2013年10月22日火曜日

薬害を考えよう

2011年11月20日
カルト資本主義

 まず、カルト資本主義という書籍の書評を行う前にこの記事を読んでいただきたい。

<オウム公判>教団元幹部「信仰で現実見失い、ばかだった」
毎日新聞 11月20日(日)9時27分配信

 ◇カルトに居場所求めた秀才たち
 オウム真理教による一連の事件で、元教団幹部の遠藤誠一被告(51)=1、2審死刑=に対する最高裁判決が21日言い渡される。上告が棄却されれば事件の全公判は終結するが、教団を率いた松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(56)の指示で高学歴のエリートらが27人もの犠牲者を出した事件には謎が残る。「車両省」元大臣で09年に教団を去った野田成人元幹部(45)が毎日新聞の取材に応じ、当時の心境を語った。

 ◇「若い人が希望見いだせない社会は危険」
 「信仰で現実を見失い、過ちに気づかなかった。ばかだった」。野田元幹部は事件への謝罪を込めそう総括する一方、「若い人が希望を見いだせない今の社会では再びカルトが台頭してもおかしくない」と警鐘を鳴らす。
 転機は87年。東京大物理学科でノーベル賞を目指したが「逆立ちしても勝てない」先輩がいた。挫折感。一方で、当時のバブル景気に踊り、金を使って遊び回る他の学生たちに嫌悪と疎外感を覚えた。そんな時、「解脱(げだつ)と悟り、人類救済」を説く松本死刑囚の著書に出合った。「ノーベル賞なんて、自分のことしか考えていないことが恥ずかしくなった」。セミナーに2回参加してすぐに出家した。
 修行で「師」の称号を受け、居場所を得て米国で支部拡大を図った。「世紀末にハルマゲドン(人類最終戦争)が起こる」との教えを信じ、「救われたい」との思いを強めた。
 90年の衆院選惨敗で教団は変わった。松本死刑囚は「票がすり替えられた。調べろ」と命じた。異論を漏らした幹部はいつのまにか姿を消した。「誰も(松本死刑囚に)口を挟めない雰囲気が醸成されていた」。教団は武装化に走り出した。
 核兵器研究と「レールガン(電磁砲)」製造の指示を受け、豪州でウラン採掘を試みた。いずれも実現せず、罪に問われることはなかった。93年に始まったサリン生成実験も知っていたが、「作れないと思っていた」。
 だが、地下鉄サリン事件直後、故村井秀夫幹部から教団の関与を聞いた。捜索が入り、自分と同じような幹部の大半は逮捕された。
 「自分がやっていることを現実に使った場合にどうなるか、個々の信者は考えていない。組織が大きくなり断片しか見えず、みんなが動いていることに安心してしまう」。その時を振り返り、こう付け加えた。「一つの世界に閉じこもると現実が小さくなる。輪廻(りんね)転生を考えると、今の現実世界で人が死のうと全く関係ない。そこに大きな乖離(かいり)がある」
 逮捕を免れ教団に残った自分も「人類救済の理想に比べれば、事件は相対的に小さかった」。だが、信者の住居を確保しようとするたび反対運動に遭い、「教団は社会の中にある」と思い直して現実世界が大きくなってきたころ、ハルマゲドンが起きるはずだった世紀末は過ぎていた。
 教団内で事件の謝罪と賠償を主張したが04年7月、医薬品無許可販売で逮捕され有罪に。教団は「アレフ」と「ひかりの輪」に分裂、自身は09年にアレフから「追放された」。
 現在、ホームレス支援に取り組む野田元幹部はこう呼び掛ける。「派遣切りや引きこもり、社会は事件当時より悪化している。若い人が捨て鉢になってカルトに居場所を見つけるかもしれない。我々が社会を発展させる段階で失ったものを取り戻す努力をしないと」

 今回、書評で取り上げる「カルト資本主義」は日本屈指のジャーナリストと言うべき斉藤貴男氏が出した著作である。
 この本には京セラ、ソニー、EM菌から鳩山由紀夫まで、カルトに走った企業の社会の実態が明らかになっている。1997年に出された当時と比べても、残念だがカルトが支配する実態は変わっていない。さらに私はこのようなコラムを書いている。


カルトが形を変えて忍び寄る(小野哲)

