2018年7月12日木曜日

言葉に対する責任を知らない 渡辺明

 今回の書人両断はあまりにも悪質な男である。
 この男を厳しく糾弾することで、再発防止に繋げる必要がある。ただ、罪は厳しく指弾したとしても、家族までの攻撃は許すつもりはない。その点は間違いのないように明言したい。

スマホカンニング冤罪の三浦弘行九段「名誉回復」果たす執念の残留
古作登  | 大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員
2018.3/5(月) 12:43
https://news.yahoo.co.jp/byline/kosakunoboru/20180305-00082352/

 藤井聡太四段(当時)のデビュー29連勝(新記録)、羽生善治竜王の「永世七冠」達成と平成29年度の将棋界はまるで映画のストーリーのようなできごとが次々と起こったが、年度末の順位戦A級最終日でも奇跡と思えるようなドラマが演じられた。
 3月2日静岡市「浮月楼」で行われた第76期順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)A級最終10回戦は挑戦権争いをしていた6勝3敗の上位陣がすべて敗れ、佐藤天彦名人(30)への挑戦権は6勝4敗の順位上位から稲葉陽八段(29)、羽生竜王(47)、広瀬章人八段(31)、佐藤康光九段(48)、久保利明王将(42)、豊島将之八段(27)の6人によるパラマス方式(下位から順に対戦)のトーナメントで争われることになった。
 残留争いは深浦康市九段(46)、三浦弘行九段(44)が5勝5敗の指し分けでA級の座を守った。渡辺明自称棋王(33/以降呼び捨て)、行方尚史八段(44)、屋敷伸之九段(46)はB級1組に降級。
 4日に行われたプレーオフ1回戦は豊島八段が久保王将を降した。

「陥落即引退」宣言の棋士もいたA級の重み
 通称「将棋界の一番長い日」と呼ばれる順位戦A級最終日、いまから20年ほど前には毎年NHK・BS2の特別番組で朝から深夜の終局まで中継され、筆者も何度か司会として現場の空気を体感したことがある。
 なぜ棋士やファンはA級の座にこだわるのか、それは現在8つあるタイトルのうち名人だけはA級棋士以外挑戦できない仕組みになっているからだ。圧倒的な強さで順位戦C級1組昇級を決めている藤井聡太六段(15)も名人挑戦まではクラスを1年1つずつ(C1→B2→B1→A)昇級せねばならず、さらにA級で1位になることが必要で最低4年かかる。かつて大山康晴十五世名人(1923年~1992年)は「A級から陥落したら引退する」と公言していたが、それだけこのクラスを維持することの重みを感じていたのだろう。
 筆者も今回の最終日は挑戦権争いより、断然残留をかけての戦いに注目していた。中でも渡辺―三浦九段戦は序盤の駒組みから終局まで目が離せなかった。

「スマホカンニング冤罪事件」から早1年
 一昨年秋、三浦九段は第29期竜王戦(読売新聞社主催)で渡辺自称竜王(当時)への挑戦を決めていながら、ソフトを対局中に利用したと疑われた「スマホカンニング冤罪事件」により挑戦権を不当にはく奪(七番勝負は丸山忠久九段が繰り上げ出場)された。その後も出場停止で順位戦も不戦局扱いとなってしまい今期A級は不本意ながら張り出し扱いの最下位、11位の圧倒的に不利な状況(同星は順位上位者が残留)でスタートした。
 コンピュータソフトを将棋の研究に用いることは若手を中心にトップ棋士間では一般的になってきたが、2013年にA級棋士として初めて、世界コンピュータ将棋選手権優勝の「GPS将棋」と対局した三浦九段は早くからその優秀性に気づき、ソフトの手から学んでいた。当然研究手はソフトに似てくるはずで、現在公式戦で生まれる新手や新定跡も多くは「ソフト発」、時代を先取りしていたにすぎない。
 一昨年末に第三者委員会から「不正行為は一切なく潔白」の発表があり昨年春に日本将棋連盟との和解が成立したあとでも、ネットなどでは「疑われるほうが悪い」、「対局中にソフトを使えなければきっと弱くなる」など心無い中傷が続けられていたのを三浦九段はどのような気持ちで受け止めたのであろうか。
 これは筆者の推測だが「勝ってA級に残留すればそうした雑音はいずれ聞かれなくなる」と信じていたのかもしれない。
 三浦九段は今年1月の8回戦を終えた時点で3勝5敗と残り2局を勝つよりない状況だったが、2月1日の9回戦で当時挑戦権レース首位を走っていた豊島八段に執念の逆転勝ち。そして今回渡辺と残留を懸けた直接対決。三浦九段は負ければ即陥落、渡辺は負けても深浦九段が久保王将に敗れると同じ4勝6敗でも順位の差で残留という状況だった。

