2019年9月20日金曜日

地方私鉄の再生のカギ


北鉄車両 ちょっぴり若返り 東京メトロの譲渡で“50歳超→30歳”
2019/07/13 05:00
中日新聞プラス

 東京メトロ日比谷線の「03系」四両が北陸鉄道(金沢市)に移籍し、改造工事後に浅野川線(北鉄金沢−内灘)を走る。関係者への取材で分かった。北鉄に新しい車両が加わるのは二〇〇六年以来となる。
 十二日夕、機関車にけん引された03系が石川県野々市市内のJR北陸線に姿を見せた。JR西日本の金沢総合車両所(同県白山市)内で関連会社のJR西日本テクノス(大阪市)が改造工事を実施する。
 地方私鉄は一般的に経営規模が小さく、自前で車両開発費を捻出するのが難しいとされる。東京メトロや前身の営団地下鉄の車両が地方私鉄に譲渡されるのは、長野電鉄や熊本電鉄などでもすでに例がある。
 北鉄によると、浅野川線と石川線(野町−鶴来)の二路線で運行している全二十二両はいずれも関東地方の東急と京王から移籍した車両。製造から五十二〜五十七年が経過し、交換部品の調達が課題になりつつあった。一方、移籍する03系は古い車両でも運行開始から三十年ほどで新しい。
 北鉄は五月下旬、一九〜二一年度に鉄道の安全運行やサービス向上を目的に計八億四千二百万円の設備投資をする計画を公表。老朽化に伴う車両更新も「検討中」としていた。
※十三日付朝刊の記事で北陸鉄道が設備投資する計画が「八百四十二億円」とありましたが「八億四千二百万円」の誤りでした。

 この北陸鉄道、もう一つの路線の石川線について問題がかなり複雑になっている。
 浅野川線は1500Vで、譲渡を受ける東京メトロ03系も同じなのだ。それに対して石川線は600Vである。つまり、電圧が違うので譲渡は簡単な話ではない。そこで、いわゆる地方創生に引っ掛けてこういった地方私鉄の再建に大手私鉄を関わらせるべきである。
 石川線も車両置き換えを機に、1500Vに昇圧して、現在置き換え中の神戸市交通局から2000系の先頭車2両5連の譲渡を受けたらどうか。課題は線路の幅が違うことだが、台車を置き換えたり、制御装置を最新のものにすればいいまでの話である。
 石川線の車両についてはこれを機会に同じ電圧の熊本電鉄へ譲渡すればいいまでである。車両の統一後、コンパクトシティの実現を図るべきだろう。例えば高齢者向けの病院併設型グループホームの設立が望ましい。
 同じような手で、JR東日本がコミットメント可能とみているのが銚子電鉄である。千葉県とのジョイント企業として再生可能である。銚子電鉄は1500Vへ昇圧すると同時に、軌道の改善を図ればいい路線に再生できる。
 代替できる車両はすでにある。2020年以降に置き換えが決まっている横須賀線E217系の先頭車2両4編成への置き換えである。むろん、ただ導入すればいいのではない。LED照明の導入、ワンマン運転への対応が必要だろう。
 路線の近代化と同時に、駅を病院・医院併設型のグループホームに改築するべきだろう。グループホームには再生可能エネルギーの導入を行う。それと同時に駅のホームの屋根に太陽光発電システムを導入する。実験路線としての銚子電鉄を生かせばいいのである。
 長野電鉄についても、現在長野駅から湯田中までの直通車両が旧営団3000系で老朽化しているとのことなので、東京メトロ03系による置き換えがささやかれているが私は反対である。むしろ、現実的なのはJR東日本から高崎方面で走る211系、E217系の譲渡を受け、2両編成5編成にしてVVVFインバータ制御化・LEDライトへの置き換え・先頭車改造・ワンマン運転で譲渡すればいいまでの話だ。同じ手は秩父鉄道、流鉄、伊豆箱根鉄道駿豆線でも使える。しかも、病院・医院併設型グループホームの開発は、やり方次第で障害当事者のグループホームの解説にもつながるのだ。

 皆さんに一つ付け加えておきたい。
 「これが僕の考えた鉄道」みたいに思わないでほしい。現実から、今何ができるかを皆さんも考えてほしい。