2011/01/01 00:34

 新年早々、書き初めならぬ考え初めは『トイレの神様』ブームを取り上げたい。
 トイレ掃除をすれば幸せになるという新興宗教まがいの動きには不愉快な思いを感じる。そんなのは語らず、自ら率先して顔に出さないでやればいいまでの事だろう。「トイレの神様」というタイトルで植村花菜なるフォークシンガーが歌っているようだ。
 その動きに鼻高々なのが『NPO法人 日本を美しくする会 掃除に学ぶ会』だそうだ。イエローハット創業者である鍵山秀三郎相談役の「掃除を通じて、世の中から心の荒みをなくしていきたい」 との強い思いで社会に広く開かれた活動となり、どのような人であっても参加でき、初めての人も、経験者も、共に下座に徹し、同じ目線でトイレ磨きをしてきたそうだ。
 トイレを磨く中で多くの気づきを得、物を大切にする心を育て、物にも心を見出し、感謝と感動と謙虚さを生み出し、人間関係を大切にし、心豊かな人間社会を目指しているというが、ちょっと退いて見ると何の事はない、新興宗教そのものではないか。
 またこの団体は自主参加を勧めているようだが、企業研修の名目で強制参加させられているケースもある。これでは伊勢神宮近くの五十鈴川で禊研修を強要する三菱グループ、トヨタ自動車グループ(ミサワホーム不正乗っ取り事件、プリウス事件など)、総合警備保証、東芝(ココス事件)、ワシントン靴店、三井グループ、住友グループ、宇部興産、名鉄、パナソニック、出光興産、キューピーとどう違うのか、説明願いたい。
 またイエローハットは2ちゃんねるでも悪名高いブラック企業ランキングに入っている。到知出版社から5冊本を出しているがこの会社は元々地産グループの竹村某がやっていた会社で、竹村が脱税で逮捕されるまでは孔子の本ばかり出していた。つまり、『成功したければ俺達のロボットになれ』という支配者にとって都合のいい思想を押し付けてきたのだ。
 『宗教には関係ありません』というが、もう一種の宗教になっているのではないか。そのムーブメントの延長線上に『トイレの神様』ブームがあるなら、実に気持ちが悪い。私には『章晃(尊師)マーチ』を聞かされているようで不愉快である。

 宗教は人の心を支配するのではない。
 宗教は人の心にブレーキをかける装置でしかないのだが、人を支配するツールではないのだ。人を支配するツールなら、それこそカルトなのだ。


http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%88%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%96%8E%E8%97%A4-%E8%B2%B4%E7%94%B7/dp/4167443023


2012年05月06日
優先順位を間違えるから医療過誤が起こる
【埼玉】

市に契約延長申し出 羽生総合病院「移転は仕切り直し」
2012年4月19日 東京新聞(中日新聞)

 羽生市の「イオンモール羽生」西側駐車場への移転を検討していた羽生総合病院(同市)が河田晃明市長に、現在地の使用賃貸契約の延長を申し出ていたことが分かった。病院担当者は「移転は一度仕切り直ししたい」と語った。
 関係者によると、病院から申し出があったのは先月十五日。前日には河田市長が病院側に、イオン駐車場への移転は困難とする回答を提出した。市側は現在地の継続使用を前提に検討中という。
 現在地は市が三十年間無償で貸与しており、今年十一月五日に契約が終了。病院は施設の老朽化などから移転を計画し、昨年末には河田市長に病院移転を求める約七万五千人分の署名を提出した。
 病院担当者は「病院を建てるまでには三年ほどかかり、現段階で移転先が決まっていないので契約の延長を申し出た」と説明。移転については「市から提案されている土地もあるので、延長が決まった段階であらためて協議したい」と述べた。 (増田紗苗)

羽生総合病院:現在地賃借延長望む 市、今後の構想要求 /埼玉
毎日新聞 2012年04月28日 地方版
 羽生市の河田晃明市長は27日の定例記者会見で、移転を検討している埼玉医療生活協同組合「羽生総合病院」(羽生市、松本裕史院長)から、市が無償貸与している現在地の賃借契約延長を要望されたことを明らかにした。土地の契約期限は11月5日。河田市長は「病院の今後の構想を聞き、延長を前向きに考えたい」と述べた。病院側には5月末までに構想を説明するよう求めたという。
 同病院は昨年12月、老朽化のため大型商業施設「イオンモール羽生」(同市川崎)西側駐車場に移転を希望し、周辺住民ら約7万5000人の署名を集めて市に提出。駐車場は、地権者の県企業局がイオンと契約している土地で、両者とも移転を拒否したため、市側は今年3月に「移転は困難」と病院側に回答していた。
 河田市長は「市民に説明できるように、今後の計画を示してほしい」と強調。病院の担当者は取材に対し「移転場所は白紙」と話している。【大平明日香】

 私は以前、埼玉県及び羽生市を批判し、病院に無料賃貸している土地を無償で譲渡するよう勧告した。
 それはあまりにも失礼で傲慢な対応をした埼玉県およびその方針を支持した羽生市ができる最低限の罪償いである。そんな彼らに何が今後の計画を示すよう迫れる資格があるのか。チャンチャラおかしい。更に私に強烈な提案でもさせるつもりか。
 よろしい、私からさらに提案をさせてもらう。これはあくまでも最小限の提案だ。

