2019年10月9日水曜日

甲子園だけが野球じゃない、改革は避けられない

論説 佐賀新聞
高校野球の球数制限
慎重で多角的な議論を
2019/6/24 5:15

 第101回全国高校野球選手権大会(8月6日から16日間・甲子園)の出場校を決める地方大会が沖縄と南北海道で始まり、佐賀県代表を決める佐賀大会も7月6日に開幕する。「令和」に入って初めての大会と並行し、日本高校野球連盟は投手の球数制限に関する検討を着々と進めている。球児の健康を第一に、地方チームの現状も含めた慎重な議論を期待したい。
 高校野球を取り巻く環境は大きく変化している。日本高野連は昨春の選抜大会から「延長十三回タイブレーク」を導入したが、今夏の甲子園大会では休養日を従来より1日多い2日とし、準々決勝の翌日と準決勝の翌日に充てる。ともに球児の身体的な負担軽減などが目的で、こうした改革は今後も一層図られるべきだろう。
 夏の大会は過酷だ。特に、投手の連投による「投げすぎ」が毎年、問題視されている。昨年12月の新潟県高野連の「1試合100球」の提言に端を発し、日本高野連も投手の肘、肩の故障を未然に防ぐための改革に乗り出した。球数制限が導入されれば、100年以上続く高校野球にとって「令和維新」ともいえる大改革となる。
 6月初めに開いた「投手の障害予防に関する有識者会議」では、一定の日数の中で投げられる球数を制限するという方向性が示された。具体的な日数や制限数などについては、9月に行われる会合で検討する。今のところ全国大会のみを対象にするというが、甲子園出場を目指す上で複数投手の育成が必然となることを考慮すれば、そう遠くない将来、地方大会に波及するのは既定路線といえよう。
 1994年の夏の甲子園で県勢初の全国制覇を成し遂げた佐賀商。2年生エースとして決勝までの6試合を1人で投げ抜いた峯謙介さん(小城市)は、今回の球数制限の議論について「難しい問題」と率直に話す。
 投手の調子が良くても、仮に球数が100球に制限されていたら完投は厳しくなる。峯さんは「投手交代はゲームの流れを変えるし、チーム状況によっては複数の投手を持つのが難しい場合もある」。少子化とスポーツの多様化の影響で硬式野球部員が減少傾向にある中で、トップクラスの投手を何人もそろえるのは容易なことではない。佐賀など地方のチーム、それも公立校となればそのハードルはさらに高まるだろう。
 一方で、全日本軟式野球連盟は2月中旬、今夏の小学生全国大会で、1日あたりの投手の投球数を「70球以内」と決めた。これを受け県内の少年野球は直後の3月から球数制限を導入した。投球過多への対応に関しては、小学生世代が高校生世代に先行している格好。制限数ばかりの議論にとどまらず、団体の枠を超えて野球界が一丸となり、幼少期からの対策を進めなければいけないのではないか。また、現場の声として多い「大会日程の緩和」も同時に取り上げられるべき課題だ。
 現状では、球数制限がいつから導入されるのかは不透明。少なくとも、今年の地方大会と全国大会は現行のルールで実施される。一投一打に悔いが残らないよう、コンディション調整に万全を期して臨んでほしい。球児たちにとって、一生忘れられないドラマチックな夏となることを願う。(市原康史)

 球数制限は目先の改革としか思えない。
 そんな小手先の改革よりも、抜本的な改革が甲子園野球に求められている。兵庫県だけでもこれだけ球場があるのだ。

兵庫県
神戸総合運動公園野球場(ほっともっとフィールド神戸)
北神戸田園スポーツ公園野球場(あじさいスタジアム北神戸)
赤穂城南公園野球場
尼崎市記念公園野球場(ベイコムスタジアム)
伊丹市立伊丹スポーツセンター野球場
加古川市日岡山球場
春日総合運動公園野球場(春日スタジアム)
黒田庄ふれあいスタジアム
高砂市野球場
多可町加美運動公園野球場
こうのとりスタジアム
城山公園野球場(アメニスキッピースタジアム)
西宮市津門中央公園野球場
西宮市鳴尾浜臨海公園野球場
西脇公園野球場
日本製鉄広畑球場
姫路市立姫路球場(ウインク球場)
姫路市立豊富球場
兵庫県立明石公園第一野球場(明石トーカロ球場)
淡路球場
兵庫県立但馬ドーム
三木市三木山総合運動公園野球場
広野野球場
加東市グリーンヒル・スタジアム
洲本市民球場
丹波市立スポーツピアいちじま(つかさグループいちじま球場)
加西市営加西球場(アラジンスタジアム)
兵庫県立三木総合防災公園野球場
南光スポーツ公園若鮎ランド野球場

 29箇所もあるのだから、せっかくの資産として生かさない理由がない。

1.甲子園での試合は開幕戦とベスト8からの試合と限定し、29箇所の球場で1回戦からベスト16までを行う。
2.中継については英ダ・ゾーン、米Netflix、韓国パンドラTV、GYAOとする。ただし、PPVにはしない。
3.出場する高校は47都道府県に加えて地域選抜で優秀な成績を収めた高校を複数、中国・台湾・韓国・フィリピンからも受け入れる。

 今のままでは野球人口の減少につながるのは明らかだ。甲子園だけが野球じゃない。だからこそ改革が必要なのだ。