない他、社会からの理解も得られにくい現実がある。
 例えば、薬物依存症だ。この薬物依存症で主に支援を行っているのはダルクと言われる団体(薬物依存症などの取り組みで先駆的な役割を担っている潮騒ジョブトレーニングセンターもダルクの流れをくむ)だが、まだまだ少ないというのが現状である。
 その現状にどうやってメスを入れるかが必要だ。次の段階は、地域の中でどう生きていくかなのだが、それは時間がかかるのが現状だ。精神疾患当事者の社会的復帰を目指す『べてるの家』でも、時間がかかったのだ。
 そこで、政府はカジノなど全ての賭博の規制を強化すべき時期に来ている。

4.賭博そのものへの規制として売り手と胴元が販売額の各2割、買い手が1割の賭博税を導入せよ
 私は賭博税の導入が待ったなしだと見ている。
 この賭博税は、競輪・競馬・オートレース・ボートレースも含めた全ての賭博に導入し、売り手と胴元が販売売上額の各3割、買い手が販売額の1割を払うことで成り立つ税金にすればいい。
 つまり、たばこ税の賭博バージョンと言っていい。2000年段階で公営5競技の売上合計が約6兆8,000億円、宝くじが9,500億円、パチンコが約28兆7,000億円であるから、これらの合計は約36兆4,500億円にも上ると指摘されている。そこに賭博税として追加して課税すれば、25兆5150億円の収入が新たに得られる。
 賭博を心理的に規制させると同時に、真面目に働いてもらえば納税者が増えるのであり、善の循環になっていく。
http://www.crs.or.jp/backno/old/No536/5361.htm

5.桃田は潔く引退しなさい、それがアスリートとして最後の姿勢である、一般人として無名の立場に戻りなさい
 池永氏が金銭授受だけで処分されたのに対して桃田は賭博にプレイヤーとして関わり、違法性も認識していた。
 その段階でも桃田を永久追放すべきなのは誰の目からしても明白だ。今回の不当な処分解除に対し、私は桃田に以下の勧告を行う。

1.5月14日までに明確に土下座も含めた謝罪の上で、現役引退を表明すること。
2.引退後、バトミントン教室を土日限定で地域のバドミントンスクールで行うと同時に、依存症に関する講演会に積極的に出て自身の体験談を話すこと。
3.NTT東日本は退職しないでそのまま中卒待遇の平社員としてやり直すこと。
4.潮騒ジョブトレーニングセンターのカウンセリングを1ヶ月に1度、それも20年間受け続けること。

 たったこの四つの勧告はかんたんなことである。
 桃田は今すぐ実行すること。それしか彼にやる道はない。