1.徳州会が3割、羽生市3割、埼玉県およびイオングループが各2割で建設費をまかなう。その際にイオングループは羽生市、埼玉県と連盟で羽生協同病院を運営する埼玉医療生活組合に謝罪すること。
2.イオンの取引先の協力を得て病院の建設を行うこと。その際には地元羽生市に仕事が全て入るようにする。
3.羽生市は現敷地の所有権を無償で埼玉医療生活協同組合に譲渡して今までの無礼な経緯を謝罪し、関係者を懲戒処分にするなどの厳重な処罰を行うと同時に今後このようなことのないように改善を行う。また、埼玉県は全市町村と共同でパチンコ店、ラブホテル、風俗関連施設の建設及び入居を厳しく規制し、居抜きであっても進出を抑制し、跡地に積極的に介護福祉施設や幼稚園・保育園、障がい者支援施設を進出させること。こうした経済こそ、TPPよりも今後日本が進んでいくべき道である。
4.イオンディライトと徳州会は総合FMSの締結を行い、立体駐車場の管理をディライトに請け負ってもらうほか省エネでもアドバイスをもらう。新病院では太陽光発電システムを導入する他、廃棄物を処理するプラントを建設した上でバイオガス化してコージェネレーションシステムを導入すること。そうすることで電力の安定した確保にもつながっていく。
5.イオンが運営するハピコムと徳州会は薬剤や医療周辺用品の共同購入で提携する。
6.埼玉医療生活組合を5年以内に非営利団体にする。医療は利潤には似合わない。これには様々な課題があることは承知だが、きちんとクリアしていかねばならない。
7.埼玉県内にあるイオン各店に障がい者支援に関する講習施設を誘致する。風俗関連に人が流れないようにする必要がある。

 風俗関連ビジネスを封じ込めることは暴力団の資金源を封じ込めることにもつながる。
 また、天下り利権の封じ込めもこれにつなげる必要がある。すなわち、天下りを禁止して全員福祉ビジネスに転じてもらうのはどうだろうか。そうすることで単なる経済的利益よりも社会的な利益を日本は上げていくことになる。
 出来ないというなら、やるしかない。それが今の日本に求められている。


2012年05月16日
規制緩和という名の暴走 薬の場合
 今回、取り上げる規制緩和は一般薬のネット販売に関してである。

 「一般用医薬品のインターネット販売に関する意見書 -安全性を無視した規制緩和に反対する-」提出2011-01-21
 2011年1月21日付で、意見書記載の薬害被害者団体、消費者団体等は、一般用医薬品のインターネット販売に関して、規制緩和に反対する意見書を内閣総理大臣、厚生労働大臣、特命担当大臣(行政刷新・消費者)、消費者委員会に対して提出しました。
 2009年6月の改正薬事法施行に伴い、省令により、第3類医薬品を除き、一般用医薬品のインターネット販売が禁止されました。
 ところが、内閣官房設置の「情報通信技術利活用のための規制・制度改革に関する専門調査会」(専門調査会)で、一般用医薬品のインターネット販売規制の緩和に向けた審議・ヒアリング、パブリックコメント募集を実施しました。審議によれば、インターネット販売の規制緩和に向けた提言がなされることになっています。
 薬事法改正は、厚労省において医学・薬学の専門家を中心とした検討会での約5年間に及ぶ審議に基づくものであり、改正の主眼は一般用医薬品の販売制度の改善にありました。省令公布後も、医学・薬学の専門家、法律の専門家、薬害被害者、インターネット販売業者など様々な立場の委員が参加した「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」においてインターネット販売の規制が維持されています。
 今回のインターネット販売の規制緩和への動きは、これまで長年かけて議論した「改正薬事法」に至る議論を無視するものです。
 しかも、
① 専門調査会の委員は、インターネット販売業者やインターネット等の情報通信に関する専門家で占められており、医学・薬学の専門家や薬害被害者など医薬品のリスクについて十分な知識を有する委員は含まれていない
② 薬害被害者団体には直接のヒアリングをせずに書面で簡単な回答を求めただけで、消費者団体等にはいかなる形式のヒアリングも実施していない
③ 審議もヒアリングを実施した日の僅か1回だけであり、今後の議事日程を見ても、充分な審議時間の確保は見込まれず、国民の生命・健康に関わる問題の議論としてはあまりにも短期間である
などの問題があります。
 今回の動きは、長年かけた議論を無視し、医薬品の安全性に関わってきた者を排除して一般用医薬品のインターネット販売規制の緩和を推し進めようとするものであり、到底容認できるものではありません。
 規制緩和をすすめる人たちは、高齢者や障がい者、離島居住者などの利便性が損なわれると主張していますが、むしろ、これらの方々に対してこそ、専門家の指導による適切な医薬品の使用が強く求められます。消費者が求める利便性は、あくまで安全を前提にしたものなのです。
 そこで、私たちは、改めて、一般用医薬品のインターネット販売に関して、規制緩和に反対する意見書を提出した次第です。