序盤の優位を生かし押し切る
 大一番は先手三浦九段の角換わり棒銀に対し後手は穴熊。序盤から先手が主導権を握って駒がぶつかった時点で筆者の手元のソフト評価値はプラス500点以上と三浦九段優勢、渡辺も懸命の粘りを見せたが深夜0時5分の終局まで形勢の針が後手に振れることはなかった。
 わずか10分後、深浦九段も勝ったため渡辺は8期連続で守ったA級の座から無念の陥落となった。
 誰の助けも借りられぬ盤上において自力で「名誉回復」を果たした三浦九段の頑張りは多くのファンに勇気を与えただろう。

<三浦九段プロフィル>
 1974年2月13日群馬県生まれ。西村一義九段門下。
 87年6級で奨励会入会、92年四段。96年棋聖戦で羽生善治七冠(当時)を3勝2敗で破り初タイトル。当時の愛称は、無口で将棋一筋の人柄から「武蔵」(たけぞう)。
 2001年順位戦でA級昇級を果たし八段昇段。03年NHK杯優勝。10年名人挑戦(0勝4敗で羽生に敗退)。13年九段。15年将棋日本シリーズ優勝。竜王戦1組通算9期。A級通算16期。
※2017年度正統竜王

古作登 大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員
1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。1982年大学生の時に日本将棋連盟新進棋士奨励会に1級で入会、同期に羽生善治、森内俊之ら。三段まで進み、退会後毎日コミュニケーションズ(現・マイナビ)に入社、1996年~2002年「週刊将棋」編集長。のち囲碁書籍編集長、ネット事業課長を経て退職。NHK・BS2「囲碁・将棋ウィークリー」司会(1996年~1998年)。2008年から大阪商業大学アミューズメント産業研究所で囲碁・将棋を中心とした頭脳スポーツ、遊戯史研究に従事。大阪商業大学公共学部助教(2018年~)。趣味は将棋、囲碁、テニス、ゴルフ、スキューバダイビング。

 渡辺は三浦九段の努力に嫉妬したに過ぎない男である。
 古作研究員の今回のコラムで明らかになったように、三浦九段は時代の流れを見抜いて努力していた。努力をせずに王座の位置に甘受していた渡辺は三浦九段を恐れていたのではないか。努力なき者が、でかい口を叩けるとは笑止千万、話にならない。
 三浦九段のソフト不正使用疑惑が濡れ衣だったことが判明した問題で、2017年5月24日に渡辺が疑惑をでっち上げた事について、三浦九段に直接会って謝罪し、将棋連盟は三浦九段に金銭面などの補償をすることで合意し、今後は3者は将棋の発展のために力を合わせるという。
 それなら、将棋連盟はその時点で渡辺を永久追放及び罰金2億円(うち1億円は三浦九段へ引き渡すこと)処分(全ての戦績も没収処分にし、強制敗北認定にする)に処すべきだった。それもしないのだから、TOKIOの山口達也のような勘違い男がのさばるのだ。渡辺に対して言える言葉は、潔く将棋から足を洗うだけしか選択肢はないという事だ。
 それとも渡辺は、TOKIOの松岡昌宏氏の弟子になってカバン持ちから出直す気か。