http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=773 薬害オンブズパースン会議より引用

 ネット販売に関して言えば、私も基本的には賛同できない。
 理由はまだまだ努力が足りないからだ。たとえば、置き薬を売る「配置販売業者」ですらも薬の副作用が明らかになっているのにネットで同じことが起きない保証はないのである。薬剤師または登録販売者による販売を義務付けさせると同時に、第一類医薬品に関しては販売を厳しく規制すべきだ。
 いや、第二種医薬品でも過去薬害事件を起こした危険な代物がある。クロマイN軟膏 6gというものでなぜか第2類医薬品に該当しているが、販売している第一三共は以前クロマイによって愛娘を殺された遺族から裁判を起こされて不誠実な態度に終始している(だが追い詰められてしぶしぶ1989年に和解した)。しかも副作用が骨髄に対する作用で、個人によっては、低濃度でも再生不良性貧血を来す。乳幼児に対してはさらに注意が必要で、急性心血管虚脱を特徴とするグレイ症候群 (grey baby syndrome) となる場合がある。
 こんな命に関わる危険な薬がなぜか第二類医薬品なのだから、目を点にして驚くだろう。私は第一三共(特に旧三共)の商品をボイコットしているのはそうした事への憤りが有るからだ。もし病院で第一三共の薬を出されたらすぐに後発薬で第一三共ではないものを選ぶ。
 ネットの場合、不特定多数に販売するため問題が非常に大きい。そのため、私はまずは配置販売業者に優先して薬剤師もしくは登録販売者による販売義務付けを徹底させ、地域に密着させるべきだと考える。命に関わる危険な薬に関しては無条件で第一類医薬品にすること。そこから始めて行くべきだろう。
 今回は規制緩和未遂に終わったが、この動きは今後もないとはいえない。薬というのは恐ろしい。イギリス・スウェーデン資本のアストラゼネカが開発した抗がん剤イレッサの副作用によって、間質性肺炎などを発症し、死亡した肺がん患者の遺族が、イレッサを販売したアストラゼネカ社と、イレッサを承認した国を相手に、損害賠償を請求している薬害イレッサ訴訟からも考えて欲しい。この薬害では2002年8月に発売され、2004年3月までの間に、3万5千人の患者に投与され、死者は444名にのぼっている。
 この和をネット極右どもは「ごく一部」と決め付けているがとんでもない、アストラゼネカは情報を隠していたことが明らかになっている。しかも、政府は急いで承認することばかりにこだわった。これこそが規制緩和がもたらしたとんでもない弊害であった。
 今はインターネットが発展しているので、薬害情報に関して政府はもっと把握すべきだったのだ。皮肉なことにイレッサはアメリカでは事実上承認されないことが確定した。政府はあやまちを認めるべきだ。また、患者たちには医師に対して説明責任を求めるべきだ。私は今まで医師に対して投与される薬に対する副作用を厳しく確認して失敗したことはない。


2012年07月01日
狂食の時代
 「狂食の時代」はイギリス屈指のジャーナリストであるジョン・ハンフリースの著作である。
 この事に関してはあるサイトで詳しく載せている。
 以前私はウォルマートに関する書評で養殖鮭での作業環境が劣悪であると指摘したがハンフリースはこのように暴いている。

 現代の魚の養殖法は集約養殖だ。多国籍企業が全養殖場の75%を傘下に収めている。例えば何万というサケが水中に詰め込ま れている(最大規模の集約養殖魚場では、十万尾を超える魚を同じケージに入れている。最悪のケースでは、一尾につきバスタブ 半分の広さしかない。一つのバスタブに成長した二匹のサケが放たれて、死ぬまでそこで暮らすのだ)。シーライス(超小型くらげ)の寄生や病気に苦しむサケも多いが、高度に加工された飼料と絶え間ない薬品投与によって生かされて いる。大半のサケに与えている飼料には、とんでもなく高い濃度の油分が含まれている。このせいでサケは下痢を繰り返し、魚肉 は柔らかくなる。結果の一つは、お買い得の切り身に浮かぶ太い白線だ。脂肪である。下痢を免れたとしても、ケージ内には大量の排泄物が浮かんでいる。このせいで感染症が広がり、えらを冒された魚体は大量の粘 液を分泌する。養殖サケは感染性サケ貧血にもなりやすい。これは、魚がかかる一種のインフルエンザだ。病気は他にもある。心筋症候群、感染性膵臓壊死等々。集約的サケ養殖場自体が魚にとっては不健康な場所なのだ。
・ 養殖魚に多くの病気があることは心配だが、それ以上に心配なのは病気が別の種にまで広がっていくことだ。問題の一つには 、養殖ケージが効果的な監獄ではない、という点がある。現在、何十万というサケがケージから脱出に成功している。ネイチャー によると、北大西洋で捕獲されたアトランティック・サーモンの、ほぼ40%が養殖サケだった。問題は養殖魚と野生種との交雑だ。 実際、野生のサケが元の川に帰ってこなくなるケースが非常に増えている。
・ サケ養殖場からの廃棄物に含まれているアンモニアは、アレクサンドリウム・ミニトゥムと呼ばれるプランクトンの発生を促 進する。このプランクトンが出す毒素はたちが悪く、麻痺性貝毒の原因となって人間にも害を与える。さらにシーライス対策として頻繁に用いられている殺虫剤により、記憶喪失を引き起こす貝毒の被害が出た。
・ 養殖サケの身を野生と同じようなピンク色にするためにサケの飼料には人工カンタキサンチンが含まれている。人間が直接口 にする食べ物にカンタキサンチンを添加するのは禁止されている。網膜上に黄色の微粒子が蓄積することがあり、発達段階にある小さな子供たちの場合は目に損傷を受けやすいとされている。だが、鳥獣用飼料への添加は禁止されていない。ニワトリはいまだにカンタキサンチンの入った飼料を食べている。卵黄の発色を よくするためだ。魚用飼料に対する規制もない。
・ 生涯を終える養殖サケは10日間、絶食させられて、最後の30日間はケージからよそに移される。残留薬品の問題をクリア するためだ。だが、こういうことをしたとしても、様々な薬品の大量投与や殺虫剤が人間の健康を蝕む可能性を示す証拠が次々と 明らかになっている。
・ 農漁業食糧省内の食品汚染局が1999年に、ダイオキシンとPCBについて作成した内部資料が流出した。そこには、週に 二度以上魚を食べたとしたら、WHOが定めた安全値を超えるダイオキシンとPCBを摂取してしまう可能性があると書かれてい る。
・ アメリカの科学者たちが遺伝子組み換えサケを作り出した。このサケは、野生サケの六倍のスピードで成長する。今のところ 、この「化け物サケ」の商業的養殖は行われていないが、それも時間の問題だろう。
・ 現在、ニジマスの成長速度を70%早めるような合成ホルモンを開発中だ。さらに魚にDNAを注入するというワクチン接種も 開発中だ。ワクチンには免疫反応を直接的に引き起こすような物質が入っている。危険なのは、DNAが魚の染色体の中に落ち着 いてしまうという点だ。その魚は遺伝的に組み換えられてしまう可能性がある。
・ 養殖サケ1キロにつき、2キロないし3キロの「収穫」魚が餌として必要だ。これでも、減りつつある漁業資源を救う手立てになるのだろうか。
・ 1999年のイギリス政府報告によれば、抗生物質の半分が農業で使われていて、人間が使用しているほぼすべての抗生物質 が農場の動物に与えられてきた。これが院内感染の原因になっているのでは?
・ 1950年代に、アメリカで抗生物質がニワトリの成長促進剤になるという発見がされた。それが他の動物にも適用されてい った。
・ 抗生物質は恐ろしい感染症の原因となる細菌を殺したが、そのせいで食中毒のリスクを増大させるような農業システムが始ま った。抗生物質を使えば、動物を短期間に大きくできるだけでなく、集約化を進めることもできたからだ。
『狂食の時代』 ジョン・ハンフリース  講談社
http://blogs.yahoo.co.jp/mutsukarilab/32881619.html より参考
http://www5.ocn.ne.jp/~kmatsu/kyoushokunojidai/00index.htm

 ウォルマートなどのアメリカで消費される養殖サケのほとんどはチリ産のアトランティック・サーモンだ。
 だが養殖サケは、養豚場の豚と同じように狭いところに押しこまれ、病気を治すためでなく、予防のために大量の抗生物質がつかわれている。海底には大量の排泄物が堆積し、その周囲は死の海と化す。100万匹のサケが出す排泄物の量は、人口6万5000人の町の排泄量に相当する。そのうえ、サケに与えるエサも海洋汚染の原因になっている。
 この事にグリーンピースは改善を要請した。そのうち大手ディスカウントストアのターゲット社は養殖鮭の販売を中止している。だが、足並みをそろえない限り無理だろう。私は環境税の導入が不可欠だと考えている。海洋汚染の除去を販売業者や生産業者に義務付けさせるだけでも違う。それには市民と言う人たちがお利口になるべきだろう。

この記事へのコメント
興味深いテキスト http://koti.phnet.fi/petripaavola/massdeathsofanimals.html
Posted by telson at 2012年07月01日 17:57


2012年07月24日
誰のための新薬か
インドがジェネリック医薬品の無料提供を計画、大手製薬会社にとって痛手に
2012年 07月 5日 15:13 JST
 [ムンバイ 5日 ロイター] インド政府は、全国民に無料でジェネリック医薬品(後発医薬品)を提供することを計画している。予算規模は54億ドル。
 計画では、公共医療機関の医師は無料のジェネリック薬をすべての患者に処方することが可能になる。
 この計画は昨年承認されていたが、これまで公表されていなかった。当面の予算配分は数週間以内に発表される見通し。
 ただし医師が処方できる薬は一部のジェネリック薬品に限定されていて、商標登録された薬を処方した医師は処罰される。インドは医薬品の分野で世界有数の成長市場であり、大手製薬会社にとっては痛手となる。
 KPMGのパートナーで化学・医薬品部門の欧州責任者であるクリス・スターリング氏は「業界にとって打撃となることは間違いない。特にインドでは最近、業界にとって逆風となる決定がいくつか下されていた。医薬品会社が新興国市場の戦略を見直す可能性がある」と指摘した。
 インド政府は、新制度の導入で、5年以内に最大で12億人の国民の半数が恩恵を受けるとみている。
 保健・家族福祉省のL.C. Goyal次官補は「ジェネリック医薬品のより有効で合理的な使用を促進することが政府の目標だ」と述べている。
 今回の動きは、ファイザー(PFE.N)、グラクソ・スミスクライン(GSK.L)、メルク(MRK.N)などの世界的な医薬品大手にとっては痛手となる。これら企業は新たな治療法の研究に巨額の費用をかけ、インドなど新興国市場における商標医薬品の飛躍的な成長を目指している。インドでは医薬品売上高の約90%をジェネリック医薬品が占めている。
 インドでの医薬品売上高1位は、2010年に国内ジェネリック医薬品メーカーを買収した米アボット・ラボラトリーズ(ABT.N)。グラクソ・スミスクラインがこれに続く。
 調査会社IMSヘルスによると、2005年の医薬品会社の世界の売上高に新興国市場が占める割合は12%だった。これが、2015年までに28%に拡大すると予想されている。新興国市場での売上高の大半は商標登録薬が占めている。
 新制度は2012年末まで開始し、2年以内には全国的に導入される予定。国内のジェネリック医薬品会社のドクター・レディーズ(REDY.NS)やシプラ(CIPL.NS)が最も恩恵を受けるとみられている。

 インド政府の決断は貧困対策としては評価できる。
 その一方で産業の発展と言う観点からは難しい評価になる。しかも開発費の回収のため高価になってしまっている新薬を改善する必要がある。そこに我々は考えるべきものがある。せっかくの新薬なのに高価で生活難に陥り治療を断念したケースも報道されている。
 インド企業にはぜひとも日本のガラパゴス製薬産業に積極参入願いたい。


2012年09月13日
金の切れ目が命の切れ目じゃ残酷だ
インド:“途上国の薬局“の役割を損なうおそれ--ノバルティス社訴訟
2012.9.12 19:38
国境なき医師団(MSF)日本
http://www.msf.or.jp/news/2012/09/5703.php
 スイスの製薬会社ノバルティスが、2011年9月11日、インド・ニューデリーの最高裁判所に出廷し、公衆衛生のために設けられている重要なセーフガードを切り崩す最後の試みを行う。インド特許法上のこのセーフガードは、製薬会社による特許の乱用で薬価が高止まりする事態を防ぐことを特に目的としている。国境なき医師団(MSF)は、ノバルティス社側に有利な判決が出ると、途上国での必須医薬品の普及に壊滅的な影響を及ぼす可能性があると懸念している。MSFは68ヵ国で活動を展開しており、重要な医薬品としてインド製の安価なジェネリック薬(後発医薬品)を使用している。

「エバーグリーニング」を巡って係争
 MSFのインドでの必須医薬品キャンペーン責任者であるリーナ・メンガニーは「提訴から6年にわたり、ノバルティス社はインドに、安価な薬の入手を保証する特許法の規定を改めさせようと圧力をかけてきました。企業の利益の保証にはならないからです。現在のインド特許制度は、製薬会社が同一の薬剤に追加的な特許を付加し、特許独占期間を延長することのできないよう設計されています」と説明する。
 ノバルティス社は、インド特許法の第3条(d)を巡って争っている。第3条(d)には、既知の薬剤の新形態は、既存の薬剤に対し、治療効果の有意な進歩性を示す場合にのみ特許が認められると規定されている。この規定は、製薬業界で一般的な慣習となっている「エバーグリーニング」(既知の薬剤のマイナーチェンジを通じた独占期間の延長)を抑止するためのものだ。

第3条(d)は国際貿易の規定に沿うもの。ノバルティス社は2006年に、抗がん剤メシル酸イマニチブ(商品名グリベック)を特許申請したが、認められなかった。その時の根拠となったのが第3条(d)だ。ノバルティス社の特許申請は、分子標的薬イマチニブの新形態に対するもので、インドでの申請の数年前に米国や複数の途上国で申請し、特許承認済みだった。

 メンガニーは「インド特許法の公衆衛生セーフガードの実効力はすでに知られています。この厳格なインド法のおかげで、HIV治療薬の小児患者向け製剤と多剤混合薬に対する特許申請が却下されました」と話す。いずれも、ジェネリック版による競合を通じ、手ごろな価格になることが望まれている薬だ。
 ノバルティス社が勝訴した場合、インドは現在よりもはるかに多くの特許を承認せざるを得なくなり、その影響は世界に波及することが予想される。その一方で、ジェネリック版の競合は大幅に規制されるだろう。
 ジェネリック薬が競合することで、HIV治療薬の価格が、2000年以降に99%低下し、途上国の患者800万人を対象としたHIV治療の拡大が可能になっている。
 MSFの必須医薬品キャンペーンのエグゼクティブ・ディレクター、マニカ・バラセガラム医師は「インドは“途上国の薬局”です。この判決の影響はインド国外にも及びます。ノバルティス社の訴訟は、途上国の何百万人もの人びとの生命線に迫る脅威なのです」と訴えている。


 ノヴァルティスには以下の報道を知ってほしい。
 インドよりも裕福な日本でもこんな悲劇がある。


順天堂大学
がん治療センタートップページ > 患者さんとご家族を支援するプログラム > 市民公開講座 > 第8回市民公開講座
第8回市民公開講座 質疑応答
  「講演2:化学療法の効果と副作用」

Q: 薬害で死亡するということはあるのでしょうか。
A: 薬害による死亡はその因果関係をはっきりさせることが難しいですが、実際には起こりうる事象です。新しい薬剤の開発やあたらしい治療法を調べる臨床試験では、こうした事実が報告された場合に臨床試験そのものの中止・変更を厳しく検討します。臨床試験では、薬剤の副作用、有効性、標準的治療との比較などの試験結果を経て一般的な治療法として世の中に普及していきます。最も重要なことは一般的な治療法として普及した治療法の選択が抗がん剤を扱う医師に求められています。どのような状況の患者さんにどの抗がん剤をどのくらいの量で投与すべきなのかという問題は単純に過去に報告された医学論文だけで決めるのではなく、患者さんお一人お一人の治療歴、症状、臓器の機能がどのくらい障害されているかなど様々な観点から適切な治療法、薬剤の選択、投与量をよく検討する必要があります。
Q: 金の切れ目が命の切れ目と言われるぐらい薬が高いですが、今後公的負担で、少しでも安く治療が受けられるようになるのでしょうか?
A: 高額な治療費に対して公的負担によって、治療費の負担を軽減する仕組みはあります。 しかし、分子標的治療薬は高額なお薬であることが多く公的負担による軽減をはかっても、月にお支払いする治療費はやはり高いことが多いと思います。医学論文や海外の学会報告などの医学的な根拠だけではなく、こうした経済的な問題にもきちんとした説明が必要な時期に迫られていると思われます。
Q: 副作用の中で脱毛がとにかくつらいのですが、脱毛しない抗がん剤の研究は進まないものでしょうか。カツラを使用しているのですが、暑さも風もつらいです。乳がんより副作用のほうがつらいかもしれません。
A: 抗がん剤による副作用を軽減する研究は現在でも行われていますが、確実に有効といえるような治療法はいまだに確立されていないことが多いようです。

http://www.juntendo.ac.jp/hospital/cancer/lecture/kouza_08_2_2.html

http://www.gsic.jp/society/st_05/59.html
高額な治療も安心して続けられる支援制度への取り組み
「生活実態に見合った治療費負担に!」高額療養費制度を見直してほしい
がんサポート情報センター

 開発費用に多額の費用がかかったことを考えると一概に悪いとは言えないが、少しは考えて欲しい。
 貧困層には『死ね』、富裕層には『どうぞ長生きしてください』。こんなふざけた話はあるのだろうか。命に貴賎の違いはない。ぜひとも、大手製薬産業に提案したい。貧困層で承諾を得た方に新薬の実験を行う代わりに治療費を安くするなどの工夫をお願いしたい(ただ、副作用で死ぬ可能性がある場合は家族も含めて承諾し支援を行うことが必須なのだが、結果が思わしくなかったら潔く撤退することも一つの勇気だ)。
 無論、開発するサイドから言わせるとふざけるなという思いなのだろう。だが、求められている人たちのことも考えて欲しい。ノヴァルティスはそのことも配慮に入れて行動を願いたい。
 金の切れ目が縁の切れ目ということわざがあるがこれは『金の切れ目が命の切れ目』である。


2013年02月02日
薬のネット販売解禁に反対する

【社会】
薬ネット販売 解禁へ 最高裁「省令で一律禁止無効」
2013年1月12日 東京新聞朝刊
 医師の処方箋なしで買える一般用医薬品(市販薬)のインターネット販売を原則禁じた厚生労働省令が違法かどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(竹内行夫裁判長)は十一日、国側の上告を棄却した。省令を違法として原告のネット販売業者二社の販売権を認めた二審・東京高裁判決が確定した。
 判決は「ネット販売を一律に禁止する省令は改正薬事法を逸脱し、違法で無効」と指摘。ネット販売は事実上、解禁されることになり、国は規制についての再検討を早急に迫られる。判決は裁判官四人全員一致の結論。
 二〇〇九年六月に施行された改正薬事法は、市販薬を副作用のリスクの高い順に一~三類に分類。厚労省は省令で、一部の毛髪薬や胃薬の「一類」と、風邪薬などの「二類」について、薬局などでの対面販売を原則としてネット販売を禁止し、ビタミン剤などの「三類」のみネット販売を認めた。
 これに対し、「ケンコーコム」(東京都港区)と「ウェルネット」(横浜市)がネット販売を全面的に認めるよう求めていた。
 今回の判決は「改正法はネット販売の規制や対面販売を義務付けておらず、必要性も明示していない」と指摘。立法過程の議論などを踏まえ、「そもそも国会がネット販売を禁止する意思を持っていたとは言い難い」とし、「省令は改正法の趣旨に合わない」と結論付けた。
 一〇年三月の一審・東京地裁は「副作用による健康被害を防止する手段として必要性が認められる」と省令を適法とし、業者側の請求を退けた。だが昨年四月の二審は、改正薬事法にネット販売の一律禁止は明記されていないとし、省令は違法と判断。逆転敗訴となった国側が上告していた。

 責任のとれないトンでも判決に開いた口がふさがらない。
 ネット販売の規制は当然である。脱法ハーブや合成麻薬がネットで売られているのが現実であり、そうしたことへの規制と今回の判決もどきはどう考えても整合性に欠いたものである。産経新聞ではこのような記事があったので引用する。

【薬ネット販売】
各国、厳正な認証制度
2013.1.11 20:47
 海外に目を向けると医薬品をネット販売している国は多い。ただネット上では偽造医薬品が世界的に増加しており、各国は厳正な認証制度を設けて不正サイトとの差別化を図っている。
 国立国会図書館・社会労働課の調査によると、米国では、米国薬剤師会が定めた基準を満たしたネット薬局に認証を与える制度を運用。認証前に検査官による立ち入り検査が実施され、基準が満たされているかチェックしている。2013年1月現在、32のネット薬局の認証登録がある。
 英国も専門団体に登録されたネット薬局のみがネット販売できる仕組み。ドイツも発送までの時間や消費者相談の対応体制などの要件をクリアしなければネット販売は許可されない。
 いずれも認証されると専用ロゴマークの使用が許可されるため、消費者はネット購入の際の安全性の目安とすることができる。

 いいや、これでも甘いというのが現実だ。
 そこで、私からは以下の提案を行う。

 薬のネット販売は厳重な審査の元、きちんとしたドラッグストアおよび置き薬業者が主導権を持ってしか販売を認めない。
 参入する場合はネットでの注文の前後に認定資格を持った薬剤師などが注文者の自宅を訪問して使用方法や副作用を必ず説明する事。
 販売できる市販薬は薬害被害者による規制委員会で承認されたもののみとする。つまり過去一回でも薬害を起こした場合は販売禁止とする。

 薬害被害者にとっては利便性よりも安全性を重視するのは当然のことだ。そのことを全く分からないようではヤフーにせよ楽天にせよお粗末としか言いようがない。しっかりしてほしい。

この記事へのコメント
おひさしぶりです。

薬ネット販売なのですが、論外のまだ外ですね。
現在でさえ違法薬物の管理ができていないのに、何を考えているのでしょうか。
裁判官てアホなんか賢いのかよくわかりません。
向こう10年麻薬等の犯罪がなくなってから、議論すべきです。
でないと警察の仕事を増やすだけです。
Posted by 金魚 at 2013年02月02日 09:16


2013年02月02日
コメント回答 2013年2月2日
 お久しぶりです、金魚さん。
 私は薬害に関してかなり怖いと考えています。医師の薬ですらも薬害を起こすのに、一般大衆薬になると管理できないという怖さがあります。薬局がこうなのですから、ネットになればなおさらです。
 私は個人的に第一三共の商品をボイコットしています。それには理由があり過去、薬害で7歳の幼い少女の命を奪っておきながら謝罪を何一つしていないからです。その商品はクロマイで、なんと驚くことなから、第二種医薬品でコンビニでも売れる可能性があるというとんでもない代物であります。
 人の命を一度でも奪った医薬品は一定の期間は第一種医薬品扱いにすべきというのが私の考えです。ましてや民事訴訟になったのにもかかわらず三共の経営陣どもは一度も法廷に出ていないし謝罪もしていません。こんな連中の利益をアシストしたいと思いませんよ。
 裁判官のおバカぶりは今に始まったことではございませんよ。だってどう考えても会社が悪いのに従業員のせいにするトンでも判決を垂れ流すなど、世界中の物笑いになっているのです。

http://www.net-ric.com/advocacy/datums/92_8yamaguchi.html 時事通信社休暇訴訟
-最低裁は労働者不当敗訴判決を垂れ流しています。その結果、原発事情を取材するため長期休暇を申請した山口俊明氏(1942-2010)は不当解雇を受けています。

 そのほかにも植草一秀氏の痴漢冤罪事件での有罪押しつけ判決(無罪を決定づける証拠を植草氏が出移出したのにもかかわらず懲役刑を押し付けた)、山口県光市の母子暴行致死事件(被告人が発達障がいという精神疾患であったのにもかかわらず死刑を押し付けた)など、最低裁は国際基準と比較して劣化が進んでいます。
 このことを保守派は喜んではいられないのですよ。「権力者を恐れるな、国民の目を恐れよ」と私が尊敬する政治家の三木武夫氏は語っています。もし、スターリンや毛沢東のような極左が出てきたら裁判は介入されてしまいますからね。いかに司法が政治から独立性を維持できていないかを今回の判決もどきは暴いた印象ですね。
 ましてや命という観点からもおかしい話だと思います。違法薬品による事件への対応が追い付かない限り今は無理でしょうね。